2006年12月20日水曜日

ショスタコイヤーの掉尾、デプリースト&都響の8番

 冷え込みは意外と甘く零度前後、やはり今年の冬は暖かめ、それと関係してか雲は多めで、綺麗な夜空を見上げる日も少なめ、先日のふたご座流星群も雲で遮られたような。

 デプリーストは常任になる以前、都響とのショスタコーヴィチ(11番?)が評判だったと記憶してますが、マーラーしか聴いたことがありません。マーラーでは余りベタつかず、ガッチリと響きを構築してゆく印象がありますが、ショスタコはどうでしょうか。

12月20日(水) サントリーホール
 ジェイムズ・デプリースト指揮都響 シュニトケ ハイドン風モーツァルト、ショスタコーヴィチ Sym8番
 前半は世間的にはモーツァルトイヤーであることを慮っての選曲か。小編成の弦楽に都響奏者による2台のVnソロをフィーチャーした曲、暗転した状態で演奏しながら奏者が袖から入ってくる冒頭から、最後には奏者が出て行き無音になっても指揮者だけ棒を振り続けるラストまで、予想を上回る珍妙さでした。
 後半のショスタコ、デプリーストの筋肉質なマーラーから硬質な響きを予想してましたが、全くそれに反し、柔らかめの響きと各フレーズにかなり表情を付ける解釈に驚き。弱音部での表現の豊かさでは功を奏した反面、2、3楽章では少し鋭さに欠ける印象。また1、5楽章の最強奏の際は金管(特にTb)はインバルの11番の時より吹いていてかなりの迫力でしたが、壮絶、というレベルには達しない感じ。一方弦はffではそこそこ鳴ってましたが、かなり抑えさせられたppがやや苦しかったかも。柔和で表情豊かな8番、これはこれで一つのアプローチではあるのでしょう。

 身勝手な期待をしたため、少し肩透かしを食らった感がありました。奇しくもこれから帰ってエアチェックするのはスヴェトラーノフ&LSOによるショスタコ8番、その間に録画されてる筈の亀田兄弟でも見ます。

<追記> 「掉尾」って「とうび」では変換してくれないんですね(正しくは「ちょうび」、たぶん)。まだ慣用読みとは認められてないのか…。

2006年12月16日土曜日

緩徐楽章好きの大物 - 松田理奈さんのVn

昨夜観た極真全日本大会、田中健太郎の負けは意外でしたが、内田の頑張りは見事。

 京都出張では結構ご馳走になったため、2日で2kg増加! 懸念していた通りの自己最高体重(涙)、この土日は非常事態減食モードです。

 そこそこの陽気に恵まれ、午前中はテニス。午後はブラスの「ローマの祭」を聴く予定でしたが、コバケンとのチラシ写真で気になっていたヴァイオリニストのイベントが同じ時間帯にあることを今朝発見し、そちらに行くことに。我ながら情けない位ミーハーです。

 渋谷タワレコで聴いたのは松田理奈さんのヴァイオリン、CDデビューを記念してのイベントとのこと。見た目はフツーの可愛いお嬢さんで、かなりの話し上手、トークでも演奏でも全く物怖じするところ無く、大物を感じさせます。

 トークを交えての4曲、協奏曲ではヴィルトゥオーゾ的な両端楽章より緩徐楽章が好きと語った通り、緩徐部分では深みのある音色で表情豊かに魅せてくれました。特に後半のイザイの無伴奏曲(ディエス・イレが出てくるもの)とツィゴイネルワイゼンがなかなかに圧倒的で、通常30分ほどのイベントが45分にも及ぶ贅沢なご馳走でした。

 明日はアマオケのマーラー5番、これが今年のマーラー納めかも。

2006年12月3日日曜日

ヤンソンス&コンセルトヘボウのゴージャスマーラー1番

 いやあ、昨夜のK1GP決勝大会、P.アーツには感動しました。泣きそうなくらい。また今やK1の「レジェンド」であるバンナ、ホースト、アーツを下してのシュルトの優勝は非常に価値がありますね。

 マイナス1度以下まで冷え込む中、上記の興奮も冷めやらぬ中、1時間半睡眠で早起きして午前中はテニス、午後早めに上がって、すみだトリフォニーへ。ロストロポーヴィチ&新日のショスタコ8番、チケットがが余っている人から安く譲って貰う作戦開始です。

