2005年10月28日金曜日

日韓交流のマーラー1番 - 鄭致溶&東京芸大学生オーケストラ

 阪神惨敗につき、喪中です。元気が出たら、書き足します。

<以下ほぼ全て追記>
 この日は20度を超す暖かい秋晴れの一日。同時間帯のチョン・ミュンフン指揮で日韓交流ユースオケによるチャイコフスキーの4番も聴きたかったのですが、やはりマーラー優先でしょ、てことで行ったのが次のコンサート。

10月28日(金) 芸大奏楽堂
 鄭致溶指揮東京芸大学生オーケストラ チャイコフスキー PC1番、マーラー Sym1番
こちらも日韓交流イベントでしたが、指揮者とソリストのみ韓国から招いた模様。音大のオケにしては技術的に未熟な部分が多くやや不満でしたが、ただのアマオケと思えば各パート穴が無い(特に弦)のはさすがです。ソウル・フィルの音楽監督でもある鄭氏の指揮は、指揮棒を使わず、滑らかな両手の動きで微妙にテンポを揺らし、オケをコントロールするもので、マーラー特有のアクの強さは余り感じませんが、要所ではそれなりに煽ります。ただリハ不足なのか、その指揮にオケが十全に反応してるとは言い難く、やや欲求不満が溜まりましたが、終楽章コーダはオケも一丸となって燃えたので、それなりに満足しました。弦や木管は当然ですが、Tpまで女性ばかり(5人中4人!)だったのには驚きました。

 芸大(学生)オケは来月もマーラー、しかもコバケンです。

2005年10月25日火曜日

マゼールの松 - マゼール&トスカニーニ・フィル マイスタージンガー、未完成、牧神、ローマの松

 ここ2日連続して朝方の最低気温が10度を割り込みました。たぶん今秋初めて。でも今日は昨日より暖かくなりそう、都心なら25度くらいでしょうか。

 誕生日なので、大好きな曲「ローマの松」を聴きに行きます。(勿論たまたまですが。) マゼールだけに、ド派手な演奏期待です。日本シリーズも心配です。感想等はまた後で。

 戻りました。なかなか良かったです。

10月25日(火) サントリーホール
 ロリン・マゼール指揮トスカニーニ・フィル マイスタージンガー、未完成、牧神の午後への前奏曲、ローマの松
 2002年に誕生したこの新しいオケ、メンバーは若く、コンミスも若い女性でした。実力もかなりのもので、弦の音はデカいし、管もなかなか充実、特にHrが素晴らしかったです。マイスタージンガーはマゼールらしくゴージャスな演奏。殆ど同じ大編成での未完成は、クセだらけの解釈で笑わせてくれ、牧神も通常とは違う響きに驚かされました。そしてラストは今年7回目になるローマの松。まずは期待通りの起伏に富む演奏でした。ただ、バンダもステージで一緒になって吹くスタイルで、金管の人数も最小限に抑えたせいか、迫力としては一番ではなかった感じです。でも、トータルでは今年一、二の松でした。
 軽めのプロのため、アンコールは3曲。まずはマゼール十八番のファランドール、彼の同曲はこれで3度目ですがいつ聴いても凄いです。次は「運命の力」序曲、表情豊かでスケールが大きく、見事な演奏でした。最後は初めて聴く曲で、これもヴェルディの「オテロ」からとのこと。もう会場は大興奮です。昨年のマゼール&NYPのマーラーは大人しめで物足りなかったのですが、今夜はたっぷりマゼール節が聴けて満足です。

 このオケかなりの実力ですが、ステージ上の態度にはアマオケっぽい真摯さがあり微笑ましかったです。帰り道、一緒に聴いた友人にとんこつラーメンをご馳走してもらいました。誕生日ですし。

2005年10月24日月曜日

ゴシック本格 - 乙一「GOTH」

今日も秋晴れで20度を少し上回る陽気。そろそろ25度超えして欲しいものです。

 先日、乙一の跳躍点とされる「GOTH」を新刊で購入(かなり読みたかったので)し、一気に読みました。しかし、1冊にしても400頁に満たない本を2分冊にする角川文庫さんの商法には納得できません。

GOTH 乙一
 ややホラー風でありながら、しかし本格のテイストにこだわった連作短編集にして第3回本格ミステリ大賞受賞作。(広義の)本格ミステリーの語法が、あの手この手と各編に盛り込まれており、期待以上の佳作揃いでした。かなりあざといのもありましたけれど。個人的な好みはやはり正統的スタイルの香りを持つ「暗黒系」「リストカット事件」あたり。ただ、話が理に落ちることで、ゴシックホラーとしての凄みや完成度は犠牲になっているとは思います。また2分冊にした唯一のメリットは、楽しい著者あとがきが2度読めることです。

