2007年6月24日日曜日

エッティンガー&東フィルのジャンプ1番

 今日はまた梅雨空に逆戻り、どうやら今度の梅雨入りはホントのよう。午前中は曇りで練習、午後からは雨、コンサート前のひと時、渋谷のマックで電波を拾ったところ。

 これからエッティンガー&東フィルのマーラー、彼の指揮を聴くのは初めてです。

6月24日(日) オーチャードホール
 ダン・エッティンガー&東フィル ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死、マーラー さすらう若人の歌、Sym1番
 小柄な指揮者が多い中エッティンガーは長身、かなり大きな身振りで指揮します。最初のトリスタンが非常に振幅の大きな表現で最も印象的。次の歌曲は続く1番と共通の主題を持つもの、オケのフォルテ部分が豪快でした。そして1番、左手で比較的こまめに表情付けも併せ指示するタイプで、アクは少なめながらフレーズごとの強弱は大きい表現。またテンポの変化が激しめで、とりわけ速い部分は相当な速さ、第1、2楽章のラストなどオケが部分的に崩壊しても委細構わずアッチェレ。対向配置のオケは全体的に粗めで不安定、ただ右に位置したHrが強奏時はよく鳴っており、座ったままだったラストのハレルヤ主題など、アシのTp,Tbを含め過去最高レベルの鳴りっぷりでした。一方他のTpはキレが無くTbもぼちぼち、それでも指揮台の上で何度もジャンプする派手な演出のお陰か、よく盛り上がる楽しい演奏でした。

2007年6月10日日曜日

マーラーオケの小じんまり1番 - 井上喜惟&ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ

 トホホ、昨夜は1時頃に戻り、「デスパレートな」を録画しつつ、「死ぬかと」「ティッシュ」、全仏オープン、F1予選とハシゴする予定が1つめですぐ人事不省になり気が付けば朝、ホントに夜が弱くなりました。特に全仏決勝を逃すとはテニスプレーヤーとしては恥。

 午前中は晴れたりもしてましたが、昼には強い雨、気温も急降下、その後は降ったり晴れたりと不安定な一日。まだ不安の残る右膝を休ませて、午後おっとりとアマオケへ。

 マーラーの名を冠した今日のオケJMO、プロ奏者が要所に混ざっているとは言え、入場料はアマオケとしては高め。自分が演奏者の場合「お金を頂くなんてトンデモナイ、こちらが払って聴きに来て貰う」という感覚だったので、アマオケに2,000円払うのは主義に反するのですが、我がマーラー協会公認(?)のオケなので、2年に1度くらいは(前回は3番)聴いています。勿論マーラー協会員割引、ってのがある訳ではありません。(少なくとも自分の場合は。)

6月10日(日) ミューザ川崎
 井上喜惟指揮ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ マーラー 交響詩「葬礼」、Sym1番
 料金とプログラムの兼ね合いか、さすがに会場はガラガラ。1曲目は2番第1楽章の原型、明らかに異なる部分も多いのですが、微妙に違って聴こえる箇所は楽譜の違いなのか解釈の違いなのかは判然とせず。終始遅めのテンポ、その割にはメリハリは余り付けない解釈、また各奏者には伸び伸びと吹かせ、弱音を抑えて音程が怪しくなるよりしっかり吹くことを重視している感じ。
 後半の1番はほぼ標準のテンポ、弱音のコントロールやテンポの変化はより濃くなったのですが、却って小じんまりとまとまってしまった印象。オケは各パートそれなりに上手なのですが、他の専門オケで受ける印象、例えばダスビだと「ショスタコを演奏できるのが嬉しくて堪まらない」といった感じはこのオケからは余り伝わってこず、聴いてて若干消化不良でした。通常通りHrの起立する(補助のTp,Tbは座ったまま)ラストの燃焼度も今ひとつ。アンコールは無し。

 3楽章冒頭の弦バスソロ、新しい楽譜(1992年版?)では何とユニゾンになってるらしく、今回はパートの半数(4人)で演奏、そう言えば別の団体でもそんなことがありました。(がその時はソロに自信が無いからそうしてるのかと思ってました、ゴメンナサイ。)

2007年6月9日土曜日

チョコレートの万華鏡 - 貫井徳郎「プリズム」

 昨夜の全仏オープン、男子シングルス準決勝はそっちのけ(ナダルなんてたったの10分!)でダブルスをずっと放送したのには閉口、テニスはそもそもシングルスでしょう。だって、誰がグランドスラム大会のシングルス以外の優勝者を覚えてます?

