2011年1月27日木曜日

第2作は○○殺人 - 高木彬光「一、二、三 - 死」

昨夜帰宅時に予想外の雨、そこそこ強くて傘を取りに戻る羽目に、ただ通り雨だったらしくその2時間後には星空、よって今朝もマイナス5度以下まで冷え込み、冬晴れの日中はほぼ平年並みかやや高めでした。

 本日も墨野隴人シリーズから、一昨日読了した第2作です。

一、二、三 - 死 高木彬光
 主人公のご近所で資産家の老婦人に届いた謎の手紙を発端として起きる殺人に墨野隴人を中心とした前作のメンバーが挑みます。終段になってやっと事件の構図が判明するまではやや風俗小説的側面もあり冗長な感があるのと、犯人が読まれやすいのが難点、ただ犯人像は心に残ります。
<< 以下ややネタバレにつき未読の方は飛ばして下さい!! >>
 本格好きなら誰しもゾクゾクする童謡殺人もの、なのにその事実がかなり終盤にならないと判らない、という点が勿体無く、スリルを殺いでいる気がします。

 今第3作「大東京四谷怪談」に掛かってます。

2011年1月25日火曜日

高木版「隅の老人」第1作は歴史物テイスト - 高木彬光「黄金の鍵」

今昼休みの壁打ち帰り、強い風が吹いてますが、北風というより春の風に近い感じ、近所の小学校では紅い梅が4分程度咲いてました。今夜は東京で宴会、戻りが深夜になるので記事のみにて。

<続き>
 思ったより宴会から早く戻れて、家に着いたらアジア杯の日本vs.韓国の後半が始まったところ、因みに宴会後の会話:

「日韓戦は地上波あるの?」「ありますよ!」「10ch!」(←自分)「5ch!」(←学生)

ううう、地デジ化が済んでいる人にはテレ朝って5chなんだ…。

 ちょっと前、墨野隴人シリーズの最終作「仮面よ、さらば」を1冊100円で入手した際、元ネタのオルツィ「隅の老人」やドルリー・レーン4部作と同様、シリーズを通しての趣向があるだろうから、全作100円で揃えてから一気に読もう、と考え、集め始めて数年、やっと揃った(気がしたけれど勘違い…)ので第1作から読むことに。

黄金の鍵 高木彬光
 シリーズの主人公となる未亡人(サム・ペイシェンス?)の墨野隴人との出会いが描かれ、彼女が遭遇した殺人事件を彼が解決。その過程で徳川幕府の埋蔵金に関する推理が語られる部分は著者の「成吉思汗の秘密」を髣髴とさせる歴史物テイストで、こっちが本作の主眼かも、現実の事件も(オリジナリティは無いながら)悪くないプロットなのに、プレゼンがいま一つのためインパクトに欠け、霞んじゃってます。

 次はシリーズ第2作「一、二、三 ─ 死」へと進みます。

<追記>
 ペイシェンス・サムでした…。さすがボケ老人(涙)。

2011年1月24日月曜日

惚れっぽいストリートキッズ、中国へ - ドン・ウィンズロウ「仏陀の鏡への道」

今日のボケ老人: 学会会費を払いに昼休み郵便局へ、窓口で5分並び自分の番が来て会費分の現金を持ってないことに気付く…。

 昨夜遅くに雨、これが今年2度目の降水、その雨雲のせいか朝の最低は1度とプラス気温、零下にならなかったのは12月下旬以来31日ぶり、それだけ天気が良かった証左です。

 膝痛解消"太極拳ゆったり体操"の効果絶大なれど、先週の左ふくらはぎに続き、今週は右ふくらはぎに鈍い痛みと張りがあり、壁打ちを自重、共に初めて傷める部位ながら平仄は取れています、筋力バランスが変わると傷める場所も変わる、ってことでしょう。

