2009年5月11日月曜日

シリーズ第1作は周到に計算された伝奇ミステリー - 三津田信三「厭魅の如き憑くもの」

 ヨーロッパラウンドに入っても流れは変わらなかった昨夜のスペインGP、寝ないよう立って観戦したのに、大勢が決した終盤横になったら何とファイナルラップで意識喪失、これで3戦連続の沈没、もうビョーキです。それとも春眠暁を覚えず、ってやつ?意味違うって。お蔭でプロ野球ニュースをまた逃しました(涙)、久々に阪神勝ったらしいのに。

 終日ほぼ曇り、それでも気温はやや高め。昨日来左膝に違和感を感じ、昼休みの壁打ちはお休み。

 本日は週末に読了した本から。本格と怪奇の融合として評判が高く、文庫化を待ちに待った伝奇ミステリーのシリーズ第1作、著者のデビュー長編でもその伝奇部分は言及されています。

 ただ本作、難しい漢字も多い薀蓄部分となると、例えば京極作品あたりと比べると書きっぷりがこなれていない感じでやや読みにくく、週末電車に乗る時だけ読むには少しシンドくて、思ったより時間が掛かりました。

厭魅の如き憑くもの 三津田信三
 憑き物やお祓いなどの因習に支配された山村で起きる連続殺人に、たまたま訪れた主人公が挑む本格作、不可能趣味や多重解決など本格テイストてんこ盛り、その上で更なる周到な仕掛けも楽しめます。ただ状況が判り辛い部分が多く、村や屋敷の見取り図を何度も見返す羽目になりました(講談社文庫版)が、初出時はこの挿絵が無かったとのこと、それじゃあ推理する気が萎えそう。
<以下本作およびヘレン・マクロイ「暗い鏡の中に」を未読の方は飛ばして下さい!!>
 同じくドッペルゲンガーを扱ったヘレン・マクロイ「暗い鏡の中に」への明らかなオマージュと思える部分があるので、個人的には超名作だと思っている「暗い鏡の中に」を先に読んでおくべきだと思います。

 昭和30年代頃の話と思われるのに、ずっと先にならないと返還されない沖縄の話が出てくる点がやや違和感ありました。

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