 しかーし、大野&新日のショスタコ4番の時は上手くいったこの作戦も本日は失敗、当日券は全種ありましたが、最安席6000円と元々定価がバカ高いため断念、スゴスゴとサントリーへ移動しました。

 夜は30日に続きヤンソンス&RACO、これまた別のリッチな後輩から譲り受けたチケット、これで二人の後輩からそれぞれNYPとRACOを1枚ずつ、計4公演も譲って貰ったことになります。何たるシアワセ、何と出来た後輩達。

 不明にしてオスロフィルと来日した頃のヤンソンスを注目していなかったので、実は彼のマーラーの実演は初めてです。

12月3日(日) サントリーホール
マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管 モーツァルト PC25番、マーラー Sym1番
 前半は守備範囲外、第1楽章、ピアノの入りまでが長いのに驚きました。盛大な拍手に応え、出入りが駆け足なのとお辞儀が180度と超深いのが印象的だったソリストの内田光子女史は、アンコールにシューベルトを雰囲気たっぷりに弾いてくれました。
 そしてお目当てのマーラー、たまに個性的な表現はありますが、ヤンソンスの解釈は思ったよりもテンポやバランスをいじらず、ある程度オケに任せる印象で、音楽がよく流れてゆきます。それでもコンセルトヘボウ管はマーラーの語法は心得ており、オケ任せでもマーラーらしさは余り希薄になりません。ただ、第3楽章の後半は強弱とテンポにかなりメリハリをつけ、少し編曲まで入ってました。また終楽章の緩徐部分もそれなりに粘ってました。
 オケは今日もHrが存在感たっぷりで、特にトップ奏者のエッチっぽいヴィヴラートと全員強奏時のスラー気味のベタ吹きが見事。弦はそれ程の音量では無いれどそれなりの迫力、木管陣は今日も伸び伸びです。クライマックス、一流オケでも貧相になりがちな最後のTpのハイトーンもバッチリの迫力でなかなかゴージャスに終わりました。ただ、正統なマーラーとはちょっと違うでしょ、って感じではあります。Hrの起立は無し、アンコールも無し。

オスロフィルとの同曲の際は、お得意の悲しきワルツやハイドンのセレナードあたりアンコールをやったと思うのですが…。

2006年11月30日木曜日

ヤンソンス&コンセルトヘボウのメロディックなハルサイ

 一日晴れたと思ったらもう雨、昨年の11月は雨が少なく、平年の半分以下の降水量でしたが、今年は平年の倍近いんじゃないでしょうか。

 日中は仕事でビッグサイト、中に入るのは初めて、思ったより広くて迷いました。午後外に出たときには雨はすっかり上がって陽が射してました。

 先日のみなとみらいホールで、マゼール&NYPのゴールド会員券をタダ同然で譲ってくれたリッチな後輩に遭遇、本日のコンセルトヘボウも用事で行けないとのことで、またもタダで譲ってもらうことに。いい後輩を持ってシアワセです。

11月30日(木) サントリーホール
 マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管 ドヴォルザーク Sym9番、ストラヴィンスキー 春の祭典
前半の「新世界」は微妙に守備範囲外なのでよく判りませんが、ヤンソンスはテンポは揺らすわ、時に強弱を極端につけるわ、普通と違うパートは強調するわで、かなり個性的な解釈だった気がしますが、オケはそれを十分心得ている感じ、嬉々として表情豊かな響きを紡ぎ出していました。
 後半のハルサイ、激しく暴力的なイメージがあるこの曲を、ヤンソンスはリズムの鋭さよりもメロディを歌わせることを重視した様な解釈で、響きの厚さの割には柔らかな表現でした。特に木管群が伸び伸び歌っているのが効果的。テンポも遅いパートではやや速め、速いパートではやや遅め、たださすがに最後だけは減速と急加速を駆使してケレン味たっぷりに盛り上げていました。要所でベルアップする(しない人もいましたが)Hrが迫力でした。
 アンコールは舞曲を2つ、よく耳にする曲と聴いたことの無い曲。どちらもドヴォルザークのスラヴ舞曲かと思ってましたが、よく聴く曲の方はブラームスのハンガリー舞曲とのこと、弦セクションがガンガンきてました。

2006年11月25日土曜日

テミルカーノフのショスタコーヴィチ5番、そして爆裂アンコール

 すっきりと見事に晴れました。そのせいで今季初のマイナスの冷え込み。午前中はテニス、午後はみなとみらい→サントリーと移動してコンサートのハシゴ、ショスタコとR.シュトラウスです。

