2010年3月30日火曜日

インバル&都響、終楽章の3番

 昨夜久々に晴れた夜空ではいつの間にか円くなったお月さんが望め、朝は予報通りマイナス3度の冷え込み、久々に霜柱や水溜りの氷を踏み割っての出勤でした。

 昼前に会議があって学会と職場片道自転車30分を2往復、道中にいくつかある桜並木、一昨日は気配も無かったのに、よーく見るとこの2日間で僅かに咲き始めています。

 日中はよく晴れてギリギリ10度に届きましたが、何となく寒く感じました。学会最終日は早めに終わり明るい内にサントリーホールへ、アーククヒルズ西側にある坂道の桜はもうほぼ満開でした。

 聴いたのはインバルの3番、彼の振るマーラーは内外のオケでかなり聴いてますが、3番は初めてなのでとても楽しみ。

3月30日(火) サントリーホール
 エリアフ・インバル指揮都響 マーラー Sym3番
Pブロック前2列に少年少女合唱約60人、その後方3列に女声合唱約50人を配置、9本揃えたHrが冒頭から雄渾に咆哮した第1楽章、インバルはたまにしか粘らず全体的にテンポ速めで時にオケが着いて来ない程(特にコンミスソロは本人が弾きたい速度との齟齬大)、弱音部の大太鼓がかなり強め、Tbソロはまずまず、片方のティンパニの音程が悪かったのが残念。第2楽章はやや細かめの表現、第3楽章のポストホルンソロは本当にポストホルンを使った(カーテンコール時に見せてました)のなら見事。
 この後(予定通りなのか)インバルは中座してオケはチューニング、3分以上間があってソリスト(児童合唱の真ん中へ)とともにインバルが戻り再開、Obソロがグリッサンドっぽくないスラーだった第4楽章は明るめの響き、第5楽章は女声合唱を上回る児童合唱の声量(普通は負ける)が印象的、そして終楽章、やや速めのテンポながら、弦の旋律を中心にそれまでの不満を払拭するベタな表現、棒が曖昧になって乱れる部分もありましたが、これだけ粘る終楽章を聴くのは久し振り、コーダへ向けてのppの金管コラールで不安定な入りだった割にはハイトーンを柔らかく奏したTpはクライマックスの吹きっぷりもかなりのもの、最強音のスケール感はそこそこ程度でしたが、まずまずの大団円、終わりよければ全てよし?

 マーラー慣れ&インバル慣れしている都響にしては完成度が低かった(ブル8と間が狭過ぎ?)ので、明日はもっと良くなると思います。

 終演後の帰り道、ANAホテル脇の桜坂?の桜も見事に咲いてました。今夜もお月さんが綺麗なので、そこそこ冷え込みそうです。

2010年3月26日金曜日

ミスターS任期満了、有終のブルックナー8番 - スクロヴァチェフスキ&読響

うーむ、フィギュアの世界選手権男子フリー、ショートを留守録で観た際、「フリーは生放送で」とのコメントがあったのですがTV誌の番組表には無く、昨夜は「24」「マノスパイ」と観たこともあり3時半過ぎまで8chをチェックしたのですが始まる気配無く就寝、その後の早朝ワイドの時間帯に生放送したとは痛恨でした。ま、男子だから残念度は低めですが。

 2日前の夜から雨は予報より遅く夜半まで降り続き、これで(たぶん)50時間以上やまなかった訳で、それなりに珍しいかも。その雨も早朝にはあがりましたが雲が多かった一日、しかも予報に反し夕方にはまたも雨、気温は最高10度と平年より低めながら昨日寒かったせいか暖かく感じました。

 夜は昨日に続きブルックナー8番、今夜は馴染みのある版(ノヴァーク版第2稿?)で、振るのはこの3月で読響を去るスクロヴァチェフスキ、ブル初心者の割にはこのコンビではよく聴いており、7番4番5番9番ときました。

3月26日(金) サントリーホール
 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮読売日響 ブルックナー Sym8番
昨日と同様がHrが9本も!(但し今日は4本のワーグナーチューバはまめにHrに持ち替えてました)、そしてハープも3本!(ただ存在感は2本だった昨日の方があり)、ワーグナーチューバとチューバを並べたせいか、Tbの右にTpがくるVPO風の配置。ミスターSの音作りはこれまでと同様フレーズ毎に強弱を大きめに付け、楽器間のバランスも時に個性的、ブラスの鳴りは9番の時よりは抑え目で5番の時に近い印象、それでも弦と併せ要所では豊麗な響きでした。ほどほどの情感を込めて歌い上げた第3楽章が美しく、息づく様に強弱を繰り返して進む終楽章、fとffを使い分けた感じだったコーダの仕上げ、任期最後のラスト3音「タタタン」がインテンポ?で速かったのにはビックリでした。

