2008年4月28日月曜日

インバル&都響の豪快8番

 出鼻をくじかれた割には対巨人戦も結局勝ち越し、何となくゴールデンウィーク中は持つんじゃないかという気がしてきました。

 ほぼ平年並みの気温で爽やかな一日、夜はインバル&都響のマーラー8番、プリンシパル・コンダクター(?)就任披露公演とのこと。このコンビの8番は10年程前に新宿文化センターで聴いています。細かい記憶は無いのですが、最後しっかり盛り上げたことだけは憶えています。今夜はどうでしょう。

4月28日(月) 東京文化会館
 エリアフ・インバル指揮都響 マーラー Sym8番
全体的にはやや速めのテンポ、最初は少しバタバタしてまとまり悪く感じましたが、途中から良くなってきました。ボウイングなど工夫した弦のメリハリある表現と自信を持ってアクセントを付ける木管が効果的。また第2部序盤では低徊趣味に走らずダイナミックな表現だったのが印象的、ただ中盤の聴かせどころ、ハープをバックに弦が切々と歌いだす部分の美しさはいま一つでした。100人以上もの児童合唱はしっかり。バンダは3階客席R側中央寄り、その反対側にも配されていたかは5階L側からは判りませんでしたが、その位置には栄光の聖母がいたかも。第1部、第2部ともにバンダはベタ吹きで見事な鳴りっぷり、特にテンポをあざとくいじった第2部のクライマックスはステージ上のブラス、合唱ともになかなかの迫力で、久々に「宇宙が鳴り響く」壮大な音響を満喫しました。

 途中色々ありましたが、終わり良ければ全て良し、的な演奏会でした。

 2、3年に一度しか聴けない8番、前回は確かベルティーニ&都響のみなとみらい公演(かミューザの柿落とし)だったと思いますが、個人的な好みはインバルの方です。明日とあさってはもっと良くなるでしょうから、迷っている方は行く価値アリだと思います。

2008年4月23日水曜日

ホラー系作家の現代的密室 - 貴志祐介「硝子のハンマー」

 あー、やはり名古屋ドームでは惨敗ですね。まあ、あそこでの期待値は3連敗なので、あと2試合で1勝出来れば御の字でしょう。

 昨夜は久々に綺麗な星空と満月が望めました。そのせいか今朝は昨日より冷え込んで4度、日中は気持ち良く晴れて20度超、と冬場並みの日較差です。

 本日は最近読んだ本から、昨年秋に相次いで文庫化された、2004年の主要本格作品(「生首」「暗黒館」など)の一つです。

硝子のハンマー 貴志祐介
 監視カメラなど厳密なセキュリティの下2重3重に閉ざされた密室殺人に防犯探偵と女性弁護士のコンビが挑みます。半分が仮説と検証・組み直しで構成されるガチガチの本格、またこの手が苦手な人でも、後半の違うタッチや防犯のノウハウが楽しめるサービス満点な内容です。最終的な解は微妙な感じですが、プロセスを十分楽しんだのでほぼ満足です。

 出世作「黒い家」の強烈な怖さからホラーのイメージが強かった著者の間口の広さを感じました。

 今夜はC.リーグ準決勝第1節、準決勝ともなるとどっちでもいいんですが、個人的にはより観たかった方のカードなので楽しみです。

 明日はアレクセーエフのショスタコの予定です。

2008年4月18日金曜日

ミスターSのブルックナー5番 - スクロヴァチェフスキ&読響

昨夜「コマ大」を板の間で寝転がって観ていて意識喪失、「恋する日曜日」を逃し、目覚めると喉が痛く風邪をひいた模様。2週連続で「銭形海」も逃してるし、ホント夜が弱くなってます。

 終日雨風の吹き荒れた一日、気温も測ったように終日13度前後と一定温度でした。

 今夜はミスターS&読響のブル5、彼のブルックナーはザールブリュッケン放響との5番、読響との7番4番など聴いてますが、明晰さにケレン味が加わっている印象があります。

 同じ5番でオケの違いも興味深いのですが、実はブルックナーを聴くのは年に1度位、しかも5番となると実演はそのザールブリュッケン放響の時の1度だけなので、比べるという程の経験値を持ち合わせてはいません。

 今月このコンビのブルックナーは2番もありそちらは2公演、しかしより注目度のありそうな5番は本日の1公演のみ、ちょっと解せません。お陰で安く入手するのに苦労しました。

4月18日(金) サントリーホール
 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮読売日響 ブルックナー Sym5番
冒頭のコラール部分は長い残響を活かした堂々たるもの、弱音部では以前と同様細かく強弱をコントロールした表現でしたが、4番の時に比べると少し徹底不足な気がしました。第1楽章での盛り上がり部はまだ余力を残している感じで、寧ろ第2楽章の頂点の方が雄大だったかも。第3楽章ではアッチェレがかなり強烈、そして期待の終楽章、それまでいま一つと感じた弦も少し鳴りがよくなり、クライマックスに至ってやっとHrもベタ吹き開始、Tp、Tbもそれまでより一段パワーアップしましたが、それでも全開の一歩手前でバランスを保っているサウンド、そこが個人的には少し物足りなかったです。ただバストロは強烈でした。ラスト数小節前、周りが少し静まって木管群が浮き出る特異な解釈はザールブリュッケン放響の時と同じでした。

 ザールブリュッケン放響との演奏と比べると、明晰度では少し落ちる感じでしたが、サウンドの分厚さや全体の迫力は読響との今回が上だったと思います。

 明日はアレクセーエフ&新日のチャイコ4番、爆演期待です。

<追記> 今気付いたんですが、自分が聴いたこのコンビのブルックナー、7番(2005/4/18)、4番(2007/4/17)、そして今夜の5番(2008/4/18)と、殆ど同じ日付です。

