2012年12月31日月曜日

2012年印象に残った演奏会

 朝夜行バスで石川着、雨、雪は残っておらず、雨はやがてみぞれに変わり、気が付くと青空、また気が付けば雪、また陽射し、そして雷一発とともに吹雪、と石川らしい天気です。

 今年の回顧第5弾は96回行ったコンサートの中から印象に残ったものを挙げることにします。

 まず強く心に残ったのは次の2公演。

MTT&サンフランシスコ響 マーラー5番 (2012/11/19)
 手兵ゆえのやりたい放題の解釈とサンフランシスコ響のブラスの上手さを満喫。

シモノフ&モスクワフィル ショスタコーヴィチ5番 (2012/12/5)
 ショスタコ、そしてアンコールの「くるみ割り」パ・ド・ドゥのド迫力。

 他には以下の公演も、印象度順に。

パンチャス&アジアユースオケ 海、幻想Sym (2012/8/29)
 アンコール、感動のニムロッドに。

上原宏&武蔵野市民響 マイスタージンガー、ハーリ・ヤーノシュ、シベリウス2番 (2012/11/25)
 爆鳴りブラス、激打ちティンパニ。

MTT&サンフランシスコ響 ラフマニノフ2番 (2012/11/20)
 アンコール「ロデオ」ホーダウンの巨大な音場に驚愕。

ジャッド&アジアユースオケ マーラー9番 (2012/8/28)
 終楽章前半に感動、そしてラストはアバド&BPOを超える66秒の沈黙。

長田雅人&オーケストラ・ダスビダーニャ ショスタコーヴィチ7番 (2012/3/11)
 ダスビさすがのド迫力、ロシアンブラス度80%。

ブロムシュテット&バンベルク響 ブルックナー4番 (2012/11/6)
 重厚なドイツ風のサウンドに。

ティーレマン&ドレスデン・シュターツカペレ タンホイザー、トリスタン、リエンツィ (2012/10/25)
 ケレン味だらけの解釈に、特にリエンツィの大迫力。

チョン&ソウルフィル 海、マーラー1番 (2012/1/16)
 ノリノリのオケで初めてチョンの意図するマーラーが100%再現された感あり。

 ボケ進行で記憶の風化が早くなっているため、半年前のP.ヤルヴィ&フランクフルト放響デワールト&ロイヤルフランダースフィル(共に6月)はやや割を食らって次点です。

 あと番外編で以下の公演も:

メルクル&国立音大オケ マーラー2番 (2012/7/16)
 シュテンツ&N響の50秒には及ばないにせよ30秒余の長大クレッシェンド、ラスト1音も最長記録レベル。

インバル&都響 ペトルーシュカ (2012/4/7)
インバル&都響 マーラー3番 (2012/10/28)
 Tpソロパートを2人で分奏させる怪しい解釈。

佐渡&日フィル マーラー6番 (2012/5/25)
 3度目のハンマー、しかも楽譜と違う場所。

十束&市川響 十束尚宏 交響曲 (2012/7/22)
 臆面も無いマーラー9番からの引用に。

2012年12月30日日曜日

2012年1番聴いた曲

 昨夜やっと大団円の「Piece」、中山優馬の二役が思ったより上手でした。

 終日の雨、気温も終日ほぼ6度±1度と低め安定、昨日に続いて職場で残務整理、途中で必要なデータが足らないことが判明(涙)、一部は新年に持ち越しです。

 今年の回顧企画第4弾は、例年通り実演で聴いた曲を集計してみました。

 2012年行ったコンサートは96回、毎年「減らさなきゃ」と言ってる癖に何と過去最高の数!我ながら情け無い限りです。

 で3度以上聴いた曲を挙げると、

10回: マーラー5番
7回: マーラー1番、シベリウス2番、ローマの松
6回: マーラー2番、マーラー9番
5回: ショスタコーヴィチ5番
4回: ラフマニノフ2番、火の鳥
3回: マーラー6番、家庭Sym、幻想Sym、シェエラザード、ローマの噴水、ペトルーシュカ、白鳥の湖、フィンランディア、未完成

となりました。1番と5番が多いのは例年通りながら、2番と9番が5回を超えるのはやや珍しいかも、あと「松」を7回、レアな家庭Symを3回聴けたのは幸せ。

 今夜はこれから夜行バスで雪国へ帰省、明日の大晦日は回顧企画の最終日として、上記96回の中で印象に残った演奏会を挙げることにします。

2012年12月29日土曜日

2012年観た映画、舞台

 夜半まで雨を降らせた雲のせいか、朝は7日振りのプラス気温、まずまず晴れた日中は11日振りの10度超え、平年値がこんなに暖かく感じるとは。

 昨日たっぷり遊んでしまったので、今日は職場で残務整理&年賀状書き、バイロイト中継の時間が近付いてもまだまだ仕事が残っているので、明日も出勤が必要となりそう、「ガールズトーク」最終投票公開イベントは諦めるか。

 年末恒例の回顧企画の第3弾は映画、今年観た映画は何とたったの13本! 目標の週イチ52本はおろか、昨年の34本と比べても半分以下、たぶん中学生以降最低の数値と思われます。しかも5月下旬以降、半年に亘りただの1本も観てません。

 一応言い訳をしておくと、以前は深夜枠でノーカット放送がふんだんにあったのに、最近はフジ「ミッドナイトアートシアター」を筆頭にそれが激減したのが最大の理由と思われます。

 とまあ、碌に映画を観ていないので、特に心に残った作品は無し、強いて挙げれば以下の2本:

きみがぼくを見つけた日 <'09 米>
 興味深いストーリーと激似の子役に。

ツォツィ <'05 南ア/英>
 独特の映像美に。

 一方、裏ベストは強烈なのが1本とほのぼのしたのが1本、どちらも印象深いです。

恋の罪 <'11 日>
 マーラー5番をバックにダイナマイト神楽坂恵の鮮烈シーンが2つ、「いらっしゃいませ」と放尿!

ハモンハモン <'92 スペイン>
 ペネロペ・クルスのおっぱい。

 ドラマでは「リーガル・ハイ」の見事な脚本、あと「コドモ警察」「主に泣いてます」「メグたんって魔法つかえるの?」も印象に残ってます。

 とこれだけでは例年より淋しいので、今年から舞台部門を加えます。今年観た舞台は12公演!間違いなく人生最多の数、全て奇特な方からの頂き物です。

 印象に残ったのは以下の2公演、どちらも前半の伏線を回収するミステリー的なプロットに唸りました。

SORAism company 第11回公演 「トーラスギフト」 (2012/12/21)

大人の麦茶 第十九杯目公演 BB [Bumpy Buddy] (2012/5/9)

2012年12月28日金曜日

葬儀の後の一幕劇 - スポンジ 「埋める日」

 昨夜のNHK「黒い十人の黒木瞳。」再放送(パート2の番宣)、なかなか面白かったです。

 昨日程ではないにせよ、マイナス5.7度と厳しい冷え込みで予報より天気悪く朝から曇り、日中も気温上がらず最高は4度台(涙)、夕方からは予報通りの雨、今朝の測定では2kg減に成功、あと1kg。

 例によって奇特な方から舞台のチケットが回ってきたため、仕事は明日以降にすることにして、今日は休みを取ってテニス納め&観劇としゃれこむことに。

 まずは早朝から東京に出て学生とがっつり練習、久我山駅からコートへの途中、紫サルビアがまだかろうじて咲いてました。

 午後1時半自分だけ先に上がり下北へ、2kg減らし(朝飯も抜い)たご褒美に、昨年辺りから評判になっているなんつっ亭ブランドの新店を訪問、たかだかタンメン中盛りでギブアップ寸前になり、胃袋がどんどん小さくなってるのを痛感。

 自由席だったので早めに小屋入りし、舞台から1m程の最前列に陣取って目の前で迫真の演技を楽しみました。

12月28日(金) 下北沢 OFF・OFFシアター
 スポンジ 公演 「埋める日」
母親の葬式を終えた三姉妹の前に色々な人が現れ、家族の間に埋もれていた様々な真実があらわになる一幕劇、セリフで余り説明せず、間と暗転を巧みに使った渋めの脚本&演出が印象的な80分でした。

 帰りの井の頭線、下北ホームで見知らぬ中年女性に「よくお見かけしますが、地方からですか?私は栃木です。」と声を掛けられてポカーン(笑)、「よくお見かけ」されるのが劇場なのか、下北なのか、東京なのかも分からずじまい。

 戻りは東京駅から高速バス、丸の内側駅舎を使った話題のプロジェクションマッピングの(当初予定)最終日、やってないかなー、と期待しましたがやはり中止(涙)、駅構内の各所で駅員さんが「中止」のプラカード持って立っていて大変そうでした。

2012年12月27日木曜日

2012年読んだ本

 昨夜も木星とお月さんはデート継続中、予報通り朝は今年1番の冷え込みでマイナス7.3度と12月としてはかなりの値、風が無かったので体感温度は昨日より高めながら冬晴れの日中の最高は6.4度、1日の平均気温がマイナスになるのはほぼ確実です。

 この2日間、昼飯抜きの朝晩シリアルのみ、の厳戒ダイエットモードで1kg減量に成功、あと数日は継続して帰省までにもう1kgは減らしたいところ。

 2012年の回顧企画第2弾はミステリー、今年読んだ本は46冊、と目標の週1ペース52冊には届かず、電車の中で本を読まずに寝ることが増えたせいか。

 一昨年の乾くるみ「イニシエーション・ラブ」や道尾秀介「向日葵の咲かない夏」ほど強烈な印象の作品はありませんでしたが、懸案だった三津田信三の刀城言耶シリーズを漸くまとめて読めた年、よって1番印象深かったのもこの1冊:

首無の如き祟るもの 三津田信三
 華麗なトリック、そして「顔の無い殺人」と不可分のあるテーマへのこだわりが凄かったです。

 ややインパクトは落ちますが、以下の作品も記憶に残っています、印象度順に:

山魔の如き嗤うもの 三津田信三
 クイーンばりのロジックとカーを思わせるぬけぬけとしたニシンのばら撒き方に。

陸軍士官学校の死 ルイス・ベイヤード
 やや読みにくかったにせよ、仕掛けには唸りました。

仮面よ、さらば 高木彬光
 この連作に込めた壮大な稚気が素晴らしいです。

密室の鍵貸します 東川篤哉
 溢れる本格マインドに。

二度のお別れ 黒川博行
 秀逸な語り口と絶妙なタイトル。

13階段 高野和明
 社会性、サスペンス、本格味などトータルバランスのよさに。

透明人間の納屋 島田荘司
 御大の新作(と言っても文庫での)が読めただけで満足。

 「ミレニアム」3部作は期待が大き過ぎたのと、本格テイストの薄さで惜しくも次点です。

2012年12月26日水曜日

2012年のお小遣い

 拾い物感のあった「遅咲きのヒマワリ」が昨夜終了、気になったのは出ずっぱりだった国仲涼子が"友情出演"とクレジットされてたこと。

 今年も残すところ1週間を割りました。ってことで例年通り1年を振り返ります。

 2012年、個人的にはシャラポワの全仏初優勝!これに尽きます。

 その流れで回顧企画の第1弾はテニス関連、今年貰ったお小遣いを集計してみると、計37,980円、例年より多かった2011年より更に多い額、負けまくった癖に…。ただ去年もそうだったんですが「今年で最後」と思って多めにエントリーした(特に夏場)せいと思われます。

 今夜からFMのバイロイト中継がスタートです!

2012年12月25日火曜日

スウェーデン発、世紀の3部作、その3 - スティーグ・ラーソン「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」

 あーあ、福留まで獲っちゃった…、西岡の場合は鳥谷がFAで去る懸念があったからいいとして、そうならなかった今、こんな巨人みたいな大型補強ばかりしてちゃ、育つ若手も育ちません(涙)、日ハムあたりを見習って欲しいところ。

 今夜からフジで5夜連続放送する(らしい)webTVドラマ「シニカレ」、 野島伸司脚本で桐谷美玲や本田翼が出ていて個人的注目、ですが「花のズボラ飯」「ガールズトーク」とかぶってるのが悩ましいところ。

 がっつり冬晴れ、冷え込み厳しく朝のマイナス5.5度は今季最低、日中の最高も4日連続しての7度台、まさにクリスマス寒波です。今頭上では木星とお月さんがランデブー。

 昨日のXmasケーキ三昧と宴会が祟ったか、体重は減るどころか更に1kg増加して人生最高値に到達(涙)、お正月の帰省で太るのは間違いないので、年末までは厳戒ダイエットモード突入、取り敢えず今日は朝晩のシリアル2食のみ、昼抜きです。

 先日、マジック種明かし系の特番を観ていて、1番興味があった超能力破りのネタはすぐ判る期待外れのものだった反面、怪しげだった「タイタニックの沈没は陰謀、しかもタイタニックは沈んでない」説(BBC発とのこと)には驚愕! ま、あれだけ傍証があるなら、とっくに小説か何かで使われていそうなので、知らなかったのは自分だけかも。

 本日は昨日読了した、年内の懸案「ミレニアム」3部作の最終話です。

ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 スティーグ・ラーソン
 一命を取り留めたリスベットを巡り、彼女に巻き込むことになった大元の陰謀をもみ消す側とそれを暴く側の丁々発止の争いが繰り広げられ、今回はスパイ物と法廷物のテイストまで加わり、最後にはボーナストラックも。ほぼリアルタイムで両サイドの進行が描かれるスタイルは、片方を隠せばディーヴァーの如く大小のサプライズを演出出来るのに、と勿体無さを感じる反面、安心して予定調和的な興奮を味わえるよさもある点も否めません。未回収の伏線もあるにせよ、著者急逝により続きが読めない今、本作でかなりの大団円となっていて良かったです。

 3作通して読み、キャラクター造形の巧みさは別として、この3部作の最大の魅力はミステリーの諸要素をそれこそコングロマリット的に盛り込んでいる点であることが判りました。

2012年12月23日日曜日

豪快Hrのシベリウス2番 - 広井隆&東京学芸大管

 一橋大国立キャンパスでマーラー9番を聴いた後、小平へと移動して聴いたのは学芸大のオケ、ただ中央線が乱れて予定の電車が遅れたため、最初の1曲目グリーグには間に合わず(涙)、同じ一橋でも小平キャンパスだったら激近だったのに…。

 あと会場のルネこだいらは「初めての会場だなぁ」と思ってましたが、小平駅を降りたら間違い無く来た記憶あり、さすがボケ老人。

12月23日(日) ルネこだいら
 広井隆指揮東京学芸大学管弦楽団 グリーグ 序曲「秋に」、プロコフィエフ 「シンデレラ」組曲第1番、シベリウス Sym2番
 上記理由によりグリーグとプロコの合間に到着、係の人に導かれて1階席前方に潜入、よって舞台上はよく見えず、シンデレラでは終曲のクライマックス12点鐘、ロミジュリ「タイボルトの死」に似た曲想でのバストロが豪快でした。
 後半シベリウスは2階席中央前方に移動、Tpのアシや弦後方プルトなど、トレーナーなのかOB/OGなのか年配の奏者がチラホラ、5本のHrの鳴りが抜群で、これだけHrが豪快に目立つ同曲は初めて、終楽章クライマックスではTp、Tbもまずまず鳴っての大団円。それが終わると管楽セクションとパーカッションが大量合流しアンコールやる気満々、パーカッションとその前に並ぶブラス陣がサンタの帽子をかぶり、時節に因んで2曲、「くるみ割り人形」から聴いたことの無い賑やかな舞曲、および「ホワイト・クリスマス」を楽しく演奏してくれました。

 シベリウス後の拍手の時、膝から双眼鏡が床へ落下、光軸がずれて使い物にならなくなってしまいました(涙)、結構スグレモノのニコンだったのに…。

今年3度目の国立第9 - 齊藤栄一&国立マーラー楽友協会管のマーラー9番

 晴れ予報にしては雲多く、朝はマイナス1度と冷え込み甘めながら、日中は連日の最高7度台と寒々、金曜からこっち、宴会→昼夜ラーメン→宴会と続いたせいか、この3日間で体重何と2kg増(涙)、明日も宴会なので今日1日はダイエットモードです。

 早起きして東京に出て午後2時までみっちり練習し、その後アマオケの2連荘、まず聴いたのは一橋大オケ現役&OB/OGを母体とする国立(くにたち)マーラー楽友協会による、冬の恒例第9です。

 例年は年末にやっていたこの年中行事、ここ数年は新年にずれ込んており昨年度も今年の1月だったんですが、本年度は従前通りの年末開催、しかもGWには社会人中心で"おとな第9"をやっているため、オケのメンバーこそ毎回違えど、同じ団体による9番を今年は3度も聴くことに、しかも今年は久々に前プロ付き。

12月23日(日) 一橋大学兼松講堂
 齊藤栄一指揮国立マーラー楽友協会管 チャイコフスキー 1812年、マーラー Sym9番
 まずは1812年、大砲の大太鼓が舞台左脇1階客席前で豪快に鳴り、鐘のチューブラーベルがその上方2階席バルコニー、クライマックス突入前、下降音型を延々と繰り返す部分でどんどんリタルダンドしていったのが印象的、当然その後の頂点はスローテンポでシンドそう、でもブラスの鳴りはまずまず。
 休憩を挟んでのマーラー、オケはいつも通り2ndVnとVlaを入れ替えた形の対向配置、メンバーは若手中心で、Hr6本、チューバ2本は多めながら、Tpは前プロから減って女子ばかり3本、中でもOGと思われるトップが美音で安定度高く、チェロトップおよび前プロのコンマスから交替したコンミスのソロも見事、また弦バスに楽器より大きい身の丈2m(推定)の巨人がいて目を惹きました。終楽章クライマックス、ブラスが余り爆発しなかった代わりその後の弦の強靭な響きが印象的、最後の音が消えた後の黙祷は15秒程度。

 明るかった往き道は気付かなかったんですが、すっかり暗くなった帰り道、国立駅へと続く大学通りの両サイドに並ぶ5-6階建てビルの高さはある街路樹(銀杏?)に、ずらっと10本以上巨大ツリーの電飾がなされていて壮観でした。

 そこからダッシュでルネこだいらに向かい、聴いたのが学芸大オケのシベ2、この感想はまた次の記事で。

2012年12月22日土曜日

ややクール系チェリスト - 水野由紀さんのチェロ

 予報より長めの雨模様、雨雲のせいか朝は零度台と4日振りのプラス気温、早朝茨城を出る時は上がっていたのに、東京に着いた頃はしっかり降っており、午前中のテニスは中止(涙)。

 聴きたいアマオケも無く、夜の宴会まですっかり暇になり、午前中はコート近く、広尾のマックで雨宿り&無線LANで午後の計画を練り、渋谷タワレコのインストアイベントに行くことに。

 聴いたのは水野由紀さんのチェロ、時間に余裕があったので開演1時間前にタワレコ入りすると、水野さんらしき方が楽器を脇に店内で普通にCDを見てました。

 ラフな恰好でのリハの後、本番は華やかなピンクのドレスで登場、桐朋4年在学中とのこと、ややクール系ながらまだ初々しい感じも、デビューCDから「愛の挨拶」「鳥の歌」など4曲、正確な音程で披露してくれました。

 最高でも7度強と午後も寒々、ただタワレコに入りする前はまだ小雨模様だったのに、出た時はすっかり青空になっていてちょっと驚き。

 夜は室蘭赴任中の懐かしいテニス仲間と旧交を温める飲み会、室蘭では"焼き鳥"が何故か豚になる(つくねも豚肉!)ことを知りびっくり!あと「ゴーイング マイ ホーム」でも紹介されていたラーメンサラダ、これが北海道では定番中の定番だということも驚き、どちらも美味しかったです。

 明日はアマオケのハシゴ、マーラー9番シベリウスの2番です!

2012年12月21日金曜日

サプライズギフトのクリスマス - SORAism company 第11回公演 トーラスギフト

 朝の冷え込みは思った程厳しくなく、とは言ってもマイナス4.6度で霜柱ザクザク、日中はまたも上がらず最高9度弱と低め、午後から曇ってきて明日にかけて下り坂、そのせいか夜11時を過ぎても5度あって風は暖かめです。

 横浜まで遠征して講義するのも今日で今季は最終日、(通常の水曜じゃないため)昼飯には横浜駅近くの水曜定休の大分ラーメンを、夜は帰り道に観劇、例によって奇特な方から回ってきたチケット、夕食は劇場最寄り日暮里駅近くの鶏白湯ラーメンを、どちらも満足の味でした。

 会場は民家の中にふと気がつくとある綺麗な小劇場、自由席だったので早めに行き最前列の真ん中で鑑賞しました。

12月21日(金) 日暮里 d倉庫
 SORAism company 第11回公演 「トーラスギフト」
見知らぬ人から渡された指輪のプレゼント、その指輪には周りの人の望みを叶える代わり、同じだけの不幸を指輪を嵌めてる人にもたらすシロモノ、それを巡る人間模様を描く前半はややテンポ遅く感じましたが、後半の意表をつく展開と、伏線を回収してクリスマスストーリーへとなだれ込む結末が素敵な2時間休憩無し、お目当ての女優さんが怪我で代役になっていた落胆を忘れる位見事なプロットに唸りました。

 終演後は役者さんが見送りに出てきて、お菓子のプレゼント(手書きメッセージ付き)を手渡ししてくれ、アットホームな感じがよかったです。

2012年12月19日水曜日

さすがは先駆者 - 京極夏彦選「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎004」

 うーん、昨夜の「34丁目の奇跡」、120分の放送枠で110分余の映画が95分にまでカットされてました(涙)、よって即消し。フジ「ミッドナイトアートシアター」って、昔は「完全ノーカット字幕放送!」(途中CMすら無し)を謳っていたのに、何年か前からどんどんポリシーを失い、今やこの体たらくです。

 3日振りの冬晴れ、朝はマイナス気温ながら平年より高め、日中は予報通り上がらず最高でも8度、風も強くて寒々、これでここ5日間は気温が低→高→低→高→低と連日5度以上の幅で上下しており、雨も多め、今年の12月は例年より天気が不安定な感じ。

 昼休み、同僚との週一テニスの時、近所の何処かからコートに"いんがし"(煎り菓子、ポン菓子)の甘くて香ばしい匂いが漂ってきました。

 読書中の本が出先で読了してしまった時に禁断症状に陥らないよう、予備にアンソロジーを1冊テニスバッグに突っ込んどくことがままあります。現在「ミレニアム」3部作を一気読破中なんですが、その合間にポツポツと1冊読み終わってしまいました。

 年代の離れた3つの年度から選者がセレクトして編んだアンソロジーで、これまで東野圭吾選恩田陸選の2冊を読んでます。今回の選者は京極夏彦。

スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎004 京極夏彦選
 「謎」「疑」「譚」「情」と4つのセクションに各2編の計8編、セクション毎の選者のコメントが楽しいです。印象に残ったのはガラス張りの電話ボックスが密室と化す都筑道夫「マジック・ボックス」での"不可能状況に至った必然性"の扱いの巧さです。

2012年12月16日日曜日

スウェーデン発、世紀の3部作、その2 - スティーグ・ラーソン「ミレニアム2 火と戯れる女」

 雲は朝方まで残り、昨夜の暖気も残ったか朝は連日のプラス気温、早朝東京に出てテニス、コートに着いた頃にはすっかり晴れてました。

 昼前には雲ひとつ無い快晴に、気温もぐんぐん上昇し、予報の14度を軽く超えて最高18.1度!マフラーはテニスバッグに収容です。

 テニスの後は昨日に続いて教え子の団体戦応援でまた郊外へ、しかも本選ながら負け続けて遂に最下位決定戦(涙)、でもやっと勝ってくれました。

 本日はこの週末の読了本から、「東西ミステリーベスト100」平成版で今世紀作品で唯一トップ20入りしたミレニアム3部作、その第2部です。2009年度「このミス」では第9位。

ミレニアム2 火と戯れる女 スティーグ・ラーソン
 第1部の主人公ミカエルとリスベットが連続殺人事件に巻き込まれ、リスベットの過去が明らかになってゆく過程が、今回はやや警察小説風のスタイルも注入して描かれるサスペンス、前作と違って現在の事件なのに前半の展開が遅いのが難点か、あとリスベットがレクター博士並みにスーパーマン、いやスーパーウーマン化してるのも気になりました。怒涛の終盤はあざとさ含めなかなかですが、展開の意外性など前作より落ちる印象です。

 実在の人物(元ボクサー)が主要キャラとして登場し、本国の映画版では本人が演じている、って点が凄いです。因みに"金髪の巨人"をキャスティングするなら断然セーム・シュルト!映画出演経験もある(「トランスポーター3」)し。

