2009年4月29日水曜日

ルイージ&ドレスデンのドン・ファン、ティル、英雄の生涯

阪神またも5割復帰&2位!横浜さまのお蔭です。

 本日も朝は冷え込み、平年並みの日中はよく晴れて爽やか、練習予定が無く朝寝を楽しみ、久々に夢を見て、午後の演奏会へ。

 本日はR.シュトラウス祭の第4弾、ルイージ&ドレスデンの1日目、メインは英雄の生涯です。このドレスデンのオケ、VPOと同様コアなファンがいるせいか昔からチケット代が高めに設定されており、これまで2度しか聴いたことがありません。しかもやっと聴けた時にはペーター・ダム(Hr)は引退してました(涙)。
教訓: いつまでも いると思うな ダムとハーセス

 それはさておき、そのドレスデン初体験は2004年ハイティンクとのブルックナー8番、オケ全体が1つの楽器かと思える程の均質な響き、そしてビロードの如き肌触りの音色に驚愕しました。ところが2度目となったルイージとのマーラーではただの上手なオケにしか聴こえず、指揮者によるんだな、と実感。

 そう言えばオーマンディ&フィラデルフィアを聴いた後のムーティ&フィラデルフィア、ショルティ&シカゴを聴いた後のバレンボイム&シカゴでも同じ様なことを感じましたっけ。

 よってルイージには余り期待しておらず、前回より安くなったとはいえ最安席9,000円ゆえ躊躇、しかーし今回はオールR.シュトラウス・プロ、自分の世代には多いと思うのですが、R.シュトラウスと言えばケンペ&ドレスデン!と刷り込まれているだけに逃せないところ、清水の舞台から飛び降りる心持ちで2日分ヤフオクGETしての出陣です。

4月29日(水・祝) サントリーホール
 ファビオ・ルイージ&ドレスデン・シュターツカペレ R.シュトラウス ドン・ファン、ティル、英雄の生涯
ルイージの指揮は熱血系、その割に解釈は標準的、それでもオケの地力、分離が良くボリュームもある弦、自己主張しつつも周りと融け合う木管、いかにもドイツっぽく重心の低いブラス、のためか出てくる音は豪壮華麗です。ただ更なる+αが感じられないのもまた事実。次のティルで金管がほぼ(木管もかなり)入れ替わるのを見て層の厚さを実感、Hrソロも2人で回してました。こちらもほぼ標準的ながら動と静のコントラストが強め、エスクラの大胆な吹きっぷりが印象的。
 そして後半は英雄の生涯、Vnソロおよび緩徐部での表現はやや色気不足、9本(前半の倍以上)のHrが分厚く、Tpが吹ききった中盤クライマックスでは特に冒頭部分が回帰して以降が壮大な響き、初めて聴く原典版の終結部は単にドカーンが無いだけじゃなくてかなり楽譜も違っており、Hrソロはそれなりに色気があっていい音(ラストは落ちてたかも)。アンコールはウェーバー「オベロン」序曲、当然「R.シュトラウスやれよっ!」と突っ込むところですが、重厚な弦セクションの威力全開、この曲で初めて凄いと感じました。

 パンフレットが500円とお安くなっており、やっと不況の影響が好い方向に出てきた?のが嬉しかったです、それでも買わないけど(笑)。

2009年4月28日火曜日

小泉&都響のツァラ

昨日の「ベートーベン・ウィルス」には泣きました。韓国で「カンマエ・シンドローム」が巻き起こったのも少し分かる気がします。

 今朝は地震で目が覚めました、震度は2か3くらい、朝は2度と軽く冷え込み、日中はよく晴れて気温は低めながら爽やか。

 夜はR.シュトラウス祭の第3弾、小泉&都響のツァラです。このコンビの家庭Symは豊かな響きが好印象でした(2005/2/4の日記参照)が、今日はどうでしょう。

4月28日(火) サントリーホール
 小泉和裕指揮都響 ブラームス Vn協奏曲、R.シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき
前半のソリスト、音程など大雑把な感じだったエリック・シューマンはアンコールにパガニーニを披露。お目当ての後半、小泉の解釈は弱音表現に拘った昨日の上岡とは対照的に、細部に神経質にならず標準的テンポで流れに任せて着々進行する印象、やや細やかさに欠けるきらいもありますがオケの特長を活かす感じ、中央部のクライマックスなどかなりの迫力でした。Hrが荒々しく鳴り、Tpソロが軽やか、木管ではObが目立ち、矢部達哉率いる弦もそれなりでした。

