2006年3月19日日曜日

一丸のマーラー - 鎌田由紀夫&ニューシティオーケストラの5番

 いまヨドバシAkibaの無料ネットスペース。この花粉の季節、街行く人の美人度がぐっと増します。と言うのも、大き目のマスクをしてる人が多く、それを勝手な想像で補ってしまうため。

 さきほどミューザ川崎の特等席でアマオケを聴いてきましたが、お隣の女性2名もそんな「美人」でした。

3月19日(日) ミューザ川崎
 鎌田由紀夫指揮ニューシティオーケストラ ベートーヴェン エグモント、マーラー Sym5番
鎌田氏の解釈はあまり粘らず、メリハリはそれなりに付けるという印象。オケの実力からするとやや手に余る感じの大曲を、一丸となって最後まで破綻無くまとめていました。Hrセクションの全強奏時の頑張りとTuba奏者の見事な音が印象に残りました。

 コンサート開始時まではポカポカ陽気でしたが、夕方から冷え込んできました。家に帰ったら留守録したWBC、そして深夜にはF1が待っています。

<後記>
 その後秋葉原駅では、強風でつくばエクスプレスがストップ!との案内、帰るのに苦労しました(涙)。懸念されていた「武蔵野線症候群」が出始めたようです。

2006年3月10日金曜日

ソーシャル・エンジニアリング - ジェフリー・ディーヴァー「青い虚空」

 昨夜のレアル、冴えなかったです。有名選手を買い集める姿勢は感心しませんが、フィールド内の半数が我がブラジル代表となれば応援してしまいます。って、おい!ロビーニョとシシーニョ出てないじゃん。使わない(又はチームで機能しない)んなら取って来るなよぉ…。第2節、他の対戦結果はダイジェストを観るまで耳栓です。

 今日は小雨。ここ数年話題のJ.ディーヴァー、初めて読んだ作品「静寂の叫び」が面白かったので、古本屋で数冊購入。ノンシリーズものなので読んでも大丈夫と判断して手に取ったのがこれ。「ソーシャル・エンジニアリング」とは電脳界の俗語(?)で、ハッキング等の過程で他人になりすますことを指すそうです。

青い虚空 ジェフリー・ディーヴァー
 ゲーム感覚で殺人を犯す殺人鬼、それを追う過程でハッカーという存在が鍵となってくるサスペンス。相変わらず大小様々なヒネリが効いており、見事なストーリー展開に唸ります。筆致が映像的なのも相変わらずで、映画化もされている(進んでいる?)とのこと。ただ、いわゆるIT用語が連発するので、その手のものが苦手な人にはちょっと辛いかも。それを乗り切れば、逆に電脳世界に関する情報小説的な側面も大きいです。とにかく、これを読んでいると誰も彼もが「ソーシャル・エンジニアリング」してる気がして疑心暗鬼になってしまうのが一番凄いと感じました。
<<以下ネタバレ注意!>>
 1度も疑われることの無かった○○○がずっと「ショーン」の正体だと信じてました。思いっきり間違ってましたけれど。作者のレッド・へリングに見事にヤラレました。だって、電話ばかりしてるんだもん。あと「静寂の叫び」の登場人物とのクロスオーバーがあるのもお楽しみ。(←これは勘違いかも。)

2006年3月8日水曜日

アシュケナージ&N響のショスタコーヴィチ4番

 朝の冷え込みから日中はぐっと気温が上がって20度に迫る勢い、4月下旬並の陽気です。同僚や秘書さんは「花粉がヒドイ」とぼやいてます。

 これからアシュケナージ&N響で、今年2度目のショスタコーヴィチの4番。このコンビはFMでの8番を聴く限り、音に厳しさの欠けるショスタコでしたが、4番はどうでしょうか。

3月8日(水) サントリーホール
 ウラディーミル・アシュケナージ指揮NHK交響楽団 エルガー チェロ協奏曲、ショスタコーヴィチ Sym4番
さすがにサントリーで聴くN響の音は分厚かったです。4番に期待する怖いほどの響きには遠いですが、想像よりは峻烈なサウンド(特に終楽章クライマックス)でまずまずの演奏でした。1月の大野&新日の同曲と比べると、奏法の統一感とまとまりではそちらが上、響きのハードさでは今日のN響が上、という感じです。

