2015年12月31日木曜日

2015年聴いた曲

 朝零度を少し割り、これで6日連続の冬日(マイナス気温)、そこそこ晴れた中、青春18切符による帰省鈍行の旅。

 熱海あたりを通る際、街のビル群の屋上より高い位置に彼方の水平線が、まあ、それだけ線路が高い位置を走ってるってことか…。

 でふと思ったのは、もし地球が球くなくて平坦だった場合、地平線や水平線の位置は今より少し上になります(完全に目と水平の高さ)が、それって気付かないレベルなのか、それともちょっと違った景色が見えるのか、ってこと、高い所に登ったら違いそう。

 長浜で途中下車、正月の食料(牛乳、シリアル、乾麺)を買い出し、米原を過ぎると天気がどんどん悪くなってきます。

 福井駅で途中下車し、8番らーめんへ、でも閉店直後でがっかり、晦日は早い。

 その福井駅、恐竜で町おこしなのか、恐竜を擬人化した等身大オブジェがホームなど駅の構内のベンチに何匹も座ってます。その分座れる旅客の数が減るんですけど…。

 朝7時に家を出て、実家に辿り着いたのは午後9時、小松駅からの道中のスーパーは全て早仕舞いで閉店、長浜で買い物しといて良かった。

 2015年の回顧企画第3弾は、例年通り実演で聴いた曲を集計してみました。

 今年行ったコンサートは115回!一昨年に続いてまた100回超、と言うか目標とする週1の倍以上(涙)、来年は自粛したいと思います。

 で今年3回以上聴いた曲を挙げると、

15回: マーラー1番
10回: 展覧会の絵
7回: シベリウス2番
5回: マーラー2番、マーラー3番、シベリウス5番、ラフマニノフ2番
4回: マーラー5番、マーラー9番、ショスタコーヴィチ5番、シベリウス7番、幻想Sym、英雄の生涯、シェエラザード、フィンランディア、ルスランとリュドミラ
3回: ショスタコーヴィチ8番、ショスタコーヴィチ10番、ブルックナー7番、ローマの松、ドン・ファン、祝典序曲、エン・サガ、禿山の一夜

となりました。

 マーラー1番は例年多いのですが、さすがに15回は新記録かも。あとマーラー1番、5番以外が10回に達するのは珍しく、逆にマーラー5番が5回に満たないのも珍しい。そしてシベリウス7番がランクインしてるのが異例、さすがはシベリウスイヤー!

 明日はそんな115回のコンサートの中、心に残ったものを回顧します。

2015年12月30日水曜日

聴き納めは夕方オケの9番 - 小柳英之&アーベント・フィルハーモニカー

 今朝も最低-3度弱と5日連続してのマイナス気温、やっと本来の気温か。

 職場で夕方まで残務をして、それが終わらないまま東京に出て今年の聴き納め。

 聴いたのは少ないリハでマーラー中心に不定期に演奏してくれるオケ(前回は巨人原典版)、今回の9番は前身のモーニングフィルの旗揚げ公演を含めると、実に3度目です!

 年の瀬、そして団のHPですら宣伝していない演奏会でしたが観客は約100人程、演奏者よりは多そう。

12月30日(水) オリンピック記念青少年総合センター 大ホール
 小柳英之&アーベント・フィルハーモニカー リスト 前奏曲、サラサーテ ツィゴイネルワイゼン、マーラー Sym9番
 最初のリストはHr4,Tp2,Tb3、対向配置の弦中心に全体に不安定、続くサラサーテはオケ伴、ソロはコンミス、休憩を挟んでマーラー、ここでも弦の音程悪く第1楽章では時折現代音楽の如き響き、Hrトップは深々した音ながら不安定、Tpトップは輝かしい音色、第2楽章後に音合わせ、全体的にかなりキビシイ印象の中、小柳氏が棒を置いて振った終楽章は他の楽章と比べて練習してあった感じ、ラスト1音が消えた後の黙祷は5-6秒程度。

 人集めが大変なのか、これまでで1番不安定な演奏でした。

 明日は青春18切符で帰省です!

2015年12月29日火曜日

2015年読んだミステリー

 連日の冬晴れ、今朝の最低マイナス4.3度と今季最低、やっとこの時期らしくなってきました。

 職場は今日からクローズ、なれどここ3日間遊んだせいで山積した残務をこなした1日。

 2015年も残すところあと3日、ってことで今年の回顧企画、第2弾はミステリー、年間読んだミステリーは64冊、と週1冊の目標よりやや多め、有栖川有栖を8冊、米澤穂信を7冊、海堂尊と今野敏を5冊ずつ読んだ年でした。

 心に残ったのは印象度順に:

スイス時計の謎 有栖川有栖
 これぞロジック!の表題作が素敵。

叫びと祈り 梓崎優
 本格マインドあふれる内容に。

壺中の天国 倉知淳
 一見無理に思えた犯人同定のアクロバットに。

松谷警部と目黒の雨 平石貴樹
 著者復帰の喜び+端正なロジックに。

四季 冬 森博嗣
 想像を超えた作品間のリンクに。

秋期限定栗きんとん事件 米澤穂信
 「最後の一撃」にかける稚気に。

その女アレックス ピエール・ルメートル
 独特の雰囲気と先の読めない展開に。

生霊の如き重なるもの 三津田信三
 不可能趣味にこだわる姿勢に。

ジョーカー・ゲーム 柳広司
 着眼点よく、粒揃いの面白さ。

Another 綾辻行人
 なんだかんだ言ってもしっかり騙されたので。

美女 連城三紀彦
 著者らしい反転の味わえる数編+彼しか書けない超バカミス「喜劇女優」

 明日も仕事をして、そのご褒美に夜はアマオケでマーラー9番です!

