2015年6月29日月曜日

カエターニ&都響の豊満ショスタコーヴィチ11番

 試合後は涼しい顔で職場復帰、しつつも夕方再び脱出して上野へ、聴いたのはカエターニ&都響のショスタコ11番、このコンビは一昨年7番を聴いてますがなかなかの快演だったので11番も楽しみ。

 また都響の11番と言えばデプリーストとの演奏が評判ですが未聴(デプリーストでは8番のみ)、寧ろインバルとのコンビでこの11番の他、5番4番10番とそこそこ聴いてます。

 あとこの公演、前プロが苦手なコンチェルトじゃなく管弦楽曲なのも嬉しいところ、ただ2曲とも初めて聴く曲です。

6月29日(月) 東京文化会館
 オレグ・カエターニ指揮都響 ブリテン ロシアの葬送、タンスマン フレスコバルディの主題による変奏曲、ショスタコーヴィチ Sym11番
 最初のブリテンはHr4,Tp3,Tb3,Tubaとパーカッションのブラス曲、後半のショスタコ11番第3楽章第1主題と同じ歌がモチーフで、柔らかでかつ朗々たるサウンドを楽しみました。続く未知の作曲家タンスマン、原曲は2管オケらしいのですが今回は弦楽版、矢部コンマス率いるフル編成の弦からクリヤーな響きを引き出してました。
 後半ショスタコはHr5,Tp4,Tb3、前半使わなかった棒を手にしたカエターニは第1楽章をやや速めテンポで開始、Hrソロが絶妙、全体に凄みや鋭さはそれ程でもない代わり、個々のフレーズに抑揚を持たせて表情豊か、それでも第2楽章、第3楽章中盤や終楽章はブラスをかなり吹かせ、パーカッションも激しく大迫力、あと先日のラザレフ&日フィルの同曲との比較で言えば、頂点での迫力は互角、そして(ホールと席位置の違いかもしれませんが)低弦をベースとする弦の厚みと揃い具合は今日の都響が上でした。鐘の音が強烈だったラスト、お行儀のいいお客さんだったので鐘の音を「カーン…」とずっと残しても誰も拍手は始めなかったでしょうに、(たぶん)早めに奏者に余韻を止めさせてました。

 インバルとの筋肉質でソリッドな響きのショスタコより、デプリーストとのややメロディックで豊満な響きのショスタコに近い印象を持ちました。

2015 茨城オープン 1日目

 いやはや、昨日のゴールドシップ…。

 そして我がセレソン、やはりネイマールがいないとダメなのか…。

 梅雨の晴れ間でぼちぼちの晴天、ただ気温はギリギリ夏日程度、年に1度の近所開催のオープン大会である茨城OPに参戦、丁度昼休みの時間帯でラッキー。

 1回戦の相手は知人、10年前は団子で勝っていた相手にあっさりリードされ体力勝負に作戦変更、2時間半掛けて7-6,6-1、本選勝ったの久し振り。

2015年6月28日日曜日

マーラー5番が重なって - 小林幸人&上野浅草フィル

 未明に一雨あれど、日中はぼちぼちの晴れ、午後は後輩の結婚パーティーがあれど、午前に練習予定なくゆっくり朝寝、"都心は30度超"との予報を信じて薄着で出たのに気温余り上がらず、日が落ちたら寒い位でした。

 パーティー会場はサントリホール裏手のカフェ、なのでサントリーのマチネ公演、コバケン&日フィルのマーラー5番へ、このコンビの5番はラストのブラスの吹きっぷりが凄いだろうし、との目論見だったんですが安価入手ならず断念(涙)。

 近年在京メジャーの1回券価格はどんどん上昇し、予算内入手はほぼ不可能な状況、東フィルの最安5500円(今季から?)なんて正気の沙汰とは思えません。

 1回券の見掛けの価格を上げ、定期会員の割安感を高めて、定期会員で囲い込み、って戦略と思われますが、守備範囲が非常に狭く、定期公演が10回あれば聴きたいのは2-3回、しかも興味の無い演目はタダでも聴く気無し、って位偏食の自分には無理な相談。

 ただ同時間帯、同じマーラー5番がアマオケでもあって、何で重なるかなぁ、と思っていたのに今やこれが代償行為としては僥倖、指揮する小林幸人氏のマーラーは以前上野の森交響楽団との1番が好印象だったので、そっちに参戦するべく浅草へ。

