2014年2月28日金曜日

"暗殺者"3部作その3 - ボーン・アルティメイタム

 敬愛する山田太一の新作「時は立ちどまらない」を録画視聴、(世間的な)出世作が洪水の話だった(「岸辺のアルバム」)山田太一をもってしても先の震災・津波を題に採るのには難しさがあるのか、微妙な出来でした。

 雨は未明に上がり、朝もやの最低7.3度、徐々に晴れてきた日中の最高19.4度は共に今季最高値にして4月中下旬の値、「一雨ごとに暖かく」の初春モードに突入か。

 昼休みの壁打ち後、30分程過ごした公園のベンチではクモの子が次々風に乗って飛んできて、ノートPCに何本もの蜘蛛の糸が絡まりました。

 本日は先日一気に実家で観たスパイ・アクション3部作の最終作、今回は監督の交代は無かった模様。

ボーン・アルティメイタム <'07 米>
 ボーンの復讐と自己の出自解明の戦いが第2作から直接続き、最終局面まで走り抜けます。第2作から3年後の製作なのに、キャストやスタイルの共通性高く、一緒に撮ったとしか思えない程、激しいカーチェイスと肉体派アクションもお約束通り、説明不足でアクション重視も同じ、あっと驚くゲスト俳優も登場し、脇役の最後の表情がおしゃれなシメでした。

 特に後半2作での主人公ボーンの絶対死なないスーパーマン振りには、「24」のジャック・バウアーを思い出しました(ってどっちが先か解りませんけれど)、原作はそんな感じではなさそうな気もするのですが…。

2014年2月27日木曜日

"暗殺者"3部作その2 - ボーン・スプレマシー

 「明日、ママがいない」を2話分まとめて視聴、第6話のクッションには泣きました。

 天気は緩やかな下り坂で朝から小雨、最低3度台、最高10度台と高めで日較差小さめ、今朝の体重は微減でほぼ変化無く、昼飯抜きはしばらく続きそう(涙)。

 昼休み、小雨、と言うよりほぼ降っていないのに壁打ちをサボってしまい自己嫌悪。

 本日も昨日に続いて先週末帰省時に一気に観たボーン3部作から、第1作の2年後に製作した第2作です。

 本作から監督が交代、そして製作から原作者ラドラムの名前が無くなってます、第1作で原作を大幅に変えられて怒ったのか? じゃなくて、亡くなってしまったからかな?

ボーン・スプレマシー <'04 米>
 恋人と逃亡生活を送るボーンに組織の手が伸び、止む無く単身復讐の旅へ。スタッフが変わっても音楽・キャストが同じ、スタイルもそこそこ合わせているため全く違和感の無い続編、生身格闘シーンと激しいカーチェイスも相変わらず、アクション度は向上すれど、説明が更に省略され知的興奮度は減少、渋い幕切れはいい感じながら、「次回につづく」感はかなり高め。

2014年2月26日水曜日

"暗殺者"3部作その1 - ボーン・アイデンティティー

 今頃気付いた先々週のニュース: あの絶食「ダイオウグソクムシ」ついに死ぬ 死因は不明
過去何度か日記でも取り上げたんですが、結局5年と1-2か月の絶食でお亡くなりになってしまったんですね…、合掌。

 昨日に続いての晴れ、朝の最低マイナス3度台と低く、日中の最高13度台と高く日較差が大きいのも昨日と同じ、ぼーっとかすんでいるのは春霞か、はたまたPM2.5か、でも昼休みの壁打ち後、公園で30分日向ぼっこしても花粉症の症状は軽い目の痒み程度。

 今朝の測定では先日のスポット帰省による体重増加は懸念より少ない1kg、昨日1日節制したせいかも、ともあれ体重が戻るまで今週はお昼抜きです。

 その帰省の際、実家で映画を3本一気に視聴、お正月BSで放送した時に録画しておいたもので、スパイ・スリラーの大家ロバート・ラドラムの'80年代の名作を何故か今世紀になって映画化していった3部作プロジェクトです。

 本日はまずその第1作、何と製作総指揮に原作者ラドラムが名を連ねてます!