 第1部で話はそれなりに完結してはいますが、この第2部で盛大にネタバレしてるので必ず第1部からお読み下さい。一方この第2部は第3部へ続く、って感じの幕引きになっていて、「スターウォーズ 帝国の逆襲」や「ロード・オブ・ザ・リング」第1作を観終わった時の感覚を思い出しました。

2012年12月15日土曜日

ジャジー&セクシー - 矢野沙織さんのSax

 未明から雨、雨雲のお陰で冷え込み無く朝は9日振りのプラス気温、ただ雨の予報は当たりこそすれ「13度から15度くらいまで上がる」との予報はガン外れ、小雨が降ったりやんだりの日中は最高7度台とバリ寒。

 朝から高尾山近くまで遠征して教え子の応援、予報を信じず今季初めてベンチコート&靴下を着用して出て正解でした。

 団体戦は結構シバかれて1時過ぎには終了、夜の宴会まで暇になり、まず渋谷タワレコに寄ってインストアイベントへ、聴いたのは矢野沙織さんのSaxです。

 装いも新たな渋谷タワレコには開演時ぴったりに到着、ジャズフロアは確かクラシックの1階下、と6Fをウロウロしても見当たらず、何か上方からSaxの音が、あれ?7Fクラシックフロアのイベントスペースでやってるの? 慌てて上がるとクラシック系アーティストでは滅多に見られない黒山の人だかり。

 改装に伴いイベントスペースを減らして統一したんでしょうか、以前はクラシックフロアでの演奏の最中に1-2階下のイベントの音も聞こえてくる、ってことがよくありましたけれど。

 大勢の立ち見客の後ろで聴いたのはアルトSax、ピアノ、ベースのトリオ、矢野沙織さんはデビュー10周年(デビュー時16歳!)を記念して、ファンのリクエスト選曲によるアルバムを発売したとのことで、その収録曲を中心にたっぷり30分以上ジャジーな空間を醸成、ナイトクラブ出演の如く紫のドレス(しかも超ミニ!)に身を包んだお姿がセクシーでした。

 その後六本木に出て、とんこつラーメンとマックでのネットサーフフィンを挟んで宴会に突入、帰宅は深夜1時、ただ深夜になっても5度以上と昼間と気温変わらず、生暖かい感じでした。

2012年12月11日火曜日

シモノフ&モスクワフィルのチャイコフスキー5番+ぼちぼちアンコール4連発

 試合スコシバされ、10時半頃には暇になったんですが、夜はコンサートがあり、電車賃節約のため当初都心でぶらぶら過ごす予定、でしたが、何となく家のコタツを切り忘れた気がして不安になり昼過ぎに茨城復帰、冬晴れの日中は最高11度台とやや低め、それでもここ数日寒かったせいかポカポカ感あり。

 で、勿論コタツは大丈夫、と言うか気になった時は100%消していて、逆に気にすらしなかった時には帰宅時に点けっぱなしになっているのを発見して驚く、というパターン。

 その後職場に1時間程寄ってから改めて出陣して聴いたのは、先日のアンコール、特に豪壮華麗な「くるみ割り」パ・ド・ドゥが凄かったシモノフ&モスクワフィル、オールチャイコプロの松戸公演のS席がe+から直前値引き販売4000円で出ていて、テミルカノフ&旧レニングラードフィルをも凌ぐパ・ド・ドゥをもう1度!と急遽参戦することに。

 開演1時間前から先着順でチケット交換、と書かれていたため、どうせ仕事は休みだし、と1時間10分前に会場入りして1番乗り!なのに予め決まった席を渡され「話ちゃうやろ!」とがっかり、しかも1階舞台そば端っこ、と自分の最も苦手な席位置で2度がっかり、これなら最安席の方がマシ、申し訳ありませんが後半はガラガラだった2階に移動させていただきました。

12月11日(火) 松戸・森のホール21
 ユーリ・シモノフ指揮モスクワ・フィル チャイコフスキー ロミオとジュリエット、VnC、Sym5番
 最初のロミジュリは期待より激しさが足りない印象、席位置のせいかも、あとステージ間近で聴くとこのオケの味でもあるピッチや縦の線の大らかさがより耳についてしまいます。続くVn協は先日と同じなので省略、ただアンコールは増えて2曲、指くるくる系無窮動風のバッハ?とディエス・イレをモチーフとしたイザイ、後者は先日と同じか。
 そして後半は2階席に潜入しての5番、初めてこのコンビを聴いた際に前プロでやった同曲の明らかにセーブした演奏よりずっと力が入っていて、全体にブラスの鳴りもよく、木管や5本のHrなど時にバランス無視の吹きっぷり、ヴィブラート多めのHrトップが通常優美に吹くソロを終始朗々と吹いた第3楽章では弦の鳴りよくTpもベタ吹き、Tpが4本もいて倍管?と思ったら3、4本目は終楽章まで出番無し、その分終楽章は朗々と吹き、コーダ最後のファンファーレではTpトップがまたもピッコロっぽい短い管に持ち替えて、同曲史上最高(と言っても10回位しか聴いたことありませんけど)のブラスの鳴りで、ロシアンブラス度7-80%。
 5番が終わるやいなや何名もの団員がぞろぞろ合流してアンコールやる気満々、まずはびっくりシベリウス「悲しきワルツ」を弦たっぷり系で、続く2曲、ソロVnフィーチャーのグラズノフとソロVcフィーチャーのチャイコフスキーは先日と同じ、で最後はお待ちかねパ・ド・ドゥ、と思ったらさにあらず、またもグラズノフ「ライモンダ」から、ブラスも活躍する激しめの舞曲だったので、それはそれで悪くないんですが、桁外れのパ・ド・ドゥを期待していた身にはガッカリ、とは言え、この1週間ほぼ毎日の演奏なのに、4曲アンコールをやるサービス精神には頭が下がります、終演は約3時間後。

 チケット交換から開演までの1時間、滅多に降りない新八柱の駅ゆえ、近所の注目ラーメン店を訪問、先日のこともあるのでニンニク投入は我慢、それでも臭かったかも(笑)。

昭和の森オープン 12月大会

 仕事を休んで昭島で試合、朝は連日の冷え込みで最低-3.1度、早朝出た時はまだマイナス2度で、この時期の試合にエントリーしたことを一瞬後悔、1回戦シード選手に0-6,1-6と相手にならず、これで今年の全試合は終了、お小遣いは1700円。

 本日貰ったアドバイス:
サーブをもっと散らすこと、特に2ndは真ん中しか来ない、散らすか、せめて弾まない球種で。

2012年12月10日月曜日

ソヒエフ&トゥールーズの幻想

 衝撃のニュース:6階級覇者パッキャオがKO負け
ネット観戦するまで情報遮断、をする間も無くYahooトップニュ-スで飛び込んだ衝撃!

 もう一つがっかりのニュース:BJペン、復帰戦飾れず
一つの時代が終わったのか、悲しい…。

 日本海側では大雪、こっちは冬晴れ、ただ風強め、朝の最低は昨日を更に下回ってマイナス4.7度、ただ平年値もマイナスに転じるのが今頃、日中も最高8度台とかなり低めでした。

 ボケ老人 靴下忘れて 裸足で壁打ち (しかもサンダル)

 夜はサントリーへ、ソヒエフ&トゥールーズの第2夜です。

12月10日(月) サントリーホール
 トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル管 サン=サーンス VnC3番、ベルリオーズ ローマの謝肉祭、幻想Sym
 最初はローマの謝肉祭、Tp4本のうち2本はコルネットっぽい楽器、ラスト1音はTp、Tb共にしゃっきり朗々。続くサン=サーンスのソリストは3年前も共演した諏訪内晶子、金ラメのドレスで登場し、かぶらないよう(笑)美人コンミスはその前に退場、アンコールは無し。
 後半幻想では美人コンミス復帰、Tp4本、うち2本コルネットっぽいのはローマの謝肉祭と同じ、ですが第2楽章はコルネット付きじゃありません、草笛と鐘は舞台裏左方、全体にアクの強さは思ったより少なくぼちぼち程度、第2楽章速い部分での速さと第3楽章の細かい表情付けとテンポの動かし、特に後半雷鳴の少し前でやたらと遅くなったのが印象的、その雷鳴ティンパニ、今日も4人で叩いてましたが(自分が知らないだけで)それがデフォルトか? 第4、5楽章はケレン味も増して雰囲気十分、(自分は区別付きませんが)ファゴットじゃなくてバスーンだったとすればそれも一因かも、第4楽章断末魔のイデーフィクスのCl、および終楽章鐘が鳴る直前の低弦を極端に大きくやらせていたのが個性的、クライマックスもブラスが全開に近い鳴りで大迫力でした。
 アンコールは3曲、まず「カルメン」から有名なしみじみ系の曲、続いて知らない曲(レオンカヴァッロ「道化師」間奏曲とのこと)、名前はよく見る曲ですが初めて、線が細いと思っていた弦がよく鳴ってスケール大きな盛り上がり、個人的には本日の白眉でした。そしてシメはお約束「カルメン」前奏曲、会場大興奮です。

 ソヒエフは静かに終わる曲想では棒をなかなか下ろさないタイプで、一昨日のシェエラザードの最後では15秒、本日も幻想第1楽章ですら約10秒、ただ今日は会場の咳払い攻撃でかなり邪魔されており、しかもアンコール2曲目のレオンカヴァッロに至っては音が消える前に拍手を始める人まで、気を悪くしてお約束のカルメン前奏曲をやらないんじゃないかとヒヤヒヤしました(笑)。

2012年12月8日土曜日

ソヒエフ&トゥールーズの火の鳥、シェエラザード

 デュトワ&N響でローマ3部作を聴いた後は、ソヒエフ&トゥールーズ・キャピトル管のみなとみらい公演です。

12月8日(土) みなとみらいホール
 トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル管 バラキレフ イスメライ、ストラヴィンスキー 火の鳥、リムスキー=コルサコフ シェエラザード
 最初は(多分)初めて聴くイスメライ、リャプノフ編とのこと、急緩急で元気な10分、Tpが4本もいました。続くストラヴィンスキーは1919年版組曲、Tpが減って2本になり、Hrは1本増えて5本に、やや遅めテンポで部分部分はシャープな表現、特に終曲の前半が遅く、途中テンポアップしてのファンファーレでのTbの豪快な鳴り、最後のコラールのブラスの爆発度、そしてラスト1音のケレン味たっぷりの長さが本日の白眉。
 後半シェエラザードはブラスの本数は火の鳥と同じ、冒頭の1音から豪快に鳴らし、やや遅めのテンポベースに独特な強弱や思い切ったタメなどアク強めの表現、弦はやや音量が無い反面明るく瑞々しい音色で、美人コンミスのVnソロは清純系、木管は味のある系、3年前の来日時は棒を持たずゲルギーっぽい指揮ぶりでしたが、今回は棒を使用し左手のヒラヒラも無し、終楽章もやや遅めだったのに終盤ピッコロソロ後のパウゼから低弦に移る箇所から急速にテンポアップ、クライマックスでのブラスは全開一歩手前ながらまずまずの迫力で最後のドラの一撃にかぶせたHrを長く強めに残す表現が印象的、静かになり最後の1音が消えた後、ソヒエフは棒を上げたまま15秒の黙祷、この曲でこの長さは初めて。アンコールは2曲、まずドヴォルザークのスラブ舞曲第1番?をかなりアク強めに、続いてカルメン前奏曲を歯切れよく。

 実はこの公演、ハシゴする人を配慮した(?)のか、休日なのに開演は夜7時半と遅め、その前のデュトワ&N響が重量プロの割には早く終了し、時間が余って渋谷で寄ったとんこつラーメンでは、うっかり大さじ一杯のニンニクを投入。

 (自分では気付かなかったんですが)かなりニンニク臭かったらしく、みなとみらいでの隣席女性、気が付くと「火の鳥」の頃にはハンカチで顔を押さえており、後半はどこか他の席へ行ってしまわれました。本当に申し訳ありませんでした!

 明日は上記コンビの第2弾、幻想Symです!

デュトワ&N響のローマ3部作


 いやあ、昨夜の地震、停電こそありませんでしたがエレベーターは軒並み停止、夜に職場(6階)から自宅(8階)まで2往復して洗濯する予定でしたが、階段何度も上り下りするのがダルくてやめました。

 朝はマイナス1度台と連日のマイナス気温、その零下の時間帯に家を出て東京に行き午前中はなごなごテニス、気温は上がって最高14度弱と高めだった午後と夜はコンサートのハシゴでした。

 まずはデュトワ&N響のロ-マ3部作、大好物ではありますが会場は苦手なNHKホール、行って良かったと思ったことはまずありません。実のところ、同時間帯のハーディング&新日のショスタコ10番が第1候補、予算2000円で探してダメならN響は当日券で、と思ってました。

 しかしハーディングはヤフオクで最も惜しかった時でも2300円と全て敗北、ただやはりヤフオクで同日のN響自由席が安く出ていて、こっちは上限900円で入札、結果1000円ちょっとまで上がってまた敗北、ま、元より当日券だし。

 と思っていたら、忘れた頃に「繰り上がり落札」のお知らせが!この種の詐欺メールなら何度も貰ってますが、本当の繰り上がり当選は初めての経験です。

 前日の(地震緊急放送ででボロボロになった)FM生中継からアッピアのバンダが右上方のオルガン席との情報を得ていたので、3階自由席L側の張り出しちょっと手前に陣取りました。

12月8日(土) NHKホール
 シャルル・デュトワ指揮N響 ベルリオーズ ローマの謝肉祭、リスト PC2番、レスピーギ ローマの祭り、ローマの噴水、ローマの松
 デュトワは前もそうでしたが、最初のベルリオーズでは長く輝かしいラスト1音が鮮やか。続くリストPCは珍しい2番、(済みません、半分意識失ってましたが)ソリストのルイ・ロルティはかなり禿げてました。後半はお目当てレスピーギ、デュトワは3曲続けて演奏する趣向で、舞台転換が無いためTp5、Hr5と余裕を持った編成、Tpトップは短いものと2本使用(使い分け方は不明)。まずは祭から、読み通り右上方のオルガン席だったバンダはTp3本でややソフトな吹きっぷり、全体でもメリハリ系の音作りでチルチェンセス、主顕祭共に爆発度はほどほど(外野席ゆえ推定)、弦はVnが3階にもかなり届いていたので鳴りはよかったのでは(これも推定)、あと十月祭での弱音Hrソロがなかなか、デュトワは指揮台を降りず軽い拍手を経てすぐ噴水、トレヴィでの迫力もぼちぼち、そして最後の松、カタコンブでの舞台裏ソロだったTp奏者も加わるバンダ(オルガン席)はTp2、ワーグナーチューバ2、Tb2と変わった編成、本隊含めアッピアでの迫力はこれまたまずまず(推定)、やはりNHKホールでいい思いした試し無し。

 前半に協奏曲があって、後半に3部作を全て、とかなり重いプロと思えたのに開演から2時間以内で終わって驚き、余った時間は渋谷で新規ラーメン店を開拓して、みなとみらいへ、ソヒエフ&トゥールーズ・キャピトル管です。が、この続きは次の記事で。

2012年12月6日木曜日

スウェーデン発、世紀の3部作、その1 - スティーグ・ラーソン「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」

 今日からクラブW杯が開幕、番組マスコットガールが佐藤ありさじゃなくなったのがちと残念。

 「悪夢ちゃん」の裏ゆえ全く観られていなかった「実験刑事トトリ」を再放送でチェック、「トトリ」「MONSTERS」共に倒叙形式(後者はセミ倒叙ですが)、しかもオリジナル脚本なのが原作ネタバレ気にせず観られていいところ、、脚本が丁寧なのは「トトリ」ですが、より本格マインドに溢れているのは「MONSTERS」か。

 本日の最低気温は深夜零時の3度台、その後深夜に暖気が流れ込んだか未明に早や10度に到達、よく晴れたけれどやや風のあった日中はぐんぐん上がって最高16度台、15度を超えたのは、と言うか最高気温が平年を上回ったのすら、何と半月振りです。

 昼休み同僚との週一テニスへと向かう構内の小道、いち早く咲いた白いサザンカの隣で、ピンクのサザンカも咲き始めてました、でも例年よりかなり遅め。

 今日は昨日読了した本から、先日買った「東西ミステリーベスト100 2012年版」海外作品最大の驚きは「ミレニアム」3部作の評価の高さ、21世紀作品としては唯一のTop50ランクインにして、「僧正」「X」「三つの棺」「死の接吻」をも上回る12位!

 で読んでみようと思い立てども、さすがに文庫化されて間も無いため100円棚では見つけられず、やむなく通常棚から全作半額購入し、年内はこの3部作に専念です。まずは第1作、このミスでも2009年度の第2位です(因みに第1位は「犬の力」))。

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 スティーグ・ラーソン
 経済界の大物との訴訟に破れた失意の敏腕ジャーナリストと、奇矯だけれど凄腕の女性調査員、この2人の人生が35年前の不可解な少女失踪の調査を機にクロス、背後に潜む大きな謎が明らかになってゆくサスペンス、前半やや展開が遅い反面、終盤の急展開は読ませます。謎の設定から期待した本格テイストこそありませんでしたが、スウェーデンを軸としたヨーロッパの現代史を含む壮大なエンターテイメント(の序章)といった趣、ただ訳題も悪くは無いけれど原題「女を憎む男(たち)」の方が内容にピッタリ。

2012年12月5日水曜日

シモノフ&モスクワフィルの豪快ショスタコーヴィチ5番+怒涛のアンコール4連発

 昨夜の世界戦、ウーゴ・ルイスが思ったよりスピード無くがっかり、判定は妥当だったと思います。

 朝は0度台と軽く冷え込み(とは言えほぼ平年値)、ほぼ晴れた日中は12度台とこれも平年値、午後横浜へ講義に行った帰りは自分にとっての今年期待度No1のコンサート、シモノフ&モスクワフィルです。

 ここ10年近くヘンテコな招聘元での来日でバックバンド扱いだっただけに、招聘元が変わってオケ中心のプログラミングになったのは嬉しい限り、しかも来日オケでは珍しくもティアラこうとう、と最安席でも音響的に心配無用なやや小さめホール公演、ダブり入手で日時が重なってしまった高関&東京音大「巨人」(音大フェス公演)を躊躇わずに切っての参戦です。

12月5日(水) ティアラこうとう
 ユーリ・シモノフ指揮モスクワ・フィル グリンカ ルスランとリュドミラ、チャイコフスキー VnC、ショスタコーヴィチ Sym5番
 客席で携帯を派手に鳴らしている人がいるのを意に介さずスタートしたグリンカは勿論快速テンポ、ベルアップするなど木管は茶目っ気とケレン味たっぷり、弦はゴリゴリ唸ってましたがブラスは抑えめ、続くチャイコフスキー、セミ地方公演ゆえ長ーい第1楽章後に盛大な拍手が起こるのはご愛嬌、合いの手で時にソリストよりデカい音を出してしまう木管ソロの吹きっぷりと終楽章の驚速テンポが印象的、Vnソロは長身の青年ニキータ・ボリソグレブスキー、アンコールにはディエス・イレをあしらったイザイの曲を。
 後半のショスタコーヴィチ、第1、第2楽章の冒頭など気張らず大人しめの低弦の入り、全体的にも深刻ぶった表情は少なめで一筆書きの表現ながら、時折交じる独特な強弱やアクセントがロシア訛りか、ブラスとパーカッションは意図的に抑える部分が意外と多め、それでも第1楽章頂点や終楽章コーダなど要所では爆発、4+1アシのHrは全体ではいい鳴り、トップはヴィブラート多めでロシアっぽいけれどやや雑、第1楽章ソロの前もしっかり休んだのにハイトーンで少しミスってました(笑)。第3楽章はそこそこ弦を煽ってましたが、ルスランから期待した程の鳴りは無し、木管ソロではFlとObが存在感、あと最後の通常ハープに隠れがちなチェレスタが目立っていたのが印象的、終楽章は遅く始まってすぐ加速するタイプ、強音部でもかなり強弱を付けていたのと、緩徐部前半で弦を思いっきり鳴らしていたのが印象的、再現部とコーダは遅いテンポ、コーダに入ると3+1アシのTpトップがいきなり短い管に交換、その甲斐もあってかTpのハイCは過去同曲ぶっちぎりの貫通力、ただその箇所以降ラスト1音までTp,Tb共にやや抑えめだったのが少し残念。それでもロシアンブラス度70%と過去同曲では最高レベル。
 そしてアンコールは怒涛の4曲! まずはラフマニノフ「ヴォカリーズ」をしみじみ系ではなく弦をたっぷり鳴らす表現で、続いて起立したコンマスソロをフィーチャーしたグラズノフの曲、更にチェロ首席の指くるくる系のソロが延々続くチャイコフスキーの曲、そしてシメは「くるみ割り人形」パ・ド・ドゥ、ゆったりテンポでケレン味横溢かつ最後のブラス轟然、お腹一杯言うこと無しの大団円でした。

 奇しくも先日のゲルギエフ&マリンスキー管とのショスタコ5番+同アンコール曲対決となりましたが、ブラスの迫力ではモスクワフィルの圧勝でした。

 ただ残念なのはこのモスクワフィル、次回来日はまた以前の変な招聘元に戻ってしまってるらしいこと(涙)。(←抱き合わせソリストが以前に戻っただけで、招聘元は変わってないそうです。)

2012年12月2日日曜日

すみだ15周年、新日40周年の松 - 小泉和裕&新日フィル

 土曜放送「悪夢ちゃん」、セーラーマーズ北川景子にとって「モップガール」以来のいい役なのでは。

 今朝は強烈に冷え込んでマイナス3.9度、雲多めの日中も上がらず最高7度台、どちらも真冬の気温です、部屋の温度も11度まで下がって勿論今季最低値。

 東京に出て午前中は四谷で教え子の応援、じっと立ってるだけだと厚着してても凍えました、が圧勝してくれたのでOK。

 午後は高関&東京音大の「巨人」が北千住の中学校で開演2時、小泉&新日による「松」を含む名曲プロがトリフォニーで開演3時半、両者の移動時間30分弱ゆえハシゴ出来る、と思ったんですが、マーラーに前プロがあると知り、ハシゴを断念、アッピア優先でマーラーを諦めました。

 ってことで午後に聴いたのは新日フィル創立40周年とすみだトリフォニー開館15周年を兼ねたファン感謝コンサートです。

<続き>
 昨夜はFMのライブ番組2件、飯守&東フィルのティルとバレンボイム&シュターツカペレ・ベルリンのブルックナー5番があったので帰ってそれに備え、翌日にこれを書いてます。

 楽団のゴタゴタから新日フィルが旗揚げしたのは1972年とのこと、ならば自分が中1の時聴き、驚くほど下手だったドサ回りの同楽団は創立してまだ2-3年目、下手でも仕方なかったんですね。ただその時の演奏がトラウマとなり、以降何10年も新日を避けていました。

 またてっきり創成期の音楽監督は小澤だと思ってましたが、本日タクトを執る小泉和裕が初代音楽監督とのこと。えっ!じゃ、小泉は一体いくつで音楽監督になったの?って感じです。(←何と25歳で就任!)

 お目当ては勿論アッピア、となるとバンダの位置によって座る場所が肝心、トリフォニーだとオルガン脇バルコニーの可能性が高いのですが、数年前に1階中央通路ってパターンもあったので侮れず、座席は当日引換え、余り早く行くと主催者にとってはいい席だけれど自分には苦手な席(1階席前方など)になる虞があるので、引換え時刻も重要。

 東京音大「巨人」を断念し時間に余裕があったので、まず引換え開始時刻の2時に様子見にホールへ、すると既に長蛇の列が出来ており、かつ待ち人数が多かったせいか、2時以前に引換えを開始した気配あり、その列を眺めていると「満員札止めになったらどうしよう」と不安になり、ふらふらと最後尾へ、15分後貰ったチケットは1階4列目(涙)、やはりギリギリまで粘って3階席を狙うべきだったと反省。

12月2日(日) すみだトリフォニー
 小泉和裕指揮新日フィル 運命の力、くるみ割り人形、アルルの女、カヴァレリア・ルスティカーナ、アッピア街道の松
 事務局の方の司会を挟んでの休憩無しの1時間、最初のヴェルディは緩徐部分が柔らか、続くチャイコフスキー「くるみ割り」からは"行進曲"と"花のワルツ"、ビゼー「アルルの女」からは"パストラール"と"ファランドール"が、オルガンが加わってのマスカーニは有名な間奏曲で、新日の顔Obが美しかったです。最後はお目当てアッピア、アングレソロも雰囲気たっぷり、バンダはオルガン両脇、左にTp2、右にTp2,Tb2、1階席前方だとややベル下向きだったバンダはまずまず聴こえましたが、舞台のブラス本隊が頭上を抜けて殆ど聴こえず、期待した豪快な音響は味わえず残念、たぶん爆裂系ではなくてまとまり系のサウンドだったと想像されます。

 途中、上からスクリーンがするすると下りてアルミンク、ハーディング、小澤によるヴィデオメッセージの趣向も、アルミンクが英語じゃなくてドイツ語で喋っていたのがやや驚き。

2012年12月1日土曜日

ショスタコものいはざれど、下おのづから - 高井優希&成蹊大管 フィンランディア、ショスタコーヴィチ5番

 むむむ、つい先日部屋の温度が15度を割ったと思ったのに、今やここ数日は12度前後にまで下がっており、10度割れも目前(涙)、ま、コタツ導入したから問題は無いんですが。

 東京に出て午前テニス、午後アマオケ、と典型的休日、早朝外に出た時は暖かめ、しかも小雨が!「晴れるけれど寒い」って予報、両方外れてるじゃん!