 ところで阪神、楽天やオリ相手に勝つ時はやっとこさ、負ける時はボロ負け、って、「PLより弱い」と言われていた頃に逆戻りしたみたい。

 気温は平年並み、時たま雨のぱらつく一日、朝から昼過ぎまで練習し、夜の宴会までのひと時、池袋のマックで電波を拾ってこれを書いてます。帰りは遅くなるので記事のみにて。土曜の夜は概して遅くなるので、「春のワルツ」と「ライアーゲーム」の片方は留守録出来ないのが痛いところ。

 今日は先週末&昨日の定期検診の際に読んだ本から。

プリズム 貫井徳郎
 女性教師の変死事件に教え子の小学生が挑む、といった比較的穏当なストーリー、それが中盤から意外な展開を見せます。睡眠薬入りのチョコレートが鍵になることからも分かる通り、A.バークリー「毒入りチョコレート事件」へのオマージュ風、ただ著者あとがきによるとポー「マリー・ロジェの謎」をより意識したとのこと。試みに比して論理的興趣は薄い気はしますが、「失踪症候群」と同様、作者の間口の広さを感じます。

 明日はアマオケのマーラーです。

2007年6月2日土曜日

プレトニョフ&ロシア・ナショナル管のショスタコーヴィッチ5番

25度前後まで上がるまずまずの陽気ながら、よく練習する大学がはしかの影響で閉鎖、コートも使用禁止、朝寝して午後はコンサート、夜は宴会で帰ったのは1時過ぎ、これを書いてるのも翌日曜です。

 今日のオケ、ロシア・ナショナル管を前に聴いたのは少し前、当時ロシア国立響と喧嘩していた(?)スヴェトラーノフがマーラーを振る筈が、健康を害しキャンセルになってスピヴァコフになっちゃった時です。その時はロシア臭さの全く無いニュートラルな音色で、アメリカオケか?という印象でした。今回はどうでしょう。

6月2日(土) みなとみらいホール
 ミハイル・プレトニョフ指揮ロシア・ナショナル管 チャイコフスキー イタリア奇想曲、ラフマニノフ PC3番、ショスタコーヴィチ Sym5番
 オケは対向配置でパーカッションが右後方に位置しているのがユニーク。1曲目は当日追加のプレゼント、プレトニョフの指揮は極めてコンパクトなものながら、手兵ゆえかオケは敏感に反応、また弦セクションは記憶よりずっと豊かなのに驚き。2曲目は実演では始めて、自分にはやや謎の曲でしたが上原彩子は颯爽と弾きこなしていた感じ。
 そしてお目当てのショスタコ、大まかには標準的テンポでクセの無い表情付けと、メリハリはっきりの音作り。ただ部分的にはかなり個性的な表現も。特に終楽章ではスローで始まり、金管の主題提示の後瞬時に超快速テンポへ移行、展開部に入る手前でまた超スロー、コーダはロシア標準テンポながらラストの1音はあざとく大見得切っての大団円、6、7分程度の入りだった会場は大興奮です。弦は音の終わり方がカッコ良く、可も無し不可も無し程度に思えた木管も、第3楽章のソロ(特にOb)は味がありました。金管ではHrソロが美しく、難所の第1楽章再現部フルートとの掛け合いでは、ハイトーン部分までノーブレス全スラーでやったのには驚き。Tp、Tbも要所ではほぼ満足の迫力、特にラストのTpのハイトーンの鳴りは過去最高の部類でした。
 アンコールは2曲、シュトラウス風の快速ポルカとハチャトゥリャン「レスギンカ」、単調になりがちな後者では強弱を付けつつ、ラストのド派手さはこれまた過去聴いた中で最高のものでした。 相変わらずロシアっぽさは少なめでロシアンブラス度は40%位ですが、ブラス爆発度は80%と、満足の演奏会でした。

 ところで「手兵」って「しゅへい」と書いても変換されないのに、「てへい」と書くと変換されるって、このワープロ(IME)一体何を考えているんだぁ?(もちろん広辞苑では「しゅへい」です!)