ボーン・アイデンティティー <'02 米>
 記憶を失った男がその記憶を取り戻す過程で国際的な陰謀に巻き込まれてゆくサスペンス・アクション、音楽がカッコよく、肉体重視の格闘シーンと激しいカーチェイスが印象的で、この2点は以降シリーズ全作の約束事となります。2時間以内にまとめているせいでやや説明不足ながら、反面テンポよく楽しめました。ボーン役のマット・デイモンのキャスティングは公開当時微妙だったと思われ、ヒロイン役は今見ても微妙かも。

 原作はやや守備範囲外のため未読ゆえ伝聞ですが、かなり内容は変えてあるそう、ただタイトルは映画の方が原題のままらしい。

2014年2月22日土曜日

賞賛のサロメ - 舞台「サロメ」

 芸劇マチネでブルックナーを聴いた後、夜行バスの時間までの空き時間、同じ芸劇の地下に降りて舞台版の「サロメ」を観劇することに。

 演出のエロ度が高そう、と前から気になってはいて、無料券が回ってくるのを期待して待ってたんですが叶わず、一旦諦めていたんですが、帰省するのが1週間遅れたせいで、午後のコンサートから夜行バスまでの間が暇に、これも天の配剤か、と思ってチケット購入、年に1度の自腹を切っての観劇です。

2月22日(土) 芸術劇場シアターウエスト
 舞台「サロメ」
セリフは適宜アレンジされ、地下の井戸が地上にそびえる貯水槽?になってはいましたが基本的には読み替えもなく正攻法の演出、ヨカナーンの首はA.ゴメスの時と同じで本人の首使用、ヘロデ大和田伸也の存在感、ヨカナーン秋元道行のいい声と肉体、そして全てのヴェールを取り去って美しい裸身を曝してくれたサロメ西条美咲には大感動!

 さすが女性演出家、ことエロに関してはより思い切ったことが出来ますね。

 観劇後、FM留守録のセット仕直しが必要になり、ダッシュで茨城まで帰宅、タイマー時刻とDATテープを入れ替えて、またダッシュで新宿へ、丁度夜行バスの時刻に間に合い、帰省の旅へGO。

内藤&ニューシティ管、快速テンポのブルックナー6番

 今日も冬晴れ、朝-5.7度と冷え込み、日中も最高9度弱とやや低め、先週大雪による高速バス運休でままならなかったスポット帰省は今週末に仕切り直し、午前中は留守録するためにHDレコーダーの空きを作る作業に専念し、午後は都心のコンサートへ。

 聴いたのはブルックナーの交響曲を独自稿で世界初演するプロジェクトをここ何年も続けている内藤&ニューシティ管のコンビ、過去何曲か聴いており、前回は7番でした。

 とは言え、ブルックナーは守備範囲ド真ん中ではないため、稿の違いなぞ自分にはブタに真珠、ブルックナーに詳しい知人のご馳走になっての参戦です。

2月22日(土) 芸術劇場
 内藤彰指揮ニューシティ管 グリーグ PC、ブルックナー Sym6番 <川崎校訂版>
前半グリーグのソリストはお髭のヤンネ・メルタネン、アンコールはグノシェンヌ第3番とお洒落。後半ブルックナーの前に内藤氏による解説、6番は異版少なく今回は音符の変更は無いものの、指示記号、特にテンポ指定の大幅見直しがあり、両端楽章はほぼインテンポとなって従来と全く違うとのこと、確かに第1楽章第2主題を速いテンポでやられるとまるで別の曲、しかも「タッタタタタ」という主導リズムがより強調され統一感は増大、またこのコンビが数年拘ってきたノンヴィブラート奏法、一部奏者を除き前回の7番より徹底され、以前は「音程が悪くなり、響かない」とデメリットが目立っていたのに、今回は第2楽章など純度ある響きが聴け、Hr5,Tp4,Tb3+女性チューバのブラス陣の鳴りも全体にまずまず、硬質で骨太なサウンドを楽しみました。

