2012年6月28日木曜日

ポオと死体と蒼き瞳 - ルイス・ベイヤード「陸軍士官学校の死」

 先日気になったニュース: ホウレン草のポパイ効果を証明!
ホウレンソウに含まれる硝酸塩がカルシウムの蓄積と放出に関与するタンパク質を増加させ、速筋の増強に効果があるとのこと、ポパイは正しかった!

 昨日も一昨日も「明日から崩れる」と言っていた予報は良い方に外れ、今日も晴れ時々曇り、気温は相変わらず平年より低めながら、この4日間は徐々に上昇傾向、ユーロやウィンブルドンをダイジェストやダウンロードで遅れて楽しむべく、情報遮断して過ごした一日。

 午後に2度地震、2度目は震源が近くゴゴゴゴって地響きと共に来襲、結局どちらも震度2-3程度と大したことなかったんですが、最近めっきり減っているせいかこの程度でも身構えてしまいます。

 本日は半月掛かって先日やっと読了した本から、切れ切れに続けているこのミス2010年度版ランクイン作品企画の第6弾は、第8位にして本格畑では1、2位に評価された作品です。

陸軍士官学校の死 ルイス・ベイヤード
 舞台は1830年のアメリカ、士官学校で起きた猟奇的な事件に引退した警官が若きポオの協力を得て挑む歴史ミステリー。ポオの実際の作品と文体、および当時の史実を巧みに織り込んだ点は凝っている(らしい)のですが、それを味わう能力に欠ける自分には展開がやや冗長で、ミステリー部分も今一つかなあ、と思いきや、終段で見事な打っちゃり、改めて冒頭から読み返して伏線の有無を確認したくなる作品でした。

 翻訳の労苦が偲ばれる内容、それゆえに詩的な原題に比べ、この邦題は酷い、というか残念。

 今夜はドイツvs.イタリアに集中です!

2012年6月26日火曜日

茨城オープン2012

気温は低め、爽やかな晴天の下、茨城オープンに参加(会場は職場から自転車5分!)、本選1R、亜細亜の学生に0-6,0-6とサンドバック状態でした。

 今日貰ったアドバイス:
カウンターがあるフォアと違い、バックのリターンはスライスで入れるだけ、もっと打てるように。

 リターンの時だけバックを昔の両手に戻そうかな…。

2012年6月23日土曜日

プレトニョフ&ロシア・ナショナル管のチャイコフスキー4番

個人的注目のテレ東深夜枠「D×TOWN」、昨夜終了の第3弾「ボクらが恋愛できない理由」も楽しめました、ド直球の青春ストーリー、クロースアップを多用した演出、と絶滅危惧種的な内容が特に。

 久々に晴れの(と言うかテニスの出来る)土曜日、気温はほぼ平年、東京に出て午前中は練習、コート隣の道路脇には未だにツツジが、しかも白、紅、濃いピンク、淡いピンクと4色も咲いています。

 正午にはテニスを上がり、アマオケの2連荘(ル スコアール管の死と変容、エルガー1番、アウローラ管の火の鳥、ラフマニノフ3番)の予定でした。

 ところが数日前、プレトニョフ&ロシアナショナル管みなとみらい公演のチケットを2500円入手、急遽そっちに参戦することに、このコンビ、先週は今一つの感がありましたが、今日はどうでしょう。

