2007年10月27日土曜日

ラザレフ&日フィルのネフスキー

 雨また雨。これから出掛け、戻りは1時以降になるので、取り敢えず記事のみ作成。

<続き>
 これから宴会、池袋駅で電波を拾ったところ。今日のラザレフ&日フィル、結局格安チケット入手作戦は失敗し、「当日券売り場前で情け無い顔でウロウロしてブルジョアの御婦人に恵んでもらう作戦」を敢行、無事聴くことが出来ました。感想はまた明日。

 翌日に続きを書いてます。「アレクサンドル・ネフスキー」は節操無く盛り上がるので好きな曲なのですが、実演はテミルカーノフ&サンクトペテルブルグフィルによる一度だけ。かなり迫力ある演奏だった筈なのですが、録音ではアバド&LSOの豪演が自分の基準ゆえ、まずまず、という程度の印象でした。

10月27日(土) サントリーホール
 アレクサンドル・ラザレフ指揮日フィル リャードフ ヨハネの黙示録から、挽歌 グラズノフ Vn協奏曲 プロコフィエフ アレクサンドル・ネフスキー
 リャードフは1曲目は激しく、2曲目は静謐に、グラズノフは短めの曲でラッキー。お目当てのプロコはPブロックを覆う大人数の合唱(推定200名)の頑張りもあってまずまずの迫力でしたが、ビックリする程でも無し。最大のヤマ場「氷上の戦い」前半でのヴィオラの激しい表情付け、および低弦が弱音で刻む部分で異様にスローダウンして不気味な感じを出し、そこから徐々にテンポアップしてクライマックスへ向かったところが効果的でした。ただ期待した爆演レベルでは無かったです。

 ちなみに上記チケット入手作戦、券が余っているお金持ちは多いらしく、自分におこぼれが1枚来る前に既に2名、同パターンで見知らぬブルジョア人に貰っている方がいらっしゃいました。

2007年10月23日火曜日

プチ科学から本格へ"移行る" - 東野圭吾「予知夢」

 今日もまずまずの秋晴れ、昨夜少し雲が出て冷え込みが甘かったせいか、気温も昨日より上がって22度くらい。ただ今夜は月が綺麗です、冷え込むかも。

 昨夜の「ガリレオ」の次回予告から判断するに、もう第3話にして第2巻「予知夢」のエピソードが使われそう、ネタばらしされる前に、と第2作を購入、一気に読んでしまいました。

予知夢 東野圭吾
 「探偵ガリレオ」に続く連作短編シリーズ第2作、今回も天才科学者湯川が未来予知やポルターガイストなど5つの謎に挑みます。前作は科学的トリックがキモとなる話が多く、それとは別に本格風の仕掛けを含むものは5編中1編だけでしたが、今回は3編が本格テイスト、しかもうち2編は科学的トリックすら無し、だったらこの連作に入れる必然性は無い、と言われそうですが、マニアには喜ばしい方向転換で、世評の高い次作「容疑者X」はその延長上にあると期待されます。

 ちなみに文春文庫版を読んだ方ならご存知でしょうが、湯川学のモデルは佐野史郎です。ドラマとはだいぶ違いますね。

 ドラマで「容疑者x」のネタばらしまでされたらどうしよう、と懸念してましたが、そっちは映画版になるとのこと、一安心です、文庫化までまだ時間が掛かりそうなので。

2007年10月14日日曜日

ラザレフ&日フィルの颯爽ショスタコーヴィチ5番

 あーあ、やっぱりナゴヤドームでは完敗。まあ、仕方無いっす。

 雲が多く、少し肌寒い一日、気温も20度に達せず。練習をサボって朝寝、午後におっとりとコンサートへ。先日一旦は諦めたラザレフ&日フィルのショスタコーヴィチ、以前スルーした11番が今や伝説となっているだけに、また新たな伝説を逃すかも、と思ったらいてもたってもいられなくなり、ちょっと無理して入手しました。

10月14日(日) サントリーホール
 アレクサンドル・ラザレフ指揮日フィル チャイコフスキー 眠りの森の美女、PC3番、ショスタコーヴィチ Sym5番
 1曲目は最初からブラス全開のド迫力、ラザレフは指揮棒を持たず両手を巧みに使ってオケをコントロールします。2曲目は実質未完曲の第1楽章部分とのこと、後半に4分弱もの大変なカデンツァがあり、ソリスト小山実稚恵はがっつり弾いてました。そして注目のショスタコーヴィチ、第1楽章は速めのテンポで、それなりに鳴りつつも特に大見得を切ることも無くサクサク進行。第2楽章は冒頭の低弦の暴力的な表現が印象的。美人ピッコロ奏者は今日も存在感たっぷり。第3楽章も表情豊かながら予想よりは淡々。Obソロがチャーミング。終楽章はゆっくり始まって徐々に加速するスタイル、そしてコーダは遅めのテンポ。アシ無しだった1stTpのパワー不足もあってブラスの爆発度は期待をかなり下回りましたが、逆に弦が意外とよく鳴ってました。アンコールは同じくショスタコの「馬あぶ」からやはり弦のよく鳴る曲でした。

 チャイコは爆演系でしたが、ショスタコは思ったよりスマート。初めて見るラザレフは、振りながら客席を見たり、組曲の途中で拍手を促したりと、ノリントンと同様「オモロイおっさん」と言う印象。最初の組曲の1曲目が終わった時点で、遅れてきたお客さんを入れるための時間を作ったのを見て、一遍で好きになりました。

 これから阪神の今季最終戦(たぶん)を応援します!