6月28日(日) 浅草公会堂
 小林幸人&上野浅草フィルハーモニー管弦楽団 モーツァルト Sym40番、マーラー Sym5番
 小林氏は前半モ-ツァルトでは棒を使わず表情たっぷり大袈裟な位の動き、後半マーラーでは棒を持ち踊るような指揮、Hr7,Tp5,Tb3、Tp,Hr両ソロはいい音色でまずまず、弦はやや発展途上の感あれど木管もまずまず、何よりTbがソリッドな吹きっぷりで出色の鳴りで、なかなか壮大なクライマックスを楽しみました。

 アンコールは…、あったかどうか、もう忘れたボケ老人(涙)。

 知人からの情報によると、この日のコバケン&日フィルの5番もなかなか良かったとのこと、く、口惜しい…。

2015年6月21日日曜日

豪快補助Tbのマーラー1番 - 山下進三&昭和大学管弦楽団

 東京に出て午前テニス、午後コンサート、と思ったらサークルのOB会テニスとアマオケのマーラーがバッティング、残念。

 雨の中まず午前中はテニス、少し雨がおさまって昼は教え子の試合の応援、午後もテニス、と思ったら直前になって雨で企画中止の報、オムニコートなら余裕で出来る程度の雨なんだけど…。

 って訳で諦めていたアマオケへ急遽参戦、傘無しでも気にならない程度の雨の中、新宿文化センターへと続く小路を早歩き。

 会場着は前プロのカルメンが丁度終わる頃、ただパンフは配り尽くしたとのことで貰えず(涙)、入ってみれば満席には程遠い状況、準備する部数、控え目だなあ…。

6月21日(日) 新宿文化センター
 山下進三&昭和大学管弦楽団 マーラー Sym1番
Hr10,Tp6,Tb4、やや発展途上の面もあるオケですが、山下氏の大きな棒の下、熱い演奏、終楽章の高揚する部分ではハレルヤ主題になるとかなりテンポアップする解釈が個性的、クライマックスでは10人のHrが補助の6番Tpと共に起立、また1stアシのTbがここでは座ったまま同じパートを吹き、1人でHr全員と同じ音量の豪快さ(ショルティ&CSOのザルツブルグLiveみたい!)、拍手の中、そのアシTbがHrの隣に移動、アンコールのためとは言え、何故?と思っていると、アンコールは終楽章ラストをもう1度、つまりHrとその補助Tp,Tbが集まった次第、しかも当該箇所では金管全員が起立!コバケンみたいな演出です。

 個人的注目点、終楽章中盤ミュート着脱ファンファーレはアシとの分業作戦でした。

2015年6月17日水曜日

尾高&N響のラフマニノフ1番

 本日のボケ老人:
近所のスーパーは毎週木曜が10%OFF、よって豆乳やシリアルを木曜にまとめ買い、今日は水曜なのに間違えて両手一杯に商品抱えてレジに並び、「いつもより空いてるなあ…」。

 曇り時々小雨、気温は25度に届かず、夜は尾高&N響へ、奇特な知人からの頂き物、メインのラフマニノフ1番を実演で聴くのは初めて、ラザレフ&日フィルのライブCDを聴き直した印象では、全楽章同じ音型で始まる点と、ラストしつこく盛り上がる点が印象的。

 ただ同夕7時より銀座にて後輩女子の"就活懇談会"があり、まずそっちに顔出し、よって前座のチャイコPCはパスして後半から参戦しました。

6月17日(水) サントリーホール
 尾高忠明&N響 ラフマニノフ Sym1番
Hr5,Tp3,Tb3、序盤はオケのノリが悪い感じでしたが、徐々に解消、ディエスイレっぽい音型だらけでまさにラフマニノフ、中間楽章はスケルツォ、緩徐楽章のキャラが明確ではなくやや退屈、ブラスの吹きっぷりはそこそこながら弦に厚みあり全体的にはスケール大きなサウンド、終楽章コーダに向けてのテンポの追い込みが印象的で、しつこいコーダではまずまずの迫力。

2015年6月15日月曜日

学園ホラー+本格テイスト - 綾辻行人「Another」

 よく晴れて気温ぐんぐん上昇、最高30.7度、待ちに待った今年最初の真夏日!