6月23日(土) みなとみらいホール
 ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管 グラズノフ 組曲"中世より"前奏曲、グリーグ PC、チャイコフスキー Sym4番
 最初は先日のオペラシティ公演でも奏されたグラズノフの組曲の1曲目(たぶん)のみ、ヴィブラートギンギンのHrソロがいい感じ、続くグリーグのソリストは河村尚子、拍手に応えてやはりグリーグ、"抒情小曲集"(たぶん)からロマンティックな小曲を。後半はチャイコの4番、Hrはなかなかの鳴りながら、TpとTbは腹8分目、と先日と似た傾向、(先日もそうだったんですが)ピアノ用の椅子を使わず皆と同じ椅子を2、3段重ねにして使うコンマス率いる弦セクションに以前程のキレが感じられなかったのも先日と同じ、第3楽章中間部でのテンポがかなり速かったのが印象的、ただ終楽章はクライマックスを含め中庸のテンポ、燃焼度もぼちぼち程度でした。アンコールはグラズノフ「ライモンダ」からスペイン風の活発な曲を、団員はもう1曲やる勢いでしたが、ここで終演。

 連れがキャンセルになり意気消沈、夕方のアマオケ(アウローラ管)に参戦する元気が失せ、若者から元気を貰うべく最後ちょっとだけ顔を出す予定だった宴会に最初から突入、結構かっぱがれて軽くダメージを負い、2次会はパスしてすごすごと帰途に(笑)。

2012年6月21日木曜日

14歳は双葉か - 劇団14歳 第1限目「教室短編集」

終日の曇り、朝の17度台は平年値、日中の27度台はやや高め、10階建て宿舎の室温は外気と連動するのに時差(日差?)があるらしく、今年初めて室温がやっとこ25度に到達しました。

 夜は池袋に出て観劇、いつもの様に奇特な方からの頂き物です。夕方早めに職場を脱走する際、軽く雨に降られましたが、その後は予報程には崩れず、手にした同僚の傘(先日の台風で自分のは壊れたので)は使わずじまいでした。

 観たのは女優やアイドルの卵を集めて結成された(?)「劇団14歳」の旗揚げ公演、実際に団員が14歳なのかは不明ですが「将来の大スターの双葉の頃を拝めるかも」と思っての出陣、キャストを変えて4種のオムニバス短編があり、2演目ずつの公演スタイルです。

 シアターグリーンに着くと劇場前は大量の女子でごった返していてビックリ! ただ同敷地内には3つの劇場が併設されており、よく見るとその人だかりは皆隣のBIG TREE THEATERのお客さんでした(そう言えば、以前小出早織を見に行った時はそっちに入りましたっけ)。

 自分が入った方のBASE THEATERは定員70名ほどの小さな箱なのに、結構空いてました。しかも現地で渡された招待席は最前列、目前2mで演じられるのでラッキー!

6月21日(木) シアターグリーン BASE THEATER
 劇団14歳 第1限目「教室短編集」 山に登る、リボン
どちらも教室を舞台にした30-40分程の1幕劇、遠足や夏休みの旅行の計画を立てる過程で生じる少女達の人間模様や葛藤を描きます。「山に登る」では城川もね(オスカー所属!)、もう少しヒネリが欲しかった「リボン」では真嶋優(既に映画やドラマに出演)に存在感あり、確かに出演者は皆14歳前後に見え、経験は少なそうなのにしっかり演じてました。今後メジャーになる人はいるんでしょうか。

2012年6月20日水曜日

デ・ワールト&ロイヤルフランダースフィルのマーラー1番

台風一過の晴天、昨夜の暴風雨の爪痕か町中は散乱する木の枝でいっぱい、驚いたのは遊歩道沿いの桜並木では桜の大枝が、公園では紅葉した大きな木が、どちらも太さが20cm以上あるのに無残にぽっきり折れていたこと。

 台風が熱気を連れて来てくれたのか、今年最初の真夏日! 日中の最高30.7度は勿論、朝の最低23.7度も今年の最高値、ただ風まだ強く昼休みの壁打ち時は昨日より難儀しました。

 半月来の謎の蕁麻疹はかなりのスローペースながら治まりつつあり、現在は右腕と右脚に時折現れる程度。

 夜はデ・ワールト&ロイヤルフランダースフィルのマーラー第2夜、1番です。会場はスカイツリーが近くに見えるトリフォニー、ツリーがオープンして以降初めての夜公演かも、青く輝いてました。