 この後、夜行バスの時間まで暇だったこともあり、同じ芸劇の地下に降りて「サロメ」観劇(&感激)、その感想はまた明日の記事で。

2014年2月20日木曜日

加賀の恋 - 東野圭吾「眠りの森」

 昨夜はスノボのパラレル大回転からフィギュア女子SPと観戦(合間に「旅ヌード」「湯けむりスナイパー」(再))していたら、またまた明けの明星が薄い雲を通して見えました。

 朝はそこそこ冷え込んで-4.5度、薄曇の日中は昨日よりさらに下がって最高7度台、とは言え気温程の寒さは感じません。

 今日はHDの空きを作るための「ドラマ化原作本を読もう」作戦の番外編、加賀恭一郎がまだシリーズキャラクターになるのかはっきりしなかった1989年の東野作品です。

 と言うのも、本作がお正月に「新参者」に連なる加賀刑事シリーズとして単発2時間ドラマとして放送、実家で録画しBD-REに焼いて持ち帰っており(しかもTS/DRモード)、これを観て消せばHDの内容を移すスペースにBD-REが使えるから。

眠りの森 東野圭吾
 バレエ界を舞台とした殺人にまだ若手刑事だった加賀が挑みます。著者としてはたぶん初めてのある試みがされているんですが、再読しても効果的に書けているとは言い難く、またバレエ界の特殊性とリンクしたファイダニット的要素に新しさはありますが、それ以外のミステリー部分も説得力に欠ける感あり、逆に余剰の部分では主人公、加賀の恋、この一点に尽きます、その意味キャラ読みしてる人には必読作かも。

 ドラマ版はそこそこ忠実に描きつつ、うまく削ったり、新たなネタを入れたり、そして山田奈緒子!のゲスト出演もあったりしてそれなりの出来、ただ原作の大甘(だけどミステリーとしては野心的)な加賀のセリフは採用されず(笑)。

 本作を先に読んでいれば「赤い指」で描かれた加賀の私的部分がより味わい深いものとなったのに、と後悔。やっと文庫化された「新参者」に進む前に、シリーズ第1作「卒業」も読んでおかねば。

2014年2月19日水曜日

オマージュたっぷり銃声の謎 - 東川篤哉「密室に向かって撃て!」

 昨夜はアイスダンスFDのうち、唯一未視聴だった第3グループを観戦、ドイツ代表カップルが(一部で大好評の)SDと同じコスチュームだったのには驚き、半分嬉しく、半分残念。

 アイスダンスついでにもう一つ、SDでのコスチュームが上記ドイツ組を超えて好評だったカッペリーニ&ラノッテ、彼らのFD直後にCMが入ってキレそうになりました(笑)。

 今朝も未明に金星が輝き、冷え込み厳しく最低-6度弱と久々のマイナス5度割れ、よく晴れた日中は最高8度と昨日より低め、それでも湿度の違いか空気感は明らかに1月下旬とは違います。

 積ん録状態のドラマを消化するべく原作を読む作戦を目下遂行中、何と最初の5話中「挨拶」から採られたのがたったの1話!だった「福家警部補の挨拶」を断念し、実は烏賊川市シリーズ全般が原作となってる(らしい)「私の嫌いな探偵」へと方向転換、確かにドラマ版の第1、2話はシリーズ第1作「密室の鍵貸します」の内容でした。

 しかもこちらの脚本は福田雄一、林誠人と凄いメンバー、って言うかこのメンツなら原作無しでも(と言うか原作が無い方が)優れたミステリー作品に仕上がりそう。

 って訳で先日手に取ったのがシリーズ第2作、第1作は折り目正しい本格だったので、このシリーズ読む前から外れ無し、って気がします。

密室に向かって撃て! 東川篤哉
 準密室状況で起きた銃撃事件に前作のコンビが巻き込まれ、前作で脇役だったキャラも活躍、とシリーズ化っぽい展開、お得意のドタバタ度(勿論カー的な用法)がやや上昇、ミステリーとしての出来は前作に比べると落ちる印象ながら、黄金時代の名作数編へのオマージュを散りばめた内容に本格愛を感じます。