 さすがにミスターSお別れ公演ともなると今日のお客さんもお行儀が良く、拍手が起きたのは最後の余韻が完全に消えてからでした。

 ブル8尽くしの仕上げは家に帰ると待っていた、留守録されたネゼ=セガンの同曲でした。

2010年3月25日木曜日

インバル&都響のブルックナー8番第1稿


 TBS深夜帯特番の「記憶の海」、主演の娘はぱっとしない印象ですが、昨夜のみ登場した教授の娘役は妙に可愛かったです。

 昨日に続き終日の雨、気温も朝以降少し上がったとは言え4、5度台と低め安定、予報に反し深夜12時を過ぎても降り続いています。

 今日から数日首都圏ではインバル&都響、スクロヴァチェフスキ&読響、そしてティーレマン&ミュンヘンフィルとブルックナー8番のそろい踏み、しかもそれぞれ版が違うらしいです。

 ティーレマンは学会発表と重なり断念(本当はチケット代高過ぎて手が出ず)しましたが、国産オケ2種は何とか入手、まずは今夜のインバル&都響、ノヴァーク番第1稿による演奏とのことです。

3月25日(木) 東京文化会館
 エリアフ・インバル指揮都響 ブルックナー Sym8番
まず目を惹いたのが9本もいたHr族、うち4本のワーグナーチューバはほぼ専業、Hrに持ち替えたのはほんの一時でした。第1楽章にffのコーダがあるなどブルックナー未熟者の自分でもビックリする程聴き慣れた版との違いが多かったです。インバルはリズムパート中心にメリハリある音作り、ブラスの開放度は昨秋同コンビの5番より低めの印象で、強奏部でも柔らかめの響きでした。コーダへ向けてppから盛り上がる部分で、(普通の)チューバが一瞬抜群の存在感を示したところが印象的。

 今日のお客さんもお行儀が良く(笑)、最後の一音の余韻が消えるまで拍手は起きませんでした。

 明日はミスターSと読響の同曲です!

2010年3月20日土曜日

児玉&大阪シンフォニカーのグラズノフ5番

 昨夜のキャンナイ最終夜、お約束の卒業証書授与があり、渡す順番が人気順じゃなくてアイウエオ順だったのが粋でした。

 そのキャンナイ(と裏のC.リーグダイジェスト)に集中する余り、同時間帯のCS-PCMの録音(オラモのマーラーやクレンペラーのブルックナー)を完全に失念(涙)。ま、単なるCD音源なので、いいと言えばいいんですけれど。

 朝からよく晴れて気温はぐんぐん上昇し、関東各地で予報通りの20度超、地元でも最高22度弱と今年最高、朝はやや冷え込んだので日較差も20度とかなり大きめ。

 午前テニス、午後コンサートと典型的休日、ただテニスの調子は最悪、そして今日は特に花粉症の症状が強く終日鼻水ダラダラとコンサートには不向きの体調でした。

 午後聴いたのは例年この時期開催の地方都市オーケストラフェス、特別参加の大阪シンフォニカーです。このオケ、京都に住んでいた頃に1度ザンデルリンク(息子の方)で聴いていますが、堅実にまとまっていて大フィルや京都市響よりいい印象を持ったと記憶しています。

 ま、実際のところ当時関西にはコレ!というプロオケは無くて、1番印象に残ったオケは京都市立芸大のオケだったりするのですが。

 またメインのグラズノフ5番は昨年のアマオケの豪演が印象に残っているためプロで聴いてみたかったこともあっての参戦です。

3月20日(土) すみだトリフォニー
 児玉宏指揮大阪シンフォニカー響 ウォルトン バレエ組曲「賢い乙女たち」、R.シュトラウス クープランのクラヴサン曲による小管弦楽のためのディヴェルティメント、グラズノフ Sym5番
 最初のウォルトンはバッハの曲ベースだけに落ち着いた曲想、それでも盛り上がる部分ではブラスが重厚に鳴ってました。続くR.シュトラウスはもろバロック調、どちらも30分くらいあって途中で1、2度意識を失いました。久々に聴く大阪シンフォニカーは少し演奏精度が落ちた気がした反面、音の厚みが増した感があります。後半お目当てのグラズノフでは音楽監督の児玉氏はブラスを突出させずバランスを取った範囲内ながら、まずまず骨太で豪快なサウンドを聴かせてくれました。アンコールは無し。

 グラズノフ5番の終楽章って、ラフマニノフ「交響的舞曲」の終楽章に似ているなー、と感じました。

 家に戻ると何故か「ブラッディ・マンデイ」最終回が留守録されてません(涙)、どうやら午前と午後を間違えて予約したらしい…、さすがはボケ老人。

2010年3月7日日曜日

重なる5番 - 末廣誠&都民交響楽団のマーラー5番

昨夜のテレ朝新人シナリオ大賞「臨月の娘」は不審に感じた点が実は結末への伏線、という構成に唸らされ、寝呆けながら観ていたことを後悔、ま、昨年の「ゴーストタウンの花」と同様、再放送をチェックします。

 量は少なめながら昨日からずーっと雨は降り続き、午前のテニスはまた中止、これで3週連続して週末は雨(涙)。昨日の暖気の残りで夜半に8度近くあった気温は朝を過ぎても下がり続け、昼過ぎは4度台、夕方は3度台、夜になって更に下がってます。

 昨日から症状が強く出ている花粉症(らしきもの)の影響か、朝起きると喉まで痛く、日中は鼻水タラタラとコンサートには不向き、今は目が痒いです。

 朝はゆっくりして、午後はアマオケ、留守録のためFM番組表をチェックすると、何と地震で潰されたギーレンのブルックナー1、9番が午後再放送されます、有難うNHK!