6月20日(水) すみだトリフォニー
 エド・デ・ワールト指揮ロイヤル・フランダース・フィル エルガー Vc協奏曲、マーラー Sym1番
前半エルガーのソリストは一昨日と同様、若手美人チェリスト(ヘッカー)から直前交替になったポール・ワトキンス、拍手に応えて一昨日と同じしみじみ系のバッハを(たぶん)。オケはコンミスが率いてましたが、一昨日はコンマスだった気が…、記憶違いかも(ボケ老人なので)。
 本日の後半は1番、デ・ワールトは5番と同様クセの無い表現ながらテンポはより中庸に近くなってます。Tpソロ、Hrソロ(女性)は同じ人、共にソフトな吹きっぷりが5番より1番に向いている印象、要所でHrが豪快に鳴ってましたが、ブラス全体は5番と同様全開の一歩手前、ただ5番の時より少し迫力があった気もしますが、初めて座ったトリフォニーの3階RB(舞台サイド)のせいかも。先日より1本増えて8本になったHr(と補助のTb、Tp)が1フレーズ早く起立したクライマックスの燃焼度もなかなか、本日もまとまった演奏でした。アンコールは無し。

 個人的注目の終楽章のミュート着脱早業部分はミュート時最後の音をサボる(任せる)作戦でした。

 この2公演で最も印象に残ったのはHrトップとそのアシ(共に女性)、1stのパートをホントに分担して吹いてました。

2012年6月19日火曜日

大野&都響のオケコン

台風4号接近中で、午後までは降ったりやんだりと不安定な天気、朝から気温は高く最低20度超は今年初めて、ただ日中は24、5度前後、気が付くと通勤路途中にある夏椿が白い花を次々と歩道と駐車場に落としています。

 夜は連日のコンサート、台風がどんどん接近する中、「大丈夫なの?」と同僚に心配されつつも職場を早退け、行きは傘をささなくてもよい程度の軽い降りでした。

 文化会館に着いた頃は本降りに、メインのオケコンは好きな曲ではありますが、実演は10指に満たないかも、覚えているのはかなり昔、マゼール&ピッツバーグ響来日公演のシャープな演奏位、その意味先週のオケコン対決第1弾、コチシュ&東響を聴けなかったのはちと残念。

6月19日(火) 東京文化会館
 大野和士指揮都響 シェーンベルク 浄夜、シマノフスキ VnC1番、バルトーク 管弦楽のための協奏曲
 最初のシェーンベルク、ほぼフル編成の弦は扇形に1stVn、2ndVn、チェロ、Vla、その背後に弦バスが横1列に並ぶ配置、実演は精々2度目なのでよく判りませんが、暗く冷たい前半と明るく柔和な後半の表情の描き分けが印象的、続くシマノフスキは3管のオケ、ピアノ、チェレスタに大勢のパーカッションと大編成、ソリストは何故か日焼けした?感じの庄司紗矢香、彼女にしては珍しくアンコールは無し、この時点で1時間10分経過していたので嬉しいかも。
 後半はオケコン、大野にはモネ管とのマーラー5番から「耽美系でねっとり」というイメージを持ってましたが、予想に反しメリハリ系の音作り、第3楽章も余り粘らない表現、第4楽章から続けて演奏した終楽章、冒頭ファンファーレ後のチェロのピッツィカートをテンポを落として強調した点と、その後の部分(および同様の楽想が終盤回帰する部分)での超快速テンポが印象的、ブラスは両端楽章ですらトータルバランスを取り8分程度の吹きっぷりながら、弦の鳴りよく全体のサウンドはかなりのスケール、そして最後の1音はキマってました。

 会場を出るとさすがに暴風雨、つくばエクスプレスは問題無く動いてましたが、上野からそこに接続するまで(風雨に弱い)常磐線を使おうとしてスタック、地下鉄日比谷線への振り替え輸送を経て11時頃無事地元ターミナル駅へ、ただ100円ショップの折り畳み傘は10秒で破壊され、自転車5分の道程でパンツまでぐっしょり濡れ鼠に(笑)。