 ギャグの波長が合う人を除けば、元ネタが浮かぶマニア向け小品、って感じでしょうか。

2014年2月17日月曜日

女性版コロンボ登場 - 大倉崇裕「福家警部補の挨拶」

 連日の高速バス運休で帰省がフイになり暇だった昨日、スノボのクロスを初めて予選から観戦、予選がタイムトライアルだったり、予選タイムがいいとやっぱり本戦も速い、けれどアクシデントで結果が左右されたり、車載カメラならぬ人載カメラがあったりとF1みたいな面白さ。

 また深夜のアイスダンスSD、NHKなら全カップル放送してくれると思った自分が馬鹿でした(涙)、グループ間インターバルを活用すれば何とでもなるのに…。

 そのアイスダンス界をこの4年支配するヴァーチュー&モイヤとデイヴィス&ホワイト、前回五輪はデイヴィスを応援してたんですが今回はヴァーチュー応援中、振り返るとトービル&ディーンの時代にはベスティミアノワ&ブーキンを、彼らがトップになった時はクリモワ&ポノマレンコを、グリシュク&プラトフの時代には復帰したトービル&ディーンを、と2番手を応援する性向があるらしい。

 今日も冬晴れ、朝の最低マイナス1.6度とほぼ平年、軽く霞んだ日中は最高12度台と今年有数の春っぽさ、部屋の温度も10日振りに10度超、構内では早々と半月前に咲いた白梅に遅れて隣の梅(こっちも白)も咲き始めました。

 昼休みの壁打ちの後、公園で30分も日向ぼっこしたのに花粉症の症状ほぼゼロ、乳酸菌ドーピングが効いてるみたい。

 ドラマを消化するため原作を読むプロジェクト、最初のターゲットは「福家警部補の挨拶」、著者の処女作を読んだ後、せっかちなので本丸に取り組むことに、「福家警部補」と言えば、何年か前にNHKが永作博美主演でドラマ化したのを覚えてます。

福家警部補の挨拶 大倉崇裕
 コロンボのファンで自らコロンボシリーズの翻訳も手がける著者によるコロンボスタイルの倒叙短編が4編、明記されてませんが同じくコロンボファンの町田暁雄との共著とのこと。主人公は外見的にブラウン神父っぽいキャラの女性刑事、全体的に犯行の露見プロセスにヒネリや伏線の妙が足りない印象、読み返してみても鍵となる手掛かりに明白な言及が無く「1行入れるだけでいいのに…」と勿体無い感があるもの多し、NHK版にも採用された「オッカムの剃刀」が1番読み応えがありました。

 読了してからドラマ版がこの「挨拶」のみならず、第2短編集「再訪」および第3短編集「報告」から採られているのを知り愕然、どちらも未入手、と言うか後者なんて文庫にすらなってない…。

 ってことであっさり福家警部補プロジェクトを断念、逆に「私の嫌いな探偵」の原作が同名短編集のみならず、烏賊川市シリーズ全般から採られていると知り、同シリーズは手元に4-5冊あるので、こっちを読む作戦に変更中です。

2014年2月14日金曜日

噺とリンク、日常の謎系処女短編集 - 大倉崇裕「三人目の幽霊」

 昨夜(今朝)の男子SP、噂通りだったプルシェンコの棄権、壁に激突したアボットの根性、そしてチャンが絶対王者なら羽生は神の領域か?と久々に(男子を)たっぷり観戦、何より、4か月前は「チャンの1位は決まり、後は誰が2位になるか?」って世界だったのに、こんなに状況が一変するとは。

 予報通り朝からの雪、最低零度と高めながら午前中はずっと零度台と低く、2-3cm程新たに積もった感じ、ただ1度台と少し気温が上がった午後は雨交じりの雪、これなら積雪は減る方向か。

 個人的には鬱陶しく感じる菓子メーカーに踊らされた年中行事(好きな人にあげるのは構わないんですが、儀礼的なものはちょっと勘弁)により、朝から胸焼け気味、余剰カロリー過多に付き昼飯は抜き。

