2010年5月31日月曜日

サロネン&フィルハーモニア管の中国の不思議な役人、幻想

一昨日ダルvs.鶴と勝ち目の薄い対決に勝った余勢で連勝、セは交流戦みんな負けてるので今後五分のペースで行ければ、と期待。

 チームメイト対決で波乱のトルコGPに集中していたら、肝心な部分を見逃してしまったジロの最終ステージ個人TTはしかし波乱無し、今年はチーム力の差が出たジロでした。

 朝は7度と4月並みに冷えましたが、そこそこ晴れた日中は3日振りに20度を超えて平年やや低め程度、明日からもう6月です。

 夜は上半期一番期待しているコンビ、サロネン&フィルハーモニア管、つい2演目も買ってしまいその初日、何と言っても「中国の不思議な役人」を来日オケで聴けるのが魅力、というかこの曲、好きなのにプロオケで聴くのは初めてです。

 また後半の幻想、以前にも書いた気がしますが、過去聴いた同曲で後半2楽章最高の迫力だったのはフィルハーモニア管の演奏、ただ指揮は(意外なことに)大友直人でした。

5月31日(月) サントリーホール
 エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管 ムソルグスキー 禿山の一夜<原典版>、バルトーク 中国の不思議な役人、ベルリオーズ 幻想Sym
 最初の禿山の一夜は終始荒々しい原典版、実演は初めて、リムスキー=コルサコフ版より演奏が難しそうな上、要所でサロネンは更に畳み掛ける表現、次のバルトークは組曲版、静と動の対比が激しく個人的には本日の白眉、Tbがミュートからオープンへと早業が必要な部分(役人登場の辺り)では、ミュート時をかなり抑えめに、その後を思いっきり開放的に吹かせていたのが効果的、クライマックスの凶暴性もまずまず。Clソロ誘惑1回目の前半など、裸のソロの時は指揮せず自由に吹かせていました。
 初めて見るサロネンは精悍な印象、指揮はオーソドックスでシンプルなのに表情豊か、ある種のカリスマ性を感じます。オケは管が巧いのは勿論、以前印象の薄かった弦もボリュームは無い代わりVla含め各セクション均質な響き。後半の幻想はリピート無し(賛成!)、また第2楽章は初めて聴くコルネット版(これも賛成!)、しかもコルネットはわざわざClの隣まで移動してました。第3楽章の草笛Obも舞台裏(たぶん)へ移動して演奏。前半3楽章は余りうねらずストレートな表現に感じましたが、ほぼ続けて演奏した第4、5楽章は緩急激しく、ブラスの吹き方も強弱がはっきり(ディエス・イレは弱め)、最後は勿論ブラスが高らかに鳴っての大団円。アンコールはまず「悲しきワルツ」を抑揚(ppは聴こえない位)と緩急を大きくとり、次に「ローエングリン」第3幕前奏曲を馬なりに。

 まずは期待通りの充実した演奏でしたが、会場の入りが7割程度だったのが残念、「悲しきワルツ」での細かい表現から推測するに、明後日のシベ2も期待出来そうです!

2010年5月17日月曜日

やっぱり名作 - 東野圭吾選「スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001」

 うーん、楽天さん、たかが阪神相手に岩隈とマー君をぶつけるなんて、もうイジメです(涙)。この交流戦、パのチームはエース級を巨人にだけ(中日もOKかも)ぶつけるようにローテを組み直して欲しいものです。

 夜行バスで東京に着くとその暖かさにほっと一息、更に高速バスを乗り継ぎ自宅に到着、まず留守録してあったモナコGPを観戦、シューマッハーのラスト数100mにビックリ!(やり過ぎ?)、そして午前遅くには職場復帰。

 しっかり晴れて気温は高く最高27度、北陸から戻ったばかりなので関東は暖かいなぁ、と感じましたが、実際は全国的にこの3日間上昇傾向なだけかも。 

 実家の父は本好き、ただ年で根気が無くなったのか短編しか読まないとのことなので、帰省する際はなるべく短編集を持ち帰ります。

 本日はその帰省の途で読んだ本から。日本推理作家協会が出しているアンソロジー(殆どが講談社文庫になってます)に収録された作品から更に特定の編者がチョイスした作品集の第1弾、選者は東野圭吾です。

スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001 東野圭吾選
 ビッグネームの8作を収録、うち既読が2、3編(ボケ老人ゆえ記憶が曖昧…)、初読作品では日下圭介「緋色の記憶」の意外なトリッキーさ、連城三紀彦「ぼくを見つけて」の"らしい"内容、小杉健治「手話法廷」の人情など印象に残りましたが、やはり出色は宮部みゆきの名作「サボテンの花」、(再読なのに)冒頭からその巧さに改めて唸さらされました。巻末の東野圭吾の解説も微笑ましい楽しさです。

