2008年12月29日月曜日

嵐の夜の追跡劇 - ジェフリー・ディーヴァー「眠れぬイヴのために」

 昨日の有馬記念、ダイワスカーレットがハナをきった時はダメかと思いましたが、その後の展開には唖然、歴史的瞬間でした。

 平年より暖かめで風も大分おさまりました。埼玉へ青春18切符を使って出掛け、半日なごなごとプレー、これがテニス納めです。因みに今年のお小遣いの総額は18830円、ほぼ去年と同程度です。

 今日はその往き帰りで読了した本から、ディーヴァー作品は本作から、と思っていたのに、なかなか古本屋で見つけられず後回しになってしまった作品です。

眠れぬイヴのために ジェフリー・ディーヴァー
 犯罪歴のある精神病患者が嵐の迫る夜に脱走、彼を巡って色々な思惑が交じるマルチ追跡劇、前半ややもたつく感はありますが、しっかり大小のサプライズは用意されており十分面白いです。ただ、この後のディーヴァー作品をいくつか読んだ後だと、ややツイストが足りない、と贅沢な不満を少し感じたのも事実。

2008年12月28日日曜日

聴き納めは満足のシベリウス2番 - 野崎知之&成蹊大学管弦楽団

 おえぇ、昨夜バイロイトについて書いた直後、ふと気になって放送開始時間をチェック、するとそれまでの3夜より10分早い9時スタート、ダッシュで自宅に戻り開幕には間に合いましたが、毎年楽しみにしている冒頭ファンファーレを逃すことに…、おる意味一番貴重な音源だけに痛恨です。

 日本でもセンセーションを巻き起こしたドゥダメル、誰かに似てるなぁーと常々思ってた(「キャリー」の頃のトラボルタ?)んですが、3日前「プリズン・ブレイク」シーズン3最終話を観ていて分かりました!そこに出てくるバスケ少年に似ています!

 3日連続して風が強く、気温は平年並みながら寒々とした一日、今日も練習予定が無く、午前中はビデオの消化と少しだけ職場で残務処理。

 そこで観た昨夜の全日本選手権女子フリー、14歳村上の洋々たる未来を感じさせる演技が印象的、また個人的には中野がダメなら村主じゃなくて鈴木を代表にしてあげたかったところです。

 午後はおっとりとアマオケへ、これが今年の聴き納めになります。

12月28日(日) 杉並公会堂
 野崎知之指揮成蹊大学管弦楽団 ベルリオーズ ローマの謝肉祭、チャイコフスキー くるみ割り人形、シベリウス Sym2番
 オケは弦バスが左奥にくる対向配置、最初のベルリオーズはラスト1音が伸びやか、次のチャイコは可愛い系の曲ばかり、後半のシベリウスになると弦に伸びと厚みが増し、ブラスの鳴りもまずまず(Hrにやや神がいました)、少し熱血系の野崎氏の棒の下、立派なクライマックスでした。アンコールは期待通りの「カレリア」終曲、聴き納めに相応しい満足のフィニッシュでした。

2008年12月25日木曜日

パッシヴ&アクティヴ映画版 - チーム・バチスタの栄光

 (1日遅れですが)驚いたニュース:飯島愛、突然の死
自殺なんでしょうか…。

 昨夜の悪夢、オレンジ・インジャリーの後遺症も無く爽やかな目覚め、よく晴れて気温は平年やや高め、星空も綺麗です。

 本日は先週Veoh視聴した映画から、「このミス」大賞最高のベストセラーとなった原作の映画化、TV版は半分ほど観た感じいま一つですが、映画版はどうでしょう。

チーム・バチスタの栄光 <'08 日>
 バチスタ手術中に連続して起きた術中死の謎に挑む主役のコンビ(竹内結子・阿部寛)はなかなかのハマリ役、キャスティングの勝利でしょう、やや長尺を飽きず楽しめました。犯人探し的興味は薄めながら、映画に犯人探しを求める人は10人に1人なので(自分はその1人ですが)、エンターテイメント路線は正しい方向でしょう。原作の改変は意外と少なめ、新たに加えた部分ではソフトボールや「レモンティー」あたりは笑えるかどうかで賛否あると思いますが、ミステリー的には握手のシーンなど秀逸、蒔田光治がからんでいるからか?