 ドラマ「戦力外捜査官」はミハイルなど「デカワンコ」の世界観を引き継ぎつつミステリー的要素もあって拾い物、と思ったら原作があるとは驚き、しかも著者は似鳥鶏 、本格リーグの人じゃん…、録画だけして観るの控えようかな…。

 とは言え今クールは「隠蔽捜査」「福家警部補の挨拶」「私の嫌いな探偵」とミステリー系が3本も原作未読で積ん録状態、特に後者2つはバリバリの本格リーグゆえ、外せないところ。

 ってことで、原作を読んで溜まってる録画を減らそう、とまず「福家警部補」に着手、とは言え著者の作品を読んだことが無い(100円棚で数冊買い溜めはしてある)ので、まずは処女作から、ってことで創元推理短編賞(佳作)に輝く表題作を含む本作を手に取りました。

三人目の幽霊 大倉崇裕
 主に落語界を舞台としてかつ噺とリンクする"日常の謎"が中心の5編、各編楽しんで読めましたが、"日常の謎"系はデフォルトのレベルが高いせいか、意外性が足りなかったり、論理がやや無理筋だったりといま一つ感あり、ところがその最たる例で「惜しい!と言うか、勿体無い!」って印象だった「崩壊する喫茶店」が佳多山大地の巻末解説(創元文庫版)の絵解き(深読み?)ですっかり評価がUP、なーるほど、未熟者には判らない深さがあったんですね。

 次はこの落語もの、のシリーズをすっ飛ばして「福家警部補の挨拶」にしました。

2014年2月11日火曜日

タコオケの凄烈13番、そしてテルミン! - 長田雅人&オーケストラ・ダスビダーニャ

 朝小雪がちらつきましたが基本的に曇り、最低0.1度と2月に入って2度目のプラスながら、最高は3.6度とかなり低め、先日の雪の影響で練習は当然キャンセル、朝ゆっくりしてからコンサートのため東京へ。

 通常の外出は季節を問わず裸足&サンダル、ただ大雪の日は試合道具も持参していたため、途中からテニス用靴下&テニスシューズへと移行し雪道も快適でした。今日はデフォルトに戻そうか迷いつつも、残雪が多そう、と日和ってテニスシューズを履いての出陣。

 土曜と比べかなり雪が消えていた錦糸町で聴いたのは例年熱い演奏を聴かせてくれるショスタコ専門オケ"ダスビ"(昨年は4番)、今年のメインは13番、歌曲っぽいイメージがあるためやや苦手な上、元々演奏頻度も低いため、実演で聴いたのは8年程前のテミルカーノフ&サンクトペテルブルクフィルの1度のみ、個人的には前プロの映画音楽「女ひとり」に期待です。

 昨年同様、前の列には金子先生がいらっしゃいます。

2月11日(火・祝) すみだトリフォニー
 長田雅人指揮オーケストラ・ダスビダーニャ ショスタコーヴィチ 映画「女ひとり」より抜粋、Sym13番
前半はショスタコの映画音楽第2作から編まれた組曲からの11曲約30分、ブラスはTp3、Tb3、Hr5、そしてバンダ9人(コルネット?3、アルトホルン?2、テナーホルン?2、ユーホ(小チューバ?)、チューバ)がオルガン前通路にズラリ、しかもほぼ半分の曲で大活躍し、本隊のブラスもまずまずの鳴りっぷり、8番の原型っぽい曲、静かな曲でのObのモノローグ、終曲最後のTpハイトーン連打など注目点多い中、極め付けは驚きのテルミンの使用!生まれて初めて聴きました。その舞台左袖のテルミンの揺れる音にTbのグリッサンドを合わせるサウンドが効果的、そしてアンコールもピアノ伴奏によるテルミン演奏で「馬あぶ」のロマンス?音程感のある演奏も出来るとは知りませんでした、難しそうだけど。
 そして後半13番、男声合唱約30名がオルガン前に並びなかなかの迫力、その右隣にプロジェクターで対訳表示、バス独唱は指揮者左、増えて6本になったHr、トップがギンギンヴィブラートでロシアっぽくて最高、第1楽章を筆頭にパーカッションの恐怖の打ち込みやブラスのベタ吹きなど、やや距離を置いて古典の一つとして演奏していた印象のテミルカーノフ&サンクトPtコンビより凄味を感じました。第1楽章ラスト1音で鐘と銅鑼の余韻だけ残したのが印象的、第2楽章後に音合わせ、終楽章消え入るように終わった後の黙祷は10数秒、アンコールは無し。

