2012年11月19日月曜日

MTT&サンフランシスコ響の重厚長大・針小棒大マーラー5番

 試合にスコ負けした罰として、帰りは路線バスに乗らず最寄駅まで2-3km徒歩で、と歩き始めて20分、急に雨が強くなり、傘を持たず出たので屋根のあるバス停で雨宿り、すぐバスが来たのでつい節を折って乗り込んでしまいました。

 地元茨城の職場には12時前に復帰、雨降った様子無く、どうやら草加付近の雨は局所的なものだった模様、午後になっても寒いまま、終日10度以下でした。

 夜は4日連続コンサートの2日目にしてMTT&サンフランシスコ響の初日、MTTのマーラーは3年前PMFオケで5番を聴いてますが、最近少ない巨匠風で濃厚なマーラーだったので今夜も楽しみ、そしてサンフランシスコ響を聴くのは初めて。

11月19日(月) サントリーホール
 マイケル・ティルソン・トーマス&サンフランシスコ響 ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲、マーラー Sym5番
 前半は誰かのコンチェルトから変更になってのラフマニノフで個人的にはラッキー、速い曲想、特に冒頭からしばらくの速さにビックリ!主題を転回して作った哀切なメロディー部(「ある日どこかで」やCMで有名)はオケは割とあっさりだった反面、紫のロングドレスのソリスト、ユジャ・ワンはかなりロマンチックに、鳴り止まぬ拍手に応え、アンコールはMTTとの連弾で楽しいプーランクの曲を。
 そして後半のマーラー、オケは対向配置、木管の後ろに7本のHrが横1列に並び、他のブラスはパーカッションの並びで右奥、Tpソロは朗々として見事ながら(本人のスタイルかMTTの指示なのか)癖のある吹きっぷり、MTTは第1楽章からテンポは揺らすわ殆どのフレーズでタメたり粘ったりするわとやりたい放題、オケもいい鳴りっぷりで第1楽章で既にお腹一杯です。極端な表現が随所にありましたが、特に第4楽章終結、弦が下降しながらffからppへと消えてゆく箇所を「9番の終楽章かよ!」と突っ込みたくなる位ゆっくり1音1音刻み込んでやっていたのが印象的。
 明るい音色の弦はゆったり響かす際はボリューム不足の感あれど、激しく刻む際にはシャープな存在感あり、今一つの感じだった木管の中、草笛の如きObトップの音色が個性的、また要所でのティンパニの打ち込みも強烈、そしてブラスがやはり出色で、Hrソロはのっぺりした吹き方で色気ゼロでしたがパート全体ではなかなかの鳴り、Tpは3rdが驚く程精彩を欠いてましたが、1stは勿論2ndもいい鳴り、そして何よりバストロ筆頭にTbが充実の鳴り、第1楽章終盤のコラールはまだ余力を残した感じでしたが、終楽章では見事なサウンドが鳴り響き、ほぼ満足の大団円でした。

 久々に「重厚長大」マーラーと感じたPMFの時と比べ、旋律の最初でタメる基本パターンは共通ながら、手兵ゆえかあざとさとテンポの揺らし度が上昇し、重厚長大に「針小棒大」まで加わった感あり、楽しかったです。

 明日は同じコンビでラフ2、ラフマニノフでここまでやるとは思えませんが、楽しみです。

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