 本日は最近読んだ本から、このところ「新参者」など2009年度"このミス"ランクイン作が続いているので手に取ったのが第3位の本作、当時(たぶん)アヤツジ久々の長編、だったのでは。

Another 綾辻行人
 山間の中学校を舞台に都会から来た転校生が遭遇する"呪い"の連鎖とその顛末、基本ホラーながらミステリーテイストもきっちり、前半ややダラダラ感ありましたが、途中から犯人探し要素が加わって身を乗り出し、それに解くのに夢中になってより大きな仕掛けに引っかかりました。

2015年6月14日日曜日

創立40周年に神Tpと情感豊かなマーラー3番 - 和田一樹&豊島区管弦楽団

 夏日、終日の曇り、メキシコ赴任になるテニス仲間の送別会で午前テニス、夜は宴会、昼テニスを抜けて、午後はアマオケ。

 聴いたのは何年か前に見事なマーラー6番を聴かせてくれたオケ、しかも今回は大好きな3番!創立40周年を記念しての大曲とのこと。

 芸劇は自由席を認めない方針なのか、アマでも常に座席指定のスタイル、招待引き換えに並ぶ際、いい席を貰おうと早めに行くと、主催者が良かれと思っているけれど自分には苦手な席(1階前方など)を与えられるリスクもあって、それなら最後に行って3階席最後方を貰うほうがマシかな、といつも戦略に迷います。

 テニスがあった都合上、引き換え開始時間前に並ぶのは無理、結局開演1時間10分前、と中途半端な時間に行き、配られたのは1階3列目中央、とあっさり懸念通りの苦手な席、大失敗です(涙)。

6月14日(日) 芸術劇場
 和田一樹&豊島区管弦楽団 マーラー Sym3番
上記理由によりブラスの本数不明(パンフではHr8,Tp5,Tb4)、同様に全体のバランスも不明、ながら弦管共に安定、コンマスが上手でチャーミング、冒頭含めHr全体の吹きっぷりはぼちぼちながらトップは美音で特に(微妙に難しい)第2楽章が秀逸、Tbソロは野太さ繊細さ両面で見事、そして何よりTpトップが音色、迫力共に神レベルの素晴らしさ、やや強めに吹いた終楽章弱音コラールのハイトーンなど泣かせました。第1楽章後にはブラボー!の声とパラパラ拍手も。第1楽章後(か第2楽章後、もう忘れた…)に女声合唱約50名が舞台後方ひな壇に、少年少女合唱約30名がLBブロックに入場し、第3楽章コーダのffで起立、それと同時にアルトが指揮者左脇に入場、終楽章が始まると間も無くしずしずと全員着席するスタイル、舞台裏左のポストHrソロはTp(かコルネット)使用、初めて接する和田氏の表現は第1楽章の行進曲は楽しげ、第2楽章は表情豊か、そして何より遅めテンポの終楽章が情感たっぷり、アマによる同曲では史上2番目の感動度でした(1番はオーケストラ ハモン)。最後の1音はかなり長め、かつ天上へとすーっと消えてゆくような終え方、でしたがまたブラボー!に打ち消されてました(笑)、アンコールは勿論無し。