 初めてツァラをPブロック中央最後列、つまりオルガンのまん前で聴きましたが、前半は色んな場面でオルガンが鳴っている反面、後半は全く使用されていないことを初めて知りました。

 明日はR.シュトラウス祭第4弾、ルイージ&ドレスデンの英雄の生涯です。

2009年4月27日月曜日

上岡の町人貴族、家庭Sym

 おえぇ、中国GPに続き昨夜のバーレーンGPもラスト数週で意識喪失、眠り病か?目が覚めたら中野アナと高島アナが自分達のCDを売りつけてます、ってことはプロ野球ニュースもブッチ(涙)、まあ、阪神負けたらしいので結果的には幸せだったかも。その後の中央競馬ダイジェストでは実況アナが「ハシッテホシーノ」を言いにくそうで笑いました。

 そこそこ晴れて気温は20度弱とやや低め、昨日の練習でやらされた筋トレ&ランニングの影響で筋肉痛、たいした量じゃないのにこれでは、身体にガタが来ている証拠。

 今夜はR.シュトラウス月間の第2弾で上岡&新日、メインの家庭Symはマーラーを含めても1、2番に好きな曲ですが、一般受けしないので聴けるのは2年に1度位(前回は2008年の秋山&東響、前々回は2005年の小泉&都響)、ところが今年は当たり年で、今回の新日に続き、5月は日フィル、6月に読響もやりますし、それ以外に珍しくアマオケもあります。

 実は今日のコンビの演奏は明日(28日)のトリフォニーで聴く予定でしたが、同日の小泉&都響のツァラを安く入手出来たため、トリフォニー公演は処分して改めて本日のサントリー公演を入手(一般受けしないプロなのに何故か3日間も公演するので入手は容易(笑))、ただ今日は苦手なPブロック、そして(当初行く予定だった)明日のチケットはトリフォニー最安席の中ではお得感のある1階最後列真ん中だったので、ちょっと損した気分。

4月27日(月) サントリーホール
 上岡敏之指揮新日フィル R.シュトラウス 組曲「町人貴族」、家庭Sym
実演は初めての町人貴族は想像よりずっと小編成、終始楽しそうに振る上岡氏の棒は、日本人がやってもサマにならないと思っていたこの曲からしっかりそれらしい表情を引き出して少しびっくり、またしみじみ系の曲での優しい弱音表現も味わい深かったです。
 お目当ての後半、Sax群は左奥に9本揃えたHrの後方に位置、上岡の解釈は遅め基調に各フレーズを噛み締める様に歌い、その表情に合わせてテンポを大きく揺らす濃い味付け、後半2度の盛り上がりでは激しいアッチェレを見せ、そのまま過去最高の速度でコーダを突っ走りました。この曲の要であるHrはしっかりと吼え、弦も負けじと鳴ってましたが、TpとTbは柔らかい音色を維持しMAXにならないところがやや不満、それでも昨夜に続きケレン味たっぷりの演奏を満喫、明日以降、乱れが減って更に期待出来ると思います。

 町人貴族から推測するに1月の読響との薔薇の騎士は素晴らしかったのではないでしょうか。

 明日はR.シュトラウス祭の第3弾、小泉&都響のツァラです。

2009年4月26日日曜日

エッティンガー&東フィルのケレン祭

 阪神3連勝で5割復帰!ちょっと前は5割で5位だった(横浜1人負け)のに、今は5割で2位(巨人1人勝ち)です。

 雨はすっかり上がり好天、気温も軽く20度を超えて高め、午前テニス午後コンサートと休日の基本パターン。

 当初アマオケのマーラー6番を聴く予定でしたが(知り合いが団員にいるのに)招待券が手に入らず、代わりに格安入手したこっちを聴くことに。

4月26日(日) オーチャードホール
 ダン・エッティンガー&東フィル ショスタコーヴィチ ジャズ・オーケストラのための組曲第1番、ブルッフ Vn協奏曲、レスピーギ ローマの祭
 1曲目は思ったより小編成、Sax3種とTp2本&Tb1本にパーカッション、弦なんてVnと弦バス1本ずつ、そこにバンジョーとハワイアン・ギター!が加わります。曲想もジャズと言うよりサロン・ミュージック、ハワイアン・ギターの活躍する終曲など文字通りハワイアン(笑)。2曲目のソリストは自前コンマスの三浦章広、途中で意識を失いました(ごめんなさい)が、エッティンガーのジャンプする音(たぶん)で目覚めました。
 後半は先日と同様オケは対向配置で弦バスは左奥、TpとTbは右奥、そしてTp3本のバンダは最後列(パーカッションの後ろ)やや左側、冒頭のチルチェンセスから遅めのテンポでケレン味たっぷり、間を異常に長く取ったり、特定のフレーズをヤケに強調するなどやりたい放題、ブラス(Tpは一部ピッコロ使用)は激しく荒れ狂い、弦もそれなりに鳴ってトータルかなりの迫力でした。前半2曲がより印象的でしたが、オケが乱れても委細構わず突き進む終曲の驚速テンポも豪快、同じくケレン味系のラザレフ&読響の同曲を上回るあざとさを満喫しました。

 明日からはR.シュトラウス3連荘、まずは上岡&新日の家庭Symです!