2015年12月28日月曜日

平日に学生オケのマーラー1番 - 末永隆一&東京工業大学管弦楽団

 年末、ってことで平日に休みを取り、王子で観劇の後、滅多に降りない駅ゆえ、もう1軒ラーメン店を訪問してからミューザへ、大学オケによるマーラーです。

12月28日(月) ミューザ川崎
 末永隆一&東京工業大学管弦楽団 ボロディン だったん人の踊り、ラヴェル マ・メール・ロワ、マーラー Sym1番
 最初のだっだん人は右奥にHr5、中央にTp2,Tb3、弦にそこそこ厚みがあり、Tbがいい鳴り、続くラヴェルではコンマスソロが出色、後半マーラーではHr8本を前半と反対の左側に配し、その右脇に専業の補助Tp、1stアシと兼業の補助Tbが並び、その右にTb3、その前にTp5、第3楽章前にティンパニと弦バストップの2人だけ入念に再度音合わせ、合理的です。時々危ない部分もありましたが、楽譜通りHrと補助Tp,Tbが起立したラストはまずまずの迫力、アンコールはくるみ割り"花のワルツ"、冒頭Hpソロが抜群の存在感。

 個人的注目終楽章ミュート早業ファンファーレ、Tbはアシと完全分業、Tpは1人でこなしつつミュート最後の1音は早めにやめてました。

ロリコンは大人の恋愛が出来るか? - ナイスストーカー 「ロリコンのすべて」

 いやぁ、もう、昨日の有馬にはビックリです。

 連日の冬晴れ、朝の最低マイナス3度、仕事休んで東京に出て午前テニス、午後観劇、夜はアマオケのマーラー1番、と平日なのに盛り沢山。

 今日のボケ老人:
本日の移動は青春18切符を活用、なのにJR新橋-王子間に切符を買って乗る(涙)。

 テニスの後は観劇、タイトルがタイトルだけに、ロ○コンの自分には看過出来ない演目、奇特な主催者からのご招待です。

 初めて訪れる劇場は滅多に降りない王子駅、ってことでまず付近で評判のラーメン店を訪問してからの参戦。

12月28日(月) 王子小劇場
 ナイスストーカー 「ロリコンのすべて」
真正ロリコン男が何の因果か学校の先生、と悩ましい日常の中、ロリコン魂を失うことなく"愛"の形を見いだしてゆくラブストーリー、を時間軸を前後に移動しながらコミカルに描きます。登場するキャラがどれも楽しく、セリフも面白くてあっと言う間の1時間40分、「小五+ロリ=悟り」には爆笑。

 劈頭「これはロリを描く話ではなく、ロリコンを描く話です。過度な期待はしないように」と説明があった通りのお話でした。でもチラシ(フライヤー?)のデザインはもろ炉利です(笑)。

 この後、今度はしっかり18切符を使って川崎に移動して学生オケのマーラーへ、それは次の記事で。

2015年12月27日日曜日

ほぼ専業オブリガートHrのマーラー5番 - 久世武志&TBSK管弦楽団

 昨夜終了「トランジットガールズ」、お姉さん役は存在そのものがエロい。以前書き忘れましたが、同枠前クール「ブスと野獣」は面白かったです。

 連日の冬晴れ&マイナス気温、練習場所無く朝風呂利用の洗濯をしてから東京に出てアマオケへ。

 同じ時間帯にマーラー1番(千代田フィル)と5番(TBSK管)があり、どちらも以前聴いた時いい演奏だったのでオケでは決められず、迷った挙句前プロで"手羽先管"に決定(千代田フィルの前プロは苦手モーツァルト)。

 川崎で聴いたのは旗揚げ公演の時にショスタコ5番を聴いたオケ、今回は同じ5番でもマーラーです!

12月27日(日) ミューザ川崎
 久世武志&TBSK管弦楽団 R.シュトラウス "サロメ"より7つのヴェールの踊り、Hr協奏曲1番、マーラー Sym5番
 最初のサロメはHr6,Tp4,Tb4、弱音時にティンパニを強く叩かせていたのと、中間部かなりテンポ遅めだったのが印象的、続くHr恊のソリストはなかなか調子の出なかったチェコフィル奏者イルジー・ハヴリーク、休憩を挟んでマーラーはHr10!,Tp5,Tb4、ハープが1stVnと2ndVnの間でしかも2列目、Tpソロはいい音、ブラス全体の迫力はそれなり、第3楽章Hrソロはトップ奏者、ではなくてそれまで最後列でひっそり5-6番辺りのアシをしていた奏者が起立して吹奏しなかなか、再度音合わせした後の第4楽章、中間部のみ速いテンポだったのが印象的、終楽章は弦がキレよくブラスにマスクされないサウンド、クライマックスのコラールでTpトップが爆発、そこまでやや迫力不足だったTbもその後でやっと爆発して大団円、アンコールは、あ、あったかどうか思い出せない…。

2015年12月26日土曜日

今年もチェリばり豪演ショスタコーヴィチ - 佐藤雄一&交響楽団CTK

 トリフォニーでのオールシベリウスプロが終わると総武線快速でみなとみらいへ、アンコールが無かったお蔭で次のショスタコに余裕で間に合いました。

 聴いたのは昨年末の旗揚げ公演でチェリビダッゲばりの濃厚長大なブルックナー8番の豪演を聴かせてくれたコンビ、そして今日はショスタコ7番、期待です!