 主要キャストに知らない俳優が、と思ったらエンドロールで吉川晃司だと知りました。そう言えば若い頃の顔しか知らないかも。

2008年12月21日日曜日

熱ーいブラスのイギリスプロ - 田部井剛&ル スコアール管のウォルトン1番

 先日終了の「風のガーデン」、人が死ぬ話ってだけで十分ズルイのに、出演者が死んでるとあってはほぼ反則でした。それを見ていて思い出すのは中学の頃、キャンディーズの3人で自分が好きな順番はミキ→ラン→スーだったこと、今まさにその順番で老け込んでいるのを見て、我ながら見る目の無さを痛感しています。

 朝こそマイナスでしたが、予報通りそこから気温はぐんぐん上昇、都心は20度あったかも、午後は春先の様な熱い風が吹き荒れました。午前中はテニス、と言っても教え子の応援、会場が聖心女子大だったので余裕で不審者と間違われました(笑)。

 上記「風のガーデン」では平原綾香がまたもパク、いやカバーしてます。今回のは古めの曲ですが、デビュー曲で使った「惑星」はホルストが比較的新しい作曲家のイメージがあるだけに、「著作権とかどうなってるんだろう」と常々思ってました。が、先日N響の中継で解説者が「ホルストは著作権の切れたその年に歌謡曲などに使われ始めて作曲家としては複雑な気分」と言ってました、なるほど。

 午後はコンサート、聴いたのはそのホルストも属するイギリス音楽プロ、アマオケとしては意欲的です。1,2,4楽章とブラス吹きまくりのウォルトン1番を生で聴けるのが特に嬉しく、これで「王冠」がアンコールだったら泣いちゃうかも。

 実は同じ時間帯にやはりアマオケのマーラー2番もあり迷ったのですが、そちらは招待券を入手出来ず、懐具合の寒さと交通の便を考慮してこちらを選択、マーラーと他の曲が重なってマーラーを択ばなかったのは2度目くらいか。

12月21日(日) すみだトリフォニー
 田部井剛指揮ル スコアール管弦楽団 アーノルド 「ピータールー」序曲、ブリテン 「ピーター・グライムズ」4つの海の間奏曲、ウォルトン Sym1番
 初めて聴くオープニングはデモ隊の虐殺を描くショスタコーヴィッチの12番を思わせる描写的な曲、ブラスがガンガン来てかなりの迫力。次のブリテンでもブラスが好調、特にTbがよく鳴ってました。後半のウォルトン、最初からHr,Tp,Tb全て豪快な吹きっぷり、田部井氏の指揮も熱く、第1楽章でもうお腹一杯です。その後もブラス陣は息切れせず最後まで吹ききって、ウォルトン特有のしつこいまでのクライマックスもド迫力、ラストの1音もバッチリの響きでした。アンコールは第1希望の戴冠行進曲でこそありませんでしたが、第2希望の「威風堂々」第1番、きばらず進行しつつも要所のブラスはしっかり、と最後まで鮮やか、大満足の演奏会でした。

 ウォルトンの交響曲を初めて生で聴いて、シベリウスと語り口が似てるなあ、と感じました。

2008年12月18日木曜日

ドゥダメル&シモン・ボリバル・ユースオケのマーラー

 柔道の石井、いきなりUFCからというのは本気らしい、さすが型破りな奴です。

 朝は余り冷え込まず、その代わり10m先も見えないような霧が出ました。日中はぐんぐん上がって15度超、昼休みはまたインド人ゲストとテニス、「日本の12月は暑い」と言ってます。

 夜はドゥダメル2日目、昨夜同様魔法のサウンドが楽しみですが、国際フォーラムではそれが聴き取れるのでしょうか。

12月18日(木) 東京国際フォーラム ホールA
 グスターボ・ドゥダメル指揮シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ ベートーヴェン Pf,VnとVcのための三重協奏曲、マーラー Sym1番
 前半のソリストはアルゲリッチとカプソン兄弟、アンコールに最後の数分をもう一度やってました、たぶん。2階最後尾だと隔靴掻痒を超えてTVでも観てる感じです。お目当ての後半はこっそり1階席に潜入(済みません)、と言っても通常ホールの最後列程度の位置、余り音は来ません。弦は昨日同様100人体制でしたが、金管は何と通常のマーラーの本数です。ドゥダメルはどうやら遅い所はより遅く、速い所はより速く、のタイプ、各所でタメたり粘ったりしますが、マーラーらしさよりも、効果的に旋律を歌うためにやっている感じ。オケは昨日より不安定ながら調子は尻上がり、戦車の様な第2楽章冒頭と2-4楽章緩徐部での優美な表情が印象的。弦の刻みがやや明瞭に聴こえ"整然とした狂乱"を感じさせた終楽章前半で少しだけドゥダメルマジックを見た思い、ブラスも昨日よりバッチリ吹いており、Hrと補助のTb&Tp(後者は1人でHr全員と同じ位吹いてました)が起立したクライマックスはかなりの音響(だったと推察されます)。アンコールは昨日の1曲め「ウエスト・サイド・ストーリー」マンボのみ、ただ今日は踊り以外に、舞台暗転→点灯すると全員ベネズエラ国旗カラーのジャケットに!という趣向付き、しかも退場時、サヨナラの挨拶代わりにそのジャケットを客席に投げ込んでます!前の方の席の方、いいお土産おめでとうございます。

 やはり国際フォーラムの音はダメダメでした。昨日芸劇で聴いているので、脳内変換しながら聴きましたけれど…、この貴重なコンサートをここでやるのは、殆ど犯罪じゃないかと感じました。

 本日の結論:(マトモなホールで一番苦手な芸劇を基準とした外野席の印象)
芸術劇場(最悪) 音が来ない
NHKホール(論外) 隔靴掻痒
国際フォーラムA(論外) 光速が音速より速いのを実感