 テミルカーノフ&サンクトペテルブルクフィルの同曲は、オケよりも東京オペラシンガーズの迫力がより印象に残っています。

2014年2月10日月曜日

春季 ロイヤルSCオープン 2014

 きっちり冬晴れ、朝の最低-3.8度、日中の最高7度台と共に低め、よって雪もあまり消えません。

 土曜に予定されていたロイヤルSCOP予選が大雪で日曜→月曜と順延、でもこんなに降っちゃったら今日も出来ないんじゃないの?と思いつつ、昨日仕事してかつ休暇願も書いて今日は試合へ、凍結した路面を自転車で最寄駅まで行く早朝、久々に両手が痺れる程かじかみました。

 電車は動いてましたがローカル駅からロイヤルSCまでの(2時間に1本の)路線バスは待てど暮らせど来ず、心が折れそうになった頃、40分遅れでバスが来ました!でも道中何の渋滞も無く、何故こんなに遅れたのかは謎。

 10数面あるコートのうち3面だけしっかり雪掻きが済んでおり、試合は粛々と進行、3セットから8ゲームに変更となった予選1回戦にしてファイナル、またまた(嫌いな)左利きの高校生に0-8粉砕されて即終了、昨年からここ4試合中、3試合までが左利き、納得行きません。

 来る時乗ったバスは運行状況不安なので会場から少し歩いて違う路線(1時間3-4本運行)のバスに乗り、やや遠回りしつつも明るい内に職場復帰。

 明日はショスタコ専門オケ、ダスビです! ただメインの13番は苦手なので、前プロに期待。

 今日貰ったアドバイス:
・バックスライスのショートクロスを活かすなどして、自分が動かず、相手を動かすことを心掛けるべし。
・フォアもバウンドの高さをより高く、より低く、などと変えてみること。

2014年2月8日土曜日

大雪の日のマーラー1番 - 石毛保彦&Lian Philharmony Orchestra 2014

 大雪の中のコンサート2連戦の後半戦、マッツォーラ&新日の噴水と松を聴いた後、荻窪で聴いたのは、首都圏の大学オケの4年生が集まって作った1発オケによるラフマニノフとマーラーです。

2月8日(土) 杉並公会堂
 石毛保彦指揮Lian Philharmony Orchestra 2014 ラフマニノフ 交響的舞曲、マーラー Sym1番
前半ラフマニノフはHr4,Tp3,Tb3、全体的にやや大人しめのサウンド、オケは弦管共にまずまずの安定度、特に弦が皆ちゃんと弾けるせいか(揃いはイマイチながら)全パートなかなかの音量、あと第1楽章Saxソロがいい感じ。後半マーラーは弦も管も増えて表現も少し激しさ増量、Tpはやや不安定ながら6本体制で要所はまずまずの迫力、最後は9本揃えたHrが楽譜通り起立してなかなかの鳴りでの大団円、拍手の後、更に団員が加わったのでアンコールか、と思ったらそのまま終演。

 いつも注目終楽章ミュート着脱ファンファーレ、Tbは独りでこなし、Tpはアシと完全分業でした。

 終演は8時4-50分頃、杉並公会堂から雪道を楽しく歩いて荻窪駅へ、橙色(中央線快速)が復活しており橙→黄色と乗り継ぎ9時半頃の秋葉原着、JRがそこそこ動いてるんだからTXは余裕でしょ、と思っていたら意外や意外、TXがストップ!改札周りは難民でごった返してます!