12月26日(土) みなとみらいホール
 佐藤雄一&交響楽団CTK ショスタコーヴィチ 映画音楽「五日五夜」、Sym7番
 前半は日本初演!の映画音楽、対向配置、Hr6,Tp4,Tb4、自作11番とそっくりの部分(引用?)があったり、ベト第9の自作12番風アレンジがあったりとかなりふざけた音楽40分近く、Hrが豪快、ドラがいい響き、後半の7番は本隊がHr5,Tp4,Tb4、バンダは舞台上右手奥にHr4,Tp4,Tb3、第1楽章ボレロ楽想最初のスネヤがビックリする程の弱音、頂点ではシンバルとドラが鮮やか、ブラスはまずまず、遅ーいテンポでマーラーみたいにグロテスクだった第2楽章後に音合わせ、第3楽章も中間部前に冒頭主題が回帰した部分での表現が濃厚、終楽章は緩徐部に入ってスローダウン、ねっとりと遅めテンポのままクライマックス、ラスト1音はスヴェトラばりに長ーくかつクレッシェンド!第1楽章こそ比較的普通の解釈に感じましたが、終わってみれば90分近く、期待通りの重厚長大演奏でした!

年代順にシベリウス - 新田ユリ&オーケストラ ハモン

 冬晴れ、3日振りに朝はマイナス気温、朝洗濯してから東京に出て午前中はテニス。

 午後はアマオケのハシゴ、まずは錦糸町に行きオールシベリウスプロ、いつも充実した演奏を聴かせてくれるオケ(前回はマーラー7番)で、振るのはシベリウスの権威です。

12月26日(土) すみだトリフォニー
 新田ユリ&オーケストラ ハモン シベリウス Sym1番、Sym7番、タピオラ
 演奏順は予想とは全く逆で作曲順、ブラスは前後半ともHr4,Tp3,Tb3、まず1番は要所でTbが、全体でTpがいい鳴り、Clソロもなかなか、休憩を挟み7番、Hrトップがいい吹きっぷり、Tbソロはそれなり、最後はタピオラ、続けて聴くと7番に似てる印象、Tb、Hr両トップがいい吹きっぷり、ブラス全体の鳴りもまずまず、前後半でローテしてるせいか、Tpは前半、Hrは後半がよかった感じ、アンコールは無し。

 シベリウスイヤーとは言え、7番はこの3か月で4度目、それまでの人生で聴いた数よりたぶん多いのでは。

 この後は横浜に行きショスタコ7番、それは次の記事で。

2015年12月25日金曜日

リサイクルショップのホームズとワトソン - 道尾秀介「カササギたちの四季」

 そこそこ晴れて最高15度弱と暖かく、湿度が高いので春に近い陽気、有給取って東京に出て観劇&アマオケのマーラー、の予定でしたが、出なきゃいけない会合を入れられて泣き寝入り。

 本日は先日プチ帰省した際、携えた有栖川作品を往きの18切符の旅で読みつくしたため、帰りに読むべく実家で手に取ったこの道尾作品。

カササギたちの四季 道尾秀介
 リサイクルショップを営む主人公達に舞い込む4つの謎がほのぼのと解き明かされる連作短編集、ホームズ役の如何にもミステリー的な解決をワトソン役が文字通りサポートしつつ、実は、と言うお話、ミステリー的要素と人情話的要素を絡めて巧いです、その巧さがやや鼻につく程(笑)。
<< 以下ややネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 基本はホームズ役による仮の解答の後に、ワトソン役による真の解答が提示される構成ですが、後者がより人情話度の高いのに比して、前者はミステリー的により面白いものになってます。

2015年12月24日木曜日

アリス・火村コンビのデビュー作 - 有栖川有栖「46番目の密室」

 午前中は職場に顔を出し、午後は東京に出て学生とテニス、心配された天気も好転、晴れ間が出る程で気温も高くポカポカ。

 夜は宴会、「メンヘラ」なる言葉を知らず、若者に驚かれる。

 帰りは午前様、バイロイトのラインの黄金の留守録、上手くいってるだろうか…。

 冬の課題図書作家アリスシリーズ、国名シリーズは全部入手済の積りだったのに第8弾「モロッコ水晶」が手元に見当たらず、一方アリス・火村コンビの第1作「46番目の密室」は既読本の中にあるも、あらすじを読めど全く内容記憶に無く、かつドラマ化に向いてそうな内容なので再読を決意。

46番目の密室 有栖川有栖
 密室の大家の別荘で起きる密室殺人にアリス・火村コンビが挑みます。密室はさておき、"カーとクイーンの融合"を目指しただけあって階段の足跡などロジックもなかなかです。

 結局以前読んだ時の記憶は全く蘇らず仕舞い、ただ今回改めて読んですっきりまとまったいい作品と感じました。初読時は期待値が高かった(アリス・江神シリーズ)せいで評価が低かったのかも、今は国名シリーズを数冊読んでかなり期待値下がってますから(笑)。

2015年12月23日水曜日

アリスの国名シリーズ、第7弾でようやく王家の血統ど真ん中 - 有栖川有栖「スイス時計の謎」

 昨夜は雲が出て冷え込み甘くぎりぎりマイナスになった程度、雲だんだん厚くなる中、東京に出てテニス。

 午後の最高7度台とかなり低め、普段は東京に出ると暖かく感じるのに都心も寒々、午後からは小雨。

 冬の課題図書作家アリスシリーズ、第6弾の長編「マレー鉄道の謎」はさすがに読んだ記憶があるため、6冊目に手にしたのは国名シリーズ第7弾、世評の高い表題作を含む4編を収録。

 何故か本巻から活字がスカスカ、数えてみると「ペルシャ猫」までは41字×17行だったものが、本作から38字×16行に減少、うーん、他の文庫もそうだけど、どんどん紙の無駄遣いへシフトか…。