 本日は先日読了した本から、先々週だったか、職場から出掛けようとして、読みかけの本を家に忘れたことに気付き、(本無し)手ぶらで外出出来ない性質ゆえ、その場で未読本を探して手にしたのがこれ、ここ数年「犬の力」など単発作品の世評が高い著者によるニール・ケアリーもの、「ストリート・キッズ」に続く第2作、ただ前作の内容を(読んでから10年程経っているため)殆ど覚えていません(涙)、ほろ苦い話だったことくらい。

仏陀の鏡への道 ドン・ウィンズロウ
 前作の影響で隠遁生活を送るニール、無理矢理呼び戻されて与えられた使命は中国娘と出奔した研究者を連れ帰る、という簡単なもの、それがもつれにもつれて中国まで赴く羽目に、ややご都合主義な感はあれど、全ての要素が収束して畳み掛ける終盤は素晴らしく、またもほろ苦い結末ながらエピローグがお洒落です。

 忘れているせいかもしれませんが、第1作よりよかった気がしたので、このミスの「ストリート・キッズ」第2位に比しての本作の着外(10位台)はちょっと不思議。

2011年1月23日日曜日

暖色サウンドのシベリウス2番 - 山元富雄&ヴィルトーゾ・フィルハーモニー管

 午前テニス、午後コンサートと基本休日パターン、例によって早朝マイナス5度以下の中東京へ、ただ雲の少し出た日中は平年並みの気温ながら何となく暖かめに感じました。

 久我山のコート近く、美人で気立ての良い娘がいた梅干屋さんの梅林も少しだけ花が咲き始めていました。

 コンサートへ向かう途上、渋谷駅で電波を拾ってメルクル&国立リヨン管の最安席をGET、最近では来日オケの最安席4,000円は貴重です。

 蒲田で聴いたアマオケは"ヴィルトーゾ・フィル"、す、スゴイ名前です、わくわく。でも聴くのは初めてかも、マーラーを余りやらないらしい(←調べてみると、過去30回の歴史でホントにただの1度もマーラーやってません…)。

1月23日(日) 大田区民ホール アプリコ
 山元富雄指揮ヴィルトーゾ・フィルハーモニー管弦楽団 ベートーヴェン エグモント、チャイコフスキー 幻想序曲「ハムレット」、シベリウス Sym2番
 前半ベートーヴェンもチャイコも弦管バランスを保ちブラスが羽目を外さないサウンド、名称通り名手揃いかどうかは別として、各パートまずまず安定しています。シベリウスもマイルドで大人しめの音作り、それでも大団円のコラールはなかなか雄大、そしてフィニッシュで弦の音を残すあたりがカッコよかったです。オケではHrがいい音でした。アンコールはカレリア、じゃなくてチャイコフスキー、「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズ。

 帰り道途中買い物に降りた秋葉原では歩行者天国が復活していて歩きやすく、悲劇のあったと思われる場所には献花が捧げられていました。

2011年1月20日木曜日

月夜の一幕劇 - メグ・ライアンの男と女の取扱説明書

錦織や伊達、森田の記事を見て、全豪OPがとっくに始まっているのを知りました。地上波で観られなくなって久しい…。

 今日の暦は大寒、朝はそれに相応しくマイナス5度を割りましたが冬晴れの日中は午後9度台と高め、ただ風が強くポカポカ感は無し。

 正月にTVで観てこの2週間ほど毎朝3分やっている膝痛を解消する体操(オリジナルは喜多方市の「太極拳ゆったり体操」とのこと)の効果は絶大で、昨日の様に冬場に2時間試合した翌日は膝痛で足を引きずるのが普通なのに殆ど痛み無し、また同じ膝でもいつもと違う部位に鈍い痛みを感じるあたり、膝痛は筋力の不足やアンバランスで起きることを再確認させてくれます。

 本日はお正月休みに実家で観た映画から、これも予備知識ゼロで臨んだのですが、観終わってみればお正月の4本中一番印象に残った作品(日本未公開)、後で調べてみると、女優から監督/脚本家として頭角を現した矢先に殺害されてしまったエイドリアン・シェリーの脚本に、友達のよしみだったのかやはり女優が本業のシェリル・ハインズが監督した作品とのこと。

