2006年4月27日木曜日

バルシャイ&読響の10番

 さっきコンサートから戻ったら、横浜ファンの同僚が嘆いてました。ってことは阪神3タテ!これからプロ野球ニュースを観るので、感想はまた後で。

 いやあ、横浜銀行ごっつぁんです。件の同僚は「ライバルは楽天」って言ってました。

 朝夕に雨の降る、少し肌寒い一日。さっき聴いてきたのはマーラー10番の補筆全曲版。指揮をするバルシャイ自身の編曲は、鳴り物を総動員した派手めのもので、時にショスタコーヴィッチっぽい響きもします。メジャーなクック版ですら実演で聴いたのは3、4度くらいなのに、バルシャイ版を聴くのは数年前の都響との日本初演に続いて2度目になります。

4月27日(木) サントリーホール
 ルドルフ・バルシャイ指揮読売日響 マーラー Sym10番 <バルシャイ版全曲>
都響との演奏はやや手探りの感もあって演奏精度はいま一つでしたが、今夜の読響は曲がしっかり入っているのか精度も高く、流れるような演奏。第2楽章など速い楽想でのリズムの切れも見事。ただ、バルシャイの棒がやや分かり難いのか、細かい動きによく反応している訳でも無く、少し綺麗に流れ過ぎの感もあり、立派な演奏ではありましたが、響きの訴求力の点では期待した程では無かったです。特に、第1楽章と終楽章に現れる、悲痛な叫びの様なTpのハイトーンを伴う全強奏、個人的には阿鼻叫喚、といった響きを期待するところですが、音に凄みが感じられませんでした。ただ、その強奏部分の後の終楽章終盤、一転して平和な響きになる箇所での音色の純度の高さは今日の白眉でした。特に結尾の一音、本当に消え入るように終わったその音色は、ブルックナーの9番のそれを想起させるような天国的で肯定的な響きでした。

 今夜はこれからバルサvs.ミラン第2戦が楽しみ。週末のハイライトを楽しむため、アーセナルvs.ビジャレアルの結果を目にしないよう頑張ってますが、どうせ実況で「○○と決勝で対戦するのは」とか言われてしまうんだろうなあ…。

2006年4月23日日曜日

重厚長大のマーラー - 森口&東京楽友協会響のマーラー6番

春眠暁を覚えずとはよく言ったもので、一日中寝ている状態なのか、昨日もまた宵の内からリアルな夢を見ました。阪神がボロ負けする夢。巨人戦は今日からだというのに。

 予報に反し、終日雨はほんの僅か。傷めた左脚が一晩で治る訳も無く、棄権するためだけに早起きして有明へ。しかし、またもくじ運の強さを発揮し、相手が来なくて本戦へ進出。

 午前一杯立ち読みなどして過ごし、午後はアマオケを聴いてきました。

4月23日(日) 文京シビックホール
 森口真司指揮東京楽友協会交響楽団 ラヴェル 古風なメヌエット、マーラー Sym6番
森口氏のマーラーは、最近では少なくなった重厚長大型、遅めのテンポで重心の低い音楽を紡ぎ出しており、オケも長丁場集中力を切らすこと無くそれに応えていました。特に終楽章、ハンマーの前後の盛り上がりはなかなかのもの。指揮者は精根使い果たした、という感じだったせいかアンコールは無し。このオケを聴くのは4、5度目くらいですが、毎回まずまずの水準をキープしています。

 これから休暇願い(実質事後承諾)を書いて、明日も早起き、今度こそ1ゲームだけプレーして棄権してきます。その前にまず阪神のTV応援とF1サンマリノです。

2006年4月21日金曜日

フラメンコのサロメ再び - スペイン舞踊団 サロメ

昨夜のミランvs.バルサ、このところ出場機会に恵まれなかったジュリがやってくれました。今日は早く帰ったので珍しくナイター観戦、今頃になって初めての対巨人。盛り上がったところで放送時間が終了。あとはスポーツニュースのお楽しみ。

 早く帰れたのは、午後仕事を休んでフラメンコを観てきたから。昨年映画版を観て、生の舞台が気になっていたアイーダ・ゴメス率いるスペイン舞踊団の「サロメ」、幸い安くチケットが入手できたので、初フラメンコに挑戦です。場違いだといけないので、黒のタートルネックを着るなど、若干ソーシャルエンジニアリングして出向きました。

4月21日(金) オーチャードホール
 スペイン舞踊団 サロメ
前から8列目と舞台に近い席だったこともあり、さすがに生で観るとなかなかの迫力。A.ゴメスの優美な動きと鍛えられた肉体を堪能しました。「サロメ」後半での緊張感はやはりただならぬものがありましたが、演出のエロ度(?)は映画版よりもやや後退した印象。

 前の席の方が妙に座高が高く、前半は殆ど舞台が見えず、後半は席を移動してしまいました。日頃は音楽だけなので気にしたことが無かったのですが、舞台芸術となるとそういった要素も大きいんですね。僕も座高だけは高いので、かなり迷惑な奴だったことでしょう。