スイス時計の謎 有栖川有栖
 ダイイングメッセージ、首切り&ファイダニット、密室、そしてガチガチのフーダニット、と前短編集から一転して王道直球ど真ん中の作品ばかり、特に中編に近い分量で鮮やかなロジックを展開した表題作は噂に違わぬ逸品でした。

 本編を評するにピッタリの言葉を、太田忠司氏の巻末解説(講談社文庫版)より引用します:

これまで「本格ミステリとは?」という質問に対して「クイーンの『エジプト十字架の謎』におけるヨードチンキの瓶です」と答えていた。これからはそれに加えて「それと国内なら『スイス時計の謎』における腕時計ですね」と答えようと思う。

2015年12月22日火曜日

アリスの国名シリーズ第5弾は変格だらけ - 有栖川有栖「ペルシャ猫の謎」

 朝軽く冷え込んで-1.4度、日中晴れて14.4度と少しポカポカ、こうやって日較差が15度を超えると冬になった、という気がします。

 冬の課題図書、5冊目は国名シリーズ第5弾のこれ、ショートショート的挿話を含めて7編収録の短編集です。

ペルシャ猫の謎 有栖川有栖
 ある意味問題作の表題作を含め、スピンオフ作品があったりミステリーですらないものが複数あったりと変化球ばかりで本格度はかなり低め、 逆に火村・アリスのキャラ小説として読んでる人向けかも、(本筋とは関係の無い)ラスト1行を書きたかったんじゃ、と勘繰りたくなる「わらう月」やマーラーに題を採った「悲劇的」が内容とは別に印象的。

2015年12月21日月曜日

アリスの国名シリーズ第4弾 - 有栖川有栖「英国庭園の謎」

 昨夜の日テレ単発ドラマ「ダマシバナシ」、同じシーンを繰り返す意味がだんだん分かってくる趣向など面白く、その次の時間帯フジのヤングシナリオ大賞作「超限定能力」は脚本のアイデアとエンディングの演出が面白かったです。

 昨夜雲が出たせいか朝余り冷え込まずプラス気温、ただ日中も曇りがちで寒々、だんだん昼休みに壁打ちに出るのが辛くなってきています。

 冬の課題図書作家アリスもの、4冊目も国名シリーズ、第4弾です。

英国庭園の謎 有栖川有栖
 フーダニット的なものは少なく、倒叙や島荘の名作へのオマージュなど変化球が多めの6編、ミステリー的に印象に残った作品は無いのですが、表題作の暗号は面白かったです(勿論解ける気配微塵も無し)。
<追記> もしかしたら表題作はアンチフーダニットかも、と後で気付きました。

 喜国雅彦氏の巻末解説(講談社文庫版)が楽しいです。

 今夜からFMは年末恒例バイロイト、DATテープの空き作りに励まねば。

2015年12月20日日曜日

紗幕と照明と呪詛の一人芝居 - 風姿花伝 プロデュース Vol.2 「悲しみを聴く石」

 朝日が昇ってから記録された今季最低マイナス4.7度はこの冬初めての身を切る寒さ、東京に出て午前練習、午後観劇。

 の予定が午前中は対抗戦に変更になり、この寒さでボーッと試合観戦するのは辛いのでパスして家に戻って洗濯大会。

 その後再度出掛けて目白で観劇、チラシが気になっていた舞台が丁度安く回って来たもの、目白で学習院と反対側に行くことは少ないため、早めに現地入りして世評高いラーメン店を訪問。

 ただ、居酒屋と昼夜で場所をシェア(と言うか、間借り)しているため、最初は「この辺の筈なんだけど、居酒屋しかないなぁ」と思ってしまい、かなーり分かりにくいお店でした。

 そこから更に西へ7-8分歩いて初めて訪れる劇場へ到着、原作はゴングール賞受賞の有名小説とのこと、新聞でも劇評の出る注目の舞台らしく、TVで目にする俳優さんが何人かいらしてます。

12月20日(日) Theater Fuusikaden
 風姿花伝 プロデュース Vol.2 「悲しみを聴く石」
バックグラウンドに中東の戦火の音が轟く一室、ベッドに寝る植物状態の元兵士とそれを看病する妻、その三方を囲む客席との間を幽かに遮る紗幕、看病と祈りに疲れた妻によって吐かれるイスラムの因習?ゆえに虐げられた女性の呪詛の言葉が徐々に高まり、真実が明らかになると共に訪れる衝撃の結末。寝たきりの夫はほぼ寝息をたてるのみ(時折涙も)、その他には招かれざる客としての若い兵士が少し出るだけ、よって実質妻役の那須佐代子さんの一人芝居、終盤紗幕が取り払われる仕掛けが効果的、そして基本静的な舞台の中で照明の効果が鮮やかで、熱演の那須さんの眼光の鋭さを倍加、息付く暇も無い濃密な90分でした。

 家に帰るとトヨタカップ、じゃなくてクラブW杯決勝、メッシはやはり凄い!と興奮していたら危うくエルツ&VSOのシベリウスのエアチェックを逃しそうになりました。

2015年12月19日土曜日

ベルワルド初体験 - 菊池俊一&東京ムジーク・フローのベルワルド3番、白鳥の湖

 タワレコで小林美樹さんのVnに感動した後、夕方は練馬に行き有名ラーメン店を経由してアマオケへ。

 メインはチャイコと自分の好みとしては微妙ながら、中プロにベルワルドの交響曲があり、以前から気になっていた曲だけに実演で聴けるのなら、と参戦決意。

 本日の3番の作曲年は1845年、ドヴォルザーク1番(1865)、チャイコフスキー1番(1866)、ブルックナー1番(1866)、ブラームス1番(1876、遅い!)よりも、ベートーヴェン9番(1824)やベルリオーズ幻想(1830)にむしろ近い年代、ではありますが"風変わりな"なる副題があるため、幻想とも共通する革新性や斬新さがあるのでは、と期待。