 東京に着くと雨は上がっており、練習は予定通りスタート、ただ11時半頃また降ってきて待機、小1時間しても上がらずそのまま中止に(涙)。

 昼以降に関しては「寒い」という予報のみ当たっており、(地元で言えば)朝9-10時に8度あった気温が日中どんどん下がって午後はずっと5度未満、練習時はまだ半袖短パンで、その恰好にダウンを羽織った状態で1時間待機していたら凍えました(風邪をひいたことが翌朝判明)。

 午後のコンサートは4時開始とやや遅め、後楽園駅近くに新規開店したとんこつラーメンを訪問後、まだ30分程時間があり、後楽園駅地下のマック前で買い物もせず無線に繋いでいると後輩に遭遇!してちょっと動揺、ここでバイトしてるとのこと。

 で聴いたのは成蹊大のオケ、パンフを読んで成蹊の名が「史記」の「桃李言はざれど下自蹊を成す」から採られていると初めて知りました(って一再ならず書いているかも)。

12月1日(土) 文京シビック
 高井優希指揮成蹊大学管弦楽団 シベリウス フィンランディア、チャイコフスキー くるみ割り人形、ショスタコーヴィチ Sym5番
 成蹊の創立100周年記念演奏会とのことで、最初にまず校歌、続くフィンランディアではブラスがまずまずの鳴り、ラスト1音の最後に弦だけ残すのもシベリウスっぽく、次のくるみ割りはチャイコ自身による組曲版で可愛い曲が中心。後半のショスタコーヴィチ、やや高井氏の棒は遅めのテンポベースに旋律のタメやテンポの揺れがふんだんに、オケは美音のコンマス率いるVnが2nd含めいい響きで、細かい表情と激しい盛り上がりの第3楽章が白眉、また終楽章は前半かなりスローに始まって徐々に徐々にアッチェレしてゆき、コーダもかなり遅めで最後の1音で更に遅く、と最近珍しいタイプ、ブラスもまずまず鳴っての大団円、そしてアンコールはくるみ割りからスローでド派手な曲を豪快に。

 Hrは6本いたせいか、例の第1楽章頂点部ではトップは9割方休んでおり、その後のソロのハイトーンは何とか絞り出してました。

 今日のボケ老人:
成蹊オケは初、と思いアンケートに堂々と「初めて聴く」と記入、でも実際は何度も聴いている(ラフマニノフ2番シベリウス2番)らしく、家には本公演の招待状が!
ま、過去のボケ度からすればまだマシな方か。

 因みに明日は高関&東京音大「巨人」と小泉&新日「松」のどっちに行くか迷ってます。

2012年11月29日木曜日

東西ミステリーベスト100平成版

 昨夜帰る時、頭上にはかなり円くなったお月さんと木星が二人並んで輝いてました。そのせいか朝は冷え込み-1.4度と連日のマイナス、薄曇の日中は最高12度台と今日も低め。

 一昨日の帰り道、そろそろ今年の「このミス」出てるかな?と本屋に寄ったところ、「このミス」は発見出来ず、その代わり「東西ミステリーベスト100」の21世紀版がブックレットとして刊行されていてビックリ!即買いました。

 この文春の「東西ミステリーベスト100」、前回80年代に出た時は、本格物、しかも海外作品しか読まなかった自分にとって、他のジャンルや国内作品に手を広げる際の指針となりバイブルともなった文庫本でした。

 また当時海外では廃れてしまっていたガチガチの本格を、日本人が書き続けている(泡坂妻夫、連城三紀彦、島田荘司、笠井潔など)ことを知った本でもありました。

 あれから30年近く経った今、顔ぶれはどう変わっているんでしょうか。

東西ミステリーベスト100 2012年版
 大規模アンケートを元に選出した東西ミステリーの上位各100作品をあらすじと薀蓄を交えて紹介するブックレット、ます国内では、「占星術殺人事件」の3位躍進、「十角館の殺人」のトップ10入閣が嬉しく、笠井潔「バイバイ、エンジェル」、赤川次郎「マリオネットの罠」の落選は残念、「容疑者xの献身」(13位)の高評価が驚きで(「生ける屍の死」(15位)より上!)、「葉桜の季節に君を想うということ」36位、「首無の如き祟るもの」62位、「七回死んだ男」70位、「煙か土か食い物」72位、「アヒルと鴨のコインロッカー」73位、「イニシエーション・ラブ」74位のランクインが嬉しいところ。
 海外では「Yの悲劇」(2位)が「そして誰もいなくなった」(1位)の軍門に下ったのが残念、でも「九尾の猫」がランクイン(78位)したからいいか。あと「ミレニアム」3部作(13位)の評価の高さにはビックリ!年内一気に読むことにします。「ジェゼベルの死」のランクアップ(24位)は嬉しく、「ジャンピング・ジェニイ」49位、「チャイルド44」56位、「荊の城」82位、「半身」88位、「犬の力」87位あたりの高評価がやや驚き、そしてニコラス・ブレイク「野獣死すべし」が落ちたのと、ヘレン・マクロイが入っていない(「暗い鏡の中に」とか…)のが残念。

 信奉者として知らなかったのは恥ずかしいんですが、最大のサプライズは50位以内のクイーン作品4作「Xの悲劇」(14位)「Yの悲劇」(2位)「ギリシャ棺の謎」(23位)「エジプト十字架の謎」(42位)全て同一年、1932年の刊行であったことです(薀蓄の項に書かれました)。

<追記>
 人の感想を読んで気付いたんですが、法月綸太郎が1作もランクインしてないとのこと、ショックです…。

2012年11月25日日曜日

激烈ブラス(とティンパニ)のコダーイ、シベリウス - 上原宏&武蔵野市民響

 がーん、昨夜コンサート2連荘から戻ると、留守録してくれている筈のバレンボイム&VPOのライブ(牧神と海)、電源は入ってるのにDATが動いてません(涙)。

 以前はこういった留守録失敗はまれ、かつ失敗しても原因は(1例を除き)明確に判明したんですが、ボケが進行したここ1-2年、タイマーセットはしたけれど電源は落とし忘れた、等々アホレベルのミス頻発、今や原因究明する気も起きず(涙)、人として壊れつつあります。

 冬晴れ、朝は冷え込んで-1.6度と、今季初のマイナス気温、昨日ハードスケジュールをこなした割には風邪はよくなってます。

 午前中は教え子の応援、よりも後輩の学園祭を優先し、駒場へ陣中見舞い、学園祭3日目にしてやっと快晴になりよかったですが、気温は最高11度台で日陰だと寒い感じ。

 午後はアマオケでコダーイ、同時間帯には上手なアマオケのマーラー5番が渋谷であったんですが、そのオケ、最安席が何と2000円!(都響よりも高い!) 有料のマーラーより無料のコダーイ、ってことで三鷹へ。

 中学以来の大好物である中プロの「ハーリ・ヤーノシュ」は勿論、前プロもメインも全て好きな曲、と言うのも割と少ないかも、特に最初のマイスタージンガー第1幕前奏、入学式で大学オケが演奏した時の印象が悪かったせいでしばらくは好きな曲ではなかったんですが、その後トスカニーニ&NBCの引き締まった演奏で評価が一変し、更に80年代のバイロイトFM中継、ホルスト・シュタインの棒の下、ブラスが吼えまくり、弦が唸りまくりでむせ返るような熱気のある演奏を聴いて以降、俄然好きな曲に、ただ実演ではラストに向け前半は抑える演奏が多く物足りないことがしばしば。

 第77回定期、ってことでかなり歴史のあるオケながら聴くのは初めて、会場の武蔵野市民会館も久し振り、三鷹駅からホールに向かう小路、通称文化会館通りの駅側が少し様変わりしていて降りる駅を間違えたかと思いました。

11月25日(日) 武蔵野市民文化会館
 上原宏指揮武蔵野市民交響楽団 ワーグナー マイスタージンガー、コダーイ ハーリ・ヤーノシュ、シベリウス Sym2番
 マイスタージンガーは冒頭からブラスがんがん、特にチューバが存在感、Vnも負けずに鳴っており、徹頭徹尾暑苦しい演奏を聴けるのは久し振り。続くハーリ・ヤーノシュも第1曲からTpが激しい吹きっぷり、終曲でも3本のコルネットが加わって6本になったTpが朗々と鳴り渡り、負けじとパーカッションも激しい打ち込み、指揮の上原氏は第1楽章の長ーいパウゼや、第4曲のタイミングの早いアッチェレなど個性的、この破天荒な曲の奔放な演奏は人生で2、3度目かも。
 後半シベリウスでもブラスの鳴りは衰え知らず、更に第2楽章中盤ブラスの頂点ではティンパニがそれをかき消すほどの全力ロール、終楽章でもTp、Tbは盛大に鳴り響き、最後のコラールの鳴りっぷりは過去アマオケの同曲では最高にして、1stTbに限ればプロを含めても最強の鳴り、感動しました。アンコールはこのオケのもう一つの美点であるVnの清冽な響きを活かし、定番のアンダンテ・フェスティーヴォ、ラストでまたまたティンパニが全力ロール、この曲でティンパニが全力で叩くなんて前代未聞なのでは(笑)。

2012年11月24日土曜日

朝活オケ、夜のリベンジ7番 - 金山隆夫&モーニングフィルのマーラー7番

 音大フェスで3大学の公演をたっぷり聴いた後は、葛飾に移動してモーニングフィル、その名に反し夜公演、しかも開演は遅めの夜8時です。

 久々のかつしかシンフォニーヒルズ、行き方を忘れてしまいましたが、最寄が京成の青砥、ってことは何となく記憶にあり、乗り換え案内を見れば日暮里乗換えで池袋から3-40分と意外に近く、ならば夜7時に池袋駅の改札を通れば余裕、の筈が地震の影響で京成線が乱れ、日暮里駅で待ちぼうけ、遅れるかと思いました。

 一昨年に9番で旗揚げしたこの朝活オケ、第2回公演が7番で、その時はやや不満の残る出来、今回は2年越しのリベンジ、指揮者もよりプロっぽい方になってます。

 ポスター・チラシなどの案内は元より無いのですが、ここ数回はメンバー表の紙1枚は配っていた気がしたのに今回はそれも無かった感じ、あと会場がいつもと違うせいか、徐々に増えつつあったお客さんの数がまた減少、演奏者より少なかったかも。

11月24日(土) かつしかシンフォニーヒルズ
 金山隆夫指揮モーニングフィルハーモニー管弦楽団 マーラー Sym7番
このオケとの公式戦は初めての金山氏は遅めで丁寧な音作り、今一つ調子の上がらなかったユーホソロは専業、Tp3本、Hr4本とアシ無し最少本数、美音のTpトップは首都圏のマーラーではよく見かけるお顔で、最後まで疲れを見せず吹き切っていて見事、第3楽章後に音合わせをする間に左袖にギターとマンドリンが入場、弦にやや不安定感はありましたが、音楽の方向性がしっかりして、前回よりまとまりがあった気がします。

 このオケ、次回は初めてマーラー以外の曲をやる(2管部門は除く)らしく、来年のGWに「英雄の生涯」と「ローマの松」をやるそう、楽しみです。

 あと同種企画として"ブルックナーフィル"ってのも始めたらしく、もう10月13日に第1回演奏会でブルックナーの8番をやったとのこと、気付かず逃してしまい残念。

地震に負けない幻想Sym - 秋山和慶&洗足音大管

 音大フェスでの音大オケ3大学一気公演、トリは洗足音大、指揮の秋山和慶は学生に対してはプロを振る時より煽るので楽しみです。

11月24日(土) 芸術劇場
 秋山和慶指揮洗足音大管弦楽団 ベルリオーズ 幻想Sym
冒頭は武蔵野音大によるファンファーレ、Tp3,Tb3,Hr5と大きめの編成でポップス調、Hrトップが達者でした。続いて洗足音大によるベルリオーズ、この日初めてブラス陣の半分が男性に、第3楽章の草笛は舞台裏左手、終楽章の鐘は舞台裏右手、秋山氏の棒は振幅大きめ、第3楽章途中で震度4の地震発生!ホール全体が揺れ、小さく悲鳴も起きる中、いったん止まりそうになりつつも続行し、そこからの中盤の盛り上がりは「地震何するものぞ!」と感じさせる激しい表現、雷鳴はティンパニ4台を4人で叩いていたのが印象的、4、5楽章ではTbや2本のチューバを筆頭にブラスは本日1番の大迫力、弦もキレよく、かなり煽っての大団円は本日の白眉でした。

 3公演トータル約3時間半、体調不良ゆえか時々意識を失いながらも音楽に身を任せるうち、風邪で失われていた食欲が少し回復、終演後は連れと油そばを経由し、単身次のコンサートへ、マーラーばかり演奏する朝活オケによる深夜公演、マーラー7番です。これに関してはまた次の記事で。

大勝秀也&昭和音大管の三角帽子

 この日の音大フェスは3大学と盛り沢山、武蔵野音大に続くは昭和音大です。

11月24日(土) 芸術劇場
 大勝秀也指揮昭和音大管弦楽団 ファリャ 三角帽子
冒頭は洗足音大によるファンファーレ、Tp4,Tb3,Hr4,Tuba1と大編成で派手なものでした。続いて昭和音大によるファリャ、何とTpとHrが全員女性!特にHrがソロが美しく全体でも鳴ってました。三角帽子の全曲版を聴くのは初めて、手拍子があったりメゾ・ソプラノ独唱がが交じったりの40分、それなりにまとまった演奏と感じました。

 続いてトリは洗足音大、それはまた次の記事で。

北原幸男&武蔵野音大管のショスタコーヴィチ5番

 寒かった昨日、外出して足先がしびれた状態が毛布にくるまっても消えず、段ボールの山が片付いていない手狭スペースで今季初のコタツ点灯を断行。

 それで人心地ついたせいか12時頃沈没、空耳アワーとヨシヒコを逃す羽目に(涙)、キョンシーガールの頃には意識回復すれど「空耳全部録ってDVDに残す」プロジェクトの頓挫がショックでまたふて寝、朝起きたら思いっきり風邪をひいてました。

 そのせいで微熱があり頭痛がするため、今季初めて防寒着にダウンを着用、早起きしてまずは教え子の団体戦の応援へ、会場の上武大は驚異的に遠く、熊谷より籠原より向こうの本庄って駅から更にローカルバス(涙)。

 バスでしばらく意識を失っている間に目的の停留所「上武大入口」を見落としたのにも気付かず、東京福祉大を過ぎ(大学だけど違う、ってかここ東京じゃないし!)、「いつ着くの?」と思っていると終点の伊勢崎!ここ何県? 群馬、栃木?

 同じ路線を逆向きに戻り、予定より1時間半遅れで「上武大入口」下車、ところが周囲に大学は影も形も無し(涙)、公民館っぽいところで道を教わり、かなり歩いてやっとコート到着、午後はコンサートがあるため30分程しか応援出来ず、てくてくバス停に戻ると乗る予定だったバスが目の前を発車!

 田舎路線ゆえ次のバスは30分後、これじゃコンサートに間に合いません、かといってタクシーが通る訳もなく、2-3kmならいける、と歩くことに、500m程して交番発見、駅までの距離を訊くと「4-5km」との答え、諦めてタクシーを呼んでもらってぎりぎりコンサートには間に合いました。

 この日は朝3度弱、そこそこ晴れたけれど風のあった日中は11度台とやや寒め、頭痛と熱でぼーっとしながら、群馬を彷徨うのはシンドかったです。

 長旅を終えて聴いたのは音楽大学オーケストラフェスティバルの初日、複数の音大のメインプロを一挙に聴けるお買い得企画、しかも今日は3大学!3時間超覚悟です。

11月24日(土) 芸術劇場
 北原幸男指揮武蔵野音大管弦楽団 ショスタコーヴィチ Sym5番
各ステージ冒頭には音大学生の手になるファンファーレが奏されます。まずは昭和音大によるファンファーレ、Tp,Tb各4本によるオーソドックスなものでした。続いて入場した武蔵野音大管はチューバが女性、と言うかTpとTbを含めても男は1stTb1人だけ、指揮はショスタコ5番を得意とする北原幸男、粘ったりタメたりせず、メリハリくっきりのシンフォニックな音作り、ブラスがまずまず鳴った第1楽章頂点では(4+1アシだったせいか)Hrトップはソロに備えてしっかり休憩、第2楽章冒頭の低弦はごりごりと迫力あり、棒を置いた第3楽章もすっきり系、TpとTbの吹きっぷりが豪快だった終楽章冒頭、かなり遅めに始まってすぐ加速するパターン、やや遅めだったコーダは、Tpも頑張ってまずまずの大団円でした。

 続いては昭和音大、それは次の記事で。

2012年11月22日木曜日

シリーズ第5作は中短編集、密室講義+アラカルト - 三津田信三「密室の如き籠るもの」

 ビックリのニュース:米大学バスケで1人で138得点!
内訳は通常のフィールドゴール104点、3ポイント27点、フリースロー7点とのこと。フリースローの少なさがいかにも、って感じ。

 この記事を読み「100点と言えばウィルト・チェンバレンでしょ!」と思ったのはいいんですが、100点きっかりだったか100点超えだったかはうろ覚え、確認のためネットで調べたところ、それ以外にも彼の凄いエピソードがザクザク、昼休み壁打ちするのも忘れて読み耽る羽目に、例えば"1試合55リバウンド"ってのも凄いです。因みに彼のNBA1試合最高得点記録は100点きっかりでした。

 暦は小雪、朝は4度台とそこそこ寒い、と思ったのに平年値は3度らしくこれでも高めの値、薄曇の日中は13度台とこっちは平年より低め、さっき半月が綺麗だったので今夜はもっと冷え込みそう。

 本日は先日読了した本から、刀城言耶シリーズ再着手企画の最後にして第4弾は、シリーズ第5作にして第1短編集、とされてますが、短編3つと中編1つからなり、後者は文庫にして265頁、第5長編と言ってもいい分量、しかもこれまでのスタイルを踏襲し「○○講義」付きです。

密室の如き籠るもの 三津田信三
 3つの短編では凶器の消失、家の消失、鉄壁のアリバイが、中編の表題作ではタイトル通り密室がフィーチャー、ガチガチの「密室講義」もあり、前作「山魔」でもそうでしたが、クイーンやクリスティーへのオマージュと思える内容も。伏線の回収が綺麗で起承転結まとまっている「迷家の如き動くもの」が最も印象的、あと「隙魔の如き覗くもの」の遊び心溢れる本格テイストも、表題作に関しては以下ネタバレの項参照。
<< 以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 表題作は密室が強固なためか珍しく真相が自分の予想と同じでしたが、その前のダミー解決の方が優れていると思います。

2012年11月21日水曜日

デ・ワールト&N響の"馬なり"家庭Sym

 朝は連日の0度台、日中は14度弱と平年やや低め、外は冬晴れ、昨日長袖を着た勢いそのままに、今日は長袖&長ズボンと一気に衣替えしてみました。

 自宅でコタツを点灯出来ず部屋で凍えているせいで軟弱にも衣替えしてしまいましたが、構内の紫ムクゲは力強く、大半の葉っぱがもう散ってるのにまだ二輪花を付けてます、一方サザンカは例年より出足が遅いみたいで、まだチラホラ程度。

 お昼休み、シュトゥットガルト放響の発売が先週末とっくに始まっていたことに気付いて動揺、なのにまだ最安席が残っていて嬉しい驚き、早速幻想の日をGET、聞いたことのない指揮者(ドゥネーヴ)なのが幸いしたか。

 夜は4連戦の最終日にして家庭交響曲ウィークの最終日、デ・ワールト&N響です。

11月21日(水) サントリーホール
 エド・デ・ワールト指揮N響 メンデルスゾーン フィンガルの洞窟、ブルッフ VnC1番、R.シュトラウス 家庭Sym
 冒頭はメンデルスゾーン、ロイヤルフィルから来たゲストコンマスに率いられた通常配置の弦セクション、昨日のサンフランシスコ響と比べると速いパッセージでのシャープさは落ちる反面、全体に厚みがあります。続いてはブルッフ、この曲でアルプスSymや薔薇の騎士などR.シュトラウスの予告をするプログラミングか(な訳無いか)、ソリストはデカい!のが第1印象のジャニーヌ・ヤンセン、素直で伸びる音色と弾いてない時の立ち姿がサマになっているのが印象的、アンコールは無し。
 後半はお目当てドメスチカ、Sax群はやはり割愛(残念)、デ・ワールトは標準的テンポ、時に歌わせつつも基本はいじらず端整に進行、ただ"大人の時間"では先日の飯森&東響に比べると濃厚な表現、クライマックスに向かってどんどん開放的になり、長大なコーダに入る前の頂点後半からテンポも加速、最後は速めのテンポでやや煽り気味に一気に走り抜けました。オケは低弦が別格の厚み、木管群は先日の東響の方が繊細で情感豊かだった気はしますが、解釈の違いもあってオケの鳴りはN響が上、ドイツ風末広がりの吹き方のTpトップや8本のHrを筆頭にブラスの鳴りもよく、ティンパニのキップのよい打ち込みもあり、なかなか豪壮なフィナーレでした。

 国内オケの同曲では最も壮麗な響きだった気がします、とは言え、N響ならこの位はやるでしょう、というレベルとも言え、デ・ワールトは6月のロイヤルフランダースフィルとのマーラー(5番1番)と併せ、"馬なり"の指揮者だなあ、という印象です。

2012年11月20日火曜日

MTT&サンフランシスコ響のラフマニノフ2番と鮮烈アンコール

 昨夜家に帰ると室温が今季初めて15度を下回り一気に14度(涙)、15度がコタツ点灯の基準ラインなので、コタツを出したいところですが、畳の間が段ボールで一杯のため、それもままならず、毛布にくるまって過ごしました。

 よって朝は冷え込んで0度台、雲一つ無い晴天はもはや秋晴れと言うより冬晴れ、コタツを出せなかった代わりに長袖を着てみました、がやっぱり何となく暑苦しく感じます。

 それもその筈、予報に反し日中はどんどん上昇し最高18度弱とかなり高め、気温が15度あるとポカポカ感を覚える冬モードになりつtあります。

 夜は仕事を早上がりしていそいそと東京へ、MTT&サンフランシスコ響の第2夜、ラフマニノフの2番です。

11月20日(火) 東京文化会館
 マイケル・ティルソン・トーマス&サンフランシスコ響 ジョン・アダムズ ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン、プロコフィエフ PC2番、ラフマニノフ Sym2番
 まず驚いたのは弦の配置、昨日と違って音域順に並んでます!(これは後半も同じ) 1曲目は現代曲、大編成オケでTpなんか5本!ミニマルミュージック流ファンファーレといった趣の小曲で、ほぼ全編でブラスが輝かしく鳴り響く中、後半Tpのハイトーンの連続がシンドそう。続くプロコフィエフではコンマスがコンミスに交替、協奏曲が苦手な自分には第1楽章の長くて激しいカデンツァなどシンドかったですが、曲想に変化が多くブラスの見せ場もふんだんにあって、そこそこ楽しめました。今日は赤いドレスだったソリストのユジャ・ワンは、アンコールにやや指くるくる系のロマンチックな曲を(←終演後調べてくるの忘れました)。
 後半ラフマニノフではコンマスが復帰(でもさっきのコンミスは見当たらず)、MTTは遅めのテンポでタメを作りつつ各動機を丁寧に歌う濃いめの表現ながら、旋律の背後に埋もれていたパッセージが浮かび上がる解像度もあり、更にそのベースでは付点等のリズムを常に明確に響かせていたのが個性的、第1楽章提示部のリピート無しは嬉しかったんですが、コーダ付近では思いっきりカットしてました。木管群のひなびた音色もこの曲ではプラスに作用した印象で、Fgなど出色、草笛っぽいObやのっぺりしたHrも昨夜と同じ、中盤分厚く盛り上がった第3楽章は美しく、昨日と比べてパーカッションはかなり大人しめ、ブラスはやや抑えめでしたが、終楽章の盛り上がりもなかなか、もともとベタなこの曲をベタにやったプロオケの演奏としては、過去最高の印象でした。
 アンコール無しだった昨日と違い、今夜はすぐ団員は次の楽譜を用意し、4人目のTp奏者が楽しそうに入場、始まったのは「アルルの女」ファランドール(休憩時にピッコロが散々練習していたとのこと)、弦は鮮やかに鳴り、ブラスが奔放に吹く爽快な演奏、しかも最後にアッチェレせずインテンポで終わったのがある意味お茶目。これで終わりかと思いきや、ピアノ奏者が入場し次は何と予想外のコープランド「ロデオ」終曲"ホーダウン"、このコンビの十八番なんでしょうか、アメリカンブラスがスカッと鳴り、弦管ハジけてオケの音像が一気にスケールアップ!一般聴衆には馴染みのない曲ゆえ途中のパウゼで拍手が起きるのもご愛嬌、ブラス経験者にはお馴染みのこの曲、アメリカ1流オケが本気で演奏するとこんなに凄いんだ!と唖然、本日の白眉でした。

 同様のフレーズを延々と繰り返す傾向のあるラフ2をじっくり演奏するのを聴いていて、冒頭にミニマルミュージックを持ってきたプログラミングの意味が判った気がしました、って偶然か。

 アンコールを含めたトータルでは昨夜と遜色無い満足度、このコンビで「エル・サロン・メヒコ」を是非聴いてみたいです。

 明日は4連投の最終日、N響の家庭Symです!