 明日は久しぶりの試合。左脚の状態から考えて、「参加することに意義がある」ということになりそう。

2006年4月16日日曜日

老舗の実力 - 末廣誠&都民交響楽団の「薔薇の騎士」組曲

今日も肌寒い一日。昨夜半からの雨は続いており、リハビリテニスもお休み。ゆっくり寝坊して午後にアマオケを聴きに出かけました。

 貧乏なためお金の掛からないアマオケによく行きます。と言うのもアマオケはHP等で何かしら無料招待のサービスがあったりしますので。本日の都民響は老舗でかつ意欲的なプログラムが多く、常々聴きたいと思ってはいたのですが、eメールやインターネット全盛のこのご時勢に全席往復葉書での申込。まず郵便局へ行って往復葉書を購入することから始めなければいけないので、つい忘れて締切りを過ぎてしまい、これまで聴く機会に恵まれませんでした。よって今日が初めて。

4月16日(日) 東京文化会館
 末廣誠指揮都民交響楽団 R.シュトラウス 「薔薇の騎士」組曲、ストラヴィンスキー 火の鳥<全曲>
さすがパンフに「一般のアマオケとは違い、日本一のアマオケを目指す都民響」と書いているだけあって、かなりのレベル。弦セクションのソノリティの高さや各パートのソロなど、なかなか見事でした。前半のR.シュトラウス、アマオケではそれらしく聴かせるだけでもなかなか大変な曲ですが、時に優雅さすら感じさせる演奏でした。後半の「火の鳥」全曲も俄然聴きたくなったのですが、当初予定通りコンサート会場を脱走。

 文化会館を出ると雨もあがっておりこころもち暖かくなった印象。後ろ髪を引かれつつ、銀座のヤマハへ移動、インストアイベントで宇宿真紀子&直彰(「うすき」ではなくて「うすく」と読むらしい)よるピアノとチェロのデュオを聴きました。フランス在住のこの姉弟デュオ、そのHPを見て少し個性的なキャラかも、と興味が湧き、実物を見たくなった次第。(でも極めて普通の方でした。) フォーレやドビュッシーの名曲を中心に、とても柔らかい語り口の演奏を聴かせてくれました。

 都民響のパンフの曲目"快"説は指揮の末廣氏自らが筆を執っており、その饒舌な語り口は最高です。

2006年4月13日木曜日

コバケンの幻想、辰巳のレリオ - 小林研一郎&日フィルの幻想、レリオ

本日はこれからコバケン&日フィルの「幻想」、インターネット抽選で当たったチケットです。例によって帰りは遅くなるのでとりあえず記事のみ作成。

 ただいま14日のお昼、13日は雨は降らないまでも、湿度の高い一日、そのせいか深夜早朝でも15度近くありました。コバケンはほぼマーラーしか聴いたことが無いので、彼の「幻想」は初めて。またカップリングの「レリオ」は実演はおろか、録音ですら聴いたことの無い曲です。

4月13日(木) サントリーホール
 小林研一郎指揮日フィル ベルリオーズ 幻想Sym、レリオ
前半の幻想、コバケンらしいアクの強い表現に日フィルは慣れているのか、それなりに応えていました。随所で低弦にアクセントを効かすところが印象的。また、4、5楽章は期待した程爆発しなかったのが残念。ただ、舞台から3列目の左端、というバランスのさっぱり分からない席だったせいかもしれません。あと第3楽章冒頭、牧童の草笛の遠くから応える方(Ob)をステージや舞台裏では無く、2階後方のどこかで吹かせていたのも印象に残りました。
 そして後半のレリオ、幻想の終楽章クライマックスから始まって(これは独自演出?)幻想の続編であることを強調、そして辰巳琢郎が主人公を演じる独り芝居がスタート。芝居の合間に合唱・独唱を含む音楽が挟まれる形で、セリフも歌詞も日本語。コンサートというよりは舞台、という内容で全編1時間超、辰巳琢郎が完全にオケやコバケンを食ってしまっていました。さすがはプロの役者。そのせいか、クライマックス時の音楽の激しさもやや低めの印象。

 二晩続けて2時間半を超えるコンサートで帰りは午前様、感想は翌日となった次第。

2006年4月12日水曜日

飯森&トヨタ・マスター・プレーヤーズ&名古屋フィルのアルプスSym

 ボレロのパクリ音楽にのって昨晩始まった「ブ○の瞳に恋してる」は不美人が主人公という大胆なドラマ。よくこんな企画が通ったなあ、と思ったら案の定、関テレ製作でした。タイトルは忘れましたが、出征前夜の若い兵士達が夜の街に出て、ナンパして連れてきた女性の不美人度を競い合う、という鬼の様な話から始まってその後心温まる展開となる映画があったのを思い出しました。