<後記> その後、留守録されたFMオンエアをつまみ聴き(第1楽章冒頭と終楽章後半)したところ、8番同様、音に厳しさが感じられませんでした。当然ではありますが、録音と生ではだいぶ印象が変わるものですね。

2006年3月7日火曜日

チョン&LSOのマーラー5番

 昨日の高温の影響で今朝の最低は7度とかなり高め、ただ日中はそこから余り上がりそうにありません。

 夜はチョン&ロンドン響のマーラー、会場は9割程度の入り、ミューザがほぼ埋まっているのを見るのは柿落としの「千人」以来の気がします。昨年東フィルとのコンビでチョンのマーラーを3番4番と聴きましたが、マーラー独特の毒が無いけれどそれなりに劇的な表現をするという印象を持ってます。

3月7日(火) ミューザ川崎
 チョン・ミュンフン指揮ロンドン交響楽団 ショパン PC1番、マーラー Sym5番
オケは対向配置で弦バスは左手奥。ここ数回のコンサートは連続してこの配置です。チョンのマーラーはアクの無さは相変わらず。また東フィルとの時に感じた「速い部分はより速く」という傾向は余り感じられず、ある程度はオケ任せで無理にドライヴしない、という印象。そのせいか、表現の振幅は思ったより小さめでオケの鳴らしが少し足りない気がしました。ただ終楽章クライマックスはブラスをかなり開放してました。第2楽章終盤、金管のコラールで突然光が射す様に明るくなる部分の鮮やかな音色変化、第4楽章後半の主題が回帰する部分の美しさ、そして終楽章、フーガ部分ではアタックを強調し歯切れよく、4楽章主題の回想ではポルタメント気味に柔らかく、という対比が印象的でした。
 LSOは弦が以前より冴えない気はしましたが、ブラスはさすが。特にHrは凄い迫力でした。あとティンパニの打ち込みが強烈! ちなみに終楽章ソロHrのアタッカの入り、(たぶん)チョンは「自由に出ていい」と言ってあったらしいのに、Hr奏者は指示をずっと待ってて、音が完全に消えてからも出られず、数秒の危険な沈黙がありました。

 席からは死角になっていたTbセクションを覗くと、昔はデニス・ウィック(神)が座っていた場所に何と女性Tb奏者!(1stのアシかもしれませんけれど。) 時代の流れを感じます。明日は今年2度目のショスタコ4番です。

2006年3月5日日曜日

マーラーオケの3番 - 井上喜惟&ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ

 昨日観たPRIDE31、体重差がテーマだったらしく、ノゲイラvs.田村を筆頭として意義の感じられない対戦が多かったですが、アリスターにはまた驚かされました。ベウフォートに続き、何とハリトーノフまで食ってしまうとは…。末恐ろしい進化ぶりです。今夜のK1ニュージーランド大会も楽しみ。

 昨夜の「ER」2話連続放送の途中で意識を失い寝坊、折角のいい天気なのに予定の壁打ちを省略し、アマオケを聴きにみなとみらいへ。マーラーを演奏するために指揮者井上喜惟氏の下に結成された特別編成オケの第4回演奏会、今年は第3番です。

 さっき聴き終わって、今はヨドバシカメラ秋葉店のネットスペース。非常にテンポの遅い演奏でした。

3月5日(日) みなとみらいホール
 井上喜惟指揮ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ マーラー Sym3番
かなりテンポが遅く、第1楽章に40分、トータルで120分かかる(いずれも推定)演奏は初めてです。これが井上氏の解釈なのか、オケの技量に合わせてなのかは判りません。と言うのも、もともと遅い第4楽章や終楽章は普通のテンポだったので。ただそのテンポのおかげで推進力は殺がれましたが、マーラーが楽譜に書いた全てのパッセージが明らかになる感じで、極端な表現をせずともマーラーの個性が自然と前面に出でてくる演奏でした。プロ奏者も混じる(らしい)このオケの実力はアマオケとしてはかなりのもの。Tp,Tb,Hr,Ob各ソロ、そしてポストホルンソロもなかなかでした。内声を大切にしつつ、丹念に織物を織ってゆくように動機を積み重ねてゆく終楽章は印象的でしたが、個人的には強奏部でもっと爆発して欲しかった気もします。

 最後の一音、井上氏は大音響というよりむしろ、天空に消え入るように先細りに音が終結するのを狙ったようでしたが、その試みは音が鳴っているうちに拍手を始める人によって打ち砕かれていました。