 会場はアマオケでよく訪れる練馬文化センター、ただ小ホールは初めて、1000人近く入りそうな大きなホールでビックリ。

12月19日(土) 練馬文化センター 小ホール
 菊池俊一&東京ムジーク・フロー ベートーヴェン フィデリオ、ベルワルド Sym3番、チャイコフスキー 白鳥の湖
 最初はベートーヴェン、初めて聴くオケはやや発展途上ながらTpがいい響き、続くお目当てベルワルドは2管編成、ブラスはHr4,Tp2,Tb3、ただ想像よりずっと古風な曲でがっかり、和声の感覚ゼロの自分にはどこが"風変わり"なのかも不明、特に第1楽章、主題が再現され「再現部だ!そろそろ終わる」と思ったら第2提示部だったらしく、その後に真の展開部?なる流れにはやや脱力、緩徐楽章の真ん中にスケルツォを挿入した構成の第2楽章は少し新しいのかも、それでもそれなりに盛り上がる終楽章、ラストのTpの吹きっぷりがなかなか。
 休憩を挟んで後半チャイコはHr6,Tp4,Tb3と勢揃い、11曲抜粋約45分、ここでも吹きっぷりのよいTp中心になかなかの迫力サウンドで文句無く本日の白眉、拍手に応えてのアンコールも白鳥の湖から2曲、有名な「4羽の白鳥の踊り」「黒鳥の踊り」を。

 終演後ダッシュで帰ってブロムシュテット&VSOのニールセン5番のエアチェックにぎりぎりインタイム、とスウェーデンな1日。

 家に着いた深夜、半月が西に傾いた夜空ではシリウスが一際輝いているので、今夜はかなり冷え込みそう。

深々と豊かな女神 - 小林美樹さんのVn

 早朝マイナス1度と軽く冷え込む中、東京に出て午前はしっかり練習。

 自分だけ昼に上がって午後は渋谷タワレコのインストアイベントへ、聴いたのは小林美樹さんのVn。

 スキンコンシャスな黒いドレスに長身を包んだ立ち姿が麗しく、フォーレやクライスラーなど比較的ポピュラーな曲を5つ、深々とした音色とスケール大きな表現で披露、圧巻だったのはラヴェル"ツィガーヌ"、またマスネ"タイスの瞑想曲"など耳になれた曲なのに、いい音でしっかり弾くだけでこれだけ訴求力があるのか、と驚き、ちょっと感動しました。

 この後はアマオケでベルワルドの3番とややレア曲に挑戦、それはまた次の記事で。

2015年12月18日金曜日

アリスの国名シリーズ第3作 - 有栖川有栖「ブラジル蝶の謎」

 コタツで早寝、したせいか珍しく夢を見て、続きを見たくて今朝は2度寝3度寝、勿論続きは見られず(涙)。

 冬晴れ、朝は少し冷え込んでマイナス1.6度、ただ12月も下旬になろうと言うのにこれが今季最低とはかなりの暖冬っぷり、例年ならもう何度かマイナス5度になってるところ。

 本日は冬の課題図書、火村・アリスシリーズの3冊目、国名シリーズの3作目となる短編集です。

ブラジル蝶の謎 有栖川有栖
 フーダニット的なもの以外に毛色の変わったものも交じった6編、ミステリー的に印象に残った作品はありません(敢えて言えば「人喰いの滝」のバカトリック)が、「鍵」のオチが妙に印象的。

 ここまで3冊読んだ範囲だと、ドラマに使われそうなのは「ロシア紅茶」と「スウェーデン館」くらいか。

2015年12月16日水曜日

デュトワ&N響の役人、オルガン

 よく晴れて予報通りどんどん気温上昇、南茨城は最高17度台ながら、講義に出かけた横浜は20度超と防寒具を脱ぎたくなる陽気。

 今日は先週出られなかった学生の補講でこれがホントの最終日、帰り道にサントリーに寄ってデュトワ&N響へ、奇特な知人の奢り、しかも滅多に座れない2階センター前方のS席です!

 中プロ"中国の不思議な役人"はデュトワ&RPOで聴いたのが同曲中1、2を争う出来だった記憶があり、それが楽しみ。

12月16日(水) サントリーホール
 シャルル・デュトワ&N響 コダーイ ガランタ舞曲、バルトーク 中国の不思議な役人、サン=サーンス Sym3番
 最初のガランタの実演は初めて、Tb不在の編成にビックリ!実演では誰しも煽りそうな曲想を比較的整然と進行しつつ、ラストだけやや煽り気味にテンポアップしたのが印象的。続く2曲はHr4,Tp3,Tb3、役人は組曲版、同曲にオルガンパートがあるなんて知らずまたビックリ!(でも音は余り聴こえず。) ロイヤルフィルの時より個々のフレーズの色付けとブラスの迫力が足りない感あれど、全体的には鋭さと厚みのあるサウンドでなかなか。
 休憩を挟んでオルガン、デュトワはテンポやや遅めで各部の動きがクリヤなサウンド、(恥ずかしながら)緩徐楽章(第1楽章後半)で弦の旋律にかなり長時間HrとTbを重ねているのを初めて知り、かつその部分含め、Hrソロはほぼ3rdが吹いていて本日3度めのビックリ!(スコアで確認したら楽譜通りでした。) 第2楽章も激しさは薄く整然、終盤は個人的にはもっとブラスを鳴らして欲しい感あれど、後発ホールと比べやや音量が足りないと思っていたオルガンの鳴りよく、全体では厚みとまとまりのあるサウンドでした。

 10月のP.ヤルヴィ&N響と併せ、知人の奢りでこれで2度、サントリーの富裕席(2階センター前方)に座ることが出来ましたが、想像していたより弦の響きが薄い気がします。