 じゃあ高速バスにするか、と東京駅へ、この時点で京浜東北もストップ、山の手は運行中、しかし!東京八重洲の高速バス乗り場は人っ子一人おらず、全線運休、ってことでまたアキバへ。

 ところがこの時点で山の手線もストップ、なぜか橙色(中央線快速)は動いていたので御茶ノ水へ、黄色も動いてるとのことでしたがいつ来るか分からないので、歩いてアキバへ。

 線路脇の下り坂、歩道が吹き溜まりになっていて途中で50cm近い雪を掻き分けつつ(車道を歩けばよかった)10時半頃アキバに復帰、まだTXは止まったまま。

 復旧するのかしないのかはっきりしないアナウンスが続く中、他に行くところもないので床に座って本を読んだり居眠りしたり、待つこと改札周りで2時間、少し復旧の目処が立ったっぽい放送の後は地下のホームで更に2時間、深夜2時35分につくば行き1本のみ運行開始、通常1時間掛からない道のりを徐行運転すること2時間、4時半につくば着。

 自転車で帰ろうとするも積雪量は約30cm、ただ歩道の少ない部分はその半分くらい、しかーし!ママチャリなら積雪20cm程度までは気合で乗れるのに、車輪の小さな折り畳み型だと15cm程度で漕げないことが判明、数分ほど格闘した挙句、雪国出身のプライドも捨てて自転車を押しながら帰還、着いたのは朝5時、留守録セットしてなかったオリンピックのフィギュア団体は全種目終了してました(涙)。

マッツォーラ&新日の噴水と松

 予報通り首都圏は大雪、最高1度台、最低マイナス1度台、つまり終日プラスマイナス2度以内、特に降りの強かった午後はずっとマイナス気温、室温も7度と今季最低値を記録。

 この土日は千葉でテニス合宿、しかも今日は試合もある予定、でしたがまず合宿は昨日のうちに中止が決定、ただ試合は中止/決行の判断が今朝出てから家を出たのでは間に合わないので、仕方無く準備をして雪の中出発、途中駅のwifiで試合中止を知り、そのまま都心へ、聴きたいコンサートが午後と夜、2つもあったから。

 雪のお蔭で余裕で聴けるなあ、とホクホク顔でアキバへ、この時点で雪はそこそこ積もってましたが、TXは時刻表通りに運行中。

 無線の入るアキバのマックで2時間ほど時間を潰した後、お昼過ぎに錦糸町へ、まだ黄色い電車は粛々と時刻表通りに運行中。

 吹雪でスカイツリーすら見えなくなったトリフォニーで聴いたのは大好物のローマの松、振るのは未知の指揮者マッツォーラです。

 さすがにこの雪のせいか、客席は半分程しか埋まってません。

2月8日(土) すみだトリフォニー
 エンリケ・マッツォーラ指揮新日フィル ワーグナー リエンツィ、ベルリオーズ ローマの謝肉祭、レスピーギ ローマの噴水、松
 初めて見るマッツォーラはちょっと禿げてる人のいい学者風、指揮は明確、弱音を精妙にやるタイプで、サウンドは弦がベースの感じ、ブラスは全曲Hr4,Tp4,Tb3が基本、リエンツィではゆったりテンポで激しさ薄く、最後だけパーカッション強め、あとVnにキレと伸び、続く噴水もケレン味少なくやや大人しめのサウンド、休憩後のベルリオーズは前半緩徐部の中低弦、特にVlaを歌わせていたのが印象深く、最後はこれまでより激しめの追い込み、ラスト1音のブラスの残し方もカッコよし。続く松はボルゲーゼ荘のテンポ速く、Tpソロは本隊から舞台裏へ移動したカタコンブの頂点ではTbとHrもかなりの吹きっぷりながら、それに負けない位弦を強く弾かせ、ジャニコロの鳥笛はオルガン通路両脇、アッピアのバンダもオルガン通路、左にTp2、右にTp2,Tb2、ffに入っても全体抑えめで、「このまま地味に終わるの?」と思わせておいて最後の1分程でオケ開放、ブラス全体が鳴りオルガンのボリュームもMAXで壮麗、最後の1音も長めかつクレッシェンドして見事なフィニッシュ。休憩込み1時間半と軽めのプロゆえか、アンコールにカルメン前奏曲。