2008年12月17日水曜日

ドゥダメル&シモン・ボリバル・ユースオケ、魔法サウンドのラヴェルとチャイコフスキー

 昨夜の「銭形舞」最終話「しりとり連続殺人」、地上波だけでも観るのは3度目ですが、何度観てもシリーズ中出色のプロットです。

 ほぼ終日の雨、気温はほぼ終日5-9度、ただ夜半になって気温が上がってきました。昨夜の宴会の影響か人生最高体重に突入(涙)、学生時代のズボンがきつい、というのは生まれて初めての体験です。まあ、学生の頃のズボンを20年以上経っても使っているのがある意味凄いかも。

 夜はここ数年何かと噂のドゥダメル、手兵を率いて待望の初来日です。このコンビ、オンエアされたマーラー5番のライブを聴く限り、普段聴こえないパッセージが明瞭に浮かび、しかもフォルテシモでも細部がくっきり、という音作り、解説者によれば「生で聴いてもそうだった」とのことですが、さてどうでしょう。

12月17日(水) 芸術劇場
 グスターボ・ドゥダメル指揮シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ ラヴェル ダフニスとクロエ、カステジャーノス パカイリグアの聖なる十字架、チャイコフスキー Sym5番
 いきなり両国国歌からスタート、ユースオケにありがちな巨大編成でHrは常に8本、最初のラヴェルはTpが8本!また後半チャイコはTb6本!にチューバ2本、ただ本数が多くてもブリティッシュブラス系の柔らかサウンドで弦管のバランスを維持、Vlaが存在感を放つ弦セクションは数の多さ(100人位?)以上に凄いボリュームで、芸劇外野席で音圧を感じたのは初めての経験、そして更なる驚きはその巨大編成に拘らずダンゴにならず細部までクリヤーなサウンド、木管は勿論のこと、弦の動きが常に聴こえてくるなんて、外野席であることを考慮すると魔法としか思えません。入りがばらついたりしてる割には細かいパッセージでは各パートバッチリ揃っているせいでしょうか。
 溌剌としたお国もの(?)を挟み、後半はチャイコ、ダフクロのラストはビックリする程の迫力では無かったのですが、こちらは更に恰幅が増した感じ、過去聴いた中で最速テンポだった終楽章の主部を除き、全体的には歌うことを重視したゆったり進行、各ソロパートも見事、クリヤーでかつ豪快、という稀有な演奏でした。アンコールはまず「ウエスト・サイド・ストーリー」のマンボをのだめよろしく楽器をくるくる回すなどしてノリノリで、次に先日やはりアンコールで聴いたヒナステラの激しい曲を、もうオケ全員が踊りながらのド派手パフォーマンス、当然会場大興奮です。

 まさにオンエアで聴いた通りのクリアーサウンド、ドゥダメル畏るべし、です。明日のマーラーも非常に楽しみ、会場が国際フォーラムで無ければ100%オススメです!

2008年12月14日日曜日

壮大展覧会と狂乱アンコール - 十束尚宏&市川交響楽団

 むむむ、やはり夜が弱くなってるらしく、昨夜はクラブW杯ハイライト観てるうちに意識喪失、気が付くと「ギリシャ神話」に(涙)、また「トンスラ」はVeoh視聴か…。

 朝から雨、冷え込みは甘め、と言うか深夜には9度位あった気温が朝をだいぶ過ぎても下がる一方、午後には5度を割る位でした。

 午前中の練習はキャンセル、午後はアマオケを聴きに市川方面へ、指揮者とソリストにビッグネームを呼んでいますが、楽団のポリシーで無料です。

12月14日(日) 市川市文化会館
 十束尚宏指揮市川交響楽団 ラフマニノフ Sym3番、チャイコフスキー ロココ風の主題による変奏曲、ムソルグスキー 展覧会の絵
 最初の3番は実演が初めてなのでよく分かりませんが、各パート穴の無い老舗オケは安定していました。最後だけテンポを落としてずっしりキメたのが個性的。意外にもここで休憩、後半はまずチャイコ、向山佳絵子のチェロは鮮やかでした。そしてお目当て展覧会、十束氏の速めテンポでメリハリくっきり系の指揮に応え、オケはダイナミックな演奏、弦セクションは分厚く、ブラスもしっかり鳴ってラストは壮大でした。アンコールはヒナステラの大人しめと激しめの2曲、後者ではオケの団員が少しずつ踊りだし、Hrのおじさんは舞台を巡り、しまいには(可能な)全員が立ち上がっての大団円、楽しく見事なショーアップでした。

 先日チューバでそのまま吹いたのを見て以来気になり始めたビドロのソロ、今日は2ndTb奏者のユーホ持ち替えというありがちパターンでした。

 コンサート終了時には雨はあがり、さっきは澄み渡った夜空を満月が支配しオリオン座をすっかり霞ませていました。今夜は久々にマイナスに冷え込みそうです。