メグ・ライアンの男と女の取扱説明書 <'09 米>
 離婚したい夫としたくない妻、両者のバトルをコミカルに描く室内劇、後半第3者が乱入して流れが変わり、しっかりオチも付きます。あの「普通の人々」のティモシー・ハットンがすっかりオジサンになっていてビックリ、あと「HEROES」で手から稲妻を発していた娘も出てきます。未公開作品ゆえか邦題は愚劣ですが原題は"Serious Moonlight"、オチと関連したダブルミーニングになってます(以下参照)。
<< 以下ややネタバレに付き、未見の方は飛ばして下さい!! >>
 "moonlight"には「秘密のアルバイト」という意味があるようです。

2011年1月16日日曜日

雪の日のスキタイとブルックナー7番 - 金子建志&千葉フィル

 朝起きると外は一面の雪景色、しかもまだかなり降ってます、午前テニス、午後コンサートと典型的休日、家を出る頃には雪はあがり冬晴れがスタート、午後聴いたのは金子建志指揮するアマオケでプロコ「アラとロリー」とブルックナー7番、期待に違わぬ演奏でしたが、今時間が取れないので、昨日分と併せ続きはまた明日。

<続き>
 上りの電車では都心に近付くにつれ雪の量が減り、都内では降った気配無し、無事テニスが出来ました。

 一方夜地元に戻ると、せいぜい2-3cmの積雪が日陰っぽかった所を中心にまだかなり残っているのには驚き、日中ずっと晴れていたのに。日中の気温はより低いのに、沢山降ってはどんどん消える石川では考えられません、湿度が関係するのか?

 最低ー3度とやや高めながら、最高は5度台と低め、ここ数日外出している間は顔が少し熱っぽく目が痒いのは、もしかしてもう花粉症の症状?

 一昔前のFM名解説でお馴染み金子建志率いる千葉フィル、昨年のマーラー9番が良かったことに加え、プロコ「アラとロリー」はアバド&シカゴ響の豪演ディスクに接して以降、ローマの松や家庭Symと並び、マーラーを超えて好きな数少ない曲の一つ、ただ実演で聴ける機会は滅多に無く、ひと月以上前から楽しみにしてました。

1月16日(日) 習志野文化ホール
 金子建志指揮千葉フィルハーモニー管弦楽団 ロッシーニ どろぼうかささぎ、プロコフィエフ スキタイ組曲「アラとロリー」、ブルックナー Sym7番
 オケは2ndVnとVlaを入れ替えただけの対向配置、最初のロッシーニではTbがいい鳴り、その豪快な鳴りにHr、Tpも加わってアラとロリーの前半2曲の迫力はかなりのもの、(1番大人しい)第3曲での中盤の激しさが印象的で、終曲クライマックスもなかなか壮大、とほぼ満足の出来でした。
 後半ブルックナーではHr4本とは別にワーグナーチューバは(持ち替えではなく)専業で4本、金子氏はゆっくり目のテンポで第1楽章からブラスを息長く壮大に鳴らします。第2楽章クライマックスでブラスが豪快に吹き切った後のワーグナーチューバのコラール部分をもう一つのハイライトと捉えているのか、ゆったりテンポで朗々とかつ表情たっぷりにやってました(←楽譜ではfff表記とのこと)。終楽章ではコーダになって急にスローダウンし壮大に締めくくったあたり、チェリビダッゲを意識してるかもという印象を受けました。アンコールはお正月ってことでシュトラウス「皇帝円舞曲」、初めて聴いて恐ろしいほどクドイ曲と知りました。

 毎度のことですが、パンフに寄せられる氏の詳細な解説がもう一つの楽しみです。

2011年1月15日土曜日

高関&東大オケの1番

 昨夜のボケ老人: 昨夜「スクール!!」第1話を観ていて、自分も九九を一部言えないことに気付きショック…。特にm×nでm > nの場合、頭の中でn×mに変換しないとスムーズに出てきません、つまり8の段や9の段はサッと言えない…。