 この後はアマオケのマーラーを聴くべく杉並公会堂へ、中央線、橙色は止まってましたが黄色い電車は遅れながらも動いていて無事荻窪着、この演奏会については次の記事で。

2014年2月7日金曜日

連三紀節たっぷり初期短編集 - 連城三紀彦「宵待草夜情」

 昨夜久々に見たプルシェンコ、代表選考で物議は醸しましたが、やはり抜群の存在感、ただ演技構成点で7点台が出てる(普通このクラスは8-9点台)のを見ると、またか、って気になります。

 あとペアやアイスダンスもちゃんと観られそうなのが嬉しいところ。

 冬晴れ、朝の最低-5.1度と3日連続のマイナス5度割れ、日中も最高5度台と低め、とは言え3日連続しての上昇傾向、ただ2月頭は13-4度まで上がっていた室温は再び10度前後まで降下中。

 雪の影響で2日続けて延期した同僚との昼休み週イチテニス、まだコートの南側フェンス際1-2mはアイスバーンでしたが敢行。

 今クールのドラマ、個人的注目は玉城ティナをキャスティングしたセンス込みで「ダークシステム」の自主映画っぽさ、次いで「なぞの転校生」の独特な映像や演出、特に印象的なホルスト"金星"、ピアノ版で聴くとまるでドビュッシー。

 ゴールデンの時間帯では「明日、ママがいない」の野島風テイストと「初恋ショコラティエ」の思い切った少女マンガっぽさが印象的。

 本日は少し前に読んだ本から、このミス13年度版に「このミス発刊以前の作品で入手難の作品」なる"幻の名作"ベスト10企画があり、トップ10中何と3作までが連三紀作品、うち本作だけは未読? 持ってるけど、と思いお正月に実家から持ち帰って読んだもの。

宵待草夜情 連城三紀彦
 明治から昭和前半を舞台とし、各編には軸となる女性の名前が副題として付された5編、既読感ある作品もあれどそこはボケ老人ゆえ怪しく、これは初読、と確信するものもあり。大胆(バカ)トリックの「能師の妻」、著者らしい反転を味わえる「花虐の賦」、凝ったプロットの「未完の盛装」などさすがの充実度、何より濃厚で過剰な文体に、ああ、初期の花葬シリーズの連三紀ってこうだった、と懐かしさを覚えました。

 明日は新日の噴水&松、アマオケのマーラーとダブルヘッダー、でも明日は試合も入ったので天気(大雪予報)との兼ね合いで新日は微妙かも。

2014年2月3日月曜日

よく計算された入れ替わりシチュエーションコメディー - 鍵泥棒のメソッド

 最近TVで盛んに宣伝してる、70年代F1ヒーロー、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダを描いた映画「RUSH」、両俳優とも妙に似ていて(特にニキ・ラウダ役の目元)面白そう、6輪たいれるも登場するらしい!

 因みにF1の映画と言えば、モナコで始まり、モンツァで終わる、J.ガーナーの「グラン・プリ」、FM番組「サウンド・オブ・ポップス」のテーマ曲にもなっていた音楽がカッコよかった。

 朝の最低マイナス0.8度、春霞っぽい薄曇の日中は予報通りどんどん上昇し最高16.1度、今年最高値にして4月上旬の値です、昼休みの壁打ち時の汗の具合も春そのもの。

 先日職場の秘書さんにオススメ映画を紹介され、昨夜まさにその作品が地上波初放送、144分枠で128分の作品なのでかなりカットされてるかも、と思いつつも、この偶然は活かすべき、と敢えての視聴。

鍵泥棒のメソッド <'12 日>
 ひょんな事情から入れ替わった売れない役者と伝説の殺し屋、そこに少しヘンな婚活中の女が加わって起きるシチュエーションコメディー、やや使い古された感のある"入れ替わり"テーマに銭湯を持ち込んだ発想が秀逸、共演陣のアンサンブル、先の読めない展開、後で効いてくる細かい描写や小ネタ、中盤のヒネリなど、よく練られた脚本で一気に楽しめました。

 かねてから観たいと思っていて、既に録画済の「運命じゃない人」が同じ監督(内田けんじ)による出世作と知りました、テープの山から発掘しなければ。