 本日は雨。左ふくらはぎは順調に快復、勿論びっこをひいてはいますが、普通の速度で歩けるように。

 今夜は名フィルにVPOの奏者を加えた特別編成オケで「アルプス交響曲」。帰りが遅くなるので、例によって記事だけ作っときます。

 帰りが遅くなり、続きを書くのが翌朝になってます。

11月12日(水) 芸術劇場
 飯森範親指揮トヨタ・マスター・プレーヤーズ, ウィーン&名古屋フィル モーツァルト フィガロ、ポストホルンセレナードなど、R.シュトラウス アルプスSym
 前半はVPOやVSOなどウィーンの奏者で構成した20数名の室内オケによる、指揮者無しのモーツァルトプロ。これだけで1時間15分もあり、自分には正直キツかったです。後半はそのメンバーと名フィルが一緒になり、指揮に飯森氏を迎えてのアルプスSym。特別編成オケという事情のせいか、流れに任せて一気に持ってゆく感じの演奏で、かなり大雑把なところはあるにせよ、楽しい部分・物悲しい部分などの表情の描き分けも十分出来ていました。
 このイベント以外で名フィルを聴いたことはありませんので、外来メンバーのお陰なのどうかは分かりませんが、弦管ともに音が分厚く、頂上での迫力はかなりのもの。後半、嵐や日没の部分ではやや息切れした感はありましたが、回想シーンで(これはゲストの個人技で)もう一度ぐっと盛り上がったのが印象的。またTpトップ(シュー?)はソロやハイトーンなどビシッと決めてお見事でした。アンコールはポルカ「雷鳴と雷光(?)」、ウィンドマシーンやサンダーマシーンをフル活用してました。

 前半は森麻季さんの歌などもありましたが、3階最後列だったため、麗しいとの噂のルックスを拝むことは叶いませんでした(笑)。

2006年4月8日土曜日

ハーディング&東フィルのマーラー2番

 昨夜「Happy」ドラマ版を観て、これがテニスの話だということを初めて知りました。絵はよく見かけてはいたんですが。

 この週末、ここ南茨城は昨日の花冷え(終日10度以下)が効いて桜は大分残ってますが、都心はかなり散ってます。その桜吹雪が舞い散る中、午前中はテニス、そして午後はコンサートといつもの休日。ハーディングの指揮を実演で聴くのは初めてです。

4月8日(土) 文京シビックセンター
 ダニエル・ハーディング指揮東フィル マーラー Sym2番
所によっては妙に粘ったりもしますが、全体としてはやや速めのテンポでメリハリのはっきりした演奏。特に驚いたのは、それ程細かく棒で指示している感じでも無いのに、各声部がとても明晰に、しかもそれぞれが主張を持って響くところ。その意味室内楽的な透明感を感じました。また第1楽章や終楽章の金管を中心とした鳴りも迫力十分で、まずは満足の演奏でした。一番印象的だったのは第2楽章、棒を拍ごとでは無くてフレーズごとに振っており、そのせいでテンポは非常に速い割に旋律は起伏に富み、東フィルの弦から聴いたことの無い様な瀟洒な表情を引き出していました。

 まだ30歳くらいとのこと、恐ろしい才能です。

2006年4月2日日曜日

シベリウスオケの6番 - 新田ユリ&アイノラ交響楽団

 留守録してあったF1をさっき観ましたが、ルノーの強さは想像以上。ヨーロッパラウンドまで少し間があるので他チームの巻き返しに期待。野球の結果を見ちゃうとこれを書く気力が出なくなる虞があるので深夜までガマン。

 この週末、都心ではちょうど桜が満開。土曜は絶好の花見日和でしたが、今日も予報が外れて雨が夕方まで降らず、そこそこ花見で賑わったのでは。(その後お天気大荒れ) ただ昨日は花びら一つ落ちてなかった桜が、今日は桜吹雪と花びらの絨毯となってましたから、花の命は短し、です。

 昼過ぎまでテニス、午後はアマオケとよくある休日のパターン。シベリウスをやるために結成されたオケの第3回公演。今年はメインが6番と渋いプロ。特にシベリウス好きと言う訳でもないので迷いましたが、最近コンサートはご無沙汰なので行くことに。シベリウス好きには最高傑作とも言われる6番ですが、実演で聴くのはヴァンスカ&ラハティ響に続いて2度目。

4月2日(日) 大田区民ホール アプリコ
 新田ユリ指揮アイノラ交響楽団 ステンハンマル 「歌」より間奏曲、シベリウス 春の歌、夜の騎行と日の出、Sym6番
 オケは対向配置、ただパーカッションを左脇に追いやって弦バスがひな壇の最後列にズラリ。確かアバド&BPOのマーラー9番もこんな感じでした。
 通常はオールシベリウスプロですが、今回は6番と関係の深いステンハンマルの小曲も採り上げています。管・弦ともアマオケでは上手な方で、要所で弦がよく鳴ってました。夜の騎行や6番など、弱音で弦が刻む部分は音程的にキビシい面はあるにせよ、全体的としては随所で美しい響きを聴かせてくれました。
 軽めのプロのせいかアンコールは2曲。1曲目に演奏した「春の歌」のより派手な別バーションと定番のアンダンテ・フェスティーヴォ。どちらも凛とした響きでした。