2012年11月19日月曜日

MTT&サンフランシスコ響の重厚長大・針小棒大マーラー5番

 試合にスコ負けした罰として、帰りは路線バスに乗らず最寄駅まで2-3km徒歩で、と歩き始めて20分、急に雨が強くなり、傘を持たず出たので屋根のあるバス停で雨宿り、すぐバスが来たのでつい節を折って乗り込んでしまいました。

 地元茨城の職場には12時前に復帰、雨降った様子無く、どうやら草加付近の雨は局所的なものだった模様、午後になっても寒いまま、終日10度以下でした。

 夜は4日連続コンサートの2日目にしてMTT&サンフランシスコ響の初日、MTTのマーラーは3年前PMFオケで5番を聴いてますが、最近少ない巨匠風で濃厚なマーラーだったので今夜も楽しみ、そしてサンフランシスコ響を聴くのは初めて。

11月19日(月) サントリーホール
 マイケル・ティルソン・トーマス&サンフランシスコ響 ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲、マーラー Sym5番
 前半は誰かのコンチェルトから変更になってのラフマニノフで個人的にはラッキー、速い曲想、特に冒頭からしばらくの速さにビックリ!主題を転回して作った哀切なメロディー部(「ある日どこかで」やCMで有名)はオケは割とあっさりだった反面、紫のロングドレスのソリスト、ユジャ・ワンはかなりロマンチックに、鳴り止まぬ拍手に応え、アンコールはMTTとの連弾で楽しいプーランクの曲を。
 そして後半のマーラー、オケは対向配置、木管の後ろに7本のHrが横1列に並び、他のブラスはパーカッションの並びで右奥、Tpソロは朗々として見事ながら(本人のスタイルかMTTの指示なのか)癖のある吹きっぷり、MTTは第1楽章からテンポは揺らすわ殆どのフレーズでタメたり粘ったりするわとやりたい放題、オケもいい鳴りっぷりで第1楽章で既にお腹一杯です。極端な表現が随所にありましたが、特に第4楽章終結、弦が下降しながらffからppへと消えてゆく箇所を「9番の終楽章かよ!」と突っ込みたくなる位ゆっくり1音1音刻み込んでやっていたのが印象的。
 明るい音色の弦はゆったり響かす際はボリューム不足の感あれど、激しく刻む際にはシャープな存在感あり、今一つの感じだった木管の中、草笛の如きObトップの音色が個性的、また要所でのティンパニの打ち込みも強烈、そしてブラスがやはり出色で、Hrソロはのっぺりした吹き方で色気ゼロでしたがパート全体ではなかなかの鳴り、Tpは3rdが驚く程精彩を欠いてましたが、1stは勿論2ndもいい鳴り、そして何よりバストロ筆頭にTbが充実の鳴り、第1楽章終盤のコラールはまだ余力を残した感じでしたが、終楽章では見事なサウンドが鳴り響き、ほぼ満足の大団円でした。

 久々に「重厚長大」マーラーと感じたPMFの時と比べ、旋律の最初でタメる基本パターンは共通ながら、手兵ゆえかあざとさとテンポの揺らし度が上昇し、重厚長大に「針小棒大」まで加わった感あり、楽しかったです。

 明日は同じコンビでラフ2、ラフマニノフでここまでやるとは思えませんが、楽しみです。

埼玉OP秋季クラシック2012

 朝から曇り、そのせいで冷え込ほどほどで最低4度台、早起きして埼玉OPに参戦、コートに着くと小雨、「えっ!聞いてないし…」。

 ただ本降りになること無く、合間を縫って試合開始、予選1回戦で左利きの若者に0-8とスコシバ。

 試合終了と同時にまた小雨、全く気温上がらず寒い中、試合が残ってる人は待たされたりして可哀想、と負け惜しみを言いつつ帰途へ。

 本日貰ったアドバイス:
もっとネットに出ること。

2012年11月18日日曜日

飯森&東響の家庭Sym

 昨夜のしし座流星群、予報通り夜半に雲は晴れ、冷え込みも無く観測にはいいコンディションだったんですが、自室はここ数日は16-7度と寒々として、布団から外に出る気力が湧かず、スルーしてしまいました。

 よって朝の最低は8度弱と高め、よく晴れた日中は16度台と平年やや高め、早起きして東京に出て午前中は教え子の応援、最寄り駅からコートへの道すがら、サルビア・ガラニチカがまだ深紫の花を風になびかせていました。

 風が強く、日陰で観戦していると裸足に半ズボンでは少し寒く、何よりほぼ全敗した(涙)せいですっかり凍えてしまいました。

 昼過ぎには応援を抜けてサントリーへ、お目当ては大好物の家庭交響曲、ほぼ同じ時間帯のゲルギエフ&マリンスキー管「幻想」も購入してあったのですが、家庭Symはローマの松と並び、大好きなマーラーより優先度の高い数少ない曲ゆえ、泣く泣くゲルギーは諦めてこっちに参戦。

 しかも同曲は演奏機会が少ないためチャンスは逃せません。とは言え、2009年は当たり年で5度聴ける僥倖に恵まれ、今年も3度聴ける幸せ、先日のワセオケに続いて今季2度目です。

11月18日(日) サントリーホール
 飯森範親指揮東響 マーラー 若き日の歌より、R.シュトラウス 家庭Sym
前半はマーラー若書きの歌曲を1986年マーラーフェストに際し委嘱されてベリオが編曲したものから5曲、オケはほぼ2管編成でバリトンソロはロディオン・ポゴソフ、第1曲がまんまSym3番第3楽章でビックリ!それが20分程度で終わった後、オケが大編成となり、飯森が30分に亘り家庭Symの解説を実演付きで、ただ説明し辛い夜7時ー朝7時の"大人の時間"の箇所だけすっ飛ばしてました(笑)。
 そして後半お目当てのR.シュトラウス、父・母の動機を対比すべく弦の配置をいつもと変えVnとチェロを対向させたとのこと、テンポは標準的で表情もすっきり系、弦はほどほどに伸び、木管もまずまず、Tpは1stがやや大人しめだった代わり3rdがやや奔放でいい感じ、9本揃えたHrがなかなかの鳴りでしたが、ブラス全体ではバランス重視で全開にはならないのが少し物足りませんでしたが、トータルではまとまった演奏の感、ラストの音響もまずまずでした。

 秋山&読響プレヴィン&N響ボージチ&都響ワセオケなど、近年よく割愛される4本のSaxがちゃんといて嬉しかったです。

 明日はMTT&サンフランシスコ響の第1弾、マーラー5番です!

2012年11月16日金曜日

三ツ橋&東フィルの火の鳥、展覧会

 朝は0.6度と今季最低値、そのせいか今日から職場に暖房が!

 空調と云えば先日書き忘れましたが、ゲルギエフを聴いた日、何と銀座線に冷房!が入っていて発狂しそうになりました、車内放送で「ただいま冷房を…」と堂々と言っていたので勘違いじゃありません、11月中旬なのに、気温はほぼ平年だたのに、省エネの時代なのに。

 秋晴れ(冬晴れ?)の午後は最高16度台とほぼ平年、昨日断念して仕切り直した昼休み同僚との週一テニスの帰り道、道路でとぐろを巻いていたかなり大きな蛇を踏みそうになって同僚が動揺してました。

 胴体は太い部分で5cm近く、2-3重に巻いていたとぐろの直径が3-40cmだったので長さは優に1m超、「こんなデカけりゃアオダイショウだから踏んでもOKっすよ」と言ったら、「頭が三角だからマムシかも」と言われ、見てみりゃ確かに三角頭、でも後でネットで調べてみると、青大将でも状態によりそこそこ三角に見えるそうなので、色合いやデカさからすればやはりアオダイショウでした。

 夜は東京に出てコンサート、初めて聴く指揮者、しかも女性ですが、激しい表現が評判で少し気になっており、格安入手しての参戦です。

11月16日(金) サントリーホール
 三ツ橋敬子指揮東フィル ストラヴィンスキー 火の鳥、ブロッホ ヘブライ狂詩曲"シェロモ"、ムソルグスキー 展覧会の絵 
 最初の火の鳥は1919年版組曲、棒以上に顔芸が印象的だった三ツ橋女史、王女たちのロンドでの抑えた叙情性が印象的、Hrソロがノンヴィブラート系で色気極小ながら美しく、ラストのブラスもまずまずの迫力、次のブロッホはチェロ協奏曲的な曲想でオケが2管から3管に、ソリストはデカくて野人の如き風貌のガブリエル・リプキン、クライマックスでのブラスの迫力はそこそこ、後半の展覧会はラヴェル編、冒頭Tpソロはストレートな吹きっぷり、古城のAltSaxソロ、ビドロのユーホはともに専業奏者、シュミイレはピッコロTp使用、オケは弦の鳴りが悪い感じ、全般に標準的で個性的な表現は少なかった中、ゆったり悠々と進んでいて、終結部に入り突然テンポアップしたのが印象的だったキエフの大門、ラストの迫力はまあまあでした。

2012年11月15日木曜日

第4作はマリー・セレステ号と見立て殺人、プチ講義もアリ - 三津田信三「山魔の如き嗤うもの」

 朝は1.6度と今季1番の冷え込み、TVでは「東京が今季初めて10度を割った」と言っており、10度近い差に驚き、冬の最低気温はここ南茨城と都心との差は5度位って認識だったのに…。

 とは言え11月中旬ともなれば、この辺りではマイナス気温になってもおかしくない時期、今夜は夜8時の時点で5度を下回っており、明朝は初マイナスかも。

 午後は15度台と平年やや低め程度、昼休み同僚との週一テニスはコート満杯のため断念して壁打ちへ、壁とアスファルトの隙間から生えたセイタカアワダチソウは先日ボールをぶつけたためか半分枯れて倒れてましたが、その隣では野菊が生えて赤紫の花を咲かせています。

 本日は昨日読了の本から、刀城言耶シリーズ再着手企画の第3弾は長編第4作です。

山魔の如き嗤うもの 三津田信三
 "山魔"の出るとされる禁忌の山で遭遇したマリー・セレステ号ばりの一家消失を語った手記の謎を解くべく山村を訪れた刀城言耶の前に起きる数え唄になぞらえた連続殺人、読み易さは更に向上、今回「見立て殺人講義」の趣向はプチ程度ながら、お約束の終盤のツイストはかなりのもので、しかもこれまで希薄だったロジック(クイーンを意識したもの)もあり、衝撃度では「厭魅」、トリックの華麗さとオリジナリティでは「首無」に一歩譲るものの、トータルでは遜色無い印象、見事に作者の用意したニシンに食らい付いてしまいました。

 前作といい本作といい、改めて序文から読み直すと、ニヤリとさせられる内容がぬけぬけと書かれていて、ディクスン・カーを彷彿とさせます。

 明日は未知の女性指揮者、三ツ橋&東フィルによる火の鳥&展覧会です!

2012年11月14日水曜日

爪楊枝初認識、3度目のゲルギエフ&マリンスキーのショスタコーヴィチ5番

 昨夜の「花のズボラ飯」、ライバル番組(?)テレ東「孤独のグルメ」のパロディに爆笑でした。

 爽やかな秋晴れ、朝3度台とやや冷え込み、日中16度台は平年値、そう言えば今年はツツジの狂い咲きがめっきり減っっています。

 午後は横浜で講義、その帰り道、横浜駅近くで家系ラーメンを経由してからサントリーへ、日頃と違いスーツ姿のせいか、ホールで知人約1名にスルーされました(笑)。

 聴いたのはゲルギエフ&マリンスキー管、このコンビの関東公演は3回(苦手なNHKホールは除外)で、うちサントリーの2公演は歌劇(守備範囲外)か、過去に2度(2011/2/162006/1/27)も聴いてるショスタコ5番、よって今回は奮発して価格が高い(しかも遠い)所沢公演の「幻想」を購入。

 しかし! 飯森&東響の家庭Sym(好きな曲第1位か2位!)とほぼ同じ時間帯(1時間ずれ)であることが判明、サントリーと所沢との移動時間を考えるとハシゴは無理、ってことでweb掲示板で手放すことに。

 ただこのコンビが来日して1度も聴かないのも、と思い「幻想」を売った代金元手に本公演を入手しての参戦となった次第。

11月14日(水) サントリーホール
 ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管 リャードフ キキモラ、ラフマニノフ PC3番、ショスタコーヴィチ Sym5番
 オケはいつも通り対向配置、最初のリャードフは初実演、ゲルギーは指揮棒使わず例によってヒラヒラ、ただ生で聴いてもやや盛り上がりに欠ける曲でした。続くラフマニノフも棒を持たず、と思ったらあれ? 爪楊枝みたいな極小棒を右手にしてます、もしかして(近眼なので)これまで気付いてなかっただけか…。この曲は自分には長過ぎて途中意識を失ってしまいましたが、ラストの激しい畳みかけはさすが、豪快だったソリスト、デニス・マツーエフはアンコールを2曲も、しみじみ系の曲(チャイコフスキー「四季」からとのこと)を思いっきりベタに、続いて「ペール・ギュント」"山の魔王の宮殿にて"を壮烈なアッチェレで。
 後半ショスタコでも爪楊枝使用、やや速めのテンポは以前と同じながら表情付けは前より細かくなり個性的な箇所も増えた印象、第1楽章(最近はカルメン主題と呼ばれてる)第2主題の速さと、第2楽章コーダ入リのティンパニがやたらデカく、その後Obソロで極端にスローダウンしたのが印象的、また第3楽章では表情を細かく付け、やや非力な印象のある弦からなかなかの響きを、終楽章は前半・コーダ共にかなり速め、若いメンバーが結構いるオケは揃いが悪く大きく乱れる部分もありましたが、全体では昨年より伸びのある響きだった印象、Tpはアシ付き4本ながらHrはアシ無し4本、そのせいか第1楽章後半ソロは直前休憩無し、ブラスは両端楽章とも8分程度の吹きながら、ラストのTpハイトーンもキマってまずまずの大団円。
 拍手喝采の中バスクラやアングレが加わってアンコールがあるのは明らか、で始まったアンコールが大好物の「くるみ割り人形」よりパ・ド・ドゥ(のアダージョ?)、冒頭チェロから極端な表情付けのオンパレードでもう最高、10年程前に所沢で同コンビのアンコールで聴いた時より凄く、豪快さではテミルカノフ&旧レニングラードフィルに譲るかもしれませんが、同曲では過去最高クラスの興奮度、本日の個人的白眉でした。

 去年そうだった様にゲルギエフは全楽章続けて演奏したかったのか、楽章間は1度も手を降ろさなかったんですが、音が消えるや否や咳を始める人達に阻まれ(笑)、続けて演奏したのは3-4楽章だけでした。

 これでこのコンビのショスタコ5番をミューザみなとみらい、サントリーと異なるホールで3度聴いたことになりますが、だんだんスマートさが減ってアクの強さが増えてきており、(個人的には)より面白くなってきています。

 ゲルギーの過去公演の日記を読み返してみると、棒を手にしない割合がどんどん増えている様に書いてますが、実は自分が「使ってない」と書いていた時の大半は爪楊枝だったのかも。

2012年11月13日火曜日

評判通りの傑作、第3作は首無し殺人講義 - 三津田信三「首無の如き祟るもの」

 うーん、昨日は仕事が一区切り付いて夜8時には帰宅、第1話未見でどんどん溜まっているドラマの消化に着手すれど、「ゴーイング マイ ホーム」第1話のゆるゆる映画的ペースで早や力尽き、11時頃に一旦寝て英気を養うことに。

 いつもは2時頃に寝るので12時前に寝れば5-6時には目が覚めるだろう、と目覚ましをかけず就寝したところ、(たぶん外が暗い時間帯に1度起きた気はするのですが寝直したらしく)強い朝日で目が覚めたのは8時過ぎ(涙)、思いっきり寝過ごして痛恨、ま、久々に夢はたっぷり見ました、もう覚えてないけど。

 昨日予報では20度以上をもたらす筈だった暖気が時間差で残ったか、星空の割には朝の最低8度台と高め、雲が出てきた日中は18度弱と昨日と同じ位、構内では萩の花も見なくなりましたが、並んで立つ2種の紫ムクゲのうち後に咲いた方は葉っぱが黄色く紅葉しているのにかろうじて一輪だけ残っていて、昨年と同様丸4ヶ月間咲き続けたことになります。

 本日は週末読了した本から、刀城言耶シリーズ再着手企画の第2弾、シリーズ中最高傑作との評判高い第3作です。

首無の如き祟るもの 三津田信三
 首の無い亡霊の伝承のある山村に10年の間を置いて2度起こる密室状況での首無し殺人、それが作中作の体裁(メタ的仕掛けの匂いプンプン)で2人の異なった視点からの3人称記述で語られます。読み易さは過去2作より向上、"首無し殺人講義"の趣向もあり、前作「凶鳥」や次作「山魔」の仄めかしもあってニヤリ、最後のヒネリの破壊力は第1作「厭魅」には及びませんが、美しいメイントリックはうっとりするほど鮮やか、本格テイストに限れば確かに歴史に残る傑作と感じました。
<< 以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>

 トリックを成立させるために"館"を建てるが如く、トリックに寄与するホラー的伝承を創り出す点が本格サイドからは素晴らしく、ホラーサイドからは不満が出そう。あと、最後の2転3転の仕掛けは当初個人的には無くもがな、と感じましたが、ネットで他の方の感想を読み「首無し」→「犯人/被害者の入れ替わり」という発想から「メタ的趣向」→「記述者/犯人/探偵その他諸々入れ替わり」と"入れ替わりの万華鏡"的趣向が意図だったと知り、更に評価が高まりました。

 余談ですが、少なくともここまでの3作は初出時(ハードカバー)は見取り図が付いていないとのこと、この内容なら読む側からすれば致命的な気はするのですが、「文庫を買わせるための出版社の策略」という意見を読んでつい頷いてしまいました(笑)。

 明日はゲルギー&マリンスキーのショスタコ5番です!

2012年11月6日火曜日

ブロムシュテット&バンベルク響のブルックナー4番

 今サントリー前アークビル1階ロビー、スタバが無線LANサービス始めたようで喜ばしい限り、これからブロムシュテット&バンベルク響のブルックナー4番、記事のみにて。

<続き>
 朝から雨、そのせいで冷え込み無く最低12度台と約10日振りに10度以上、朝出る時に10度以上あると暖かく感じる身体になりつつあります。

 実家から届いた柿は2日目(収穫の翌々日)にしてかなり柔らかくなり、自分の嗜好から離れつつあります。

 日中は上がらず最高16度、夕方には曇りに転じ、傘が要らない状態でコンサートへ、ブロムシュテットお得意のブルックナー、そしてバンベルク響を聴くのは6年前にノットでマーラー5番を聴いて以来2度目です。

11月6日(火) サントリーホール
 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団 モーツァルト PC17番、ブルックナー Sym4番
 まずブロムシュテット、85歳の割には足取りが軽やか!オケは対向配置でチェロと弦バスは左側、前半のモーツァルト、第2楽章での繊細な表現が印象的だったソリストのピョートル・アンデルシェフスキはアンコールにバッハを。後半ブルックナーではいきなりHrソロが武骨な感じの入り、全体でも武骨な感じの音作りでテンポもやや速めか、弦はボリュームほどほどながら第2楽章などビロードの肌触りの音色、あとボウイングが時折個性的で終楽章中盤の聴かせ所(金管コラールの後に同じフレーズを繰り返す箇所)では全部ダウンでゴツゴツやってたのが印象的。木管はそれなりに個性を主張しつつも音色は常に周りの弦管と調和し、ブラスは弦を掻き消す一歩手前の吹きっぷりながらTpを筆頭にビャーッという典型的なドイツ風の響きで音量以上の力感あり、ティンパニの小気味のよい叩きっぷりと併せ、どの楽章でも充実したサウンド、特に第2楽章での壮麗に鳴らす表現が印象に残りました。同曲では過去No.1の演奏だった気がします、ってたった4-5回しか聴いてないけど(笑)。

 会場で会った知人は「よかったけどエッシェンバッハ&VPOには及ばない」、連れのブルックナー通は「ハース版も部分的に取り入れていた」との弁。

 ノットの振った時と比べてオケのサウンドがより均質で密度の高いものに感じました。ゲヴァントハウス管との7番の時にも感じましたが、ブロムシュテットはオケ本来の響きを引き出すタイプの指揮者という気がします。

 帰りの銀座線で空調の冷風を感じてまず動揺、続いて八重洲からの高速バス車中で冷房の風が降ってきて発狂しそうになりました。

2012年11月5日月曜日

シリーズ第2作は人間消失講義、やや怪作 - 三津田信三「凶鳥の如き忌むもの」

 昨夜の発狂寸前ボケ老人:
ダラダラと休日出勤していた夜8時頃、何か忘れてるなあ、とこの日唯一にして最大のイベントだった尾高&東フィル「ローマの松」(実演は2012/4/26)のライブFM中継を完全失念していたことに気付く(汗)、ダッシュで帰れども既にジャニコロ(涙)。

 今朝も冷え込んで最低4度、曇りだった日中も最高16度強と低め、1週間振りに昼休みに壁打ちをして、外の寒さ(暖かさ)の先週との落差に驚きました。 

 実家から柿の便り第2弾が到着、職場の皆で山分け、赤くて柔らかいのは人に押し付け、自分は固いのから順に早速3個食べました。

 昨日は「MONSTERS」1-3話をまとめて視聴、ミステリーマインド溢れる内容に感心していたら、脚本が何と蒔田光治!成ーる程、納得です。

 って訳で今日は先日読んだミステリーから、ホラーと本格の融合、と言うより寧ろ、ガチガチの本格として近年最大の収穫とも言える三津田信三の刀城言耶シリーズ、第1作「厭魅の如き憑くもの」が待望の文庫化なったのが2009年春、講談社文庫ゆえ、京極堂シリーズと同様、年1冊ずつ順に刊行されるもの、と思いきや、翌年文庫化されたのは第2作じゃなくて第3作「首無」、まあ、「首無」は最高傑作との呼び声高く、戦略的前倒しか、と待った翌年の刊行は何と第4作「山魔」、そしてその翌年、つまり今年の春は第5作「密室」、と第2作は置いてけぼり、我慢モードからすっかり諦めモードへと転じてました。

 ところが春刊行パターンから外れて今秋、遂に第2作「凶鳥」が文庫化、寝かせておいた3-5作と併せ、この秋まとめて読むことに決定、まずはその第2作です。

凶鳥の如き忌むもの 三津田信三
 禿鷲の跋扈する孤島を舞台に前回7人もの人間消失を起こした秘儀が18年振りに執り行われ、刀城言耶が立ち会う中、密室状況からの人間消失が勃発し、その後も続く人間消失。ホラー度は低めで"密室講義"ならぬ"人間消失講義"がある稚気が微笑ましい反面、内容的には短編ネタでしょ、と突っ込みながら読んでいたら、伏線を全て回収するメインのバカトリックに感服、第2の消失などサブのトリックに感心しなかった点を含め、メインのバカ度で全て許せる気になりました。ただ前作に続き本作も初出時は見取り図が無かったとのこと(文庫版にはあります!)、それだと前作以上に舞台がイメージし辛く、思考停止になってしまう可能性大、見取り図無くても解けますが。

 シリーズ中、完成度は低いかもしれませんが、やや怪作系ゆえ印象度は高そう。

 明日はブロムシュテット&バンベルクのブルックナーです!

