2005年11月9日水曜日

改変の理由 - 理由 <'04>(日テレヴァージョン)

 ここ数日連続しての小春日和。11月は小春というには寒過ぎる、と以前書きましたが、撤回します。十分春並に暖かいです。

 ミステリーの映像化、特にTV化作品となると、原形を留めない位に変容しているものが多く(「霧越邸」とか)、ミステリーサイドからはあまり評価できないケースが殆どという印象があります。

 宮部みゆきのテレフィーチャーと云えば、「サボテンの花」「レベル7」「龍は眠る」「スナーク狩り」「火車」「蒲生邸事件」「R.P.G.」など、いろいろ観ましたが、純本格系ではないだけに映像化に向いているのか、それなりの出来のものもあったような気がします。「理由」も最初BS用に映像化され、その後劇場公開されたと聞きます。昨晩のは地上波用に新たに編集されたものとのこと。兎に角、大林宣彦が監督してるとなれば見逃せません。

理由 (日テレヴァージョン)
 ワイドショー風に再編集、と聞いてはいましたが、レポーターが狂言回しとして要所に出る程度で、基本はオリジナル版と同じと期待してました。が、これ全編ワイドショー風仕立て。しかも実際のワイドショー以上に(煽り)字幕が頻発・常駐し、観辛いことこの上なかったです。BS版および劇場版を観ていないので何とも言えませんが、相当の改変があるんじゃないかと思います。大林節と言える特有のセンチメンタリズムもラストにちょっと出るくらいで、とても監督自身の手になる編集とは思えません。オリジナルを観ずにこっちを観てしまったことを、かなり後悔しました。
 ただ、最近滅多に見ない裕木奈江、中江有里(ミヤベ役!)など、大林監督作品を彩った懐かしい顔に会えた点で少し感動しました。

 そう云えば、赤川次郎作品「長距離電話」のBS用テレフィーチャー「告別」で裕木奈江が凄くいい味を出していたのを思い出します。もう一度観てみたいなあ。

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