 3番はヤングヤマカズ&日フィルテミルカーノフ&読響に続き今年はもう3度目ですが、今日の演奏が1番感動しました。

2015年6月13日土曜日

ラザレフ&日フィルのショスタコーヴィチ8番

 昨日のことですが、職場の正門前の合歓の木がもうピンクの花を付けてました。

 ぼちぼち晴れて最高29.9度(惜しい!)とテニス日和、東京に出て午前テニス、午後コンサート、の予定がコート予約時間の勘違いで練習は無し(涙)。

 午後はラザレフ&日フィルでショスタコ8番、楽しみです。

6月13日(土) サントリーホール
 アレクサンドル・ラザレフ&日フィル ブルッフ VnC、ショスタコーヴィチ Sym8番
 前半ブルッフのソリストは堀米ゆず子、堂々たる弾きっぷり、鳴り止まぬ拍手に応えてアンコールにバッハのしみじみ系。後半ショスタコはHr4,Tp4,Tb4、冒頭低弦の後Vnによる主題の入りが経験の無い弱音、それ以降も弦は強弱大きめの表現、第1楽章中盤狂乱の激しさはそこそこ、直後の静寂で本日唯一の客席向きパフォーマンス、そこから始まるアングレのモノローグに他の木管が加わる箇所での強奏が印象的、第2楽章は穏当なスピードから後半やや加速、Fl筆頭に木管陣は安定、第3楽章は弦が力強い刻み、外人Tpトップのソロも見事、いつも退屈する第4楽章パッサカリア、後半の木管の合いの手(対旋律?)がそれぞれ雄弁(特にFlのフラッタータンギング)で面白く(席が滅多に座らないLAだったせいかも)、頂点ではそれなりの凄みだった終楽章、ラストはゆーっくり消え入る趣向で、音が消えてからもラザレフは10秒以上手をひらひら、その後手を下げてから更に20秒の黙祷。

 恐怖を覚える凄みは感じないにせよ、これまでの4番11番と同様、正攻法で曲本来の響きをきっちり聴かせてくれる演奏と感じました。

 終演後アフタートークがあり、8番をどう語るのか、と注目していたら何のことは無い、内容は来シーズン採り上げる9番、6番、15番の宣伝、6番の第2楽章のグロテスクさをでヒエロニムス・ボッシュの絵に例え、15番では初演のリハーサル風景で接したショスタコーヴィチ親子を語っていたのが印象的。

 この半月でフェドセーエフ、テミルカーノフ、ラザレフとロシアの巨匠を満喫、誰一人として棒を使った人がいなかったのが興味深かったです。明日はアマオケでマーラー3番です!

2015年6月11日木曜日

テミルカーノフ&読響のショスタコーヴィチ10番、とアンコールいろいろ

 昨夜の帰り道、7時半過ぎ、尋常じゃない高さに金星が輝いていてギョッ! 木星を左上方に従え、この両者は今後どんどん近付くらしい。

 最高28度台、よく晴れて夕方から崩れるとは思えない位、昼休み壁打ちで訪れた旧構内、紫のムクゲがもう咲き始めてました。

 夜は東京に出てテミルカーノフ&読響の第3夜、ショスタコ10番です!

6月11日(木) サントリーホール
 ユーリ・テミルカーノフ&読響 プロコフィエフ PC3番、ショスタコーヴィチ Sym10番
 前半プロコのソリストはデニス・マツーエフ(ゲルギー&マリンスキーとのコンビで2度(ショスタコPC1ラフマPC3)聴いてます)、終楽章は弾き終わりと同時に立ってました。拍手に応えてアンコールは当然豪快指クルクル系、と思いきや、可愛い小曲(リャードフとのこと)、そして更なる拍手に応えてジャズ(A列車で行こう?)を、しかも超豪快スーパー指クルクル系!
 後半ショスタコは左にHr4、右にTp3、その後ろにTb3、第1楽章は深刻ぶらず粛々と開始、Fgを朗々と吹かせていたのが印象的、中盤の盛り上がりは弦はかなり頑張ってましたが、ブラスは7-8分程度の鳴り、第2楽章は普通かやや速めのテンポで荒々しさは少なめ、第3楽章は第1主題が妙に速く、安定していたHrソロの"大地の歌"動機が出るとテンポが遅く、中盤クライマックスでもその動機の時だけスローダウン、終楽章前半ではObが表情豊か、後半は標準テンポでやはりブラスの爆発度は低め。盛大な拍手に応えてアンコールがスタートしてビックリ、サントリー定期では珍しいのでは、しかも横浜に続きオハコ中の十八番"エニグマ"ニムロッド、例によってねっとり壮大、嬉しいプレゼントです。

 テミルカーノフのニムロッド、前回の来日では聴けなかったので(2011年以来?)、これが聴けて満足です。

 地元に帰り着いたのは12時前後、既に雨が降り始めてましたが、予報より弱く気にならない程度。

2015年6月8日月曜日

加賀の読み解く下町人情噺 - 東野圭吾「新参者」

 6月からやっとローソンも無料WiFi開通、今初めてトライ中、そこそこ快適。

 本日は最近読んだ本から、先日読んだ「追想五断章」(4位)や「栗きんとん」(10位)と同じ2009年度"このミス"第1位!にして連続ドラマ化もされた加賀シリーズの1作、なかなか100円棚に並ばず、先日漸く実家ブックオフで発見、即読了。