2012年11月3日土曜日

インバル&都響の4番

 いやあ、セリーグ代表が勝って良かったです、何てったって、阪神より強いんですから。

 朝の冷え込みは4.2度と今季初めての5度割れ、早朝寒い中東京に出て午前練習、午後コンサート、と典型的休日、練習を始めた頃は曇っていて寒々としてましたが、上がった昼過ぎにはすっかり秋晴れに、気温もほぼ平年の17度台まで上がってました。

 午後は先週に続き、奇特な知人から頂いたチケットでインバル&都響のマーラーへ、しかも余程のことがない限り聴かない4番、これが人生で5-6回目です。

 ホールでは昨日は下がっていた白い反響板が天井に巻き上がられています、やはり可動式のよう、しかしオルガンを使わないのだから、下げた方が3階の音響はいいのに、とちょっと残念。

11月3日(土) 芸術劇場
 エリアフ・インバル指揮都響 マーラー 子供の不思議な角笛、Sym4番
オケは先日と同じく音域順に並ぶ弦のトップは矢部&四方、ただしコンマスは矢部さんに交替、前半は「子供の不思議な角笛」から6曲でソロは河野克典(済みません、半分意識を失ってました)。そして後半に4番、インバルは標準かやや速めのテンポ、独特なアクセントを付ける節回しはいつも通り、また極端な場合にはグリッサンド並になるポルタメントを全楽章各所でやってましたが、それを使う場所がどこでも、という訳ではなく独特だった気も、ただ確認したら気になった箇所は少なくとも楽譜の指示通り、単に楽譜に忠実なだけかも。また内声を強調していたのが印象的で、第3楽章後半、中音弦がよく歌った部分が個人的に白眉、またHrは全体的にはバラつきあって先日の3番より出来悪の印象でしたが、要所では豪快な鳴り、その第3楽章コーダのffでソリスト森麻季が胸元の開いたドレスで入場、双眼鏡で見ると記憶よりやや丸くなった感あり、ただ前半でもそうでしたが3階席ではソリストの声が今一つ届かない印象でした。

 第2楽章調弦を変えた矢部Vnソロの隣で、四方Vnソロが同じフレーズを弾く箇所が、こんな楽譜だったことを初めて知りました。

 昨日は空調の冷風にやられて風邪をひき、微熱があって頭もやや重いので、今日は上着(ウォームアップ)を脱がずに聴きました、正解。

2012年11月2日金曜日

竜頭蛇尾への挑戦 - 内藤&ニューシティ管のブルックナー7番

 連日の秋晴れ、朝は8度台とやや高く、日中は17度台とやや低め、気が付くと職場構内でも、赤と白、それぞれサザンカが咲いてます。

 一方先週まで頑張っていたサルスベリは終了、例年より長持ちする2種のムクゲ(又はフヨウ)ですら、先に咲いた方から花が消えていました。

 あとコート脇の空き地には何故かタンポポが! ツツジと同様狂い咲きか。

 夜は知人のご馳走でコンサート、聴いたのは内藤&ニューシティ管による一連の新校訂版によるブルックナー、このコンビで今年マーラーを聴いてますが、彼ら本来のフィールドは独特な原典版によるブルックナー、前回聴いたのは9番の終楽章付き!でした。

 今回は7番、「竜頭蛇尾への挑戦」と題したチラシには「ブルックナー当初の意図-それは決して竜頭蛇尾には陥っていない-を復元することであり、壮大なフィナーレ終結を持つバランスのとれた交響曲を目指して」いると記されており、尻すぼみ感のあるこの曲が壮麗に終わりそうな点に期待です。

 ホールに入ると白い反響板が天井からオルガン全面を覆う形で下がってます。再オープン以降何度か入った時には気付かなかったので可動式なんでしょうか。その反射板があったせいか、3階席の聞こえが少しよくなった気がしました(特に弦)。

11月2日(金) 芸術劇場
 内藤彰指揮ニューシティ管 吉松隆 Sax協奏曲"サイバーバード"、ブルックナー Sym7番 <川崎校訂版>
 前半は邦人作品、2管程度のオケの手前にAltSax、ピアノ、ドラムスが並び、ソリスト3人は皆20歳前後の芸大生、急緩急の3楽章構成の約30分、第1楽章はジャズ調、第2,3楽章はややポップス調でした。休憩時に指揮者が舞台に登場し曲と演奏に関し解説を、前回のマーラーと同様、作曲当時には無かったヴィブラート奏法を可能な範囲(笑)で排しているとのこと。
 その後半ブルックナーは独自校訂による版の世界初演、と言ってもブルックナー初級者の自分には猫に小判、Hrなどの出番が違うかも、といった程度の印象、オケではブラス陣の左端に5本のHrが、右端に専業のワーグナーチューバ4本が配されていたのが印象的、それらによる第3楽章終盤のコラールはなかなか壮麗でした。全体にテンポは速めで、表現は粘らず純朴系で、ノンヴィブラート系の弦の響きともマッチ。ただ期待の終楽章コーダ、それまでと違いぐっとテンポを落とし、従来譜には無い動機も加わったブラスの鳴りも一段アップした感はありましたが、小節が増えた訳ではなさそうで、劇的な違いは感じられず、"竜頭蛇尾の解消"とまではならなかった気がします。

 今日も芸劇の3階席に降り注ぐ空調の風が寒く、4-5列前の女性は途中でオーバーを羽織ってました。自分も脱いだ上着を羽織りたかったのですが、音を出さずにやる自信無く断念、確実に風邪をひいた気がします。

 明日はインバル&都響のマーラーです!

2012年11月1日木曜日

ああシルク違い - ルノア le noir

 日本シリーズのお陰で野球を毎晩観られる幸せを噛み締めています、一昔前なら当たり前のことでしたが…。しかし、さっきの明らかな誤審だった危険球退場は可哀想、早くビデオ判定導入を。

 11月最初の日は爽やかな晴れ、朝は6度台とやや低め、日中は20度を少し上回り高め、夜空では満月を少し過ぎたお月さんが木星とランデブーしています。

 午後は仕事を半ドンでやめて、生まれて初めてサーカスを観てきました。「ルノア(le noir)」という演目が(売れ残っているらしく)半額以下で手に入ったから。

 で特に興味の無かったジャンルに参戦したのは、「ダークサイド・オブ・シルク」という副題が付いていて、「大人向け」との宣伝文句、会場もそれらしくクラブだったので、唯一このジャンルで興味のあったシルク・ド・ソレイユの大人向けの演目と混同したから。

 例えばシルク・ド・ソレイユの"zumanity"は、ラスベガス限定の演目で、煽りビデオや海外掲示板サイトの情報を見る限り、おっぱいもヌードもあり、と真にオトナ向け、これだったら是非観たいところ(笑)。 

 しかーし!チケットを取ってから気付いたんですが、「シルク」とは単にフランス語の「サーカス」の意味、よって今日の演目はシルク・ド・ソレイユとは何の関係も無く、自分の様な無知なアホを引っ掛けるためのあざといネーミングでした(涙)。

 とは言え、一縷の望みを抱いて品プリへ、目的がエロだけに希望は最前列、だったんですがさすがに最前列は格安にはならず、許容範囲ギリギリの3列目です。

11月1日(木) 品川プリンスホテル クラブeX
 ルノア le noir
直径4mの円形舞台を同心円状に客席が囲み、最前列は舞台から1mの至近距離、まずは道化師が登場して客いじり、数回の登場で通算6人ほど舞台に立たされていました。その狭い舞台で吊り輪、ブランコ、力業など様々なアクロバットが休憩20分を挟んで前後半小1時間ずつ、演目によっては最前列は勿論、3列目まで演者が接近、これだけ間近で見られたのは楽しかったです。が、お色気的には下着レベルまでと期待を遥かに下回る出来。ただ、舞台と最前列の狭いスペースに演者以外のメンバーが露出度高いコスチュームでしなを作って座ったりしていたので、触れる距離の最前列のみお色気度及第点かも。1番ハラハラしたのはバランス系、あと男女のペアがローラースケートで種々のスピンをやる演目で、1度思いっきり失敗してコケたのが緊張感を増していました。

 微妙に残った欲求不満感、品達ラーメンに寄って解消してきました。

 明日はマニアなブルックナー演奏ばかりしているニューシティ管の7番です!

2012年10月31日水曜日

野田オープン 2012

 朝は5度台と半ズボンだとやや凍える中、野田OPに参戦、1回戦第3シードに0-6,0-6で玉砕、コート近くの生垣で今年初めてサザンカの花を見ました。

 今日貰ったアドバイス:
1stサーブがいいので、その次のボールをもっと攻撃的に。

2012年10月28日日曜日

インバル&都響の雄渾な3番

 昨日のボケ老人: 昨夜家に帰るとパッパーノ&VPOライブを留守録している筈のDATがなぜか稼動しておらず、タイマー通り電源は入っているのに…。色々原因を調べてもマシンの動作に問題なし、もしかして、タイマーセットの後、電源を落とし忘れたのでは…。

 本日も午前テニスの予定無く、目覚ましを掛けずに寝たら目覚めたのは9時過ぎでビックリ、もうフィギュアのカナダGP男女フリーが始まってます。

 それを観た後、本日も午後はマーラー、インバル&都響の3番です。同コンビの同曲は一昨年に聴いたので、余程安く入手しない限りスルーの予定でしたが、奇特な知人から頂いての出陣、前回は急なコンマス→コンミス交替もあり前半バタバタして完成度が低かった(けれど終楽章は良かった)んですが、今回はどうでしょう。

 いただいた席は3階でも最前列(の右側)、いつも座る外野席(通路より後方)に比べると、ややブラスの音が来る感じ、でも弦は変わらず飛んで来ない感じです。

10月28日(日) 芸術劇場
 エリアフ・インバル指揮都響 マーラー Sym3番
冒頭からHr9本が豪壮で過去同曲最高の鳴りっぷり、全体にテンポ速め(余裕でトータル100分を切ってます)で第1楽章再現部前の行進曲など凄い速さ、アクセントを強調し、終楽章以外粘らないのは前回と同じ、ただ今回はオケがぴったり着いてきて完成度UP、Tbソロはぼちぼち、芸劇3階だとコンミスソロの音が届かずHrソロとの掛け合いの感興が殺がれ残念、第1楽章コーダでのTpファンファーレ風ソロをペトルーシュカの時の様に2人で分奏してたかも(←本当ならビックリ!)。第2楽章後インバルは一旦退場しオケが音合わせ(前回は第3楽章後でした)、その間TpトップがポストHrソロのため退場し、女声合唱約40人、少年少女合唱約30人、そしてソリストが入場してオケ後方のひな壇に着席、合唱は第4楽章の後半に起立し、第5楽章の終わる少し前に着席、最後のビンバンは座って歌う趣向。第3楽章ポストHrソロは復帰時手にしていた楽器(バルブ付きポストホルン)で吹いたのならなかなかの安定感、前回スラーだった第4楽章オーボエの上昇音型が回は慣習通りグリッサンド、終楽章はテンポやや速めながら前回同様たっぷり粘ってインバル節、クライマックス前のppコラール部のTpハイトーンも決まり、最後の音響も壮大、ホールの違いで終楽章では弦のうねりが目減りしましたが、両端楽章のブラスの鳴りはそれを超越して豪快、前回より遥かに満足の出来でした。

 特に第1楽章は前回とは見違える出来でした。あとTpはアシ無し4本だったのに、舞台上の1st奏者がポストホルンを掛け持つのを見たのは初めてかも。

2012年10月27日土曜日

50周年記念&100回記念のマーラー - 横島勝人&鎌倉交響楽団の2番

 予報より好天で連日の爽やかな晴れ、朝は13度弱とかなり高く、日中も20度を超えやや高め、午前中予定無くのんびり過ごしつつも、午後のマーラーに早めに現地入りすべく10時台には出る準備を。

 と言うのも会場が鎌倉芸術館と遠方、しかもつい先日もマーラーをそこで聴いた際、大船での第1志望ラーメン店を断念していたので、リベンジしたかったから。

 ところがフィギュアのGPシリーズや映画「それでも僕はやってない」など留守録する物が多く、HDレコーダーでは足りずビデオも留守録セット、しようとした矢先、テープが絡まった感じの音がしてデッキが消灯(涙)、その後何度電源を入れてもすぐ落ちてしまいます(涙々)。

 デッキ死亡時最大の問題は、ブラウン管TVのため同軸アナログ入力しかなく、デッキを経由しないとHDレコーダーの出力も見られず、勿論録画予約などの操作も出来ないこと。

 昨年の震災でデッキが壊れ、中古で買い直して以降初のトラブル、多分絡まり所が悪く保護機構が働いて電源が落ちるんだろう、と判断し、開けて調べようと思えど、先日の改修工事で片付けさせられたせいでドライバーの入っている段ボール見つからず(涙)。

 じゃあ、先代のデッキはテープ関連メカ部が壊れたけどチューナー部は生きてるでしょ、と廃品扱いの先代デッキを接続、しかし!ベランダに放置していたせいか3ピン入力をちゃんと映してくれず(涙)。

 ならばテニス道具回収&メールチェックで職場に寄るので、そこでドライバーを調達し部屋に戻り、開けて中を覗くと、ガイド部のピンに見たことのないレベルの絡まりっぷり!で切らないと外せない程。

 どうにか除去して無事動作確認、予定より30分遅れで出発、トラブルは重なるもので次は東海道線、不思議なことに「京浜東北線、大井町駅で人が立ち入った」せいで途中立ち往生、東海道線は関係ないと思うんですが…。

 で当初予定より小1時間遅れで大船着、開演まで40分、次にこの駅で降りるのはいつになるか、と思い、えーいままよと第1志望のラーメン屋へ、行列も無く20分でミッション終了、開演10分前に会場到着、2階席なら空いてるだろう、と思ったらほぼ満席でビックリ。

 それもその筈、自分には初のオケですが、地元では由緒あるオケらしく、今回は創立50周年にして100回記念のコンサートでの大曲、分厚いパンフには50年史が熱く語られ、ホール内にはオケの歴史のパネル展示まで、かなり気合入ってます。

10月27日(土) 鎌倉芸術館
 横島勝人指揮鎌倉交響楽団 ベートーヴェン レオノーレ3番、マーラー Sym2番
なぜか最初から舞台後方のひな壇には合唱が!で始まったのは何と鎌倉市歌。続くレオノーレでは舞台裏のTpが跳躍音系を奏し、ああ、これが「復活」との共通点か、と勝手に納得。休憩後に再び登場した合唱は約80人、最初にひな壇に着席し、終楽章前半クライマックスで立つパターン、オケはVnと管が安定しておりなかなかの実力、横島氏の遅いテンポベースの熱血系の棒に応えて分厚いサウンドを聴かせてくれました。特にHrトップと1stTp、2ndTp(女性、1stアシも兼業)が美音で、両パートは全体でも迫力ある鳴りでした。第1楽章後は何もせず3分じっと佇み、マーラーの指示を知らないお客さんはたぶん困惑、第2楽章ピッツィカートの後に10秒も黙祷を捧げた後、音合わせが始まり、ソリスト2名が入場し合唱最前列へ、荒野の呼び声などバンダは基本舞台裏左側、ただFlとの掛け合いTpは舞台裏の右側、その際は舞台上から3rdと4thも舞台裏へ、それらバンダの合流はHr4本が終楽章前半と終盤に2度(計Hr10本)、Tp2本はクライマックスのみでTubaの後方(計Tp8本)、あと終楽章に2ndVn奏者が1名左袖にハケて「弦でも切れたか?」と思いきや、クライマックス少し前に右袖から登場し電子オルガン奏者に転身、その頂点でのブラスの鳴りは豪快で、ここひと月で4度聴いた同曲では1番の満足度。

 前半の後、休憩25分のアナウンス、「長いな」と思ったら実際にはもっと長い30分!冒頭歌があったこともありマーラーが始まった午後3時過ぎは"前プロがレオノーレのみ開演2時"から予想するより遥かに遅い時刻、マーラーのテンポが遅めでかつ拍手が10分以上続いたため終演は4時45分、その後のナイターテニスに遅刻しそうになりました。

 明日もマーラー、インバル&都響の3番です!

2012年10月25日木曜日

ティーレマン&ドレスデンのケレン味たっぷりワーグナー

 朝から雲多く、最低気温も10度台とやや高め、実家の父からもぎたての柿が職場に到着、早速3個食べたらややお腹にもたれて、昼飯は抜き。

 午後も気温上がらず最高18度台、夕方近くなってやっと青空がのぞく中、コンサートのため横浜へ、聴いたのはティーレマン&ドレスデンのコンビ。

 このコンビ関東では2公演(自分の場合NHKホールは視界に入らない(笑)ので)、メインがブラームスのみなとみらいとブルックナーのサントリー、自分の好み度はマーラーやR.シュトラウスが100ならブルックナーは7-80、ブラームスは10(モーツァルトやベートーヴェンだと0)、よって選択の余地無く買うならサントリー。

 最安席9000円!に二の足を踏みつつ、ティーレマンをまだ聴いたことがないので、ヤフオクで入手作戦をずーっと継続、しかしサントリー公演は必ず10000円前後まで値が上がってしまい、結局何と破竹の20連敗!

 18連敗した時点でみなとみらい公演が定価割れしていたため、そっちを入手&ネットの掲示板でサントリー公演との交換を募る「わらしべ長者作戦」に変更。(一般的にはブルックナーよりブラームスの方が人気ありそう。)

 しかし、4日前になっても交換相手見つからず、人に譲るか行くか迷いつつ同コンビのNHKホール公演のFM生中継を聴いていた月曜日、ブラ1の後のアンコールに何と(編成のかなり違う)リエンツィが! しかも聴いたこともない豪壮な演奏、これなら行く価値あるなあ、と思い演目を再確認、すると前プロのワーグナーはサントリーではトリスタンだけなのに、みなとみらいではそのリエンツィ含め3曲も、サントリーとの交換作戦を即中止し、みなとみらい公演にそのまま参戦決定した次第。

 元よりリエンツィはワーグナーの序曲・前奏曲の中で最も苦手な曲、だってワーグナーっぽさが薄く、ロッシーニ?ヴェルディ?って感じの曲調だから、それをあれだけ聴かせるのならタンホイザーなど超期待。

 あとブラームスの交響曲を生で聴くのは初体験かも、正当なクラシックファンからお叱りを受けそうですが(笑)。

10月25日(木) みなとみらいホール
 クリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン・シュターツカペレ ワーグナー タンホイザー、トリスタン、リエンツィ、ブラームス Sym1番
 オケは対向配置でチェロと弦バスは左側、最初はタンホイザー、いきなりティーレマンはテンポを細かく動かし、殆どのフレーズ内でタメを作り、しかも奏者の表情付けまで1音1音指示、と想像以上に細かく、しかもその味付けがかなりあざとく、明らかに楽譜と違う強弱もチラホラ、面白かったです。特に後半の巡礼の合唱が回帰するクライマックスは弦管共に壮大な鳴り、続くトリスタンでも細かい表情付けと独特の強弱は同じ、弦は勿論のこと、前奏曲でのHrの鳴りも見事、締めはリエンツィ、「普通この3曲ならリエンツィが1番先でしょ、1番ショボイ(失礼)曲なんだから」と思ってましたが、FMで聴いた通りの豪快極まりない音響で、参りました!って感じ、3曲ともケレン味たっぷりで、個人的にはこれらの過去最高の演奏でした。
 後半ブラームスは不得意科目、しかも人生初!なのでよく判りませんが、たぶん個性的でした。特に終楽章の序奏がピッツィカート部分を筆頭にかなりのあざとさ、しかも序奏から提示部に入る際には長ーいパウゼ。個人的にはコントラファゴットとアルトTbの使用にびっくり!あと第2楽章でのコンマスソロがやたらよく鳴っていたのと、ほぼノンヴィブラートのHrソロがベーター・ダムと全く違うキャラで淋しかったのが印象的。
 拍手喝采の中、楽員が大量合流、「リエンツィやっちゃったのに何やるんだろ?」「ローエングリンじゃない?」との知人の読み通りアンコールはローエングリン第3幕序奏、中間部ではテンポ遅く独特な表現、両端部では弦はややお疲れ気味ながらTb中心にブラスは朗々。

 オケに関してはハイティンクとの来日時程の美音は感じませんでしたが、ルイージとの時(マーラー2番英雄の生涯アルプスSym)よりずっと好みのサウンド、いい誕生日でした。

 あざとい点も気に入りましたが、何よりもアンコールを始めるまで、そしてオケ解散まで拍手を余りしなくていい、つまり袖と舞台の出入り回数が少ない点でティーレマンに惚れました。

 あと前半で目立つフライング拍手をする不届き者が1名いて、それはRAブロック自分の目の前のマスク男、曲が終わる前にもう両手を顔の前にセットし、タンホイザーでは高らかに鳴り渡った最後の音が響いている間に、トリスタンではティーレマンがまだ棒を上げている間に、ただ一人拍手を開始して周りから眉を顰められてました。でも休憩時にお隣さんから注意されたらしく、その注意への抗議の意味なのか、ブラームスの後では一切拍手をしてませんでした(笑)。

2012年10月22日月曜日

雨とメタファー - 道尾秀介「龍神の雨」

 朝は10度弱とほぼ平年、3日連続で晴れた日中は22度台とやy高め、ただこれから下り坂らしく、午後になると徐々に雲が出てきました。

 窓を開けていると丁度いい季節になりましたが、昨日から地方選がスタートしたらしく、街宣車の声がかなり騒がしいです。

 本日は昨日読了した本から、一昨年ハマった道尾作品、今年は読んでないなー、ってことで買い置きから1冊手に取ったもの。

龍神の雨 道尾秀介
 台風に伴って降り続く雨を通奏低音として、不幸な生い立ちを持つ2組の兄妹/兄弟に訪れる事件が交互の視点からテンポよく語られます。ミステリー的なサプライズや伏線の妙は過去作より物足りない印象ですが、巻末解説(新潮文庫版)を読んで判った種々の隠喩やほのめかしの部分ではより一般的な読者には評価されそうな側面もあり。

 マニア向けの作風(「背の眼」「骸の爪」「向日葵の咲かない夏」)からスタートし、どんどん一般的に受け入れられそうな作風に移っていってる印象、その点、スタイルは違えど微妙に伊坂幸太郎と通ずる部分があるかも。

2012年10月21日日曜日

10月下旬の夏日に重厚マーラー - 齊藤栄一&水星交響楽団の6番

 いやあ、さっきまでTV観戦してたんですが、さすがクライマックスシリーズはシビレる試合をやりますね。どっちも阪神をイジメるから嫌いなんですが、どちらかと言えばリーグ優勝した巨人に勝ち上がって欲しいところ。

 今日も昨日に続き午前教え子の応援、午後アマオケのパターン、空も2日連続の秋晴れ、しかも朝は10度弱と平年程度ながら日中は25.5度と夏日に、ただこの好天の週末に自分がテニスしてないのはちょっと残念。

 教え子達の勝利を半ば確信しつつ、試合途中で中座し錦糸町へ、聴いたのはマーラーなど大曲志向なため、毎年の様に行っているオケです(前回は噴水と松、直近のマーラーは3番)。

 今日のボケ老人:
開演午後1時半を午後2時と記憶違いしており、1時32分にホール着、この時間なら会場時の人だかり、と思ったのにホール前には人がいなくてビックリ、入場時に「もう始まってます」と言われ2度ビックリ。

 でも席に着いた時に丁度チューニングが始まるタイミングでした、時刻は午後1時34分。マーラーオタクの多いこの楽団らしく、パンフレットも充実の内容です。

10月21日(日) すみだトリフォニー
 齊藤栄一指揮水星交響楽団 ラヴェル スペイン狂詩曲、マーラー Sym6番
前半ラヴェルはアマがそれなりの雰囲気を出すのは難しそう、それでも最後はそこそこ豪快な盛り上がり。後半6番は新版の楽譜を使いつつも敢えて曲順は昔のパターン(アンダンテが第3楽章)を採用(賛成!)、第1楽章冒頭から弦管共に重厚な音作り、ちゃんと5管ずつ揃えた木管陣もミスを気にせず豪快な吹きっぷり、再度音合わせをして臨んだ第3楽章、頂点部でのカウベルはパーカッション7-8名!で、そして終楽章後半ではシンバルの花が6つ咲いていたのも印象的。木槌で木の台を叩くハンマーは2度だった終楽章、要所でTbがよく鳴り、やや疲れてきたトップを2ndや5th、6thがカバーするTpもなかなかで、最後まで重厚なサウンド、しかもコーダの最後の1撃は凄く鮮やかにキマりました。

 最後のピッツィカートが消え入ってから約10秒、齊藤氏は棒を降ろさなかったんですが、5秒程経った時点で約1名激しい拍手をスタートし、周りの非難がましい雰囲気を感じてストップ、改めてその5秒後に全員の拍手が始まる、という一幕も(笑)。

2012年10月20日土曜日

豪快チャイコフスキー - 福田光太郎&千代田フィルハーモニー、白鳥の湖

 爽やかな秋の午後、宴会までの空き時間、渋谷タワレコでの服部真由子さんのピアノに続いて赴いたのは千代田区主催のオーケストラフェスティバル、アマオケを何団体か招き、1団体1時間程の持ち時間で公演する企画で勿論無料、以前(今は亡き)カザルスホールでやっていた頃に何度か行ったことがあります(前回は2009/10/24)。

 今年の会場は日経ホール、入るのは初めてな気がします(がボケ老人ゆえ忘れてるだけかも)、午後一杯掛けて4つのオケが演奏する中、時間的に聴けたのは次の公演のみ。

10月20日(土) 日経ホール
 福田光太郎指揮千代田フィルハーモニー管弦楽団 チャイコフスキー 白鳥の湖
「白鳥の湖」から10曲を抜粋しての40分超、やや不安定なパートもありましたが、最後はTpとTbがしっかり鳴ってなかなかの盛り上がりでした。

 この後池袋に出て宴会、1次会で有り金全てかっぱがれ、2次会以降はパスして逃げ帰りました。

 因みに明日はアマオケでマーラー6番です!

