2006年5月29日月曜日

ノット&バンベルク響の奔放マーラー5番

 うがぁ、またも留守録失敗、大植&大フィルの「英雄の生涯」、月曜の再放送も併せ2度連続してDATが30分位で停止してました。

 夜はノット&バンベルク響によるマーラー5番、指揮者もオケも初めてなので楽しみです。

5月29日(月) サントリーホール
 ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団 プロコフィエフ VnC2番、マーラー Sym5番
前半はプロコフィエフにしては小さめの編成、拍手に応えてソリストの庄司紗矢香はアンコールを一曲、レーガーとのこと。そして後半のマーラー、ノットの解釈は粘り過ぎず淡白でも無い、今風の中庸なもの。棒、と言うか両手の動きは時に非常に細かく、オケは合わせにくそう。実際合ってない部分も散見しましたが、そんなことには委細構わず、ずんずん突き進む指揮スタイル。主題や対旋律を受け持つパートはどんどん歌わせるので、繊細さに乏しい代わりに生命感に溢れてます。第3楽章はHrトップ(地味な音色ながら上手でした)がステージ前に出てくる新しい版、これをプロのオケで聴くのは初めて。各パートが見せ場でどんどん自己主張するこの楽章が一番印象的でした。
 初めて聴くバンベルク響、ブラスは立ち上がり悪く末広がりにビヤーッと迫力の出るドイツ系に多いタイプ。木管はそれなり、弦はややボリューム不足を感じましたが、音程は正確だったので、下手な訳ではなくてキャラなんでしょう。それでも第4楽章後半での豊かな表情や、終楽章フーガでの力強い刻みなど弦セクションは頑張ってました。オケ全体としても非力な方かと思いますが、ノットが開放的に鳴らすので、クライマックスの迫力はほぼ満足の行くもの。会場はかなり盛り上がって、アンコールでドヴォルザークのスラブ舞曲(のマイナーなもの、たぶん)を濃厚に演奏してくれました。

 我ながら最近はだらだらと感想が長いです。ブログを始めた当初はできれば3行以内、長くても5行程度に収まるよう努力してたのですが…。

2006年5月27日土曜日

キタエンコ&東響の端整かつチョイ爆ショスタコーヴィチ7番

 うーむ、阪神の首位は楽天と対戦するまでお預けですかねえ。今日は雨、土曜なのに学会。とは言え、その代休をちゃっかり月曜に取って試合に行ってるので文句は言えないところ。

 学会が終わると同時に表参道の後輩の結婚パーティ会場へとダッシュ、そこに1時間程いてサントリーホールへ向かいました。キタエンコの指揮は初めて、オンエアから根拠も無く豪快な演奏を期待してます。

5月27日(土) サントリーホール
 ドミトリ・キタエンコ指揮東京交響楽団 ショスタコーヴィチ Vn協奏曲1番、Sym7番
パーティと時間がかぶっていたので後半の7番から。注目のバンダは舞台上だったのでちょい不満。キタエンコの指揮は端整で細かいもの。ことさらに大きなジェスチャーはせず、振り方の硬軟で表情を作ります。第1楽章、極端に抑えたppから始まってクライマックスに達するボレロ部分はもなかなかの迫力、そして終楽章コーダに向けて、しつこいくらいにじわじわと盛り上がってゆく部分の緊張感とその後の高揚感は見事。また最後の一音はかなり息の長いクレッシェンドで見得を切ってくれました。
 第3楽章など弦はよく鳴ってましたし、金管の鳴りも全体的にまずまず、特に、Hrトップのハミルは音が違います。期待した爆演タイプでは無かったですが、これだけ鳴らしてくれれば満足です。

 やった!阪神首位! これからモナコGP予選です。

2006年5月24日水曜日

70年代メロディア、ロジェヴェンの破天荒

 日中は結構暖かく、いい感じと思っていたら夕方からまたも雨、雷まで鳴ってます。

 昨夜のモスクワ放響の大人しい演奏を聴いて少し不満だったので、今日もモスクワ放響ネタで行きます。レコード(古い)で聴く限りのモスクワ放響のイメージは、フェドセーエフとのコンビなら初期の「コーカサスの風景」でのラッパ吹きまくり。また何と言ってもロジェストヴェンスキーとのブルックナー9番における、屋根が抜けるかと思うほどの金管の咆哮です。

 ブルックナー好きなら必ず顔をしかめそうなこの珍妙な演奏が、何と自分にはブルックナー初体験で、「いくらなんでもそりゃやり過ぎ」と思ったのが、未だにブルックナーが余り得意ではない原因かも。これはたぶん60年代後半から70年代前半頃の録音かと思いますが、当時のバランスを無視したメロディア特有の奇天烈録音が大きく影響してることは言うまでもありません。