 明日からは日本シリーズ本番。昨日までのはオープン戦ですから。しかし、明晩はマゼールの「ローマの松」に行く(これも超楽しみ)ので、TV観戦は無理っぽいです。そう言えば2年前も、バレンボイム&シカゴ響とシリーズ第6戦(たぶん)が重なって落ち着かなかったことを思い出します。

2005年10月23日日曜日

渾身のラフマニノフ - 松下&文京区民オーケストラ ラフマニノフ2番

 昨夜、悪い夢を見ました。阪神がボロ負けする夢です。確か昨日の試合は濃霧でノーゲームになったと思うんですけど。

 今日は20度を超す陽気に誘われ、まずテニス、それからマオケを聴いてきました。ただ、これから第2戦が始まるので、それに集中します。感想はそれが終わってから。

 今夜も金星や火星が綺麗みたいです。でも涙で曇ってよく見えません。本日もボロ負けだったので。してみると、昨夜のも夢じゃなかったようです。これ以上書く気力が湧きませんが、何とか頑張って感想を書きます。

10月23日(日) 文京シビックホール
 松下功指揮文京区民オーケストラ ボロディン だったん人の踊り、ストラヴィンスキー 管弦楽のためのSym、ラフマニノフ Sym2番
10年ちょっとの歴史の、比較的新しめのオケのようです。ややパワー不足の金管群の中では、Tbが元気でした。またチューバ奏者が女性でビックリ!でも僕よりずっと立派な体格でした。また弦セクションもやや不安定な面もありましたが、肝心のラフマニノフの第1,3楽章では、Vnを中心として伸びのある響きを聴かせてくれました。終楽章ラストもなかなかの盛り上がりでした。

2005年10月22日土曜日

柔らかなコラール - 東京トランペットコアー

 今日から日本シリーズ、敵地最初の2試合のうち1試合くらいは勝っておきたいところです。

 予報では落ちてこないない筈の雨が午前から降ったりやんだり。テニスをそこそこに切り上げ、暇になった午後、渋谷タワーのイベントで東京トランペットコアーのミニライブを聴きました。今日はTp4本、Tb4本、Tuba1本の編成でしたが、通常は丁度この倍の編成とのこと。この規模ですから、たぶん在京オケのメンバーの方が多いのでしょう。バロック曲を中心に比較的新めの曲まで、40分たっぷり聴かせてくれました。迫力は勿論ですが、柔らかく温かみのあるハーモニーが印象的でした。

 夕方から宴会があり、日本シリーズTV観戦は無理(涙)。開戦前のひと時、ヨドバシカメラAkiba館1階の無料インターネットスペースでこれを書いてます。

2005年10月21日金曜日

オラモ節 - オラモ&フィンランド放響 フィンランディア、チャイコフスキー6番

 本日も爽やかな秋晴れ、気温も昨日と同じくらい。サカリ・オラモ率いるフィンランド放響の「1時間コンサート」のチケットが半額販売になり行くことにしました。

 一昨年バーミンガム市響との2公演を聴いた印象ではオラモは「オケを煽る人」です。またシベリウスのSym2番コーダの雄大なコラールには驚嘆しましたが、チャイコフスキーのSym4番は面白いけれどピンと来なかった記憶があります。今日もチャイコフスキーがメインなので少し不安です。

10月21日(金) オペラシティ
 サカリ・オラモ指揮フィンランド放送響 シベリウス フィンランディア、チャイコフスキー Sym6番
残席の安売りチケットなのに1階やや後方ながら真ん中の席でラッキー。オケはクラシックな対向配置でコントラバスは左手の奥。フィンランディアは思いのほか金管が大人しめ、一方弦の響きがとても分厚いのが印象的。チャイコフスキーでは激しいテンポの揺らしや個性的な表情付けなど、もうやりたい放題で、4番の時より更に面白かった反面、これでいいのかなあ、という気もしました。あと、拍手を避けるためなのか、第3楽章と終楽章を続けて演奏したのには驚きました。アンコールは「悲しきワルツ」、これは極端な表情付けがぴったりマッチして最高でした。

 席の位置のせいかHrの音が余り飛んできませんでしたが、フィンランド放響は響きの密度が濃く、思っていたよりずっといいオケでした。やはりメインもシベリウス、オラモなら5番あたりを聴いてみたかったところです。