2012年6月18日月曜日

デ・ワールト&ロイヤルフランダースフィルのマーラー5番

あーあ、オランダ全敗、最終戦は期待通りのスタメンだったのに…、ま、さっさと監督を変えて、この日最初の10分だけ復活した(らしい)"昔のオランダ"のスタイルでチームを作り直して欲しいところ。

 如何にも梅雨の晴れ間、という天気、朝のうちに25度を超し、最高は27度台ながら夜11時を過ぎても20度以上あって夜気が暖かいです。

 筋トレをサボっていたため気付かなかったんですが、自転車でコケた後遺症らしく、腕立てをやると左肩に激痛が走ります。不思議なもので、それに気付く前はテニスする際には全く影響無かったのに、今日の壁打ちではトスを上げる時とバックのテイクバック時に痛みを感じるように。

 今週はデ・ワールト&ロイヤル・フランダース・フィルのマーラーウィーク、今夜はまず5番です。奇しくもデ・ワールトは3連敗したオランダの指揮者、その実演はかなり前にシドニー響とのラフマニノフ2番を聴いた記憶がありますが、マーラーは初めて、と言うか彼のマーラーはディスクでも余り印象は無く、唯一80年代にFM東京(かFM横浜)で放送したシカゴ響との3番のライブ(ハーセスが泣かせる)が美しい演奏だったのを記憶しています。

 海外オケのチケットは大体連れの分と2枚買うんですが、明後日の1番は発売日に最安席を2枚買ったものの、今日の5番は都民劇場公演ということもあり、ヤフオク等でバラバラに2枚入手、よって1枚は1階最前列(涙)、もう1枚は3階Rと離れ離れ、前プロが美人ソリストらしいので、連れと交渉して前半はかぶりつき席、後半は3階R、という布陣で臨みました。

6月18日(月) 東京文化会館
 エド・デ・ワールト指揮ロイヤル・フランダース・フィル シューマン Vc協奏曲、マーラー Sym5番
 前半は見てビックリ、美人ソリスト(ヘッカー)がキャンセル!代わりに小太りのおじさん、ポール・ワトキンスになってました(金返せ!(笑))、拍手に応えてしみじみ系のバッハ?をたっぷり披露してくれました。
 そして後半はお目当てのマーラー、デ・ワールトはシンプルで滑らかな棒で、とんがったところが無く流れのよい音作り、表現にアクは無いけれど弦中心に各フレーズ歌うことを心掛けている感じ、テンポも全般に遅めながら、第4楽章などは逆に早め、と歌いやすさ重視かも、第3楽章前に再度音合わせ。初めて聴くロイヤルフランダースフィルはベルギーのオケ、弦は音量が無い代わり低弦までバランスよい均質な響き、木管はぼちぼちでObが存在感、Tpソロはソフトな音色、Hrソロ(女性)は線細めながらノーブルな吹きっぷり、ブラスは全体的に抑えめでTbなど本気出したのは終楽章コラールの一つ前の盛り上がり(楽譜上ではここがMAX)くらい、ただ要所ではHrやTpもそこそこ吹いて、トータルではまとまった演奏でした。アンコールは無し。

 明後日の1番もまずまず期待出来そう、その前に明晩は大野&都響のオケコンです!