2008年4月16日水曜日

ナガノ&モントリオールの幻想、ボレロ

 いやあ、また勝たせてもらいました。夢の貯金二桁が目の前です。

 今日も20度を超す陽気、仕事を休み有明で試合、1回戦は相手が来ず、2回戦はサクッと負け、予選の予選なのに…。

 明るいうちに暇になり、オペラシティ界隈のラーメン屋をまずWEBと本屋でチェック、その後現地をぶらぶら徘徊、土地柄なのか、妙に古道具屋・古着屋・リサイクルショップの類が多かったです、初台は。

 しかし、午後4、5時頃って、ラーメン屋はどこも閉まってるんですね。そこで新国横のマック(BGMもクラシック!)でネットサーフィン後、6時開店の店へ。激辛ラーメンを選択、食べる時はちょうどいい辛さと思ったのに、食後の後遺症はかなりのもの、口はずっとヒリヒリ&胃に鈍痛、胃痙攣するかと思いました。

 腹を押さえたまま、ナガノ&モントリオール響の第2夜へと突入です。

4月16日(水) オペラシティ
 ケント・ナガノ指揮モントリオール響 ベルリオーズ 幻想Sym、ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死、ラヴェル ボレロ
 ステージ左端にハープが6台(!)ずらっと並んでいて驚き。えっ、幻想から?それにしてもハープ6本なんて初めてです。一昨日のR.シュトラウスと違って、テンポを動かしたりためを作ったりと結構クセのある表現でした。第3楽章、遠い方の草笛は舞台袖、最後の一音はHrだけがずっと残り(楽譜もそうなんでしょうか?)、アタッカで3-4-5楽章と続けて演奏。4楽章ではピッツィカートが強烈、また5楽章冒頭、グリッサンドのあるソロを超ピアニシモで吹いたHrは神でした。ホールが小さめなせいか弦の弱さは気にならず、ブラスは要所でまずまずの迫力、クライマックスは激しいアッチェレと異常に短い最後の和音でスカッと終了。
 トリスタンは盛り上がり部分でテンポを速めて畳みかける表現でなかなかの迫力、ボレロはFlの見事な弱音表現で始まり、続くソロ陣もまずまず、ばっちりだったTbソロ、1stか2ndあたりにいた女性奏者だったかどうかは未確認、中庸のテンポながらこれが舞曲であることを思い出させるようなナガノの棒の表現、ラストの迫力もまずまず。
アンコールは一昨日と全く同じ3曲、ロザムンデ間奏曲→「さくら」変奏曲→「アルルの女」のファランドールと続きます、ファランドールのTbは前よりもっと吹いていたような気がします。当然また会場は大興奮。

 一昨日もそうでしたが、コンマス2名(1名は東洋人)は曲ごとによく席を入れ替わってました。

 モントリオール響のボレロはデュトワで、しかも確かアンコール(!)で聴いています。その頃に比べるとアンサンブルの緻密さや音の色彩感は減じた気がしますが、荒々しい魅力は増したかもしれません。

2008年4月14日月曜日

ナガノ&モントリオールの着実アルプスSym

 昨夜のK1、テシェイラは藤本のボディーに前蹴りかミドルをぶち込んですぐ勝つと予想してましたが、意外と顔面有りは甘くない様で。またこれまで評価してなかったバダ・ハリも、(セフォーの衰えのせいかもしれませんが)今回は認めざるを得ない結果でした。

 1寒1温(?)で今日は18度超の陽気、今週はナガノ&モントリオール響週間で、今夜はまずアルプスSym、今東京へ向かうTX車中です。

 ケント・ナガノはベルリン・ドイツ響との来日公演でマーラー3番と「英雄の生涯」を聴いてますが、ソツ無くまとまってはいるけどインパクトは薄めの印象、そういった場合従来なら1公演しか行かないのですが、最安席9,000円以上と庶民イジメの価格設定がはびこるご時勢、5,000円以下で聴ける外来オケはなるべく行っておかないと、そのうち行く公演が無くなりそうなので。

 帰りが遅くなるので、まずは記事のみにて。

<続き>
 戻りました。ナガノの印象は前と変わりませんでした。またデュトワ以外でモントリオール響を聴くのは初めてな気がします。

4月14日(月) サントリーホール
 ケント・ナガノ指揮モントリオール響 ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲、海、R.シュトラウス アルプスSym
 牧神ではFlソロ(ハッチンズ?)とHrが存在感たっぷり、海はまずまずの迫力と起伏、両曲とも色彩感は薄めできっちり演奏してる感じでした。後半のアルプスSymも中庸のテンポでかっちりとした演奏、もう少し見得を切ってもいいんじゃないの、とも思いましたが、8本のHr(うちワーグナーチューバ持ち替え4人)やハイトーンもほぼ完璧だったTpなどブラスがよく鳴っており、またドビュッシーでは弱いと感じた弦もそこそこ鳴って、頂上でのクライマックスはかなり壮大な響きでした。また最後の一音は異例に長く、その後の静寂は例によって気の早い拍手で破られていました。
 アンコールは何と3曲、まずしみじみとロザムンデ間奏曲(地味な割に長い)、次に日本向けの「さくら」変奏曲(短め)、そして定番「アルルの女」のファランドール、もう会場は大興奮です。

 どこか特別に良かった訳では無いのですが、ブラスの鳴りを評価するとこれまで聴いたアルプスSymの中では一、二を争う出来だった気がします。同曲で感動するレベルの演奏に出会ったことが無いせいもありますけれど。

 明後日の公演(トリスタン、ボレロ、幻想)も楽しみです。