2009年4月24日金曜日

虚実ない交ぜのデビュー作 - 三津田信三「忌館」

 阪神やっと連敗脱出、まあ中日や巨人とのアウェー対戦は1勝出来れば良しとしましょう。

 終日の曇りで肌寒い1日、最低5度に最高14度は3月下旬に戻った感じ、現在職場で洗濯中、今夜から雨らしいので、降り出す前に戻りたいところ。

 本日は先週末読んだ本から。ここ数年の本格シーンを席巻している感のある三津田信三の「○○の如き○○もの」シリーズが待望の文庫化、定価で即買いしたのが財布を失くした日(2009/4/20の日記参照)、ただそれに取りかかる前に、古本で入手済みだった著者のデビュー作を読むことに、後日談も付いた講談社文庫版です。

忌館 - ホラー作家の棲む家 - 三津田信三
 ホラー作家三津田信三が着想を得るべく移り住んだ館で経験する怪異が作中作と同時進行で語られるホラー、ミステリー的仕掛けもあります。作者自身の体験を元に虚実がない交ぜになっている構成が独特のリアリティを醸し出していて巧いです。また映画や本格ミステリーに対する愛がぎっしり詰まっていて楽しめます。

2009年4月17日金曜日

エッティンガー&東フィルのツァラ

 日曜夜にこれを書いてます。この日はぐずつき気味で、気温は見事なまでに一定で終日10度-12度の間で推移、日中かなり寒く感じた一日。

 昨日も書きましたが、今年の4、5月はR.シュトラウス月間、そのトップバッターがエッティンガー&東フィルでした。

4月17日(金) サントリーホール
 ダン・エッティンガー&東フィル シェーンベルク 浄夜、R.シュトラウス 祝典前奏曲、ツァラトゥストラはかく語りき
 弦バスを後方1列に並べ他の弦を左右対称に配していた前半の浄夜、実演は初めてだったのでよく分かりませんが、かなり劇的な表現だった気がします、エッティンガーはジャンプしてましたし(笑)、Vlaの深々した響きが印象的。後半の大編成オケは対向配置、祝典前奏曲でのバンダのTpはP、RA、LA各ブロック後方に1本ずつ、壮大な音場を現出してました。続くツァラもかなりケレン味ある表現で、まずまず豪快な響きを楽しみました。

 この日のボケ老人:休憩時気が付くと、何とポケットに財布が無い!
どこかで失くしたらしい…。この話はまた改めて。

2009年4月13日月曜日

お菓子、実弾、そしてめぐる - 桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」

日曜1日挟んで本日も夏日! 何かウキウキしてきます。でも既にTシャツ1枚になったロシア人同僚はウンザリした顔をしてます。

 ウンザリと言えば、昨日東京で乗った電車(JRだったか京王だったか忘れました)、もう冷房が入ってました、うんざりです。

 本日は週末に読んだ本から。本当は「少女には向かない職業」の前に読みたかったのですが、本作の初出文庫は所謂ライトノベル、そしてブックオフ等で、一般文芸の棚ならここは創元、あそこはハヤカワ、とすぐに分かるのですが、ライトノベルの棚では完全アウェー状態、よって探すことも出来ずにいました。

 それでも門前の小僧か、暇をみてライトノベルの棚を眺めるようにしていたら、だんだん何がどこにあるか分かってくるようになり、先日これを発見、即買い即読です。

 ただ、乙一「きみにしか聞こえない」の時もそうでしたが、買う時も車中で読む時も、中年オヤジにはかなり恥ずかしい装丁&挿絵です。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹
 リアリストの少女が妄想系の転校生と出会ったひと月の出来事を、「少女には向かない職業」と同様ミステリーへの愛をまぶしつつ描く青春小説です。D.カーの有名短編へのオマージュと思える消失劇こそありますが、ミステリー的要素は希薄、冒頭既に何が起こるかは明記されており、結末の衝撃度を犠牲にしている代わり、"ゼロ時間"へ向けて映画「アメリカン・ビューティー」的な緊張感が漂います。