2012年6月16日土曜日

コバケン&日フィルのブルックナー9番

先日DATテープの整理をしていて下野&大フィルのライブだったか、生まれて初めてブルックナー2番を耳にして、そのクライマックスに驚愕、なんとffでブラスが「タッタタ、タッタタ、タッタタ、タッタタ、・・・」と同じパッセージを延々と40回近く繰り返していました! 版にもよるかもしれませんが、かなりシュールです。実演なら聴いている方も、そして吹いている方もトリップしそう。

 午前練習、午後はコンサート(しかもそのブルックナー)と典型的休日の予定、ただ雨予報だったのでテニスは無理か、と思ってたのに朝起きると降っておらず、慌てて準備して東京へ、でもアキバに着いたら降ってました(涙)。気温は終日16-20度の範囲と低め、梅雨寒が続いています。

 昼過ぎまで暇になったので、新宿駅構内の無線LANスポットに居座り、先日のシャラポワ優勝までの道のりで1番苦戦した4回戦、高画質版(1080p)のダウンロードのトライ、でも11ギガもあるので2時間いても2割程度しか落ちず、12時過ぎに先週爆速だったサントリーホール近くのセブンイレブン7SPOTに移動しリトライ、でも今日は7MB/sはおろか100KB/s程度しか出ませんでした(涙)。

 その後聴いたのがこれ、コバケンの振るブルックナーを実演で聴くのは初めてです、たぶん。

6月16日(土) サントリーホール
 小林研一郎指揮日フィル シューベルト 未完成、ブルックナー Sym9番
前半のシューベルト、第1楽章最後の音は昔風のディミヌェンド、そこから間を置かず第2楽章に入り、静かに曲が終わるや否や、コバケンがまだ頭上に棒を捧げているのに掛け声と拍手をする人が、あーあ、CD収録も入っているのに(笑)、そして後半ブルックナーの前には「指揮者が棒を降ろすまでは拍手をお控え下さい」との場内アナウンス(笑)。この9番はコバケンにとり初挑戦、そのためか提示部冒頭の2、3分はやたらと細かく各動機に強弱と表情を付け、かなりくどめ、その是非はともかく、その調子で最後まで綿密にやればかなり個性的かつ画期的でしたが、その後は濃いめ基調ながら冒頭程の細かさは無し、ブラスは各所で開放的に鳴らしており、特に第1楽章最後では8本(専業4+持ち替え4)のHrがベルアップ(!)して豪快に吹いていたのが印象的、荒々しい表現の第2楽章の後には音合わせ、第3楽章のブラスは第1楽章より抑えめながら、後半のカタストロフっぽい叫喚部分はかなりの大音響。あと驚いたのは、最後の1音が鳴り終わっても、コバケンが棒を降ろす10秒弱の間は拍手が起きなかったこと、言えば分かるんですね、行儀の良いお客さんには。

 コバケンは指揮者デビュー40周年とのこと、終演後口上があり、楽員から花束が贈られていました。

2012年6月15日金曜日

プレトニョフ&ロシア・ナショナル管の白鳥の湖

今朝自転車小屋の前でモンキチョウに会いました。蛾だと身の毛もよだつ程嫌いなのに、蝶だと可愛いと感じるあたり、我ながら不合理で不思議です。

 そこそこの晴れ、朝は13度強と低く、予報の「24-5度まで上がる」が3日連続して外れて日中も上がらず、火曜から梅雨寒が続いてます。

 今日は秋の学会申し込み締切日、泥縄で計算した結果を締め切り(午後5時)の1時間前に突っ込み、心おきなく早退けしてコンサートへ。

 最寄り駅へ自転車で向かう途中、24時間営業西友前の遊歩道で、とあるおじさんに(走行中なのに)ビニール袋を手渡しされました。

 中身を見ると自転車のワイヤーロック、防犯キャンペーンなんでしょうか、しかも自分の使ってる100円ショップのものより作りが頑丈です、ま、滅多にロックしないんですけど。

 東京に出て聴いたのはプレトニョフ&ロシア・ナショナル管、このコンビで聴くのはショスタコ5番チャイコ6番に続き3度めか、因みにこのオケ、名前に反して民間オケです(笑)。