2015年12月13日日曜日

アリスの国名シリーズ、第2作は長編にして雪密室 - 有栖川有栖「スウェーデン館の謎」

 プチ帰省中、石川は穏やかな晴れ、昨年の今頃は雪掻きにいそしんでいたのが嘘のよう。

 冬の課題図書、作家アリスシリーズの2冊目、国名シリーズ第2作は長編です。実は昔読んだ記憶はあるのですが、内容全く覚えておらず、再読することに。

スウェーデン館の謎 有栖川有栖
 アリスが訪れた雪の別荘で起きる密室殺人、某有名作へのオマージュにもなっており、フーダニットよりハウダニットに特化した印象、トリックはなかなかですが、それをより効果的にするために足跡に関する定量的な考察を更に詳しく書くべきでは、という気がしました。

 読了しても以前読んだ記憶全くよみがえらず、さすがボケ老人。帰りは高速バスです!

2015年12月12日土曜日

アリスの国名シリーズ第1作 - 有栖川有栖「ロシア紅茶の謎」

 晴天の下、青春18切符でプチ帰省、北陸新幹線開通の影響で沿線が3セク化されてしまい、以前は3-4通りあった経路も今や東海道回りが唯一解、約14時間の旅です。

 夕方の福井駅では乗り換え時間25分、途中下車して駅ビルの8番らーめんへ、野菜の炒め方は今一つながら、麺の歯ざわり(茹で具合?)は小松のどの8番よりGOODかも。

 先日新ドラのラインナップに火村・アリスシリーズがあるのを目にしてビックリ!何を今更…。

 このシリーズ、学生アリスシリーズと比べてロジック面弱く、数作読んで「後は暇な時でいいや」とうっちゃっているものの、それはあくまで比較の問題、他の著者の作品と比べれば、それはもう、十分本格の王道ど真ん中を行ってる訳で、読まないことにはドラマは観られません。

 しかもHDDレコーダーのBDドライブ不調の今、以前よくやったようにBDに焼いて積録、って訳にも行かず。

 と言うことで、この冬の課題図書は手持ちの作家アリスシリーズ未読作全て、少なくとも国名シリーズは全作、と決定。

 そこで今回の帰省に携えたのが国名シリーズ最初の3作、まずはこの第1作。

ロシア紅茶の謎 有栖川有栖
 フーダニットを軸に暗号物や密室物も含めた6編、「赤い稲妻」の「こんな軽い使い方勿体無い」と感じる密室トリックが舞台設定も含め秀逸、著者自身による巻末解説が楽しいです。

2015年12月11日金曜日

デュトワ&N響の3番

 午前中かなり降った雨も昼には上がって青空、予報通り、と言うか予報以上に気温は上がって最高24.4度!感覚的には春の陽気、と言うか、花粉症の症状か微妙に目が痒いのですが、気のせい?

 昼休み自転車で走行中、車体感覚(身体感覚?)を誤りハンドルを握る右手小指を道路脇看板に痛打!痛くて2-3日は小指を動かせなかった程。

 それでも翌日の昼休み、壁打ちが普段と変わらず出来たあたり、テニスに小指を使っていないらしい。

 夜は東京に出てデュトワ&N響のマーラー3番へ、彼の振るマーラーはこれまで(たぶん)1番、5番、8番あたりを聴いた気がするのですが、余り感心した記憶無し、しかも会場は苦手なNHKホール。

 とは言ってもマーラーの中でも一番好きな3番だし、と迷っていたところ、知人が奢ってくれるとのことで即参戦決定、しかもその奇特な連れ、1時間前に並んで自由席の中では1番いい席を温めておいてくれました。

 代々木体育館で何かイベントでもあるのか、明治神宮前からNHKホールに向かう際、歩道橋が大渋滞。(←アムロのコンサートだった模様)

12月11日(金) NHKホール
 シャルル・デュトワ&N響 マーラー Sym3番
合唱は女声約60名、児童約40名が最初から舞台奥雛壇にスタンバイ、弦は音域順、Hr9,Tp5,Tb4、第1楽章はテンポ速めで粘らずキビキビ、冒頭Hrが音を割って頑張っていたのが印象的、Tbソロはソフト系、ブラス全体の鳴りはぼちぼち、ティンパニが思い切りよい叩きっぷりで、木管がやや不安定、第1楽章後に独唱のレンメルト(デカい!)が指揮者左脇に入場、第2楽章緩徐部が遅めで意外とねっとり、第3楽章ポストHrはTpトップが舞台裏右手に移動して吹奏(激ウマ、ただ裏から戻る際ポストHrとTpっぽい楽器の2本を携えていたので、ポストHrを吹いたのかは不明)し、その間アシが1stパートを担当、通常続ける4,5,6楽章をしばし切って、その間に合唱が起立&着席する独自スタイル(確か現田&TAMA21交響楽団で似た趣向)、そして白眉は棒を置いた終楽章、遅め基調にテンポを微妙に揺らし、各動機を細かく丁寧に歌う表現、デュトワのマーラーでこれだけ情感たっぷりなのは初めてかも、さすがに負担が大きかったかTpトップはクライマックス前の弱音コラールでは山場を越えた直後に落とし穴、また珍しくその箇所で一部アシと分奏、クライマックスのスケール感はまあ、NHKホールだけにそれなり。

 デュトワのマーラーで初めて感心しました。特に終楽章に関しては1年以上掛けて全パート全音符を(歌いながら)midiに打ち込んだ経験があり、全ての音を把握してる積りでしたが、意識していなかったVlaのパッセージがあって驚き、この1点だけでも心に残る演奏でした。明日は更によくなると思います。