 最近、同じ頃に録音されたと思われる同コンビ、ロジェヴェン&モスクワ放響によるシベリウスの交響曲全集を聴きました。少ししか聴いてませんが、やはりブラスが吼えまくる(特に緩徐楽章など妙な場所で)異常な演奏で、「これぞメロディア、これぞロジェヴェン&モスクワ放響」と膝を打ってしまいました。正統なシベリウスファンが眉をひそめるだろうことは言うに及ばず、ですけれど。

2006年5月23日火曜日

フェドセーエフのDSCH - フェドセーエフ&モスクワ放響のショスタコーヴィチ10番

 ついに阪神、首位まであと僅か。昨夜の夜行バスは臨席の人が100キロ超の巨漢で窮屈でした。

 今夜はフェドセーエフ&モスクワ放響、ショスタコイヤーの6曲目は10番。フェドセーエフの指揮する同曲は東フィルとのコンビで聴いたことがありますが、ソロ楽器の表情など、やけに指示が細かかったのと、迫力がいま一つだったことを覚えています。手兵との演奏はどうでしょうか。10番を海外オケで聴くのは初めてなので楽しみです。

5月23日(火) サントリーホール
 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮モスクワ放響 チャイコフスキー Vn協奏曲、ショスタコーヴィチ Sym10番
 (前半は置いといて←ソリストは樫本大進?)お目当ての10番、東フィルの時は違って細かく指示を出さなくともオケから希望通りの音が出てくる印象で、さすが手兵といった感じ。弦セクションの厚みのある響きは、特に第2楽章など重戦車の様で迫力満点。また今回はFlやFgなど、木管が印象的、特にClは、第1楽章前半、弦に続く入りでの驚異のppから終楽章の金管顔負けのffまで存在感たっぷりでした。
 逆に金管は常に抑え気味で、「バリバリロシアンブラス」をつい期待してしまう自分には大いに不満。特にHrが迫力不足、ただ3楽章のヴィヴラートビンビンのソロは良かったです。まあ、ここ10年くらいこのコンビを聴いた感じ、このバランスの取れたサウンドがフェドセーエフの音造りなので仕方ないんですけれど。
 フェドセーエフの解釈で一番印象に残ったのは、(個人的にはやや退屈する)第3楽章における表現の振幅の大きさ、特にピッツィカートの部分でした。アンコールはショスタコーヴィチの劇伴音楽や映画音楽から2曲、Saxが活躍するワルツと、管楽器のみによる行進曲風の短い曲で、このコンビ十八番のアンコールじゃなくて面白かったです。

 30年前、このオケに就任した頃の野卑さが完全に失われており、フェドセーエフの意図とはいえ、ちょっと淋しい気がします。

2006年5月18日木曜日

レンメライト&東フィルのシベリウス2番

 うーむ、昨夜のスクロヴァ&N響のFM生放送の留守録、やはりDATが途中で止まってました(涙)。まあ、前半のPCを外してセットしたのでツァラはギリギリ入ってはいたんですが、予想よりダイナミックさとシャープさに欠ける演奏を解説者がどう評したかを聞きたかったし、30分以上余った放送時間にどんな過去音源をやったかに興味があったので、やはり痛恨。

 今朝のC.リーグ決勝、最後の方はラジオ中継になってしまいました。その間得点シーンが無かったのは不幸中の幸い。退場者が出た割には緊張感溢れる展開でした。結局は収まるべきところに収まったのは、ジダンの芸術的な一発でレアルがレヴァークーゼンを葬って以来、久しぶりな気がします。(その翌年もそれなりに順当だったかも。) レーマンとピレスにはW杯で借りを返してもらいましょう。(って言うかピレスは選ばれてないか?)

 本日も雨がちで低温の一日。関東の低温とは裏腹に、ここ数日、東北や北海道では異例の夏日が続いてるらしいです。

 今夜はこれからレンメライト&東フィルでシベリウスの2番。未知の指揮者だけに楽しみ。また前プロのラフマニノフの狂詩曲は、パガニーニの主題を逆向きになぞって作った甘美なメロディーを聴く度、映画「ある日どこかで」を思い出しウルウルしてしまいます。戻りは遅くなるので感想はまた後で。

 いやあ、レンメライト、かなり凄かったです。2日目のチケットを持ってる方は一聴の価値ありです。

5月18日(木) オペラシティ
 アーリル・レンメライト指揮東フィル グリーグ 「ペールギュント」第2組曲、ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲、シベリウス Sym2番
 すらっとした長身のレンメライトはノルウェーの人、大きく滑らかな棒で表情付けをするタイプで、特に弦セクションから伸びやかで豊かな音を引き出していました。反面、余り拍を刻まないので、オケが合わせにくい部分もあった気がします。最初のグリーグは繊細で豊かな表情とキレのあるリズムがなかなか、期待のラフマニノフはそれに比べると音の伸びもキレもやや減退、ただお目当てのキレイな旋律の部分、ピアノは素敵でした。
 そして後半のシベリウスの2番。レンメライトの解釈で特徴的だったのは、弦セクションがリズムを刻んだり無窮動的なパッセージを続けたりする部分を強調する点。また第2楽章の劇的でスケール大きな表現が印象的。ただ何と言ってもこの日の白眉は終楽章、まず再現部に入る前、かなりアッチェレランドをかけて猛烈にオケを煽り、異常なまでの高揚感。そしてコーダに入る前もどんどんオケを煽ってゆき、そのまま壮大なコラールに突入、国内オケでは聴いたことの無いくらいの豪壮なクライマックスは圧巻でした。