6月15日(金) オペラシティ
 ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管 グラズノフ 組曲"中世より"、ベートーヴェン ロマンス、チャイコフスキー 憂鬱なセレナーデ、懐かしい土地の思い出、ワルツ・スケルツォ、白鳥の湖
  最初のグラズノフは4曲構成で各曲のキャラが交響曲の各楽章に近く、形式に疎い自分には「グラズノフのSym何番」と言われても信じそう、ただオケの爆発度は低め、続いて樫本大進をソリストに迎えて小曲を4つ、長身のコンマスはソリストに場所を空けるべく退席、後半のステージまで戻ってきませんでした(笑)。その後半は白鳥の湖からの抜粋を40分ほど、対向配置のオケは以前聴いた時と比べて揃いが悪く、そのためか弦セクションがクリアーさもボリュームも減じた印象、ブラスの鳴りも目一杯の一歩手前、ただ弦の鳴りが悪いので相対的に爆発してる印象を与えてはいました。アンコールは耳に馴染みのあるワルツっぽい曲、これも「白鳥の湖」?と思ったら「眠れる森の美女」とのこと。

 計3度のこのコンビでは1番不満の残る出来でした、と言うか、どんどん悪くなっている印象、たまたまかもしれませんけれど。

 明日はコバケン&日フィルのブルックナーです!

2012年6月6日水曜日

P.ヤルヴィ&フランクフルト放響のマーラー5番、と裸足のピアニスト

台風3号の動きは予想より速く、その影響は少なめ、朝方降った気配はあれど日中は降らず、やや風の強い曇りの日、といった程度、気温は朝から夕方まで19度±1.5度とほぼ一定、夜には綺麗なお月さんが望めました。

 夜はヤルヴィ&フランクフルト放響の第2弾、マーラー5番です。このコンビのマーラーは4年前に9番を聴いてますが、スマートさと粘っこさを併せ持った演奏だったと記憶しています。5番はどうでしょう。

 先週発生した謎の蕁麻疹、いまだ徐々にその範囲を広げてはいますが、1番酷い箇所(右前腕部)はピークを過ぎた印象、ただ夜になると活動が活発化するため、後半のマーラーでは痒さに身悶えしながら聴く羽目になりました(笑)。

6月6日(水) サントリーホール
 パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放響 リスト PC1番、マーラー Sym5番
 前半のソリスト、スレンダーなアリス=沙良・オットは青のロングドレス、なのに出入りは小走り、よく見れば何と裸足です!彼女を過去に何度か聴いてます(ジャジューラ&キエフ国立フィル飯森&東響)が気付いたのは初めて、ま、足を使うピアノゆえあることなのかも。拍手に応えてのアンコールは2曲、派手なリスト「ラ・カンパネラ」、およびかなり短いしみじみ系の曲(ブラームスとのこと)。
 後半のマーラー、Tpソロは柔らかめの音色でパワーを出さないタイプ、第1楽章は思ったより遅め、弦中心にやや個性的な抑揚を細かく付けてます、一方ブラスは7本のHrこそよく鳴ってますがTp,Tbの爆発度は低め、ただチューバ奏者はヴィブラートギンギンで抜群の存在感、第2楽章も弦中心に激しめの表現、ブラスはコラールでもバランス重視の吹きっぷり、また楽章最後の3音はケレン味たっぷりにやたらとゆっくり、第3楽章Hrソロは左奥の本隊から離れてその対称位置、Tb,Tubaの右隣へ移動しての起立演奏、強弱の幅大きくソツが無い代わり色気も無い吹きっぷり、中間部でVla以外もピッツィカート強めにやる表現と、ティンパニのキレのいい打ち込みが印象的、そして第4楽章、内声を強めに取り、しみじみ部分は遅め、情熱的な部分はかなり速め、と過去聴いた中で最も緩急の差が大きい表現、続く終楽章もテンポのオンオフを繰り返しながら、クライマックスではやはり弦が消えないようにバランス設計したブラスの鳴りでした。全体的に速い部分はより速く、の傾向で(終楽章では2箇所程笑っちゃう位速い部分も)、アンサンブルも各所で乱れていましたが、それも即興的な面白さを生んだ感もあり。
 アンコールはブラームスのハンガリー舞曲を2曲、ます有名な曲、それから生では初めての曲(6番?)、どちらも緩急や表情を大袈裟に付けた個性的な表現でした(たぶん)。