 クドカンの「未来講師めぐる」で黒川智花が不自然に連発するセリフ「死んじゃえ」はこの作品から採った(←つまり、愛情表現)んだ、と勝手に納得してしまいました。

2009年4月5日日曜日

お花見日和は悠然ブルックナー5番 - 横島勝人&千代田フィル

心配された昨夜の雨も僅か、午前中は曇りがちでしたが午後には晴れてきて、昨日より更に暖かくなり19度弱、絶好の花見日和となりました。

 午前中テニス、午後アマオケと典型的な休日、四ッ谷駅からアマオケの会場紀尾井ホールへと向かう道(ソフィア通り?)は左側が上智大、右側の土手は都内でも有数の桜の名所、満開となったその桜の樹が道路の上まで張り出して桜のドーム状態、目を楽しませてくれました。

 聴いたのはブルックナーの5番、余りブルックナーは聴かないので5番はミスターSで2度、ザールブリュッケン放響と読響で聴いた位かも、アマオケとなると初めてかもしれません。

 同じ時間帯に気になるアマオケの第1回演奏会(オーケストラ・ナデージダ)があったんですが、会場が近くて花見も出来るのと、5番ラストの壮大なクライマックスの魅力とでこっちを選択、このオケは1昨年にマーラーを、その時も5番を聴いています。

4月5日(日) 紀尾井ホール
 横島勝人指揮千代田フィルハーモニー管弦楽団 ワーグナー ローエングリン第1幕前奏曲、ブルックナー Sym5番
最初のワーグナーは中盤の頂点でかなりのスケール感。そしてブルックナー、横島氏の指揮はかなり遅く、30+20+20+30で何と100分コース!特にスケルツォまで遅いのにはビックリ(済みません、中間楽章で何度か意識失いました…)。弦はやや不安定ながら管セクションは安定しており、特に金管(Tp4本全てロータリー!、Tb4本、Hr7本)は上記の悠揚迫らぬテンポにも最後まで持ちこたえて鳴り響き(特にTb)、終楽章クライマックスでの高揚感など上記スクロヴァチェフスキの2公演を凌駕していました!アンコールは無し。

 興奮冷めやらぬ帰り道、土手に上がって花見客に交じり満開の桜を鑑賞、道沿いに植えられている黄色いレンギョウの花も彩りを加えていました。

 今夜は「戦国G」「DREAM8」「Cage Force」と格闘技目白押し、しかもF1マレーシアGPもあるので寝る暇がありません。

2009年4月4日土曜日

満開の桜とのびのびシベリウス5番 - 中橋健太郎左衛門&エルムの鐘交響楽団

 阪神開幕勝利! 昨夜は半年振りにスポーツニュースのハシゴをしてしまいました。でも今日は負けたみたい。

 昨夜NHKでスタートの「コンカツ・リカツ」を勉強のため視聴、桜井幸子が今や40の役をやっていることに驚き、20年前、いや30年前のドラマの如き演出と音楽の使い方(意図的?)になかなか入り込めず。

 また同じく昨夜の「空耳アワード」、タモリ倶楽部とは思えない豪華ゲスト(松たか子、Perfumeなど)にはビックリです。

 昨日をも上回る陽気で最高18度、午前中は東京でテニス、有明テニスの森の桜には白とピンクの2通りがあり、白いのは満開、ピンクのは8分咲きでした。

 夕方はアマオケ、ホール最寄の中野駅の周りの桜もほぼ満開でした。

4月4日(土) なかのZERO
 中橋健太郎左衛門指揮エルムの鐘交響楽団 ボロディン だったん人の踊り、エルガー エニグマ変奏曲、シベリウス Sym5番
 冗談の様な名前の指揮者は若い人、これも変わった名前の初めて聴くオケはなかなか安定していました。最初のだったん人はまとまりあるサウンドでバストロが豪快、次のエルガーでもTbがよく鳴り要所で盛り上がりました。後半のシベリウスは冒頭からHrと木管が悠々とした吹きっぷり、弦管共に頑張ってラストはなかなか雄大、最後の連続和音はかなり長めの間を取り鳴り響きました。アンコールはシベリウスの知らない曲を深々と、「ペレアスとメリザンド」からとのこと。

 所々見事な桜の咲くホールからの帰り道、多くの自販機が缶100円ペット120円と安く、中野はいいとこかも、という印象。

 明日も5番、アマオケでブルックナーです!