意外に豪快ヴィラ=ロボス - 服部真由子さんのピアノ

 昨夜は三日月とそれが沈んだ後の夜空がとても綺麗、その分夜は冷え込んで朝の最低5度台と今季最低値、爽やかに晴れた日中は20度台と平年値、本日は教え子の団体戦の応援で玉川上水へ、日大のコートがあるので何年に1度は行くんですが、国立音大(駅の反対側にある)に行く時と同じ駅だってことを初めて認識しました。

 試合はサクサク進行し昼過ぎには終了、夜の宴会まで暇になったので、まず渋谷に出てタワレコのインストアイベントへ、いくつかのフロアはまだ改装中、しかもエスカレーターの上り/下りが前と逆向きになっていて動揺、クラシックフロアも6Fから7Fへ移動してましたが、エスカレーターとの位置関係的には前と同じ、イベントスペースも同じ位置でした。

 聴いたのは服部真由子さんのピアノ、お見かけした感じそれなりにキャリアのある方のようですが、ソロとしては初のCDリリースとのこと、そのヴィラ=ロボスの曲集CDから9曲たっぷり30分超、「赤ちゃんの家族」というほのぼのした題名なのにビックリする程激しい曲(特に第2集)が多くて唖然。

 それが終わってもまだ時間があったので、千代田区主催のオーケストラフェスティバルへ、この続きは次の記事で。

2012年10月19日金曜日

雨好き牧師と不可能犯罪 - ハル・ホワイト「ディーン牧師の事件簿」

 昨日の雨を降らせた停滞前線(秋雨前線?)は台風と共に未明に去り、日中は快晴、朝の最低10度弱、午後の最高19度強と共に低め、構内の彼岸花は萎れ、百日紅は最後の一輪レベルに減ってしまってます。

 あと今年初めて気付いたんですが、雑草の様に所々に生えている薄紫の萩の花、これが意外と長持ちで、ひと月以上前から咲いてるのにまだ一杯咲いてます。

 本日は先日読んだ本から、ちょっと間が空きましたが「昨年の本格の収穫を読む」企画の第3弾、昨日は雨だったので憂鬱、今日は晴れて気分も晴れ晴れ、と自分は雨が嫌いなんですが、それとは逆に雨が降るのを待ち望むむ主人公が数々の不可能犯罪に遭遇する短編集、しかも原作刊行は何と2008年! 著者は本格マニアが高じて著作に手を染めた印象です。

ディーン牧師の事件簿 ハル・ホワイト
 引退した牧師が挑む6つの不可能犯罪、どれも密室とそのバリエーションで、謎が多いとどうしても心理的トリックより機械的トリックが多くなってしまうのと、トリックや手掛かりのフェアさにも出来不出来があるため、マニア以外にはシンドそう、ともあれ、その本格魂と稚気が素敵です。矢継ぎ早に3つの"密室"が繰り出される巻頭の「足跡のない連続殺人」、そして巻末の「ガレージ密室の謎」のバカミス度(笑)が印象に残ってます。

2012年10月18日木曜日

解散セレソン緊急参戦 - 東京セレソンDX解散公演 笑う巨塔

 ほぼ終日の冷たい雨、朝の冷え込みは無かった代わり日中は19度までしか上がらず、宿舎自室の温度も20度を割りそうです(涙)。

 この3日間はコンサートで東京通い、なので今日は溜まった仕事を粛々とこなして、と思っていたのに夕方また東京に出てしまい、セレソンに電撃参戦、セレソンと言っても先日ジャパンを叩きのめした我がカナリア軍団ではなくて劇団の名前。

 この東京セレソンDX、テレ東深夜の「魁!セレソンDX」最終回の意外な仕掛けで感動させられて(2006/12/21)以来、観に行きたいとは思いつつも、お金を出して観る程舞台の趣味は無く機会の無いまま解散の報を聞き、あー、チャンス無かったなあ、と思っていた矢先に無料チケットの情報が飛び込んできて、その場で即参戦決定して池袋へ、まさかひと月とおかずまたサンシャイン劇場に足を運ぶことになるとは想像だにせず。

10月18日(木) サンシャイン60劇場
 東京セレソンデラックス解散公演 「笑う巨塔」
病院に入院中の政治家、相撲の親方、とび職人とその周囲の人々に病院スタッフが入り乱れ、様々な勘違いが巻き起こす騒動を描く典型的なシチュエーションコメディ、客席は飲食自由なのが画期的で、最後のダンスには客席も参加、と楽しいノンストップの2時間15分、泣かせ所も一瞬あり。解散公演のためか客演俳優が大勢いた中、モデルの余技の印象だった(失礼!)芦名星が意外と達者だったのと、(昔好きだった)藤吉久美子の50歳にしてキレのある踊りが印象的でした。

 終演後のロビーには出演者の他、芸能人の顔がチラホラ見えました。

2012年10月17日水曜日

フェドセーエフ&チャイコフスキー響のスヴィリードフ、R=コルサコフ、ショスタコーヴィチ10番

 昨夜は夜空が綺麗、その中心に君臨していたのは木星でしょうか、そのせいか朝は若干冷え込み気味で10度強、爽やかに晴れた日中は23度弱と平年やや高め、宿舎前でも職場構内でもキンモクセイのむせ返る匂いが充満しています。

 昼過ぎても好天で「これで雨降るの?」と思っていたら、予報通り夕方からしっかり降ってきた中、東京に出て3日連続のサントリー詣で、フェドセーエフ祭りの第3夜です。

 ただ今夜のメインはショスタコ10番、これは前々回の来日でやっているので、ショスタコなら別のシンフォニーにして欲しかったところ、ま、それを忘れるなら前プロも大編成の管弦楽曲ゆえ、個人的にこの3日間で1番充実のプロです。

10月17日(水) サントリーホール
 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮チャイコフスキー響 スヴィリードフ 交響組曲「吹雪」、R=コルサコフ スペイン奇想曲、ショスタコーヴィチ Sym10番
 最初は未知の作曲家スヴィリードフ、ショスタコーヴィチのお弟子さんとのこと、3日目にして初めてTpが3本に、映画音楽をベースにした組曲から6曲、ショスタコっぽいワルツや弦が休んで管打楽器だけのマーチ、そして歌謡曲のカラオケみたいな曲など盛り沢山、特に緩徐曲での弦中心の深みある響きが印象的。続くR=コルサコフでは美人Flソロが存在感、あと2曲目でこんなに弦が唸ってたのは初めて、ブラスもそこそこの吹きでスケール雄大、同曲過去最高の演奏だったかも。
 後半のショスタコはパーカッションの激しい打ち込み、Fg、Flの存在感、Clの最弱音から最強音の幅、弦の厚み、抑えたブラスなど6年前の印象とほぼ同じ、アンコールは1曲のみで2日前にやった「白鳥の湖」スペインの踊りを賑やかに、ただ最後の1音でのTp,Tbの吹きっぷり心なしか一昨日よりハジけ気味、今日のフェドセーエフは最後まで棒を使用せず。

 3日間通して印象に残ったのは、弦の余り揃っていないけれど厚みあるサウンド、そして3日ともHrトップは前半がヒゲダンディ奏者、後半がハゲ巨漢奏者で、両者ともバカウマ、特に後者はぎんぎんヴィブラートで昔のモスクワ放響のテイストを残していたこと。

 チケット価格を安く抑えてくれたのに、お客さん不入りで申し訳無く、お礼と招聘(とチケット代)の継続の願いを込めて、滅多に買ったことの無いプログラム(これも安めの500円)を購入、読んで驚いたのは次の豊田公演では来日中ただ1度のショスタコ5番をやること!

 うーん、このコンビなら割と最近聴いた10番より、忘れる程昔に聴いた(か、もしかしたら聴いていない)5番を聴きたかったです。しかも5番をやってくれれば、11月のマリンスキー管、12月のモスクワフィルと併せ、ロシアオケ5番対決が楽しめたのに…。

2012年10月16日火曜日

フェドセーエフ&チャイコフスキー響のシェエラザード

 朝は軽く冷え込み10度割れ、日中晴れた割には上がらず21度強、職場構内では夏の名残の花々が衰えを見せ始め、紫ムクゲの花の数が少なくなり、サルスベリは残りほんの僅かです。

 夜はフェドセーエフ祭りの第2夜、この3日間で今日だけ前プロにコンチェルトが、個人的にはその分魅力が薄いんですが、一般にはソリスト目当てのお客さんも含めより魅力的なのか、昨日に比べて断然お客さんが増えてます、ま、それでも7-8分の入りか。

10月16日(火) サントリーホール
 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮チャイコフスキー響 ラフマニノフ ヴォカリーズ、PC3番、R=コルサコフ シェエラザード
 今日もフェドセーエフは前半棒を使用せず、最初のヴォカリーズは精妙な音作りでゆったりしみじみ、続くPC3番ではピアノを真ん中に搬入、白髪のコンマスは退場して後半まで戻らず、実演は初めて(←3度目です!<後記>)だったこの曲、難曲ってことは判りましたがいかんせん長かったです。お辞儀の深いソリスト小山実稚恵は万雷の拍手に応えてアンコールに左手のための曲を(←スクリャービンとのこと)。
 後半シェエラザードになると第3楽章を除いて棒を使用、達者な木管陣の中でもFgソロが出色の存在感、第3楽章中間部の冒頭、かなり弱音に抑えたClソロのバックのスネヤを指で叩いてたのが印象的、全体的にゆったりテンポでサウンドはやはり弦管バランス重視、終楽章頂点でもブラスは抑えめでした。アンコールは昨日同様チャイコ3大バレエから2曲、「くるみ割り」アラビアの踊りと「白鳥の湖」4羽の白鳥の踊り、共に大人しい曲なのでこのコンビのアンコールにしては物足りず、ただ前者は雰囲気たっぷり。

 明日は第3夜、ショスタコ10番です!

2012年10月15日月曜日

フェドセーエフ&チャイコフスキー響の弦楽セレナード、悲愴

 昨日とは打って変わっての秋晴れ、気温も午後25度を超えて久々の夏日、週末は姪の結婚式で飽食したのに体重増は0.5kgで済みひと安心。

 今夜からフェドセーエフ&(旧)モスクワ放響の3連続公演、第1夜はオールチャイコプロ。

 モスクワ放響からチャイコフスキー・シンフォニー・オケ(オブ・モスクワ)と改名して大分経ったらしいのですが、フェドセーエフと言えばモスクワ放響、と刷り込まれてるのは自分だけではないらしく、改名後も来日公演ではずっと旧名称で呼ばれてました、が遂に新しい名称で呼ぶことにしたらしく、自分もそれに倣います、まだ馴染めませんが。

 このコンビは近年ロシアンブラス度は低めながら、アンコール込みで常に期待通りの水準の演奏をしてくれるため、来日の度に1公演は聴いてます(前回もチャイコプロ前々回はショスタコ10番)。

 ただ今回は、円高に反し来日オケのチケット代が高騰する一方のこのご時勢なのに、最安席が4000円! 10年前レベルの定価を付けてくれた招聘元の心意気に感謝して、全公演発売日に買ってしまいました。

 しかし、開演直前に客席入りして衝撃! 自分のいる貧民ブロック(PおよびRA、LA)のみほぼ満員で、他の席はガーラガラ、半分はおろか3分の1程度の入り。こんなに安いのに…、言っちゃ何ですが、ここより格も実力も落ちるオケに倍近い定価を付け、それでも埋まってたりするのに…。売り方が悪いのか、買う方が悪いのか、ホント悲しいです。怒って2度と来なかったらどうしましょう。

10月15日(土) サントリーホール
 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮チャイコフスキー響 チャイコフスキー エフゲニー・オネーギンより、弦楽セレナード、Sym6番
 オケは前回同様対向配置でチェロは左で弦バスは最後列にズラリと9本、その前にブラスが横1列で左からTp2,Tb3,Tuba,Hr4の順、最初は「エフゲニー・オネーギン」から3曲抜粋し、締めは有名なポロネーズ、前半は棒を手にしなかったフェドセーエフは全体的に抑えめの音作り、Hrソロが激ウマ、続く弦セレでは管がハケて木管の場所に弦バスが移動、ゆったりテンポを基調もわっとした音の入りとしみじみした表情が印象的で本日の白眉、第3楽章は勿論のこと、いつも騒がしい、と感じる第1楽章も叙情的でした。
 後半は悲愴、第1楽章展開部前のpppのFgはバスクラで代用(意外と多いんですね)、ここでは棒を使用したフェドセーエフはここ数回の来日と同様、弦中心の音作りでブラスは大人しめ、展開部最後のTbの吼え所ですら朗々ながら7-8分程度の吹き、要所でタメたりせず速めインテンポで走り抜けた第3楽章も弦とブラスのバランスを維持、そして終楽章はゴリゴリした低弦をベースに弦がよく鳴り、静かに消え入った後の黙祷は10秒程、コーダ前でゲシュトップHrがベルアップしていたのが印象的。
 アンコールは2曲、ハープが搬入され、大好物の「くるみ割り人形」パ・ド・ドゥだ!と思ったら同じ3大バレエでも「眠れる森の美女」からパノラマをしみじみと、続いて「白鳥の湖」からスペインの踊りを賑やかに。

 フェドセーエフ&モスクワ放響でこの入りなら、個人的にこの秋1番期待のシモノフ&モスクワフィルはもっとガラガラになるのが懸念されます、悲しい…。

 明日の第2夜はシェエラザードです!

2012年10月10日水曜日

2012 小岩オープン

 昨夜は夏の大三角が綺麗でした(まだまだ夜空は夏!)。そのせいか朝は今季1番の冷え込みで11度台、秋晴れの日中は22度台と平年並み、ただ予報通り下り坂、暗くなってからは霧雨が。

 今日は旧体育の日、ってことで仕事を休んで小岩OPに参加、本選1回戦(苦手な左利きの)大学生に6-0,6-1と久々の本選勝利、続きはまた翌日。

<続き>
 小岩OP2日目、晴れ時々天気雨、相手は第1シードかと思ったら1回戦W.O.したらしく自分と同じ怪しい系、相手が1枚上手で2-6,1-6と完敗。

 今日貰ったアドバイス: もっとネットに。

2012年10月8日月曜日

体育の日に秋晴れラフマニノフ - 田部井剛&ザッツ管弦楽団のラフマニノフ2番

 いやあ、昨夜の凱旋門賞、オルフェーブルには震えました、6年前のディープインパクトの時と同様、いやそれ以上に、行ったかと思ったんですが…。

 朝は今季初めて15度を割り込み一気に12.2度に到達、ま、実はこれでも平年より1度ちょい低いだけ、とは言え溜まらず外出時朝晩だけはウォームアップ用の上を羽織ることに。

 午前テニス午後アマオケ、と昨日と同じパターン、今日はちゃんとテニス出来てハッピー、まさに秋晴れだった日中の最高は22度、物足らない数値ですがこれが丁度平年値。

 午後聴いたのは昨年に続いて2度目になるオケ、お昼前後時間に余裕があったので練馬でラーメン店新規開拓を、と思いましたが昨日大宮で2軒ハシゴしたので今日は自重、コンサート前に食パン2枚のみ。

 開演前の場内アナが"ザーッツ管絃楽団"と発音していてお客さん爆笑、そう言や昨年もそうだったかも。

10月8日(月・祝) 練馬文化センター
 田部井剛指揮ザッツ管弦楽団 サン=サーンス 死の舞踏、チャイコフスキー イタリア奇想曲、ラフマニノフ Sym2番
 最初はサン=サーンス、調弦を変えたVnソロを起立演奏したコンミスが達者、続いてチャイコフスキー、冒頭のファンファーレはぼちぼちでしたがラストの激しい追い込みが出色。後半のラフマニノフではアングレが存在感たっぷり、緩急を激しく付け、時にはジャンプする田部井氏の情熱的な棒の下に応えてなかなかの演奏、特にHrソロが美しかった第3楽章は久々にこの曲でジーンと来ました。Hrはパート全体でも出色の鳴り、終楽章コーダは他のブラスもよく鳴って見事な大団円。拍手喝采の中、団員は青・赤・白いずれかの色の布を取り出して身体か楽器に付け、続いて田部井氏は大きなユニオンジャックを身にまとって登場、ロンドンオリンピックに因んでのアンコールはエルガー「威風堂々」、ブラス中心に豪快なサウンド、特に同曲でHrがこんなに鳴る演奏は初めて、って位吼えており、大満足でした。

 このオケ、確か昨年もマーラー5番の後にコスプレをして激しいアンコールをやったのを思い出しました。

2012年10月7日日曜日

第2回公演は交響詩だった頃の1番、2番 - 児玉章裕&みなとみらい21交響楽団の葬礼、巨人

 昨日の節制が効いたか朝の計量では一昨日に比べ0.5kg減! リフォームダイエットの勢い継続中です。

 午前テニス午後アマオケと典型的休日、外は小雨ながら天気は快方&茨城と東京では天気が違う可能性あり、ってことで予定通り6時起きして出発、朝の最低15度台、平年より高いとは言え半袖半ズボンでは寒いです。

 しかし東京も小雨、徐々にやむことは分かってはいるのに練習は中止(涙)、仕方無く新宿駅構内の無線LANスポットで午後のアマオケまで時間潰し。

 午後の会場、鎌倉芸術館に行くのは10年以上振り、つまり大船で降りるのもそれと同じで滅多に足を踏み入れない土地、ならばその地の人気ラーメン店を押さえよう、とネットのラーメンマップで駅近辺のラーメン屋をチェックし、湘南新宿ライン(東海道線より明らかに混んでいてちょっと失敗)で早めに現地入り。

 まだ雨の残る11時台、まず昼飯に第1希望のラーメン屋へ、すると何と店の外に行列!(大船なのに…) でさっさと諦めて第2希望の店へ、昔ながらのラーメンでした。

 続いて鎌倉芸術館の横に巨大なブックオフを発見、本以外の物も一杯あり、そして文庫も品揃え豊富、何と分厚い京極本「魍魎」や「絡新婦」が100円棚に並んでます!とそこをフラフラと逍遥して100円本を8冊買ってしまいました。

 それから隣のイトーヨーカドー内のマックでネットを逍遥してる内に開演時間、聴いたのはマーラー100年目の命日に設立宣言されたオケ、第1回公演の9番に続き、今回は第1番と第2番の原典たる交響詩「巨人」と「葬礼」です。

 「巨人」のハンブルク稿を聴くのはヤングヤマカズの振ったアマオケに続いて2度目、いや、その折衷版も昨年聴いているので2.5回目か。

10月7日(日) 鎌倉芸術館
 児玉章裕指揮みなとみらい21交響楽団 マーラー 葬礼、巨人<ハンブルク稿>
オケは前回同様2ndVnとVlaを入れ替えた対向配置、前半の交響詩「葬礼」は2番第1楽章の原型、これの実演も2-3度目位(前回はジャパン・グスタフ・マーラーオケ)、オーケストレーションの違いより、第2番では残っていない楽想が結構多かったのが印象的、ただ演奏はややスケール感小さめか。休憩を挟んで「巨人」原典版へ、勿論"花の章"付き、児玉氏のシンプルな棒の下、弦はややボリュームと安定性に欠ける感はありましたが、ブラスはまずまず、特にTbがよく鳴っており、Tpトップも最後は息切れしてましたがなかなか(たぶん市響で2ヶ月前の1番でも同傾向だった方)、そこそこ盛り上がっての大団円でした。アンコールは無し。

 午後雨は上がっても気温上がらず今季初めて20度に届かず、終日10度台だったのにホール内や電車では空調の風、寒かったです。

 帰り道、お昼にハジキ返された第1希望のラーメン店へリベンジ! しかし、夜営業前の中休み中(ネットの情報と違う!)、仕方無く第3希望の店へ、しかし地図上の場所にお店無し!(今調べたら何年も前に閉店(涙)、ラーメンDBはこんなケース多過ぎ)、そして第4希望の店へ、するとここは日曜閉店(涙、チェックしてなかった…)、もうどうでもよくなって、フラフラと心の端に引っかかっていた味噌ラーメンの店へ、今一つ好みではありませんでした。

 テニスのジャパンOPもF1日本GPも日本でやってるのに地上派放送無くガッカリですが、オルフェーブル出走の凱旋門賞はフジの報道バラエティ枠でたっぷり中継してくれそう、これからワクワクです。

 明日はアマオケでラフ2です!

2012年10月1日月曜日

ジャッド&ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・オケのエニグマとシベリウス2番

 10月最初の日は台風一過の晴天、気温も台風が運んだ熱気か午前中に30度を突破!10月に真夏日を記録するのは10年に1度のこと。(←調べてみると過去30年で10月に真夏日になったのは2005/10/2、1998/10/2、1984/10/3の3度でした。)

 部屋の温度も27度まで回復、ただ朝家を出た途端、むせ返るようなキンモクセイの匂い(苦手)、構内では片隅に真っ赤な彼岸花が咲き、台風の風で落ちたのか栗の実が散乱、しかもそれが茶色く熟したのばかり、と驚く程に秋を主張。

 でもツクツクボウシは元気そうに鳴いていて、まだまだ夏、という同志を見つけた気分。

 夕方は早いうちに職場を辞し、サントリーへ、聴いたのは三枝成彰が企画する特別編成のオケ、何年に1度かは聴いてます(前回は2008/9/2)が、在京メジャーの奏者が中心と思われます。

 あと先日(ごく部分的に、ですが)個性的なマーラーを聴かせてくれたジャッドが、どんなシベリウスをやるのかが興味深いところ。

10月1日(月) サントリーホール
 ジェームズ・ジャッド指揮ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラ ベルリオーズ ローマの謝肉祭、エルガー エニグマ、シベリウス Sym2番
 最初のベルリオーズは急速な部分では揃いが悪いのかややキレに欠ける印象、ブラスの鳴りもほどほど、続くエルガーでもブラスはぼちぼち程度、しっかり盛り上がったニムロッドでの、最後静かになってチェロを強調したバランスが印象的、オルガンも加わるクライマックスもほどほど程度の音場ながら、最後の1音をぐっとタメで大見得を切ったのが印象的。
 後半シベリウスはテンポ遅めでゆったり伸び伸び歌う解釈、特に第2楽章冒頭の低弦ピッツィカート部分では聴いたことの無いスローテンポ、一方終楽章の再現部へ向かって同じフレーズを繰り返す箇所ではかなり速めのテンポ、弦の鳴りはぼちぼち程度ながら、5本のHrが全体的でいい鳴り、そしてクライマックスのコラールではブラス全体もかなり重厚に鳴ってまずまずの大団円。アンコールはドヴォルザークのスラブ舞曲を闊達に。

 オケのメンバー表を見てもどの程度凄いメンツが集まっているか自分には不明ながら、「日本を代表するオーケストラのコンマスや首席奏者を集めた」と称する割には、いつ聴いてもこのオケ、全体の響き、特に弦にキレや伸び・豊かさに欠ける気がします。

2012年9月28日金曜日

舞台版「キャッツ・アイ」は非レオタード

 昨夜は「夜遊び三姉妹」を見ていて意識喪失、ただ虫の報せ(報らせ?知らせ?)か、4時台に目が覚め、ふとTVを見るとTBSで東レパンパシフィックのシャラポワの試合が!