 今風の解像度のよいシャープな音作り+多少のアク、という点では9番と同じでしたが、個性的な表現がより多くて面白かったです。ただ録音・録画されていたようなので、アンコールの2曲目は「悲しきワルツ」にして欲しかったかも、あの極端な強弱がFMでどう聴こえるか知りたかったので。

 休憩後、Vlaだったか、RA側の奏者の譜面台の1番上に見えるのはブルックナー8番の楽譜!「いやいやマーラーでしょ」と注視していると、席に着くとすぐその下からマーラーの楽譜を発掘していました。ツアーで使う全楽譜をいつも置いておくモノなんでしょうか。

2012年6月4日月曜日

2012Masaオープン ひまわり1 (6月大会)

爽やかな晴れ、朝職場に寄ってから試合へ、会場の葛飾柴又界隈でも紫陽花が色づき始めてます。

 本選1R、4-6,4-6で競り負け。午後は27度台まで上がりましたが、30度以上になってくれないと体力勝負に持ち込めません。夏が待ち遠しい…。

 今日貰ったアドバイス:
もっとネットに出てプレッシャーを掛けるべし。

2012年6月3日日曜日

経血のサロメ - 演劇「サロメ」

 あーあ、阪神また借金生活。

 午前中は雨予報ながら降らず、午後はだんだん好転し夕方前にはほぼ青空、気温はほぼ平年、数日前発生した謎の蕁麻疹、朝から昼過ぎまではポツポツした痕だけで大人しくしてるのですが、午後から夜になると活動再開、そそれらポツポツの周りが俄然モコモコ盛り上がってきます、人体の不思議。

 午前中の練習が対抗戦に変更となりテニスの予定はキャンセル、ただ都心に出る用事は既に入れてしまっていたので、朝から東京に出て新国のZ席に並んでみました。

 とは言ってもオペラじゃなくて普通の演劇です。ただ演目は「サロメ」、2001年にアンハルト歌劇場の引越し公演でラッパライネン様演じるフェルゼンシュタイン演出に度肝を抜かれて以降、「サロメ」となると何か語り草となる事件があるかも、と気になる体質になっており、しかも主演が多部未華子(デカワンコ)となると、何が起きるか証人になっておきたい、という欲求が出てしまったから。

 とは言え演劇は所詮守備範囲外、たまに観ることはあっても招待券が回ってきた時だけ、お金を出して参戦したことは殆どありません。なので、Z席1500円が上限ギリギリです。

 9時に現地着、自分は前から13番、10時までに並んだ数は24名、「大劇場と違って中劇場だと少ないかも」と懸念したZ席は26枚!余裕でした。

 開演の午後1時までは少し時間があり、無線LANの入る新国脇のマックで時間潰し、シャラポワの全仏3回戦をロシアの揚げ職人からダウンロードしました。

 その後知人との待ち合わせ経て、人生2度目(前回はバレエ)の中劇場へ、まあ、そこそこ名の売れた多部未華子だけに、(蜷川演出ならともかく)お色気度は期待薄とは思いつつ、双眼鏡片手に2階席最後列の隅っこへ、オペラハウスと違い、Z席でも視界は考慮されて設計されているらしく、見切れは殆どありませんし、前列の人による塞がり具合も少なめ。