 冬晴れ、気温は平年より高め、10度を超えた日中は微妙にポカポカ感あり、正月の特番で「膝痛が治るご当地体操」なるものをやっており、新年から毎朝それを実践してるのですが、嘘の様に10数年悩まされている膝痛がおさまっています。ところが昨日のなごなご系テニスで過去記憶に無い部位(左ふくらはぎ)を少し傷めてしまい、今日になっても張りが残っているため壁打ちはお休み、ホント年を取ると故障との闘いになることを実感。
<以上は1月17日に関する話題>

 N響の後に聴いたのはかなーり久々の東大オケ、ってことは余りマーラーをやらないのか、東大オケは。

1月15日(土) ミューザ川崎
 高関健指揮東京大学音楽部管弦楽団 ショスタコーヴィチ Sym9番、マーラー Sym1番
 オケは日曜の千葉フィルと同様、2ndVnとVlaを入れ替えただけの対向配置、(個人的に)堅実安定の印象のある高関にしては、ショスタコのラストはかなりの快速テンポ、後半のマーラーは楽譜にこだわる高関らしく新版で第3楽章冒頭の弦バスはユニゾン、オケでは弦が安定してるのは当然として、Hrがバカウマ、メンバー揃って上手いのはアマオケでは珍しい、あと大太鼓の叩きっぷりが豪快、曲想により棒の有無を使い分ける高関は基本アク無しスマート系ながら、静と動のコントラストはなかなか、特に終楽章の激しい部分は彼の堅実イメージを少し改めた程、補助のTb,Tpと共に起立した9本のHrは迫力十分でなかなかの大団円でした。アンコールは何とショスタコ「タヒチ・トロット」(2人でお茶を)、お洒落です。

 終楽章のミュート着脱早業ファンファーレをTp,Tbともちゃんとやっているのを久々に見て感心、まあ、昔はみんなやっていたことですが。とは言え、1拍の間に外したミュートを床に置いてから構え直した1stTbの早業っぷりはやはりお見事!

歌姫とセレンディップ - 幸田浩子さんのソプラノ

 1月18日のボケ老人:
昨年11月"watermark"ウィルスにやられたノートPC、結局駆除出来ず、必要なファイルのバックアップを取りWindowsを再インストールする羽目に、ところが半分しかバックアップを取っていないのに(全部取った気になっていたらしく)実行してしまい、ここ数年のデータのかなりの部分が永遠に消去…(涙)。

 連日の冬晴れ、朝はやや低めで-5度近く、日中はやや高めで10度を超えて日較差は15度余り、週末の雪は殆ど消えましたが、軽めの壁打ちをしに出た際、日陰の水溜まりはお昼になっても凍ったまんまでした。
<以上1月18日に関する話題>

 2つのコンサートの前に寄った渋谷タワレコのイベントで聴いたのは幸田浩子さんのソプラノ、最新のアルバムから2曲だけ披露(去年もそうでした、声は消耗品だから?)、2曲目に歌ったリスト「愛の夢」は元々が歌曲とのこと、初めて知りました。

 とその時は思ったんですが、これはボケ老人の忘却力のなせる業(笑)、1年半程前に韓ドラ「ベートーベン・ウィルス」の流れでそのことを日記にしっかり書いてます(「愛せる限り愛せ」)、やっぱアホです。

 基本インストアイベントを聴きに、と言うより"見に"行っている身としては、ピアノ伴奏の梅田麻衣子さんの可愛さがより印象に残っています。

マリン&N響の個性派展覧会

 朝はマイナス5度割れ、日中も5度台と寒かった一日、何よりほぼ終日の曇りで、晴れなかったのは年末以降何と16日ぶり(都心では20日ぶり?)、さすが表日本です。

 午前は都内で練習、早朝-5度の中最寄のターミナル駅へ、そこで乗った上りのつくばエクスプレス、発車前は座席の下から温風が吹いていて人心地ついたのも束の間、発車した頃にはそれが停止、その後駅に停まるたんびに寒風吹き込み車内が冷え、アキバに着く頃にはすっかり凍えてました。冷房の時もこれだけケチって欲しいもの。