2005年10月15日土曜日

ムーティ&VPOのR.シュトラウス

 目覚めると予報に反し、日が射すほどの天気。キャンセルしたテニスを復活するかどうか、TVで予報を確認、お天気お姉さん(小林麻央)が「今日は雨、明日は快方」とのコメント、あの甘ったるい声で言われると100%信じてしまう僕は即寝なおしました。結局、日中は殆ど降らなかったので、少し損した気分です。

 その代わり、山田太一の新ドラを珍しくリアルタイムで観つつ、マメにネットをチェックして、VPOの最安券を定価よりずっと安くGET!急遽聴きに行くことに。ムーティのR.シュトラウスは実演は勿論のこと、ディスクでも殆どイメージが湧かず、気になっていたので注目です。

11月15日(土) サントリーホール
 リッカルド・ムーティ指揮ウィーンフィル シューベルト Sym4番、ヒンデミット 気高き幻想、R.シュトラウス 死と変容
 シューベルトは前回同様守備範囲外でよく分かりませんが、表情たっぷりの第2楽章が印象的でした。ヒンデミットは響きの美しい演奏。盛り上がりもそれなりですが、比較的淡々としているかも。一方R.シュトラウスは、かなり演出を凝らしたケレン味たっぷりの演奏でした。金管はそれ程パワーがある訳では無いのですが、ウィンナホルン特有の割れ気味で重心の低い響きや、抜群の弦や個性的な木管などが重なって、とにかくオケの響きが分厚く、これだけゴージャスなR.シュトラウスは余り記憶にありません。バレンボイム&シカゴ響の同曲では聴けませんでした。カラヤン&BPO以来かも。(ただ一昨年のティーレマンの「英雄の生涯」は更に豊麗だったとの噂も。)アンコールはまたも「運命の力」。表情豊かにして切れ味抜群の演奏に会場大興奮でした。

 あくまで大まかで個人的な印象ですが、メータは8割方オケ任せで淡々として要所でキメる感じ、バレンボイムは旋律を歌って盛り上げ、ムーティは音の切れ味や強弱で表情をつくる、というR.シュトラウスかなあ、と思いました。

2005年10月11日火曜日

偉大なアタリマエ - ムーティ&ウィーンフィル スペイン狂詩曲、三角帽子

 昨日よりはお天気も気温も少しまともな一日。試合も何とか勝ち残り、明日も仕事をサボることに。まあ、明日の相手は2回対戦して2回負けてますので、ここで終わりでしょうけれど。

 午後には職場復帰して、夕方からはコンサート。今年のVPOは、曲が一般ウケしないものが多いせいか、最安席の入手が比較的容易でした。今日は東京2往復です。

10月11日(火) サントリーホール
 リッカルド・ムーティ指揮ウィーンフィル シューベルト ロザムンデ、モーツァルト Sym35番、ラヴェル スペイン狂詩曲、ファリャ 三角帽子
 シューベルトとモーツァルトは守備範囲外でよく分かりませんが、スタイルが確立されていると感じました。また後半、ラヴェルでの目の覚めるような色彩感、ファリャのやや南国情緒のある情熱的な響き、どちらもその曲の当たり前の特性ですが、その当たり前が眼前でしっかり鳴っている、ということが如何に素晴らしいことかを思い知らされた見事な演奏でした。緩急自在のムーティの棒についていくVPOはさすがです。アンコールは何と「運命の力」序曲。ムーティのクセのある節回しと快速テンポをVPOはこれまた見事に再現し、過去聴いた中でぶっちぎりで最高のヴェルディを聴かせてくれました。(と言ってもそんなに多く聴いた訳ではありませんが。)

 オケのせいもあるでしょうけれど、これまで聴いたムーティの中では最高でした。

2005年10月10日月曜日

6度目&4回目の松 - 高原守&丸の内交響楽団

 やった! オランダ本大会出場を決めました。しかもチェコに勝って。

 昨夜「男たちの旅路」の再放送をしており、一再ならず観た話なのに、ついまた山田太一節、いや鶴田浩二節及びゴダイゴ節をシカゴマラソンの合間に堪能しました。今日で3日連続の雨(統計的には7日連続の雨とのこと)、梅雨でも珍しいんじゃないでしょうか。気温も昼夜を通じて18度±1度でした。

 予想通りの雨で試合は明日に順延、これで仕事を休まなきゃなりません。試合は8時の予定だったので午前いっぱい暇、本屋さんでゴン格やボクシングマガジンを立ち読みしたり、持参した京極夏彦を読んだりして時間を潰し、午後にアマオケを聴きました。今年6度目の「ローマの松」です。