 それをセットしてアマオケへ、ただ、全く同じ時間にマーラー5番とブルックナー5番が重なっていて痛恨。勿論マーラー協会員としてはマーラーを選択すべき、ですが貴重度から言えばアマオケが余り手を出さないブルックナー5番、しかもアマオケによるブル5がプロの同曲を抑えて昨年マイベストに入っているだけに迷いました。

 が、やはりマーラーを選んで上野へ、と言うのもこちらのオケ、所謂市民オケの中では自分の知る限り1番上手で、弦の音程を余り気にせず聴ける唯一の市民オケ(都民ですが)と言える存在なんです。

3月7日(日) 東京文化会館
 末廣誠指揮都民交響楽団 ハイドン Sym104番、マーラー Sym5番
オケは先日のロイヤル・ストックホルム・フィルと同じタイプの対向配置、気付いてなかっただけでこのタイプの対向配置(1stVnと2ndVnの間に左がVla、右がチェロと弦バス)も珍しくないのかも。マーラーでのTpソロはぼちぼち、Hrソロは男女2人で分担しどちらも上手、特に第3楽章担当の女性の色気たっぷりの音色とヴィヴラートがGOOD、末廣氏のクセの無い棒の下、オケは安定した演奏、特に第4楽章弦の澄み切った響きが印象的、終楽章クライマックスで弦がブラスに負けずに聴こえるffもさすがで、立派な演奏ではありました。が、これだけ上手なら+αの何かが欲しいなあ、と贅沢な感想も。

 今年も末廣氏自らが筆を執るパンフの曲目"快"説の饒舌は最高でした。

 このオケ、往復葉書で申し込み、抽選で招待葉書が貰える、というスタイル、午後2時開演で座席券との引き換えが12時スタート、時間に余裕があったので「良い席はお早めに」と12時10分(開演2時間近く前!)に行ったのに、3階Rの端っこの方、一方開演20分前に到着した知人は5階ながらセンターブロック、げ、解せません。

2010年3月4日木曜日

オラモと王立オケのマーラー1番

1日で寒い日に逆戻り、今夜はこれからオラモ&ロイヤルストックホルムフィルの「巨人」、例によって記事のみにて、感想はまた明日。

<続き>
 翌日にこれを書いてます。この日は曇りで日中は10度に届かず、夜になって本格的な雨となりました。

 オラモの振るマーラーは初めて、ただレナルト&東フィルの8番と重なったのが痛恨、何故滅多にやらない「千人」をよりによって外来オケのマーラーの日にやるんでしょうか。

3月4日(木) サントリーホール
 サカリ・オラモ指揮ロイヤル・ストックホルム・フィル マーティンソン オープン・マインド、ブルッフ Vn協奏曲1番、マーラー Sym1番
 最初は聴きやすい現代曲で、のっけから大編成オケはかなりの迫力、次のブルッフ、これを聴く度「アルプスSymの元ネタ?」と思っちゃいますが、「ばらの騎士」もここから丸パクリしてることに初めて気付きました、R.シュトラウスってお茶目? いつも音程の正確なソリスト諏訪内晶子は前回に続きアンコール、本日もバッハのしみじみ系の曲でした。
 後半はマーラー、ここで気付いたんですがオケは通常と2ndVnとヴィオラが入れ替わっただけの対向配置、着実なブラス、よく揃った弦、ニュートラルな響きの木管など、スケール小さめながらまとまっています。美しい1stTpはほぼ神、第3楽章での上手な弦バスソロは女性! 続くチューバソロもやや神でした。マーラーっぽさは少なめながら独特のタメや速い部分を煽ってどんどん速くする傾向などオラモ節はたっぷり、終楽章後半で第1楽章を回顧する部分を表情たっぷりにやったのが印象的、7本のHr&補助のTb、Tpはチョンの時と同じでタイミングを遅らせての起立、1曲目から想像した程ブラスは爆発しませんでしたが、まずまずの大団円。アンコールはまず「ロザムンデ」から小ぶりなバレエ曲を抑揚たっぷりと、続いて何と唱歌「花」(はーるのーうらーらーの)をオケ全体で。

 終楽章中盤、ミュート着脱の早業が必要な弱音ファンファーレの箇所では、昨秋のシャイー&ゲヴァントハウス管と同様、ミュートを省略してました。

 初めて聴いたロイヤル・ストックホルム・フィルはなかなかいいオケでした。フィンランド放響(2005/10/212007/2/15)など、オラモが連れてくる北欧のオケはどこもいい味です。