 当初午後はインストアイベント経由で学生オケのマーラー、とゆったりした予定でしたが、数日前教え子から「学校の課題でオーケストラを聴いてレポートを書く、というのを早急にやらなきゃいけない」とのことで、初心者でもそこそこ聴きやすく、かつ自分も聴く気になる公演としてマリン&N響をチョイスし参戦することに。

 本当はその前日、既に入手済みだった大野&東フィルのショスタコ&プロコに(学生の迷惑を無視して)連れて行く積りだったのですが、まさかの大野和士キャンセル(「トリスタン」は振ったのに…)で、即チケットを手放した(渡邊さんごめんなさい)ため、この日の強行スケジュールとなった次第。

 本日の指揮者のマリン、金曜のFM生放送を少し聴いた感じでは、何と「クープランの墓」ですらテンポをいじったり、ラストで思いっきり妙なタメを作ったりと、かなり個性的な解釈をする人のよう。

 ただ、行く気になっていた幸田浩子のイベントも捨てがたく、教え子をホールに押し込んだ後、前プロを諦めて渋谷タワレコへダッシュ(これについてはまた別記事で)、よって聴いたのは後半の「展覧会の絵」のみとなりました。

1月15日(土) NHKホール
 イオン・マリン指揮N響 ムソルグスキー 禿山の一夜、ラヴェル クープランの墓、ムソルグスキー 展覧会の絵
 着いたら丁度「クープランの墓」の終曲後半(の館内中継)、FMで聴いた通り、ラストで妙なタメを作ってました。後半の展覧会<ラヴェル編>でも冒頭Tpソロを始め、至る所で楽譜に無い強弱付けまくり、また基本的にはゆったりテンポで、最後のキエフの大門などチェリばりの悠然たる歩み、N響ブラス陣も頑張って吹いており、NHKホール外野席で無ければ同曲屈指の壮大な音場を満喫出来たかも。

 マリンは新日との1番を聴いてますが余り印象に残っておらず、こんな変な人だったかなあ、と日記を読み返してみると、その時もかなり個性的だった様です、忘れてました、さすがボケ老人…。

 その後ダッシュで川崎へ向かい、東大オケのマーラー1番、これはまた別の記事で。深夜地元に戻ると雪、しかもかなり降っており、積もりそうです。

2011年1月10日月曜日

年末恒例の9番、今年は成人の日 - 齊藤栄一&国立マーラー楽友協会管のマーラー9番

最低気温はマイナス3度とほぼ平年並みながら日中は余り上がらず最高6度と低め、午前中は東京に出て練習、ここ数日昼休みに壁打ちしたり同僚と軽くプレーしたりはしましたが、実質これが今年の打ち初め、強い北風が吹いて気温以上に寒く感じました。

 練習は昼過ぎに終り、夕方のコンサートまで時間があったので渋谷に出てタワレコのインストアイベントへ、これについては明日にします。

 夕方は国立(くにたち)まで遠征してマーラー、一橋大オケおよびその卒業生を中心とするアマオケ水響のメンバー(中のマーラーマニア)で組織していると思われる、国立マーラー楽友協会(くにたち、笑)なる謎の団体があり、そこは毎年「年末には第9(もちろんマーラー)を」と9番を演奏しており、以前は毎年の様に聴きに行ってました。

 ところがここ数年は演奏会の案内が来なくなり、「活動が中断してるのかな」くらいに思ってましたが、単に連絡してくれなくなっただけで、ずっと毎年やっていたことを昨年2月に知ってショック(2010/2/14)、この年末はアンテナを張りまくってましたがどこにも告知無く、「今年(2010年)は無いのかあ」と思って正月を迎えたところ、親切な方より当方のブログ(楽天の方)に「今年度はお正月の10日」との情報提供あり、喜び勇んでの参戦、会場は組織の本拠地、一橋大キャンパス内にある講堂です。