新参者 東野圭吾
 ある殺人事件とその捜査が下町の人々に起こす波紋を描く連作短編風の長編、メインの事件の謎解きは勿論ありますが、どちらかと言うと各章でそれぞれ違う人達に起こる日常の謎系、それをことごとく人情噺へと落とし込む手腕は巧いです、嫌味な程。

 趣向のオリジナリティの高さは感じますが、このミス1位、ってのはピンと来ません。

2015 Masaオープン6月大会

 昨夜の全仏決勝、どうせジョコが勝つだろう、と寝惚けながら観てたら、まさかのワウリンカ!(バブリンカ?どっちかに決めて!)

 その後ちょっとだけ寝直してから葛飾柴又に行きMasaOP6月大会に参戦、1回戦若者に2-6,0-6とスコ負けし、昼過ぎには職場復帰、本日のお小遣いは2100円。

 今日貰ったアドバイス:
バックのスライスからのドロップやロブが嫌だったのでもっと使うように。

2015年6月7日日曜日

筋肉痛の日に迫力ブラスのプロコとショスタコ - 田部井剛&ル スコアール管弦楽団

 テレ東は全仏決勝すら放送しないのか?今朝の時点で未だ電子番組表に見当たらないけど…。
(↑どうやら深夜に男子決勝だけはやってくれる模様。)

 昨日の練習の影響か内腿に激しい筋肉痛、トレーニング含め大したことはやってないだけに練習不足を痛感。

 そこそこ晴れて気温も25度弱とまずまず、早起きして東京に出て午前中は教え子の応援、の積りがCL決勝観戦の影響で朝起きられずパス、練習じゃなくて応援、となると気力が湧かないのが情けないところ。

お昼にゆったり東京に出て午後はアマオケ、プロコロミジュリにショスタコ5番、前後半とも好物です。

6月7日(日) すみだトリフォニー
 田部井剛&ル スコアール管弦楽団 プロコフィエフ ロミオとジュリエット、ショスタコーヴィチ Sym5番
 前半プロコはほぼストーリー通りに独自に10曲選んだ50分弱、よく見りゃ弦バス11本! Hr4,Tp3,Tb3のブラスはHrを筆頭に豪快な鳴りで、タイボルトの死を頂点にかなりの迫力、あとジュリエットの墓の前のロミオでのティンパニの叩きっぷりが豪快。
 後半ショスタコはTpが増えて4本に、やはりブラスの鳴りよく第1楽章中盤やハイトーンが決まった終楽章など迫力十分、第3楽章ではFlソロを筆頭に木管ソロがいい音を出し、弦も頂点ではなかなかの鳴り、アンコールは無し。

 第1楽章後半Hrの難所ソロの手前、弦とのユニゾン全強奏部分ではHrトップは完全休憩(笑)、アシ無し編成でこれだけがっつり休むのはネゼ=セガン&ロッテルダムPO以来かも。

2015年6月6日土曜日

ノット&東響の充実ブルックナー7番

 上手なアマオケでブラスがよく鳴るシベリウスを満喫してから、サントリーに移動して聴いたのはノット&東響のコンビ、メインは大好きなマーラーではなくて、ちょっとだけ好き、って程度のブルックナー、直前に格安入手出来たので急遽参戦。

6月6日(土) サントリーホール
 ジョナサン・ノット&東響 R.シュトラウス メタモルフォーゼン、ブルックナー Sym7番
 前半のR.シュトラウス、ノットは棒を使わず柔らかなサウンド、後半ブルックナーは棒を使用し譜面台は使わず、弦はがっつり対向配置、ブラスは最後列右からTp4,Tb3,Tubaそして専業ワーグナーチューバ4本(ハミルがここに!)と並び、その前列にHrが5本、ノットは最初の2楽章テンポやや遅め、歌う所は歌い、ブラスをそこそこ開放的に鳴らすので楽しめました。終楽章もなかなかのスケール感、全体を通してサウンドに統制が取れていて、もうこのコンビの熟成が進んでいる気がしました。