 放送は準決勝からでは? 成る程! シャラポワが準決勝まで残らない場合へのTBSの配慮か、しかし(たぶん)殆ど負けたことの無いストーサーに負けるとは…(涙)。

 台風18号の歩み遅く、今日も昨日と同じく風強めで、雨が降ったりやんだり、最低は16度台とやや持ち直しましたが最高23度強と今日も低め、部屋の温度も遂に24度、秋の日と室温はつるべ落としか。

 例によって奇特な方から招待券を頂き、午後は仕事を早退けして東京で観劇、この1年よくチケットが回ってくるハロプロ系アイドルをフィーチャーした舞台です。

 今回は「キャッツ・アイ」、泥棒側から描くAパターンと探偵側から描くBパターン、配役も演出・脚本も違う2パターンがあり、迷わずレオタードの多そうなAパターンを選択、ただA/Bお互いの主要キャストが他方にゲスト出演しています。

 サンシャイン劇場を訪れるのは初めて、池袋側からサンシャインシティに入ってから遠いのにまず驚き、あと早めに着いたのでサンシャインシティ入り口辺りにあったマックで無線LANを、と思ったら店が無くなっていてまた驚き、その代わり劇場側にありました。

 受付で頂いたお席は11列目で真ん中寄り、とまずまずの位置、いつも有難うございます。

9月28日(金) 池袋サンシャイン劇場
 劇団ゲキハロ第12回公演 「CAT'S EYE」
何とキャッツのコスチュームはレオタードじゃなくてレザーのトップとボトムでした、微妙。ミステリー的なヒネリは無く、泥棒と刑事、禁じられた恋のジレンマを軸とした脚本で、休憩無しの2時間を無難にまとめてました。主人公の次女役矢島舞美(℃-ute、「数学女子学園」の渋谷警備隊長)が観客には見えない暗闇のシーンなのに涙を流していた(双眼鏡で判った)のが印象的、近くで見ると3女役萩原舞(℃-ute、舞台「ストロンガー」主演)は思ったより小さく、長女役須藤茉麻(Berryz工房、「数学女子学園」のおかみさん)は重量感有り過ぎ、そしてゲスト熊井友理奈(Berryz工房、映画「王様ゲーム」主役)は想像以上にデカかったです。閉幕後にトークショーもあり。

 探偵側から描くBパターン(メインは熊井友理奈、中島早貴、菅谷梨沙子)の方が原作に縛られない分、プロットにヒネリがありそうです。

 夜になると風も落ち、薄いうろこ雲の向こうに見えるお月さんは満月に近くなってます。台風18号の影響はもう無さそう、その代わり17号が接近中らしいです。

2012年9月27日木曜日

台風接近する夜の家庭Sym - 寺岡清高&早稲田大学交響楽団


 朝の最低は連日の15度、出勤時に軽い雨、もう台風18号の影響か、と思いましたがその後日中は殆ど降らず、晴れ間もぼちぼち、気温は最高23度台とやや低め。

 昼過ぎから風はどんどん強くなってゆき、台風の接近を感じる中、夜は東京に出てコンサート、聴いたのは早稲田のオケ、実はワセオケセを聴くのは初めてです。

 学生時代から意識はしてましたが、ン10年前当時からお値段高く、「プロ(職業)はお金を貰ってするもの、アマ(趣味)はお金を払ってするもの」と思っている自分には縁がありませんでした。

 ただ、一生聴かないのも、と思っていた矢先、創立100周年企画のチラシを目にし、大好物の家庭Symを2度もやることを知り、何事にも最初があるならこの曲で、と参戦を決意した次第。

 あとこの秋在京メジャーがこの曲を相次いで採り上げるので、その前祝の意味もあります。

 とは言え最安で1500円、来週同会場で開かれるアジア・オーケストラ・ウィーク(最安1000円)より高いのか、と疑問に思いつつオペラシティへ。

9月27日(木) オペラシティ
 寺岡清高指揮早稲田大学交響楽団 シューベルト 未完成、サン=サーンス チェロ協1番、R.シュトラウス 家庭Sym
 最初のシューベルト、第1楽章結尾はディミヌェンド解釈、思ったより不安定なパート多し、あと女性1stTpが素敵、続くサン=サーンスでは管は殆ど入れ替わり、弦もかなり入れ替わっているかも、少し弦にキレが出た印象、ソリストは何と自前。後半はお目当てR.シュトラウス、見えた範囲ではSax群は割愛、最近このパターンが多くて嘆かわしいです。寺岡氏のすっきり系の棒の下、更に安定した演奏、夜の"絶頂"部でメリハリを付けダンゴにならない表現が印象的、前半はいなかった(か後ろにいた)コンマスが美音、Hrが12人いた割には鳴ってない気はしましたが、元々ブラスの鳴りをほどほどに抑えている感もありまとまり重視か、アンコールは無し。

 後でメンバー表を見ると弦を含めオケを3-4つ作れる程(例えばVn102人、Hr27人、Tp17人、Tb17人)の大所帯、道理で入れ替えが多い訳です。

 会場を出ても降った気配無し、このまま降らないのか? と深夜地元に着くと同時に降り出し、ギリギリセーフで昨夜の洗濯物を取り込みました。

2012年9月26日水曜日

2012グリーンカップ首都圏オープン9月大会


 朝の最低遂に15度、部屋の温度も25度を割りそうです。早朝から埼玉に出て試合、半袖半ズボンで出掛けると少々寒いです。

 本選1回戦の相手はWC、何と中学生! なのにスピードに付いてゆけず0-6,0-6で瞬殺、一応全中東京優勝、全国8とのことですが、しかしねぇ…、情け無い…。

 本日のお小遣いは2180円、前回から銀行振り込みになった、と思ったらまた小切手に逆戻り、不便なことこの上無し。

 今日貰ったアドバイス:
球が浅くならないこと

2012年9月25日火曜日

セミジュヴナイル本格? - 島田荘司「透明人間の納屋」


 昨夜激しい閃光、そして地響きと共に雷鳴の轟音、こりゃ近くに落ちたんじゃ、と思っていたら、同僚の住むビルに落ちたとのこと。

 朝から10度台と寒々、深夜から早朝に降ったらしくそこら中濡れてます。ただ日中は曇り、気温は余り上がらず最高21度台、セミの声もツクツクボウシだけになってきました。

 観たいと以前日記に書いた「灰の迷宮」のドラマ版が先日再放送されており、6年越しに念願の視聴、ミステリー的内容は完全に忘れているのですが、ラーメンの挿話だけは記憶に残っている作品、案の定、ラーメンネタを膨らまして前面に出した演出になってました(笑)。あとドラマ中で鹿児島ラーメンの代表として「三平ラーメン」が出てきてました。

 で本日はその島田御大の作品、先日文庫化されているのを発見し、即買即読です。

透明人間の納屋 島田荘司
 時代は昭和、日本海側の小都市を舞台に少年の視点で青年との交流が語られ、そこに密室からの人間消失が絡みます。一応はジュヴナイルとして書かれたようですが、それにしては挿画が怖いし、筆致もそれ程子供向けでは無く、かつテーマもやや大人向け、ともあれ、パッとしない密室トリックながらそれと有機的に結び付いて絵柄を一変させる"透明人間"の正体が素晴らしいです。

 「松下謙三」によるルポ部分、高木彬光の文体模写をしている様には感じられませんでしたが、実際どうなんでしょう?

2012年9月22日土曜日

スラットキン&N響の端然ショスタコーヴィチ7番


 今週のBS-TBSドラマ再放送枠で観た「銭形海」(人形劇の回)でマーラー4番第1楽章が使われてました。

 昨夜半に轟音と共に激しい雨、それと前後して気温が降下し19度台に、実は20度を割ったのは夏以降初めて、9月下旬ってのは多分異例に遅いです。

 その豪雨はすぐにおさまりましたが、朝から間断無く雨、木曜には「明日は洗濯日和」と言って金曜は雨、金曜には「明日秋分の日は行楽日和」と言っててこれ、予報はどうなってるんでしょう。

 午後の最高も低く23度台、夏日に届かなかったのも(2度目の)梅雨明け以降初めてです。

 午前中の練習はキャンセルとなり朝寝してから昼に東京へ、午後コンサート、夜テニスと通常と逆順序、電車に乗って南に移動するにつれ天気は好転、東京は晴れ基調で路面も完全に乾いてました。

 午後に聴いたのはN響、会場は苦手ゆえ避けているNHKホールですが、知人のご馳走だったのでいそいそと参戦、しかも誘導されたのは初めて足を踏み入れる2階R前方、いつもの3階外野席と違って音に少し臨場感がありました。

 指揮するは多分久々に聴くスラットキン、彼に関しては80年代セントルイス響との初来日、しかもメインの「巨人」じゃなくてアンコールのバーバー「弦楽のためのアダージョ」が強く印象に残っています。

9月22日(土) NHKホール
 レナード・スラットキン指揮NHK響 リャードフ 8つのロシア民謡、ショスタコーヴィチ Sym7番
 前半は各曲1-2分で終わる聴きやすい曲、スラットキンを棒を使わず、第1曲の終音ファゴットのpppが見事(「悲愴」第1楽章ではそれが困難なためバスクラ代用する程)。後半はお待ちかねショスタコ、バンダはパーカッションの後方最後列に左からHr4,Tp3,Tb3がズラリ(本隊はHr5,Tp3,Tb3かな?)、ここでは棒を手にしたスラットキンは標準的なテンポ、一部弦にポルタメントっぽい表現もありましたが基本的には粘らず端然とした進行、オケでは第3楽章の弦の鳴りがなかなか、全体のブラスの鳴りはぼちぼち程度で、終楽章ラストなどはもうひと押し・ふた押しすればいいのに、と感じる程あっさり、それでもオケの地力でトータルなかなかの音響でした、がいつもの3階外野席なら不満だったかも。

 終演後はダッシュで武蔵小杉に向かいナイターテニス、その後現地で飲んでいたら終電に遅れそうに、ギリギリ間に合って1時前に戻った頃はまた雨。

2012年9月15日土曜日

シナイスキー&東響の豪快かつ表情豊かなショスタコーヴィチ4番

 在京メジャー2公演ハシゴの後半は、シナイスキー指揮するショスタコ4番です。彼の指揮は昨年冬にN響とのマーラーを聴いてますが、余り印象に残ってません、たぶんこっち(ショスタコ)が本業と思われ。

9月15日(土) サントリーホール
 ワシリー・シナイスキー指揮東響 モーツァルト PC27番、ショスタコーヴィチ Sym4番
前半はモーツァルト、4時間前のベートーヴェン同様半睡状態、銀髪のソリスト、デジュ・ラーンキはアンコールにモーツァルトをもう1曲。後半お目当てのショスタコ4番、棒を使わないシナイスキーは曲が完全に手の内に入っている感のある細かい指示、しかも第1楽章の如き鋼の曲想でも表情たっぷり、高速フーガも少し緩急あり、オケの鳴りは出だしは迫力不足かも、と感じたんですが、徐々にパワーアップ、第1楽章や第3楽章中盤はかなり激しい音の塊を満喫、特にハミル率いる9本のHrが豪快でした。この曲の実演はまだ10回に満たず、曲が凄いのか演奏が凄いのか判然としないことが多いのですが、今夜は演奏もなかなか凄かった気がします。

 サントリホールのカラヤン広場から通りに降りる階段の手前に黄色の彼岸花、季節がまだ少し早いのは勿論、黄色を見たのは初めてで少し驚き。

インバル&都響の予想よりあっさり1番

 午前中は練習、午後はコンサート2連荘、まずインバル&都響でマーラー1番を聴いてきたところ、ぼちぼちでした。

 現在サントリーホール近くのセブンイレブン7SPOTで接続中、これからシナイスキー&東響でショスタコ4番、まずは記事のみにて。今夜から明日にかけて慌ただしいので、続きはまた来週。

<続き>
 学会より戻った翌週にこれを書いてます。この日はそこそこの晴れ、ながら不安定で時々雨、気温はイマイチで最高30度台、早起きして都心に出て午前中はきっちり練習、その後にオケをハシゴしました。

 まず午後に聴いたのはインバル&都響の何度目かになるマーラー・ツィクルス(最近はチクルスって言わないんだ…)の第1回公演、今回は順番通りなのか1番から、インバルの振る1番はここ数年だとベルリン響、フィルハーモニア管で聴いてますが、国内オケで聴くのは初めてな気がします。

9月15日(土) 芸術劇場
 エリアフ・インバル指揮都響 ベートーヴェン PC2番、マーラー Sym1番
前半はベートーヴェン、定期ならともかくマーラーチクルスで何故?と激しく疑問、ソリスト上原彩子は赤いドレス、半分睡眠しました。後半マーラーはやや速めのテンポ、クセのある表現を交えつつもインバルにしてはあっさりという気も、第1-2楽章を続けて演奏した点、カッコウのフレーズが一貫して間隔短めだった点、そして第2楽章中間部でのポルタメントを強調した表現が印象的、全体的にブラスの爆発度も低めながら、Hr8、補助のTb,Tp各1が起立した終楽章クライマックスのみ開放的に鳴らしており、弦もかなり頑張ってました、が苦手な芸劇外野席ゆえ、その迫力を満喫するには至らず、この後続く他ホール公演だと印象は変わるかも(行きませんが)。

 日記を読み返してみると、1-2楽章を続ける点、およびTp,Tbをクライマックスまでやや抑えめにやる点は過去のベルリン響、フィルハーモニア管との演奏でもそうだったようです。

 個人的注目の終楽章ミュート早業ファンファーレ、Tpは素早くこなし、Tbはミュート後半を2ndに任せる作戦でした。

2012年9月9日日曜日

心地よい残暑に熱いマーラー - 曽我大介&アマデウス・ソサイエティー管の2番

 昨日よりすっきり晴れて、気温も最高33度弱と久々に納得の残暑、残念ながら練習予定無く、午前中は朝寝坊&職場で残務、正午前におっとりと東京に出てアマオケのマーラーへ。

 本日のオケを聴くのは久し振り、確か10年程前にVnの奥村愛さんを迎えてマーラー5番(前半コンチェルトをやった奥村さんは後半マーラーでも下のプルトに入ってました!)をやり、なかなか上手なオケでワグネルOBと聞き成程と思ったこと、そして当時は名前がアマデウス・ソサイエティー"室内管"で「室内管が5番?」と思ったことを覚えています。

 今回の演目は2番、この2週間で何と3度目です。

9月9日(日) 新宿文化センター
 曽我大介指揮アマデウス・ソサイエティー管絃楽団 R.シュトラウス 最後の4つの歌、マーラー Sym2番
席は当日指定で1階10列右側、自分には視覚的にも音響的にもやや前過ぎるのと、パイプオルガンが目の前でこれが鳴るとオケがマスクされた(涙)のが難点。前半のR.シュトラウス歌曲はかなり意識が飛んでました(済みません)が、オケが安定していました。それが終わり「休憩で目覚まし」と思ったら黙々と人が入れ替わり次のマーラーへ、あれ?今日は休憩無し、あ、それとも!
 そうです。第1楽章後の「少なくとも5分は空けること」という指示を休憩でやっちゃう作戦、つまり第1楽章後に15分休憩でした。今日もホール内の冷房が寒過ぎ、休憩時はホール外に出てしばし日向ぼっこ。
 曽我氏の指揮は激しめ、標準かやや速めのテンポでグイグイ、マーラーらしさより各部分の熱っぽい表現が特徴、オケもそれに応えてました。休憩後に合唱(概算75名)がオケ後方ひな壇に着席し、終楽章最初のパートは着席で歌い、2度目の出番の少し前に立つ趣向、楽しげで優美な表現が印象的だった第2楽章の後、ソリスト2名が入場(ソプラノ市原愛は前半と違うドレス)、バンダは皆舞台裏で、そこからHr4本、Tp4本が本隊に合流して共に(推定)10本前後になったクライマックスのテンポはかなり速め、なかなかの音響で盛り上がりました(前述の通りオルガンにマスクされたので半分推定)。オケでは高弦の美しい響きとティンパニとシンバルの要所での思い切りいい叩きっぷりが印象的。

 この8日間で「復活」を3度聴きましたが、今日が1番満足度が高かったです、期待値との兼ね合いもありますが。

 もう何日も無いと思われるちゃんとした残暑を愉しむべく、終演後は新宿の街をぶらぶら散策しました。

2012年9月4日火曜日

クリスティー風からややクイーン風へ - D.M.ディヴァイン「三本の緑の小壜」


 ブエルタ山岳3連戦第3ラウンドは最も過酷なステージ、深夜の公園でのネット観戦も3連戦、傾斜が20%を超えると仕掛けるコンタ、その全てにすいすい付いて来るばかりか、最後は差してボーナスタイムを持ってゆくプリート、この2強に絞られつつも、これまでの勢いからはホアキンの優勝が見えてきたかも。

 ただ、そのバトルが佳境に入った時に激しいにわか雨(スペインじゃなくて茨城)、四阿で屋根がある場所だったとは言え、かなり濡れました(涙)。

 本日もそこここに積乱雲の散らばる青空、気温はまたも予報程は上がらず最高32度弱、と普通の真夏日、夕方同僚との週一テニスの際、北からどんどん黒雲と雷が攻めてきて日没前に真っ暗、仕方なく早めに上がった直後に降り出しました。

 今クールのドラマ「浪花少年探偵団」と「東野圭吾ミステリーズ」は原作未読ゆえ録るだけで観てません。が、後者の先週放送分「小さな故意の物語」はたまたま先日アンソロジーで読んでいたためスポット視聴、小説なら筆力でカバー出来るけれど実写だとリアリティの面で難しいプロットを、ストーリー改変と演出の妙で巧みにまとめてました。あと個人的注目の三吉彩花(「高校生レストラン」「理想の息子」)の出演が嬉しかったです。

 ミステリーつながりで、先日読んだ本から、「昨年の本格物の注目作」企画第2弾は、「このミス」ランクインは逃しましたが、同年の「本格ミステリベスト10」では「ブラッド・ブラザー」を抑えて第1位に輝いた作品です。

三本の緑の小壜 D.M.ディヴァイン
 海辺の町で起こる少女の連続殺人を巡るフーダニットとファイダニット、「災厄の紳士」と同様著者後期の作とのことで初期作には無かった1人称多視点の趣向、それとともに視点人物の主観を読者に植え付けるクリスティー的ミスディレクションがやや減少、その分サプライズも減じる反面、ロジックの比重が増すこっちの作風の方が好きかも、御大クイーンの某有名作を想起する人も多いでしょう。

 表題の「三本の緑の小壜」は「10人の小さなインディアン」の如く、"次々と消えてゆく"内容の有名な童謡(マザーグース?)のことらしいのですが、それに不案内な我が国の読者(自分です)に向け、歌詞を訳注にでも記して欲しかったところ。

2012年9月3日月曜日

大磯オープン 秋 2012


 ぼちぼちの晴れ、ただ気温は予報ほど上がらずギリギリ30度に届いた程度、早起きして大磯OPへ、茨城からの長旅ゆえ18切符を活用、本選1回戦、小技も巧い若者に4-6,2-6で敗退、あと5度気温が高いと違ったかも、本日のお小遣いは2100円。

 今日貰ったアドバイス:
相手にネットに出られた時の対応を落ち着いて、ロブをもっと。

 これで夏の連戦は終了、夏男の癖に1勝も出来なかったので秋以降エントリーするかは要再考、ただラケット変更に合わせて変えたフォアハンドがちょっとだけ板についてきた気も(多分気のせい)。

 何より悲しいのは、今日は1回戦突破する気満々だったため、明日の2回戦のために青春18切符(トータル5日分)をあと1日分残してあったこと、思いっきり無駄になりました(涙)。

2012年9月2日日曜日

にわか雨で真夏日の途切れた日のマーラー - 末廣誠&都民交響楽団の2番


 昨夜はブエルタ山岳3連戦第1ラウンドを深夜の公園でネット観戦、4強の抜きつ抜かれつの攻防に興奮しました、しかも今夜はコバドンガ頂上ゴール!逃せません。

 予報通り関東では大気が終日不安定、晴れたと思ったらにわか雨、降ったと思えばまた陽射し、の繰り返し、気温も全く上がらず、19日振りに30度に届きませんでした。

 午前中は青葉台まで行き教え子の対抗戦の応援、何度も雨中断して大変そう、それを昼過ぎには中座して上野へ、2日連続しての「復活」、演奏するは首都圏トップの歴史と実力を誇るアマオケです。このオケでマーラーを聴くのは一昨年の5番以来2度目か。

 チケットは指定席、現地開演前に招待葉書との引き換え制(原則選択権無し)、早めに行って1階舞台そば、とかなるリスクを犯すより、開演直前に行けば4-5階席になるだろう、と読んで開演5分前に窓口へ、予想に反し渡されたのは1階9列中央右寄り、これはこれでいい席なんでしょうけれど、個人的には文化会館の1階席は15列より後ろじゃないと響きが好みじゃないのでガッカリ、しかも舞台上も弦前方しか見えないのでブラスの本数や動きは全て推定です。

9月2日(日) 東京文化会館
 末廣誠指揮都民交響楽団 マーラー Sym2番
昨日と同様、合唱(概算120名)がまず入場してオケ後方のひな壇に着席、彼らは終楽章前半クライマックスfffのドサクサに起立します。末廣氏は標準(か緩徐部ではやや遅め)のテンポ、時にマーラーっぽいアクセントを強調したり、タメを作ったりはしますが、全体的にはアク薄めの音作り、ただ5番の時もそう思いましたが、巧いオケなので安定した演奏、という以上に+αが欲しい感あり。第1楽章後の「間」には楽員のローテ、音合わせ、ソリストが入場して指揮台両脇へ、と時間をたっぷり掛けても2分ぴったり、荒野の呼び声などバンダ群は通常通り舞台裏、パーカッションとTpは舞台上から何人か移動していた模様、オケではTpのハイトーン系がばっちり、バンダが合流するクライマックスではTp、Hrとも10本位になり、そこそこの響きだったとは思いますが、1階前方だと弦の音を始めかなり頭上を抜けて行く印象で、トータルの響きの豊満さは感じず、ただTpはパート全体でよく鳴っていました。

 相変わらず指揮者自ら筆を執るパンフの曲目"快"説は快調でした。

 この「復活」2連戦、昨日はかなり、本日は少し、個人的な期待値には届きませんでした。あと昨日の芸劇3階席程ではありませんでしたが、文化会館の1階席も空調の風が辛かったです。

2012年9月1日土曜日

芸劇リニューアル「復活」 - 下野&読響の2番


 残念! 9月に入った途端、楽しい残暑も一休み、昨日と同じく朝からちょこちょこした入道雲多く、時間と共に青空の部分が減少、東京に出てテニスを始めた10時台にはプレー中断を余儀無くされる程の通り雨、雨上がっても気温上がらず、最高31度強と弱々しい真夏日。

 これで33度以上の残暑は13日連続(うち猛暑日1回)で途絶、残念ながらちょっと厳しい残暑、って程度でした。

 因みに(特に残暑が)記録的な猛暑だった一昨年(2010年)の同時期はと言うと、17日連続33度以上(2010/8/22-9/7)、うち猛暑日13回(5日連続、6日連続を含む)と別格の破壊力、いい夏だったなぁ…。

 テニスの後はコート近くの後輩女子を呼び出して(テニスは男だけだったので…)昼飯、そこから自分だけ先に抜けてコンサートへ、震災以降閉館していた芸劇のリニューアルオープン記念コンサート、それに相応しく曲は「復活」です。

 まず芸劇に着いて驚いたのは名物"高所恐怖症殺し"の長ーいエスカレーターが外されて、L字型に2分割されていたこと。それから3階席に行くのに「エレベーターを使って」と強く勧められたこと、使わなかったけど(笑)。

9月1日(土) 芸術劇場
 下野竜也指揮読響 マーラー Sym2番
オケ後方ひな壇に概算150名の合唱がオケに先んじて入場し着席、パーカッションは通常並びのオケの両脇に分かれて配置、下野は中庸かやや速めのテンポでアクも粘りも色気も無い表現で、メリハリ感もぼちぼち程度、かなり前に同じコンビで1番を聴いた時にも感じたんですが、どんなマーラーをやりたいかが余り伝わらず。合唱は歌い出しなど静かな部分は座ったままで途中から立つ趣向、荒野の呼び声等のバンダは舞台裏、そこからHr4本が終楽章に何度も、Tp4本は最後のみ、オルガン(←使ってない)の両脇バルコニーに立って合流、さすがにTp11本、Hr11本となったクライマックスはそれなりに分厚い響きでした。
 第1楽章後は愚直にもかっきり5分間、間を取ったんですが、その過程が:
指揮台でじっと佇む(1-2分)→6、7本目のTpやオルガン奏者(パイプオルガンのリモート使用、じゃなくて(たぶん)電子オルガン!)など数名の奏者が合流(数10秒)→音合わせを始め、そのドサクサにソリストが入場してオケの最後列(TpとTbの間)へ(約1分)→またも指揮台上で静かに佇む(1-2分)
という内訳、これじゃあ、マーラーの指示を知らない人にとっては、意味不明のシンドイ5分間だったと思います。

 改装して良かったと感じた点は、3階中央の張り出しが廊下の部分まで削られ、左右の移動が出来るようになったこと、ただ音響に関しては3階外野席に限れば前との違いは感じませんでした。(少し弦の聞こえが良くなり、木管の飛び出しが減ったかも、って気のせいか…)

 あともう一つ、以前もそうだったのかは忘れましたが、3階外野席(通路の後ろあたり)は空調の冷風がガンガン吹いてきてクソ寒かったです(涙)。

 また終演後、エスカレーターはレーン数は前と同じ2本で場所が壁寄りに少し移動して2分割されただけなのに、何故か経験したことの無い大渋滞がもぎりからエスカレーター乗り口までの間に発生、降りるのにエライ時間が掛かりました。もしかして、昔のエスカレーターは怖くて帰りは乗らない、って人が多かったからなのか?