1月10日(月・祝) 一橋大学兼松講堂
 齊藤栄一指揮国立マーラー楽友協会管 マーラー Sym9番
オケは2ndVnとVlaを入れ替えた形の対向配置、メンバーは若手中心、Hrが4本と少なめ、Tp5本(うち4本女性!)、Tb4本、チューバ2本は多め、木管は全パート4-5人いて弦バスは4本のみ、と色々です。第2楽章の躍動感と第3楽章の激しいパーカッションを中心とした豪快なサウンドが印象的、終楽章では2ndVnを筆頭に弦がまずまず鳴ってました。淡々と進んだ結尾、最後の一音が消えてから拍手までの沈黙は20秒弱。

 入館時、講堂の改築前には無かった暖房が効いていてホッとしたのも束の間、「演奏の都合上」とアナウンスがあり暖房停止、第3楽章あたりから寒くなり終楽章後半にはお腹に差し込みが、腹痛に悶えながらの鑑賞となりました(笑)。

 終演後ダッシュでトイレへ、改装して数年しか経っていないため読み通りウォッシュレット付きの洋式、ところが個室のドアが見たこともないモダンな半円形のスライド回転式、しかも貼ってあるインストラクションが何故か左右反対、つまり鏡像対称に書いてあった(のと焦っていた)せいで、閉めるのに手間取ってしまいました、幸い漏れませんでしたが。

 国立も星が綺麗らしく、終演後の夜空は東にオリオン座やシリウス、西に木星と三日月のランデブーと華やかでした。

2011年1月7日金曜日

聴き初めは飯森&東響のマーラー1番

昨夜「おねマス」を2週分録画で観たところ、何と先日の「AKBINGO!」同様、中1の課題曲「高度な技術への指標」が使われていてビックリ! たまたま同じ製作者だったのか、思ったよりメジャーなのか。

 朝の冷え込みはマイナス3度とほぼ平年並みながら、寒風吹きすさぶ日中は余り気温が上がらず、かなり寒く感じた一日。帰省前は12、3度あった部屋の温度が帰省後は10度台、そして今日は遂に10度割れ、ただ7、8度だった実家に慣れたせいか、余り寒く感じません。

 夜は2011年の聴き初め、マーラーイヤーの2年目はやはりマーラーからスタートです。

1月7日(金) ミューザ川崎
 飯森範親指揮東響 ウェーバー オイリアンテ、リスト PC1番、マーラー Sym1番
オケは対向配置、最初のウェーバーは弱音が繊細、続くリストでのソリストはスレンダーな身体をパールホワイトのドレスに包んだアリス=沙良・オット、拍手に応えて珍しく?も「エリーゼのために」をアンコール。
 後半のマーラー、開始では一旦棒を上げたのに会場の静まり方が物足りなかったのか棒を下ろして仕切り直すコダワリ、ところが納得の静寂を得て第1音を開始したと同時に大きな咳が出たのは可哀想。第2楽章後に改めてチューニング、指揮者が違う時もそうだったのでオケの方針かも。飯森は基本すっきり系ながら遅めのテンポを取りマーラーの指定した細かい強弱をきっちり押さえて各動機を丁寧に組み上げている印象でしたが、何となく説明口調と感じ、勢いや色気が不足気味、それでも8本のHrが補助のTb,Tpと一緒に起立したクライマックスは悠然としたテンポから最後は加速してそれなりの盛り上がりでした。

 意図したのかどうか判りませんが、第1楽章舞台裏のTpのファンファーレが過去聴いたどの演奏よりも遠く小さく聞こえました、またその3本が舞台に戻るタイミングも1stだけすぐ(ソロがあるので)、2nd、3rdはかなり遅れて、と変化球。ミュート着脱早業部分はミュート時最後の1音だけ(アシ無しだったので2nd以下が)肩代わりする作戦。

 「ラストコンサート」の"ステラに捧ぐ"コンチェルト、ラフマニノフやベートーヴェンに加え、今日新たにリストPC1番にもそっくりな部分を発見、まあ、自分が協奏曲を聴かないため気付かないだけで、まだいっぱいあるんでしょうけど。