6月3日(日) 新国立劇場 中劇場
 演劇「サロメ」
客席の前9列を潰して舞台がせり出し、更にその周囲を水を湛えた堀が囲み、地下牢もそこに、堀の中は2階席からは見えますが1階席からは見えないので舞台上方には大きな鏡が。衣装は現代風、サロメ役多部未華子は長ゼリフを楽々とこなしてヘロデ王役の奥田瑛二(監督・演出に専念した方がいいのでは?)より安定感あり、宮本亜門の演出は純真無垢(子供)のサロメ像ゆえ7つのベールの踊りを含め官能性ゼロ(残念)、珍しくもキーとなる"赤い月"が舞台上には描かれず、代わりに終段白い舞台を血の海で赤く染めることでサロメの月のもの(初潮?)、少女から女への変化を象徴していました。

 新国中劇場で芝居を観たのは初めてですが、普通の小屋だと声を張らないと客席まで届かないのに、音響がいいことを利して小声のセリフを多用していました。

 終演後外に出ると、陽が射していい感じの天気になっていたので新宿まで散策、南茨城と全く同じ種類と色のツツジが満開となり濃いピンク花を咲かせている高層ビル街の一角がありました。これが真紅の花だと劇とぴったりだったんですが。

2012年6月2日土曜日

P.ヤルヴィ&フランクフルト放響のブルックナー8番

爽やかに晴れて気温も平年並み、テニス日和ってことでまずは東京に出て午前中から昼過ぎまでテニス、久我山からコートへの途上、もう深紫のサルビア・ガラニチカが、そしてアジサイもいっぱい咲いてました、ただ後者は殆どまだ薄緑でしたけれど。

 テニスの後またダッシュ系トレをたっぷりやらされてからみなとみらいへ、上半期最も楽しみにしていたヤルヴィ長男&フランクフルト放響です。このコンビ、今回は大曲をやってくれるため2公演とも入手、その第1弾はブルックナー8番です。

 ただこのフランクフルト放響、既に"hr交響楽団"と改名したらしいのですが、まだ耳に馴染みが無いので旧名称で呼んでおきます。

6月2日(土) みなとみらいホール
 パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送響 メンデルスゾーン VnC、ブルックナー Sym8番
前半のソリストは胸元がややセクシーな黒金ドレスのクールビューティー、ヒラリー・ハーン、前回聴いた時は個性的な表現が印象的でしたが、今回は技術が正確、という印象、拍手に応えてアンコールを2曲!(←実は前回もそうでした)バッハのしみじみ系と指くるくる系を。
 休憩を入れると既に1時間10分経過してからのブルックナー8番、第1,2楽章をほぼ続けて、第3,4楽章も棒を降ろさず演奏したヤルヴィはやや速めのテンポで各動機を明瞭に聴かせる音作り、第3楽章も特に耽美的にならないけれど美しさは十分。オケはインバル時代や前回の来日と同様、木管はぼちぼち、金管はなかなか、ただ弦がより統一感とボリュームがアップした印象、3階L側からは見えませんでしたがHr(専業4+持ち替え4?)が随所でかなりの鳴り、一方TpとTbは殆どで腹8分目の鳴りで、終楽章クライマックスでもバランス重視のサウンドでした。あと要所でティンパニのキレのいい打ち込みが印象的。
 最後の音が消えない内に拍手が起こり、その人達が雰囲気を察して一旦おさまった頃にはヤルヴィが諦めた様に棒を降ろして改めて万来の拍手、とありがちパターン、「8番の後にアンコールはは無いでしょ」と思っていると団員はさっさと次の楽譜を用意、えーっ!と思っているうち始まったのは「悲しきワルツ」(ヤルヴィ家の伝統?)、静かな部分は極端な弱音、激しい部分はかなり烈しく、と数年前のシンシナティ響、そして昨年のパリ管との来日時と同じ、そして今度はお客さんもお行儀よく拍手スタート(笑)、2時間半超てんこ盛りの演奏会でした。

 終演後ヒラリー・ハーンのサイン会?があったらしく、文字通り長蛇の列が! スゴイ人気だ…。