 明日も「復活」、都内1、2の実力を誇るアマオケによる演奏です。

 その前に今夜からブエルタは山岳3連戦全て頂上ゴール、ここで誰が強いのか明白になるでしょう。

2012年8月31日金曜日

小団円の第4作 - ジャック・カーリイ「ブラッド・ブラザー」

 うげえ、CLで応援するアヤックスが"死の組"に、レアル、ドルトムントにM.シティ、これは酷い…。

 あと阪神、横浜に負け越す失態、情け無い…。

 そして昨夜のブエルタ、平坦コースだと思ってスルーしたら、ラストは最大30%!の激坂、またも観なかったレースで動くなんて残念、やはりボーナスタイムがあると動きが多くて面白い。

 8月も最終日、またまた晴れて最高34度台とまずまず、朝から入道雲多く、昼休みに僅かな通り雨も、夜空に浮かぶお月さんはだいぶ円まってきています。

 今日は先日読了した本から、昨年度の本格物の収穫とされる作品を100-200円で数冊入手したので、まとめて読むことに、まずは昨年度このミス第6位にして、本格ジャンルとしては1、2位に推された作品、第1作「百番目の男」で世間を騒がせたシリーズも早や4作目、第3作「毒蛇の園」で出番の少なかったお兄さんが出ずっぱりです。

ブラッド・ブラザー ジャック・カーリイ
 主人公がニューヨークに呼び出され、アウェーの洗礼を浴びながら、兄の犯行と思える猟奇殺人の捜査に携わるサイコサスペンス風警察小説。サイコっぽい兄ジェレミーが活躍すればする程レクター博士ものの亜流とみなされる難点はありますが、前作と比べて伏線&サプライズ度は上昇、本格テイストでは第2作「デス・コレクターズ」より落ちますが、ある意味集大成的な作品に仕上がっています。

 ただ、出来れば過去3作、最低でも第1作を読んでおかないと愉しみ半減です。

2012年8月29日水曜日

パンチャス&アジアユースオケの海、幻想、そして感動ニムロッド

 うーん、阪神着々とどん底へと向かって潜行中(涙)。

 今日も晴れて素敵な残暑、ただ最高33.3度とここ2日間勢いは徐々に弱まってきています。

 夜は昨夜に続いてアジアユースオケ第2夜、今日指揮を執るのはAYOの設立者にして音楽監督、R.パンチャス、そして今夜がアジアツアーの最終日です。ただ残念ながら連れに当日キャンセルされてしまいました(涙)。

8月29日(水) オペラシティ
 リチャード・パンチャス指揮アジア・ユース・オーケストラ ドビュッシー 海、ベルリオーズ 海賊、幻想Sym
 昨夜と同様最初にパンチャスの口上、昨日はコンミスがオケを率いてましたが今日はコンマス、最初はベルリオーズ「海賊」、実演は初めてかも、より一緒にやっている指揮者のせいか昨夜より弦に伸びとキレが出て、ブラスもやや開放的、一気呵成の快演でした。続くドビュッシーは色彩感薄めでスケール感もぼちぼち、終楽章弦の刻みにTpがかぶる版でTpは4本(2本はコルネットかも)、終楽章冒頭のソロを交替に吹いていたトップ2名は最後までピッコロを使わず奮闘してました。
 後半は幻想、6本のHrは1曲ごとにローテ、第1楽章はゆっくりしみじみと始まってその後激しい緩急、第2楽章はコルネット付きの版、でもアングレの隣に移動した1stTpはB管っぽいピストンを使用、音合わせを挟んで草笛のObが舞台裏だった第3楽章はテンポの変化大きく、第4楽章はリピート無しで一気呵成、パーカッションの打ち込み、ブラスの鳴りともに豪快、棒を降ろさず突入した終楽章もメリハリある表現、立派な鐘2個も高らかに鳴り、怒涛の加速をしてなだれ込んだラスト1音は朗々かつかなり長め、とこれも快演でした。
 盛大な拍手に応えてパンチャスがまたマイクを手に「6週間前はnew friends、今は政治・信条を超えてgood friends、そして明日からは離れ離れ」と言ってアンコールにエルガー「エニグマ」ニムロッドをスタート、遅めテンポでしみじみ始まりラストは雄大、聞くこっちが思わずもらい泣きする状況で、よく泣かずに演奏出来るなあ、と感心しきり。

 友人が来れなくなったコンサートに限って感動的な演奏になる気がします、やっぱマーフィーの法則か。

2012年8月28日火曜日

ジャッド&アジアユースオケ、暗転と66秒の9番

 今日も晴れ、気温は最高34度弱とやや翳りがみられましたがギリギリ及第点、これで8日連続して満足の残暑、自室の温度も32度前後を維持してます。

 その代わりジンマシンっぽい発疹は衰え知らず、腕脚のみならず顔や背中にも少し出てくる始末(涙)、でも先行発売でサロネン&フィルハーモニア(芸劇公演)の最安4000円席が取れてご満悦、

 今夜からアジアユースオケ2連戦、第1夜はジャッド指揮するマーラー9番、彼の指揮を何度か聴いた記憶はあるのですがボケ老人ゆえ覚えておらず、日記を紐解くと新日とショスタコ7番、そして一昨年には今回と同じコンビでマーラーの5番を聴いており、全体的にクセの無い表現をしつつ、要所でケレン味を見せる、という個性のよう、9番をどう料理するでしょうか。

8月28日(火) オペラシティ
 ジェームズ・ジャッド指揮アジア・ユース・オーケストラ マーラー Sym9番
音楽監督パンチャスの口上の後、ジャッドが登場、弦は通常並び、最初の3つの楽章はクセ少なく、テンポは標準かやや遅め(第3楽章はかなり遅め)、オケの特性に合わせたのか解釈なのか、弱音も抑えずしっかり吹かせる音作り、拍を細かく刻む分かりやすい棒で、そのせいかこれまで聞こえなかったパッセージも耳に入ります。6本のHrは要所で鳴ってましたが全体にブラスは抑えめ、第2楽章前半の楽しげな感じと1st、2ndVnの表情の違い、そして第3楽章中間部のTp弱音ソロの難所を1stとアシが交替で吹いていたのが印象的、ただ終楽章に入ると俄然個性的に、かなり遅めのテンポで1音1音刻み込むかの様な表現は初めて耳にするもの、高弦はやや伸びには欠けるものの低弦は厚みがあり、共に一所懸命にその棒に応えていて、(個人的には)感服しても感動することの少ないこの曲で久々に感動しました。後半のクライマックスでの爆発度は低め、ただその後静まってからもう1度来る小さな頂点が(バルビローリ&BPOのディスクの如く)かなり雄大、そして驚きは終結部、舞台の照明がだんだん落ちてゆく演出がなされ、最初は近眼&鳥目が進行したのかと錯覚(笑)、しかも最後極端にテンポを落として終わった後、ジャッドはおよそ1分緊張を解かないまま、棒を降ろして拍手が始まったのは音が消えてから概算66秒!自分の体験ではアバド&BPOの来日公演の60秒を超える新記録でした。アンコールは無し。

 一昨年の5番もそうだったんですが、個性の薄い演奏だなー、と思わせておいて要所でドカン、とケレン味、といった印象、彼のマーラーをもっと聴いてみたくなりました。

2012年8月27日月曜日

泡妻式ロンド再び - 泡坂妻夫「毒薬の輪舞」

 仕事を休んで都心で試合、プレー中は全く暑さを感じなかったんですがそれでも都心は猛暑日、地元南茨城も最高34.9度と準猛暑日、先々週末伊豆で焼けた首周りの皮が黒く汚く剥けてきています。

 本日は帰省から戻る際、および上記伊豆での合宿の頃に読んだ本から、帰省時に読んだ短編集に続き泡妻作品、丁度1年前に読んだ「死者の輪舞」で活躍する海方刑事などが再登場する"輪舞シリーズ"?第2作で、第3作も企画されていたようですが、出版されずじまいだったそうです。

毒薬の輪舞 泡坂妻夫
 精神病院で連続して起きる不可能状況での異物・毒物混入事件に前作の刑事コンビが潜入?して挑みます。多くの伏線を回収して一気に収束するラストは見事ですが、犯罪が地味なため緊張感に乏しい上、やや凝り過ぎの感もあり一般的には評価され辛いかも、マニア向け。

 悲しいかな、ボケ老人ゆえ前作の登場人物をすっかり忘れており、主役の刑事コンビ以外の共通キャラとの再会を楽しむことができませんでした…。

 因みに明日からはアジアユースオケ2連戦、まずはジャッド指揮するマーラー9番です!

2012Masaオープン ひまわり3

 今日もよく晴れて、これで7日連続して及第点の暑さ&夕立無し、絶好のテニス日和、ってことで東京は葛飾に出て試合、本選1回戦で第2シードに0-6,0-6とコテンパン、これで3試合連続の串団子(涙)、本日のお小遣いは2100円。

 今日貰ったアドバイス:
緩くてもいいから深い球を打ってもっと果敢にネットプレーを。

2012年8月24日金曜日

名匠アラカルト - 泡坂妻夫「蚊取湖殺人事件」

 ありゃ? 昨夜のブエルタ、山頂ゴールとは言っても3級山岳なのでスルーしたのに総合争い勃発、自分が観逃したレースは動く、というパターンになりつつあります(涙)。

 あと自転車と言えば、アームストロングがドーピング問題についてもう法廷闘争をしない、と表明したらしいのも気になるところ、しかし何故1国の機関の主張が自転車の国際連合の定めること(ツールのタイトルなど)に影響するのかが、未だよく理解出来ません。

 今日もよく晴れて気温も最高34度台と及第点、納得の暑さが4日続いたのは7月最終週、2度目の梅雨明けに続いて今夏2度目、素敵な残暑です。

 エアチェックに一旦帰宅しまた職場に戻るべく外に出ると、ドーン、と大きな花火の音が!

 隣の市では全国的にも有名な花火大会が秋にあるんですが、地元で花火大会をやっていた記憶無く、調べてみると10年振りの復活とのこと、とは言え、炸裂してからドーンと音が来るまで12、3秒、つまり4km程職場や宿舎からは離れた場所だったので、音はそこそこながら、目を愉しませるにはやや遠く、しかも30分で終わってしまいました。

 本日は昨日に続いて帰省時に手にした本から、昨年沢山読んだ泡坂妻夫の短編集です。

蚊取湖殺人事件 泡坂妻夫
 問題編・解答編と分かれるガチガチパズラーの表題作から随筆・小咄風の作品までバラエティある7編を収録、泡妻らしい突飛な論理の巻頭作「雪の絵画教室」が「煙の殺意」メンバー登場の懐かしさもあって1番印象に残りました。

2012年8月23日木曜日

自他お気に入りアンソロジー第5巻は豪華メンバー - マイ・ベスト・ミステリー V

むむむ、阪神順調に借金を増やしているようで。その阪神が母屋を貸している高校野球、大阪桐蔭と光星学院が再びあいまみえるとは凄いっす、まあ、一部では大阪vs.大阪と囁かれてはいるようですが。

 本日の暦は処暑、それに反して気温はうなぎのぼり、久々に35度を突破し今年4度目の猛暑日です。昼休みの壁打ちも心地よく、自室の温度も32度と今夏の最高値を記録しました。

 朝風呂後の定期測定によるとこの3日間での減量はたったの1kg、短期的にはあと1kg、長期的にはあと3kg減らさねば。

 本日はお盆の帰省途上に読んだ本から、父が国産物短編集しか読まなくなったので、帰省時には何冊か携えることにしており、その中の1冊、お正月にも何冊か読んだアンソロジーシリーズ、著名作家にとってのお気に入りの自作と他人の作をセットで収め、本人コメントも付いたお得な短編集の第5巻です。

マイ・ベスト・ミステリー V 日本推理作家協会編
 今回は鮎川哲也、泡坂妻夫、北村薫、北森鴻、東野圭吾、山口雅也とすっごいメンツ、鮎哲推薦ガチガチの本格、黒輪土風「六人の容疑者」が最も印象的、あと泡妻推薦の横溝正史「探偵小説」(既読なのに殆ど初読気分)の現代性も。収録作の半分以上が既読なのに全く覚えていない作品(木々高太郎「永遠の女囚」(北村薫推薦)など)が複数あったのが最大の衝撃。あと初読だった松本清張「天城越え」(東野圭吾推薦)が映画と内容が違ったのにも少し驚きました。

2012年8月22日水曜日

ビッグKサマーテニス選手権 2012

 夏っぽく晴れて気温も連日の34度台、これぞテニス日和、ってことでビッグKサマーテニス選手権に参戦、行きのバス、最寄の停留所での車内アナウンス「テニスの名門、ビッグK」には笑いました。

 本選1回戦の相手は厳しい予選を勝ち上がってきた大学生、0-6,0-6でスコシバ終了、ここ5試合でトータル2ゲームしか取ってません(涙)、本日のお小遣いは4000円。

 反省して、と言うか真夏の陽気が嬉しくて帰り道、テニスクラブから吉祥寺駅までは歩きました。

 本日貰ったアドバイス:
バックコートラリーではストレートが多過ぎ、もっとクロスに。

2012年8月5日日曜日

総乗りのマーラー5番 - 汐澤安彦&上智大学OB管絃楽団

今朝の男子1万m、前回の世界選手権から兆候はあったとは言え"新皇帝"ベケレの敗退はやはりショック、アメリカ選手や弟にまで負けるなんて…、ただ、大勢がラスト1周53-55秒で走ってしまうんじゃ、そこまでの展開をもっと考える必要があった感じ、あと女子100m、フレーザーの連覇は凄いかも。

 陸上を観終わって寝ずにそのまま練習のため東京へ、昨日に比べ天気は好転、いい感じの晴れで最高34度弱、振り回し系のシンドイ練習が多く全身ぐっしょり、正午前に上がってアマオケへ。

 聴いたのは上智大オケのOB中心に比較的近年結成されたオケ、なのでまだ第4回演奏会、タクトを執るのは(自分が学生の頃から)現役のオケをずっと振っている汐澤先生です。

8月5日(日) すみだトリフォニー
 汐澤安彦指揮上智大学OB管絃楽団 エグモント、未完成、マーラー Sym5番
前半2曲は時々意識を失いつつ鑑賞、弦がまずまずの響きでした。後半はお目当てマーラー、まずTp7、Tb6とその本数の多さにビックリ、5番でこれだけ多いのは初めての経験かも、乗りたい人はみんな乗る、というスタイルか(プログラム的にもやりたい曲を全部やる、といった印象)、Tpソロは珍しいベタ吹き系、パワーと弱音のデリカシーを併せ持っていてなかなか、Hrソロは7本中の黒一点、こちらも見事、汐澤氏のやや遅めの棒の下、第4楽章はじっくり歌い、第2楽章コラールや終楽章クライマックスでは本数の多いTp、Tbのパワーが炸裂、なかなかの盛り上がりでした。アンコールは無し。

 連れと錦糸町の新規のラーメン屋を経由し、次は二子玉へ、そこからバスで行った場所にある公営コートでナイターテニスです。

 初めて乗るバス路線、行き先が「美術館」と妙に抽象的な名前だったり、どう考えても遠回りをして、「民家園」とか「静嘉堂文庫」など謎の場所を通ったり、細い坂を上って病院を経由したり(しかも途中でバス同士行き逢わない様、無線連絡してから坂道に入ってます!)、と世田谷って自分が知らない場所が一杯あるんだなあ、と感じました。

 午前中に汗でぐしょぐしょになったウェアを再度着用してプレー(涙)、茨城に戻ったのは深夜、丁度女子マラソンの録画中継が始まった時間でした。

2012年8月2日木曜日

ある意味驚きのミヤベ初期作 - 宮部みゆき「長い長い殺人」

昨日の「ラブレイン」、富良野のオムカレー屋さんのシーンで「お代わりしたい時には「ルールルル」と言って」には爆笑!ホントのことらしい。

 今日も青空に入道雲&夕立無し、しかもここ2日徐々に弱っていた夏の勢いがまた復活!最高35.1度と猛暑日です。

 気が付けば昨日からもう8月、なのに構内のサルスベリは未だ開花せず、一方白くて背の高いタカサゴユリがあちこちで咲き始めました。

 5月頃だったか、TBSで宮部みゆき作品を4作(「理由」「スナーク狩り」「長い長い殺人」「レベル7」←この中では「スナーク狩り」が1番好き)まとめて単発ドラマとして放送したことがあり、そのセレクトに未読作品が1つあってビックリ!

 よってその作品(「長い長い殺人」)だけは録画して視聴せず、慌てて原作を100円棚で捜索、2ヶ月掛けてやっと発見し、先日読了したもの。

 文庫化された主要なミヤベ作品は押さえている積り、なのに本作をスルーしていた理由は、"財布が視点"という特殊性を除くと、ミステリー的な観点で話題になった印象が全く無かったから、ただ今読んでこそ、の驚きがある作品でした。

長い長い殺人 宮部みゆき
 持ち主の異なる10個の財布を語り手とする連作短編により、連続殺人を含む一つの大きな犯罪が浮かび上がってくる構成、執筆当時話題だった現実の事件(ロス疑惑)もヒントになってます。何よりデビュー間も無い頃('89-'92に連載)既に「模倣犯」の原型があったことに驚愕、あと初期の宮部作品らしく子供を扱った一編が最も心に残りました。

 ドラマ版は実家のHDレコーダーに入っているので、お盆の帰省時に鑑賞します。撮り下ろしではなくて、5年も前にWOWWOW用ドラマとして製作された作品とのこと。

2012年7月31日火曜日

ルイージ&PMFのペトルーシュカ、悲愴

日中は33度台と今日もまずまずいい感じの晴天、ただ朝の最低は22度弱と久々の平年値で、朝夕はここ数日より明らかに涼しくなってます、残念。

 昼休みの壁打ちでは5分足らずでボールを場外、と言うか塀の中に打ち込みロスト(涙)、仕方無く日向ぼっこに専念。

 夜はルイージ&PMFの第2夜、彼の指揮でマーラー・R.シュトラウス以外を聴くのは初めてかも、そして昨夜気になった禿げHrトップが若禿げなのか否か、双眼鏡で確認するのも本日の重要な任務の一つです。

7月31日(火) サントリーホール
 ファビオ・ルイージ指揮PMFオーケストラ ストラヴィンスキー ペトルーシュカ、チャイコフスキー Sym6番
昨夜はコンマスだったのに今日は(美人)コンミス、前半ストラヴィンスキーは1947年版、ルイージは昨夜程指示は細かくなく、各所でテンポを動かしつつ、全体的にやや速めでメリハリある表現、ただオケの揃いが今一つでシャープさは薄め、Tpソロ、Flソロが見事で豪快なTubaが存在感、クライマックスの行進曲風の部分での加速しながらの高揚感と迫力はなかなか、でそこから急転直下一瞬のコーダで終幕、そう、喧騒の後静かになって化けて出る場面がカットされた演奏会用バージョン、これを実演で聴くのは初めて。
 後半のチャイコフスキー、ブラスは総入れ替えかと思えば前半のメンバーから人を減らしただけ、逆に木管はほぼ人が入れ替わり、前半より地味めのメンツ。ルイージは特に弱音に注意を払いつつ(第1楽章展開部前は最近珍しいFg→バスクラ代用作戦)、要所で独特なタメや変わった強弱を付ける個性的な表現、弦中心の音作りでブラスは抑えめ、弦はやや伸びに欠ける反面、アタック・刻み系は迫力があり、第3楽章行進曲ではブラスに勝ってる程、その後ぱらぱら拍手を挟んで(笑)の終楽章、まずまず弦がうねり、最後は長時間掛けて消え入るように終わった後、10秒近い黙祷の後に拍手、アンコールは今日も無し。

 結局禿げHr奏者は登場しないまま、両日渡された(やや貧相な)無料パンフにメンバー表は無く、500円の有料パンフで手掛かりを、と見に行けどサンプルはおろか現物が一切置いてなくて、彼の存在は謎のままでした。

2012年7月30日月曜日

ルイージ&PMFのアルプスSym

 東京での試合で即負けし昼過ぎには復帰した職場に2時間滞在し、冷房が嫌なので自宅に帰って「ラブレイン」をリアルタイム視聴した後、夜のコンサートでまた東京へ。

 今日の要オムツ・要介護老人(涙):
自転車を置き最寄り駅へと歩いている際、ふとオナラをしたら液状の中身まで噴出した感触が(涙)、丁度駅ビル正面だったのですぐトイレに(ヨチヨチ歩きで)駆け込み、ウォシュレットでお尻洗浄&パンツ廃棄処分、半ズボンには浸水しておらずセーフ! 電車の時刻もありそのままノーパンで赤坂へ。

 ノーパンコンサート経験はあれど、今日は連れがいるのでそれも避けたいところ、赤坂で降りてからパンツを買おうとして驚いたのは、ドラッグストアに下着が置いてないこと(パンストはあるのに)とコンビニのパンツが高いこと(6-700円)、ドラッグストア2軒、その後コンビニ3軒を回り、やっと480円で購入、100円以外のパンツを買ったのは初めてかも。

 そんなこんなで聴いたのはほぼ毎年参戦しているPMFオケ、昨年に続きルイージが率い、今年は連日の2公演、その初日です。

7月30日(月) サントリーホール
ファビオ・ルイージ指揮PMFオーケストラ ブラームス VnとVcのための二重協奏曲、R.シュトラウス アルプスSym
 前半はブラームス、自分には長くてシンドかったです(笑)、ソロ(Vn,Vc)は講師の先生、Tp、Hrトップが女性だったのが印象的。後半はお目当てアルプスSym、Hr(9本、うち4本ワーグナーチューバ持ち替え)、Tp(たぶん6本)のトップは前半とローテして男性に、バンダは舞台上奏者がミュートで代用、ルイージの解釈はドレスデンとの同曲とほぼ同じながら、それ以上にテンポを揺らす印象で時にはオケが付ききれない程、またソロの表情付けにも細かい指示、全体に弦がいい鳴りで、Tpは(約1名短い管と持ち替えてましたが)B管っぽい楽器でハイトーンをがっつりこなし、頂上や嵐ではかなりの迫力、日没の冒頭でオルガンを強調する解釈が印象的、ユースオケらしい力演でした。アンコールは無し。

 何故かHrトップは禿げていました(笑)。先生? でも先生に主要パートを与えるとは思えないので、「37歳でユースオケに入った僕」なのか? 明日の2日目に改めて双眼鏡で確認したいと思います。

<追記>
 その後、上記コンビの同じ演目の別公演をFMで聴いた際、PMFアメリカと称してアメリカオケからの教授陣が加わっていると知りました。つまり禿げのHrトップはやはり教授陣と思われます。