10月10日(月・祝) 文京シビックホール
 高原守指揮丸の内交響楽団 ウェリントンの勝利、マイスタージンガー、アルルの女、ローマの松など
前半のモーツァルトやベートーヴェンは苦手科目なのでちょっと意識を失いました。が、「ウェリントンの勝利」はステージ左右に配されたTpのバンダが活躍していました。後半は守備範囲、ワーグナーやビゼーでは、弦がなかなか伸びていました。木管のソロもまずまず。高原氏は全体的に大人しめの解釈でしたが、「松」のラスト、アッピアでは指揮ぶりも一気にダイナミックになり、2階両翼に配されたバンダと相俟ってかなりの迫力でした。実はこのオケ、「松」はここ6年で4回目、得意曲のようです。ただ、電子オルガン(?)の音は少しいただけませんでした。アンコールは地味な曲(不詳)と「威風堂々」。後者はこれまたこのオケの18番らしく、2階のバンダも加わって、会場大興奮でした。

2005年10月4日火曜日

微温のマーラー - シニク&テジョン・フィル マーラー1番

 今年の秋は気が早いらしく、銀杏のくさーい匂いやキンモクセイの甘過ぎる香りがもう漂ってます。本日は小雨混じりの一日、気温も昨日より更に下がり20度足らず。

 今週はこの時期恒例のアジア・オーケストラ・ウィーク。1000円でアジア各国のオケが聴けるので、例年2、3回は聴きに行くのですが、今年はお気に入りの曲がメインだったのは今日の1公演だけでした。

10月4日(火) オペラシティ
 ハム・シニク指揮テジョン・フィルハーモニック響 メンデルスゾーン Vn協奏曲 マーラー Sym1番
指揮のシニクはこの韓国第3の都市(?)テジョンのオケの音楽監督、彼のマーラーは第1楽章は淡々と進む感じでしたが、第2楽章以降、特に終楽章では部分的に個性的な表情もありました。が、全体的にはやや中途半端な印象で、クライマックスの盛り上がりもそれなりでした。オケも皆それなりの技量があるようですが、マーラーの語法に馴染めない、若しくは共感できないのか、温度が低めの演奏。特に弦セクションは音程の確かさからすると、もっと音が伸びてきてもいい筈なのに生彩がありませんでした。オケに火を点けるような指揮者だと、全く違う音が出てきそうな気もします。アンコールは韓国民謡「アリラン」でした。

2005年10月2日日曜日

豊饒のマイスタージンガー - メータ&バイエルン国立歌劇場

 本日は夏の(あくまで個人的に、ですが)日差しの下、午前中はテニス、午後は珍しくオペラに行きました。先日R.シュトラウスを聴いたメータ&バイエルン国立歌劇場のコンビで「マイスタージンガー」です。実演で聴くのは初めてなので、1,2幕あたりは苦しいかも。苦手のNHKホールだし。

10月2日(日) NHKホール
 ズービン・メータ指揮バイエルン国立歌劇場 ワーグナー ニュルンベルクのマイスタージンガー
前奏曲冒頭からいきなり弦の音が3階席最後列まで届いてきました。PAを使っているのでしょうか。そうでないとしたら、先日聴いた以上のボリュームです。オケの特性なのか、メータのやり方なのか、一音一音をしっかり鳴らして音楽を作っており、骨太、と言う程では無いにせよ、豊麗な感じ。半端な歌手では声がオケに負けて通らないでしょうが、凄い人ばっかりらしく、声も最後列までガンガン来てました。声楽のことは全く分かりませんが、エヴァの父親役の人(H=P.ケーニヒ?)の存在感が一番凄かったです。そんなにパワーのあるオケではないにせよ、お目当ての歌合戦の大団円では、合唱と相まって、舞台同様、豪華絢爛な響きが楽しめました。終演後、さっさとオケのメンバーがピットから出てしまい、「愛想のない奴らだ」と思っていたら何と全員舞台上に出てカーテンコールを受けていてビックリでした。

 初めて通しで聴き、途中で「トリスタン」が出てくるのを知ってビックリ!不明を恥じるばかりです。

 これからシリアルを食べますが、今日一日、グーッと鳴るお腹対策に、第3幕前にホール近くの讃岐うどん屋さんで105円かけうどんを食べただけなので、減量効果に期待。録画しておいたPRIDE武士道、中軽量級も楽しみです。