2015年12月9日水曜日

演技する生き物 - 連城三紀彦「美女」

 朝の最低-1.5度と今季初のマイナス気温、とは言え12月9日で初マイナスとは例年よりかなり遅め。

 だんだん冬晴れ、と呼べる空気感になってきた中、週に1度の横浜での講義、本日最終回、の筈が今日都合付かない学生が2名いて、来週に補講決定。

 先日読んだ「流れ星と遊んだころ」の巻末解説(双葉文庫版)で千街晶之が、「「戻り川心中」や「夜よ鼠たちのために」などに匹敵する短篇集」と評し、かつ「中でも「喜劇女優」という一篇は、連城作品の極北と言える異様なまでの傑作である」とまで書いていた作品、「美女」の存在を知り、無性に読みたくなって、100円棚で発見、即読了。

 やや恋愛小説に傾斜した時期(90年代)の短編集ですが、比較的ミステリー寄りのものが集まってます。

美女 連城三紀彦
 恋愛・一般小説風の表題作(ドラマ化にぴったり!)からミステリー度高めのもの、実験的作品まで色々な8編、共通するのは全て何らかの"演技"が絡んでいること、世評の高い「喜劇女優」は傑作と言うよりは怪作、でも凄い試みであることは確か、ミステリー的には「夜の右側」「夜の二乗」が強い印象を放ちます。

2015年12月7日月曜日

スターの逆転劇 - 連城三紀彦「流れ星と遊んだころ」

 大磯OPへの会場へは長旅、その往き返りに読んだのが実家のブックオフ100円棚で先日発見したこの本。

 このミス2003年度第9位にランクインした、著者としては比較的最近(「人間動物園」「造花の蜜」の間?)上梓された作品(書かれたのはその5-6年前)。

流れ星と遊んだころ 連城三紀彦
 権謀術数渦巻く芸能界で若きスターを世に出そうと一世一代の仕掛けをする男の物語、1人称と3人称が連続的に入れ替わる語り口、よって眉に唾して読み進むことになりますが、それでも著者独特の鮮やかな反転に驚かされるあたりははさすが、とは言え、全体としては著者の平均値をやや下回る印象、ま、連三紀の平均値が高過ぎるだけですが。
<< 以下ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 1人称記述に関しても記述者の反転が仕込まれている訳ですが、「俺」と「私」の使い分け、とまでは行かないまでも、再読して「気付くべきだった…」と思わせる口調の違いが伏線として欲しかった気がします。自分が気付いてないだけかもしれませんが…。

大磯オープン 冬 2015

 晴天の下、5時起きして遠出し大磯OPに参加、コンビニに寄って電波を拾おうと少し手前の停留所で下車、東海道を歩くと眼前の富士山が綺麗で巨大、箱根駅伝などまさに富士に向かって走ることがよく分かります。

 1回戦同じベテラン選手に1-6,0-6と軽くシバかれて終了、参加賞は人気(ひとけ)の無いビーチの見える(ビーチからも見える)露天風呂、本日のお小遣いは920円。

 本日貰ったアドバイス:
・2ndサーブが弱点、もっと深く。
・フォアに振られると弱い、もっとループで深い球を返球出来るように。

2015年12月6日日曜日

尾高&国立音大の充実ラフマニノフ2番

 東京音大による豊麗な展覧会の後、トリは国立音大、指揮するはラフマニノフが得意そうな尾高忠明!

12月6日(日) ミューザ川崎
 尾高忠明&国立音大オーケストラ ラフマニノフ Sym2番
まず東京音大によるファンファーレ、Tp4,Tb4とパーカッションがステージ最前列に並び、いかにもファンファーレっぽい曲。
 続く国立音大によるラフマニノフはHr5,Tp3,Tb3、N響で1番を振った時とは違って尾高氏は表情濃いめ、オケもそれに応えて濃厚サウンド、要所でHrのベルアップも!第3楽章のロマン度は程々ながら、終楽章クライマックスでテンポをぐっと落としての燃焼度は素晴らしかったです。

 やや大人しめの印象のある尾高氏の棒でこんなに高揚した経験は珍しい気がしたのですが、過去の日記を読み返すと、東フィルを振った同曲で似たような感想を書いているので、忘れているだけの様(苦笑)、ボケ老人。

 終演後、珍しくも尾高氏による口上が、在京某メジャーオケに関する言及もあり楽しい内容でした。

現田&東京音大の壮麗展覧会

 東邦音大によるシベリウスに続き、2校めは東京音大による展覧会です。

12月6日(日) ミューザ川崎
 現田茂夫&東京音大シンフォニーオーケストラ ムソルグスキー 展覧会の絵
 まずは東邦音大によるファンファーレ、Hr2,Tp3にTb、ユーホ、チューバ各1がステージ最前列に並び、先程のシベリウスではやや線が細いと感じたブラス陣がここでは輝かしい響き。
 続く東京音大による展覧会はラヴェル編、Hr5,Tp5,Tb3、冒頭Tpソロはなかなか、古城のSax、ビドロのユーホは専業で後者は朗々、シュミイレのTpはピッコロ使用、ライトグレーのスーツに身を包み、時にジャンプ!するなど記憶より激しく表情豊かな現田氏の棒に応え、弦管共に分厚く、キエフの大門ではなかなか壮大なサウンド。

 プロアマ含め過去に何度か聴いた現田氏の演奏(最近だと神奈フィルとの8番)には正直余り印象に残るものは無かったのですが(強いて言えばTAMA21交響楽団とのマーラー3番最後の音)、今日はいいハジケ具合でした。