 フライング、って程ではありませんが、音が消えたけれどノットが緊張を解いていない時に早めの拍手がスタート、昨夜の読響にはお行儀で負けました(笑)。

 秋にあるこのコンビのマーラー3番を俄然聴きたくなりました、が最安4000円は全く手が届かない設定、地道に入手作戦を展開します。

前半パスして満喫豪快シベリウス - 飯田隆&フィルハーモニア・エテルナのエン・サガ、レミンカイネン、フィンランディア

 解散が決定しているアイドリング!、Rの法則に俄然進出中です。

 昨日来の雨が未だ残る早朝、東京に出て午前テニス、午後はアマオケでシベリウス、夜はノット&東響でブルックナー、その後池袋でコンパ。

 午後のアマオケ、演目の3曲はだんだん演奏時間が短くなる変わった構成、好みのプロって訳ではありませんが、上手なオケなのでなるべく聴くようにしています、でも前半は苦手のベートーヴェン、なので練習を1時頃までやり、ベト7はパスして後半からの参戦でした。

6月6日(土) ティアラこうとう
 飯田隆&フィルハーモニア・エテルナ シベリウス エン・サガ、レミンカイネンの帰郷
 弦バスが左にくる対向配置でブラスはHr4,Tp3,Tb3、まずエン・サガではVlaトップが出色、中盤の盛り上がりもTb中心に迫力、続くレミンカイネン、組曲だと思ったら帰郷のみ、つまり5分程、Tpがいい鳴りでした。このプロならアンコールはこれ!との予想通りフィンランディア、アマオケでは過去同曲史上最高のブラスの鳴りを満喫、来た甲斐ありました。

 この後サントリーに移動してノット&東響のブルックナー、それはまた次の記事で。

2015年6月5日金曜日

テミルカーノフ&読響の悠々3番

 例年通り全仏はロシアの篤志家からダウンロードして数日遅れての観戦、シャラポワの早期敗退を今になって知りがっくり、何より今回のウェアはかなりよさげ、だったのにパリの気温およびシャラポワの体調不良のせいで1度も長袖を脱がずに終わったことが何より残念。

 全仏と言えばテレ東、以前放送してた頃は(少なくとも)準決勝以降は毎晩放送してたのに、現時点でいまだ電子番組表に放送予定現れず、今回は錦織の試合以外は放送しない積り?

 夕方からまとまった雨、気温もやや低め、夜は東京に出てテミルカーノフ&読響の第2夜、メインは何とマーラー3番!

 テミルカーノフが珍しくもマーラーを、しかも3番をやるとなれば、個人的には上半期国内オケ最大の注目事、いち早く日曜の文京シビック公演の最安席を確保すれど、ダメ元入札していたサントリー公演をそれより安く入手出来てしまい、音響を考えてシビック公演を手放してこっちに参戦です。

6月5日(金) サントリーホール
 ユーリ・テミルカーノフ&読響 マーラー Sym3番
9本のHrは最初から鳴りよく、若そうなHrトップは見事なソロ、Tbは4本、Tpは4本アシ無し、しかも両トップが舞台上、じゃポストHrは誰が吹くの? 第1楽章はかなーり遅いテンポ、表情付けも時に独特、Tbソロもやや吹きにくそう、このテンポと微妙に判りにくい指揮のせいか入り損ないなどのミスが散見し、長谷川Tpトップや日下コンミスもいつもより不安定、7日はもっと良くなるのでは、一方ティンパニの打ち込みはキレよし。「このテンポなら2時間コースだ」と思いましたが第2楽章以降は普通のテンポ、第1楽章後に音合わせして一服、ポストHrソロ(読響でよく見かける奏者が担当)は実際にポストHrを使ったようなのでまずまず、第3楽章後にPブロックに女声約60人と少年少女合唱約50人が入場、でも、あれ?アルトが入ってきません。なのに第4楽章スタート、すると袖からソリストがしずしずと指揮者脇まで歩いてきます、でも出番はすぐなのでタイミングはギリギリ、3番でこんなの初めて、合唱は第5楽章開始と同時に立ち終了とともに座るスタイル、標準かやや速めとすら感じた終楽章は余り弦が歌う表現ではなく進行(テミルカーノフの指揮に弦が乗り切れていなかったのかも)、クライマックス前のppコラールとクライマックス頂点でのTpハイトーンはさすが、クライマックスの音場はそれなりに壮大。

 ラスト1音が宙に消えてテミルカーノフが完全に緊張を解いてから拍手がスタート、と本日もお行儀のいいお客さん。

 やっぱり7日のシビック公演にすればよかったかも、まあ、その日は聴きたいアマオケもあったので…。

2015年6月4日木曜日

ヘンゲルブロック&NDRのすっきり系「巨人」ハンブルク稿

 藤浪が投げていて終盤で8-0、から追い付かれるなんてあり得ません。

 よく晴れて最高28度台といい感じ、今日からマーラーのダブルヘッダー、今夜はヘンゲルブロック&NDRで巨人ハンブルク稿、明日はテミルカーノフ読響で3番です!