2010年5月13日木曜日

ノリントン&シュトゥットガルト放響の爽快エニグマ

がーん、先週留守録で収録し切れなかったヴァント&ベルリンドイツ響のライブ盤(ブルックナー5番、9番など)、昨夜の再放送をうっかり忘れて再度失敗してしまいました。

 その代わり、逃したと思っていたカリコマのテレ朝デビュー、実は昨夜の「学生ヒーローズ」でやっており、きっちり収録出来てハッピー。

 爽やかな晴れ、ただ気温は平年よりやや低め、春というより秋の空気感でした。昨日ひいた風邪の症状は今日辺りがピーク、咳が止まらず夜のコンサートでは難儀しました。

 聴いたのはノリントン率いるシュトゥットガルト放響、6年程前にこのコンビでマーラー1番を聴いてます(2004/12/30の記事参照)が、ノリントンはおもろいオッサンという印象、またシュトゥットガルト放響はチェリで聴いた時に比べると弦セクションが伸びに欠け音程が悪くなった印象でしたが、思い返せばそれはノンヴィヴラート奏法のせいだった気がします。

5月13日(木) サントリーホール
 サー・ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送響 ハイドン Sym1番、ブラームス Vn協、エルガー エニグマ変奏曲
 最初のハイドンは弦(たった9本!)がほぼ起立し輪になってノリントンを囲み、その背後に管が5人並ぶ極小編成、すっきりサウンドでした。次のブラームスのソリストはまだ10代で愛らしいパク・ヘユン、拍手に応えディエス・イレをモチーフとしたイザイの曲をアンコール。
 曲想によって棒の有無を使い分けるノリントン、後半エルガーでは指揮棒を使用し、各変奏の表情の描き分けが巧みでした。対向配置で最後列に弦バスがずらっと並んだオケ、若そうなコンミス(!)率いる弦はノンヴィヴラート奏法に慣れたのか、前回の来日時に比べると透明感と伸びを併せ持つ個性的な響きを確立、中盤のヤマ場ニムロッドではかつて聴いたことの無い独特のサウンドで盛り上がりました。また終曲の1つ手前での精妙な表現(指で叩くティンパニ!)も印象的、そしてラストの見事に決まったサウンドも最高、爽快なブラスはまるでイギリスオケの様でした。アンコールはまず前回と同じローエングリン第3幕前奏曲を中間部は表情たっぷり、両端部は激しく奏し、次にウォルトンの短くて陽気な曲を奔放に。

 チケット価格は安めなのに、やや癖のある招聘元のせいか会場は6-7割程度の入り、とてもいい演奏会だったのに勿体無いです。

2010年5月6日木曜日

将軍登場、ミステリー度低めの第4作 - 海堂尊「ジェネラル・ルージュの凱旋」

 数日前から日没後の西の空には久々に金星が輝き、地ではミミズの鳴き声がジージーと(ミミズは鳴きません)賑やかです。

 今夜から下り坂だそうですが、今日も晴れて気温も昨日同様28度弱と夏を思わせる陽気、これでゴールデンウィークはずっと晴れた訳で、やはりずっと晴れていたのに5月5日に降ってしまった昨年のGWでも書いた(2009/5/4)ので覚えているのですが、晴れっぱなしのGWは史上初めてレベルだと思います(←東京では25年振りとのこと、何か昨年のニュースと話が違う気も)。

 原作が未読ミステリーの場合、映像化作品は極力観ないことにしてるので、今クールは「新参者」「ジェネラル・ルージュの凱旋」「臨場2」など録っただけで観ない"積ん録"テープが溜まる一方です。

 「ジェネラル・ルージュ」はとっくに文庫化されているので読める範囲内、ただ大した分量じゃないのに上下巻にして出す商法が納得行かず、「1冊100円でしか買わないぞっ!」と頑張っているせいで下巻しか手元に無し、だんだん空きテープに余裕が無くなって、先日遂に堪え切れずの通常価(古本なので半額程度)で上巻を購入、即読むことに。

 シリーズ第3作「螺鈿迷宮」も未読ながら番外編的内容らしいので飛ばして読んでもOKと判断、しかも本作は「ナイチンゲールの沈黙」と時系列的には並行して起きる事件とのことなので、「ナイチンゲール」を忘れないうちに読む方が得策かと。ただこの同時進行の趣向は森博嗣の作品にもありましたが、本作と「ナイチンゲール」の場合、趣向と言うより、元は1つだった物語を編集者に唆されて2つに分割した、と言った趣、つまり1冊の本を各上下巻4分冊にして売っている勘定です。