 続いて本日のラストは国立音大によるラフ2、それはまた次の記事で。

田中&東邦音大のシベリウス2番

 晴れ、昨日よりやや寒め、東京に出て午前中は教え子の対抗戦の応援、の積りがボケ老人、忘れ物をして取りに帰る羽目になりキャンセル。

 午後は川崎に行き音大オケフェスの最終日、数年振りに会う後輩とホール下にあるベジダイニングで久闊を叙した後ミューザへ、本日は3大学揃い踏みとお買い得、トップバッターは東邦音大です。

12月6日(日) ミューザ川崎
 田中良和&東邦音大管弦楽団 シベリウス Sym2番
最初は国立音大によるファンファーレ、ステージ最前列にHr3,Tp3,Tb2,Tubaが並び、華やかな響き。
 続いて東邦音大によるシベリウス、Hr4,Tp4,Tb3、田中氏の端正な棒の下、弦など編成が他大学と比べるとやや小さめだったせいか、やや大人しめで小じんまりとしたサウンド。

 続いて東京音大による展覧会、それは次の記事で。

2015年12月5日土曜日

歯の生えたあそこ - 芸術集団れんこんきすた Vol.23 「ヴァギナ・デンタータ」

 爽やかな晴れ、最高16度台とポカポカ。練習予定無く、朝ゆっくりしてから東京に出て観劇、主催者からの頂き物、しかもお土産まで頂きました。

 初めて訪れる劇場の最寄り駅は南阿佐ヶ谷、は勿論のこと阿佐ヶ谷駅ですら降り立ったことは無いため(たぶん)、早めに現地入りして開演前に朝・昼代わり、終演後に晩飯代わり、と有名店中心に付近のラーメン店を3軒訪問。

 劇タイトルの"ヴァギナ・デンタータ"とはラテン語で「歯の生えた女陰」の意、「キャット・ピープル」の如く"愛する人とは交われない"悲恋物語かと思いきや…。

12月5日(土) ART TEATER かもめ座
 芸術集団れんこんきすた Vol.23 「ヴァギナ・デンタータ」
理由も分からず拉致され密室に幽閉された面識の無い女性6名、手探りで話し合う内それぞれが抱える女性特有の悩みやトラウマがさらけ出される展開、想像していたエログロファンタジーと違って正統的な会話劇、休憩無し90分ダレず楽しめ、タイトルの意味は終段まで判明せず、タイトルロールの鼻水ぐじゃぐじゃの泣きっぷりが見事でした。

 終演後3軒目を経由してから渋谷で後輩の追いコンへ、家に戻ったのは午前様、明日は音大オケフェス最終日です!

2015年12月4日金曜日

ヴァンスカ&読響のシベリウス5番、6番、7番

 昨日来の雨は上がり、日中は晴れて最高15度弱とやや高め、夜は東京に出てヴァンスカ&読響のシベリウス。

 このコンビでは以前に2番を聴いてますが、今回は5,6,7番、奇しくも先日のカム&ラハティ響と同じです。

 ただ残念ながら席位置はPブロック中央の最前列、オペラシティのPと違い、サントリーのPは前方だとオケが近過ぎて(位置が低過ぎて)音のバランスが悪いこと多く、今回も目の前が丁度Hrの朝顔!なのでHrがmf以上で吹くと他の音はマトモに聴こえなくなる状況(涙)、なので感想はやや推測入り。

12月4日(金) サントリーホール
 オスモ・ヴァンスカ&読響 シベリウス Sym5番、6番、7番
前後半ともブラスはHr4,Tp3,Tb3、コンミスに知らない人(ケルン放響の邦人コンミスのゲスト出演とのこと)、自然体でオケ任せだった先日のカムと違い、ヴァンスカは非常に細かく丁寧な指示、機能的にラハティ響より高そうな読響はしっかり応え、例によって弱音は精妙、5番の両端楽章クライマックスのスケール感は期待よりは大人しめ、白鳥の動機?にかぶせる低弦を強調していたのが印象的だった終楽章、かなりゆったりのラスト6連打、最後2発のティンパニの叩きっぷりが壮快。続く6番ではHpを強調、全体のスケール感も大きめ、7番では精妙な弱音に加え先日のリントゥ&フィンランド放響にも通じる激しめの表現も。

2015年12月2日水曜日

国産スパイ連作第3弾、中編も - 柳広司「パラダイス・ロスト」

 このところ部屋の温度が常時15度を下回るようになり、堪まらず昨夜はコタツ点灯を決意。

 とは言っても引越しでコタツ敷やコタツ布団は捨てちゃってます。

 ってことで、まず100円ショップへ、コタツ敷・コタツ布団共に無し、世の中甘くありません。

 続いてディスカウントショップ、中古屋さんを回り、双方合わせて予算500円以内では難しいことを思い知らされ、取り敢えずコタツ敷き代わりの敷布団風毛布400円を購入、当座コタツ布団は掛け布団を代用。

 ただここ10年以上夏冬問わず毛布1枚しか使っておらず、掛け布団を出すのも10数年振り。

 更に引越しの際コタツの脚だけ別にしまったらしく、それを見つけるのにも一苦労。

 とまあ、深夜になって何とかセット完了、したコタツで早速人事不省になり、今朝は寝坊。

 曇り時々雨、こんなに降るとはやや予想外、週イチ横浜での講義の帰り、先々週路線バスに置き忘れた100円折り畳み傘を横浜駅近くの車庫で回収、無事でよかった。

 本日は横浜との往復で読了したスパイ連作集、一昨日の2作めに続く3作め。

パラダイス・ロスト 柳広司
 秘密裏に日本で作られた諜報機関"D機関"にまつわる4編、第1作と比べるとやはり気のせいかサプライズが減じている反面、内容にバリエーションを持たせています。前後半に別れて中編の分量で犯人探しの要素もある「暗号名ケルベロス」が印象的。