6月4日(木) サントリーホール
 トーマス・ヘンゲルブロック&ハンブルク北ドイツ放響 メンデルスゾーン VnC、マーラー 巨人 <ハンブルク稿>
 オケは2ndVnとVlaを入れ替えただけの対向配置、前半メンコンのソリストは紫のドレスで立ち姿の美しいアラベラ・美歩・シュタインバッハー、アンコールに舞曲っぽい長めの曲(プロコのVnソナタとのこと)。
 後半はお目当て"巨人"ハンブルク稿、ヘンゲルブロックのアイディア入りとのこと、Hr7,Tp4,Tb3、初めて見るヘンゲルブロックは長身で譜面台を使わず常ににこやか、粘りやアクは少なく、1音1音丁寧に描く音作り、またテンポは普通とちょっと違う動かし方、冒頭はTpもHrも舞台裏、しかもHrはファンファーレ以外の部分も舞台裏奏者が、第2楽章(花の章)ではTpソロが舞台左袖、Vnの下プルト裏に出て起立吹奏、ソフトな音色が見事、第3楽章(現行第2楽章)冒頭低弦に重ねるティンパニは無し、第4楽章(現行第3楽章)冒頭は何と弦バスのみのソロでチェロは無し、フレール・ジャックの旋律をおどけて演らせたのと、そのカノンの後半でピッツィカートの合いの手を強調したのが印象的、整然と進む終楽章、中盤のファンファーレはミュート無し、弦は音量程々ながらシャープで均質な音色、木管も達者、そして女性Hrトップが繊細かつ豪快で本日のMVP、Hrは全体でもハードな鳴り、一方Tp,Tbは終始抑えめ、終楽章クライマックス前にTpがちょっと吹いた程度、(勿論)起立しないHrはここでも大迫力。
 アンコールはローエングリン第3幕序奏、Hrは相変わらずいい鳴り、そしてTbがやっと今日初めて8-9分程度吹いて豪快、そして特別コーダのフィニッシュでHrがまた豪快。

 隣席の人が前半「カール・ライスターがいる!」と騒いでましたが、Clトップが本人なのか似た人なのかは判別出来ず。後半出てこなかったから本人だったかも。

 連れには当日(事後連絡)ブッチされ、ブラスを鳴らさないマーラーは個人的には物足りず、やや不満顔でしたが、豪快なアンコールに気分スッキリ。

2015年6月1日月曜日

古典部と死の?ロングマラソン大会 - 米澤穂信「ふたりの距離の概算」

 日帰りのスポット帰省、天気に恵まれ、父母の遺産整理のための銀行および証券会社巡りをほぼ終えて、夜行バスで帰省の途上。

 ひと月前は麦畑だった所にも田植えが済んでいた水田に、でかいアオサギが羽を広げてました。

 本日はこの帰省で読んだ米澤穂信プロジェクト第6弾にして手持ち最後の1冊、「古典部」シリーズの第5作はキング作品へのオマージュにもなってます。

ふたりの距離の概算 米澤穂信
 古典部の面々も2年生となり迎えた新入部員、が急にやめると言い出した謎に主人公ホータローがマラソン大会のうちに解決するべく、回想を交えつつ推理に奮走、謎はいつも以上に小粒で、某作品へのオマージュでもあるマラソン大会が余りプロットと効果的に結び付いていない不満はありましたが、終盤怒涛の伏線回収はお見事。 
<< 以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい! >>
 タイトル及び「遠まわりする雛」からの流れで新入生の退部理由は(入部理由も)恋心だと思ってました(これもミスディレクション?)。あと伏線だけでキーパーソンのフルネームまで推理してしまうアクロバットには驚嘆!