ジェネラル・ルージュの凱旋 海堂尊
 ジェネラルと渾名される救命救急センター部長に起きた収賄疑惑に「チーム・バチスタの栄光」のコンビが挑みます。内容的にミステリー度低め、と言うか既にミステリー部分は放棄し医療エンターテイメントに徹した内容、これが今後の行き方なのか、はたまた「ナイチンゲール」と2つに分けた影響なのかは分かりません。

 3作読んでみて、著者の狙いはミステリーよりもAI(オートプシー・イメージング)や救急医療、ドクター・ヘリなど現在の医療の抱える問題について現場から訴えることの方が主眼らしいことが判ってきました。

 明日はバシュメット率いる新ロシア国立響です!

2010年5月4日火曜日

朝のマーラー - 小柳英之&モーニングフィルハーモニー管弦楽団の9番

朝っぱらからマーラー9番を1発オケで聴きました、なかなか素晴らしい演奏でした。

 今日はこの後予定目白押しなので昨夜の感想と同様、詳細は後日。

<続き>
 翌日夜に続きを書いてます。この日は午前コンサート、午後テニスと通常の逆パターン、その後宴会があって帰りは深夜でした。

 晴れ具合はここ数日より甘かった割には気温は更に上昇して夏日に、午後のテニスで喉が乾く感じが心地良かったです。

 早起きして東京に出て聴いたのはその名もモーニングフィル(笑)という1発オケ、難曲の一発オケはその曲を弾けることが参加の最低条件ゆえ、レベルが高くなりがちで、2004年夏に聴いたやはり9番の1発オケ(オーケストラ・エレガンテだったか、"びゅーてぃふる"のくりようかん嬢が乗っていた)も素晴らしい演奏でした。よって期待して臨みました。

5月4日(火・祝) 杉並公会堂
 小柳英之指揮モーニングフィルハーモニー管弦楽団 マーラー Sym9番
対向配置のオケは期待通り管を中心にレベルが高く、弦もまずまずの音程で少ない本数の割には低音が効いてます。小柳氏のシンプルな棒の下、レベルの高い充実した演奏が聴けました。特にアシ無し3本ずつだったTpとTbが素晴らしい鳴りで最高、最後の黙祷も5秒前後と虚飾無し。
 
 今年9番は3度目ですが、1番心に残る演奏でした。ただ挟み込みチラシによる宣伝も無く、webでも情報はコンサートスクエアにこそあれフロイデには載っておらず、しかも午前中とあって無料ながらお客さんは少なく演奏者の数と大差無い程、素晴らしい演奏なのに本当に勿体無いです。

2010年5月1日土曜日

五月晴れのマーラー - 齊藤栄一&水星交響楽団の3番

 昨夜もいいところで中継が終わった阪神vs.巨人、まずは先勝したようで、めでたし、めでたし。

 また日本では滅多に見られない1流対決だった長谷川vs.モンティエル、穂積のスピードが上回ると思ってましたがモンティエルのアヤシイ強さにも納得。

 今夜はこれからアマオケでマーラーの3番、例によってまずは記事のみにて。

<続き>
 翌日に書いてます。5月最初の日に相応しく五月晴れ、気温は平年よりやや高め程度ですが、4月が低かったせいかかなり暖かく感じて、冬用のオーバーは却下しました。

 午前中は久我山で練習、靴下を忘れてコンビニで散財(普通は100円)、夜のコンサートまで時間があるからどこかで電波を拾って映画でもダウンロードするか、と思ってましたが、留守録セットしたDATテープ(中古)の誤消去防止用シャッターをまたも閉め忘れたのを思い出し、泣く泣く片道2時間掛けて家に戻って再セット、またすぐに上野に出てコンサート、とボケ老人度の高かった1日。

 夜聴いたのは年末恒例の9番(その際は"国立マーラー樂友協会"として活動)を始めとして、マーラーをよく採り上げてくれるアマオケ、3番を聴くのはこのふた月で3度目になります。

5月1日(土) 東京文化会館
 齊藤栄一指揮水星交響楽団 マーラー Sym3番
第3楽章の後に女声合唱と児童合唱(共に4-50人)が後方の雛壇に、アルトが前に位置するスタイル、ポストホルンソロは通常のTp(たぶん)、齊藤氏の標準的テンポの棒の下、最後までまずまずのサウンドを聴かせてくれました。第1楽章クライマックスでブラスがベルアップして音量が更に増した箇所が個人的な白眉、終楽章は息切れしましたが本隊の1stTpがいい音で、Tbソロは豪快系でした。