2007年10月13日土曜日

上岡&ヴッパータール響、牛歩のブルックナー7番

 ドコモ2.0CMに出てくる錚々たるメンバーの中、一人だけ「彼女、誰?」という疑問、それに答える昨夜の「モップガール」、その後の時間帯、エンバーミング(山口雅也「生ける屍の死」のアレです)が主題のテレ東「死化粧師」と「葬儀」というキーワードでかぶってるのは偶然でしょうか。

 初体験のプレーオフが今日からスタート、地上波放送が無く、スポーツニュースまでお預けなので、ちょっとソワソワしています。

 曇ったせいか予想ほど朝は冷え込まず、日中も20度くらい、午前中は10数年振りの懐かしいメンツと有明でテニスをし、午後はみなとみらいへ。寡聞にして知らなかった指揮者とオケのコンビなのですが、「チェリより遅いブルックナー」という噂につい惹かれてしまいました。

10月13日(土) みなとみらいホール
 上岡敏之指揮ヴッパータール交響楽団 モーツァルト PC23番、ブルックナー Sym7番
 前半は上岡自身の弾き振り。そして後半のブルックナー、確かにフレーズごとにじっくり歌い込む悠悠としたテンポ、パウゼも多用、ただ常識外れに遅い感じでは無く、演奏時間が長いのは自身で編んだ版を使っているせいもあるかも。オケは余り機能的では無いにせよ、弦など統一感のある音色。氏は弱音に拘るタイプの様で、時にはオケの技量を超えた要求も。第1楽章の開始、いつ始まったか分からないくらいの(そして奏者もいつ始めればいいか分からない感じの)弱音が印象的でした。また第2楽章後半の頂点へ向けてのいつ果てるとも知れないクレッシェンドが真骨頂、その後のクライマックスはオケがやや乱れましたが、それが静まった後にHrとワーグナーチューバ各4本で奏されるコラールが雄大でした。(この時点で既に1時間くらい経過。)
 この7番、前半に比べると終楽章がいつも物足りなく感じますが、今日の演奏では終楽章ではブラス(特にTb)陣が一段ボルテージを上げており、遜色無い盛り上がりが設計されていました。最後の一音の後、上岡は10秒余り指揮棒を挙げたまま静止、ブルックナーは余韻が大事、とは言いますが、ここまでやるのは初めて見ました。軽く90分を超える演奏の後、信じられないことにアンコールが!ローエングリン第1幕への前奏曲を、超ピアニシモから始めてゆったり雄大に奏しました。

 2時開始のマチネー、終わってホールを出ると5時近かったです。明日は昨日逃したラザレフのリターンマッチです。

2007年10月12日金曜日

バレンボイム&ベルリン・シュターツカペレ、自在放埓の9番

 昨夜の日本人対決の世界戦、感情的になってしまったか、やや見苦しい展開になってしまいました。また深夜の「恋する日曜日」再々放送、他愛も無い話でしたが、舞台の明治村にはかなり昔、名古屋での学会を抜け出し、宇治山田郵便局や路面電車など「占星術殺人事件」の舞台巡りをしたことを思い出し、懐かしさでウルウル。

 本日も穏やかな陽気で気温も25度弱、と思ってたら午後から雲行きが怪しくなりました。

 今夜はバレンボイムのマーラー9番、以前にシカゴ響とのコンビで同曲を聴きましたが、オケの実力からすると期待外れの感じでした。オケのキャラが違うとどうでしょう。(うっかり同じ時間帯のラザレフ&日フィルのショスタコーヴィチのチケットを買ってしまったのが痛恨。)

 いやあ、ビックリです。シカゴ響の時とはまるで別人、やりたい放題でした。

10月12日(金) サントリーホール
 ダニエル・バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ マーラー Sym9番
オケは対向配置、弦バスが最後列にずらっと並ぶのはアバド&BPOの9番を思い出します。バレンボイムは速めのテンポを基調に、テンポは揺らすわ、あざといアクセントは連発するわでやりたい放題、指揮っぷりもある時は派手に指示、またある時はすっかりオケ任せとケレン味たっぷり。そしてこのコンビでやりこんでいるのか、オケに任せても全員きっちりアクの強い表現を見せてくれます(特に木管)。また両端楽章など通常速くない部分で妙に速かったりして、慣れてる筈のオケでもついてこれない程。オケ全体では強烈な音響は余り無いにせよ、意思と音色の統一感は見事でした。ブラスの爆発度もいま一つでしたが、終楽章の頂点でffの弦だけが残る部分の後、入ってくるHrの音を割った吹きっぷりは過去最高クラスの豪快さ。スローダウンしかなりの弱音になって終わった後は、流行り(?)の黙祷はやらず、10秒弱で指揮棒を置きリラックス、こういった潔さもいい感じ。

 これだけの表現ができるのなら、シカゴ響との15年は何だったんでしょう? 天下の銘器を並のオケにしただけ? ただ本日会場で知り合った方によると、バレンボイムの出来はその時のノリによるとのこと、シカゴ響との前回の来日だけで判断してはいけないのかも。

 明日は上岡のブルックナーです。