 フレーズごとに棒を振る様はハーディングを、盛り上がる部分で腕をブンブン振り回して煽る様はオラモを思い出しました。

2006年5月17日水曜日

スクロヴァ&N響のツァラ

 阪神サヨナラ!今年も交流戦はいい感じ。またインザーギのイタリア代表入りは嬉しい限り。一方我がオランダ(ブラジルの次に応援してます!)のマカーイ、フンテラル(とダーヴィッツ、スタム)の代表落ちは微妙。

 曇りがちの一日で、気温は平年やや低め。今夜、と言うか明日早朝はついにCリーグ決勝、ソワソワしてます。どうか(W杯のことを考えて)メッシを無理して使ったりしませんように。

 その前にまずこれからスクロヴァ&N響のツァラ。ミスターSというとブルックナーのイメージが強く、実際実演で聴いたことがあるのはブルックナーのみ、R.シュトラウスはピンと来ません。どんな演奏になるんでしょう。感想を書くのは明日になりそう。

 戻りました。夕方からはまた雨でした。

5月17日(水) サントリーホール
 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮NHK交響楽団 プロコフィエフ PC3番、R.シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき
 「ミスターSは分析的・解析的」というのはこちらの一方的な先入観だったらしく、スクロヴァのR.シュトラウスは思ったよりテンポを揺らすし、旋律もかなり歌わせてました。特に弦楽パートの表情付けが印象的で、前半部の弦バスのppから始まるフーガにおける低弦の表現力、後半のワルツ部分でのヴィオラの存在感、そして鐘の鳴るクライマックス後、ラスト近くの高弦の豊かな表情などが印象に残りました。まあ、個人的には強奏部でのブラスなどもっと開放的に鳴らして欲しかった気もします。また必ずしもN響は指示に十分反応しているとは言い難い面もあったので、明日はもっと良くなると思います。

 恥ずかしながら、ソロVnのワルツにオーボエが合いの手を入れる部分、1stと2ndで交互に入れてることを初めて知りました。明日はレンメライト&東フィル、未知の指揮者のシベリウスです。

2006年5月5日金曜日

飯森&東響の松、祭

ああ、やってしまいました。今朝体重2kg減を確認し、朝飯は100円のパン半分(残り半分は明日の朝食)、夕方まで何も口にしなかったまでは良かったのですが、DATやDVD-Rの買い物に立ち寄った秋葉原の駅前で、新規開店とんこつラーメン店の半額券!急行電車まで20分位時間があったせいか、ついフラフラと入店、そして大盛タダと言われ勿論大盛。これでこの2日間の努力が水の泡。外食しようとしまいと、栄養のバランスを取るために、夜には必ずシリアルを食べるので、外食はまるまる余剰エネルギーです。

 本拠地で2勝1敗は妥当なところ。今日は昨日を更に上回る陽気で、午前中はテニス。まだちゃんと動けないことを確認し昼には抜けて、気になっていたコンサートに行きました。

5月5日(金・祝) ミューザ川崎
 飯森範親指揮東京交響楽団 バーンスタイン キャンディード、シベリウス VnC、レスピーギ ローマの松、ローマの祭
 このコンビで聴いたマーラー5番のキップのいい演奏から、ブラスバリバリのレスピーギを予想してましたが、意外にも飯森氏の音作りは弦楽器を中心としたもの。決してパワーがある方では無い東響の弦セクションからなかなか伸びのある音を引き出していました。全体的には迫力は期待程では無かったとはいえ、オルガン脇の3階席左右に陣取ったバンダの加わるアッピア街道の松ではなかなか壮大な音響空間でした。カタコンブでは首席マルティさんが舞台裏まで往復して美しいTpソロ、アッピアでのアングレソロも見事でした。また祭でのバンダはステージ最後列。祭のクライマックスはリズムのキレ、テンポの加速がいま一つ決まらなかった印象。またアンコールでは近く中国公演で演奏する、活気のある中国人作品を披露。

 今夜は亀田兄弟にPRIDEとさながら格闘技の宵の趣、特に後者はGPと呼ぶにはレベルの低い対戦が多いのが不満ですが、個人的にはジョシュとヒョードル弟の対戦が注目です。