 テミルカーノフ&サンクトペテルブルクフィルのコンビ、もう7、8回は聴いてますが、真っ先に聴いていそうなショスタコの5番は何故か初めてです。

11月25日(土) みなとみらいホール
 ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルクフィル リャードフ キキモラ、チャイコフスキー Vn協奏曲、ショスタコーヴィチ Sym5番
 最初のリャードフは前半静かで後半ダイナミックな構成。続くチャイコフスキーでは、冒頭の表情豊かな入りと終楽章の激しい部分での弦からは過去に同曲で聴いたことのないぞくっとする凄みを感じました。そして今日もレーピンはデカイ音でした。旧レニングラードフィルは伝統の対向配置で弦バスは左手奥、そして金管が右端に固まってます。昨夜はサントリーのRAブロックだったのでブラスは全て死角、そのせいか響きの迫力が今ひとつだったかも。今日はL側なのでVnが届きにくくなる代わりブラスは飛んできます。
 後半のショスタコ、テンポは基本的に中庸、第1楽章はやや遅め、第2楽章はやや速めで一気に。演奏も慣れたもので、細かいところは余り合ってないのですが、委細構わず進む感じ。末広がりのテヌートなど随所に「ロシア訛り」的な表現が嬉しいところ、特に金管の吹きっぷりは音の終わり方がぞんざいだったり、長さがテキトーだったりしますが、ロシアっぽさ(個人的な決め付けですが)があって楽しいです。ブラスに関しては先日のNYPと一長一短、ただ弦の厚みがだいぶ違います。第3楽章クライマックスでの全音符アクセントを付けた様な表現が印象的。終楽章も普通かやや速めのテンポ、再現部もやや速く始まって少しずつスローダウンして、遅いスタンダード型のコーダへ突入するパターン。驚いたのはコーダに入る少し前、ムラヴィンスキーだけ違う音型をとる有名な部分はなんと従来型、つまりムラヴィンスキー時代の楽譜を使ってないことになります。全体としてかなりの迫力でしたが、驚く程でもないのは事実。以前の7番の時と似た印象です。
 昨晩は無かったアンコール、まずお得意のエルガー「エニグマ」のニムロッド(ロシア風)、これで3度目ですが何度聴いても凄いです。特にむせ返るような弦やクライマックスでのブラスの咆哮度は過去最高。これで打ち止めかと思ったらさにあらず、プロコ「ロミジュリ」よりタイボルトの死、このアンコールも2度目ですが、見栄の切り方など前回より大袈裟で、ブラスの吹きっぷりもよりハチャメチャ、少し物足りなく感じたショスタコを補って余りある爆裂度でした。

 この後に聴いたインバル&都響の感想はまた次の記事で。今夜も夜空が綺麗で冷え込みそう。明日はアマオケのマーラーです。

2006年11月24日金曜日

レーピン、そしてテミルカーノフのショスタコ13番

 本日から2日連続でテミルカーノフ&旧レニングラードフィルのショスタコーヴィチ、ショスタコイヤーのハイライトです。今夜は13番、ショスタコが好きといっても声楽中心の13、14番あたりは実演はおろか、ディスクですらまともに聴いたことがありません。例によって遅くなるので、まずは記事のみにて。

<続き>
 いま土曜の夜、思ったより早く帰れたのでこれを書いてます。この日は一言で云って、何だかよく判んないけどスゴかった、って感じでしょうか。13番を来日オケで聴けるのは、もう一生無いかもしれません。その意味歴史的な一夜かも。

11月24日(金) サントリーホール
 ユーリ・テミルカーノフ指揮サンクトペテルブルクフィル リムスキー=コルサコフ 見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語、ショスタコーヴィチ Vn協奏曲1番、Sym13番
 マニアックなプロなのに、客席がほぼ埋まっていて驚き。オープニングのR.コルサコフは予想に反し驚く程地味な曲、木管陣がチャーミングでした。次のVnC1番、何度か聴いている筈ですが、こんな凄い曲だとは知りませんでした。特に終楽章手前の3、4分に及ぶカデンツァのレーピンには鬼気迫るものがありました。そこから一気呵成のラストも壮絶。
 そしてお目当ての13番、棒を使わないテミルカーノフの指揮は相変わらず、そして重戦車の様な弦セクションも相変わらず。またブラスは常に余力を残している感はありますが、それでも東京オペラシンガーズ男声合唱の凄絶さと相俟って、第1、3楽章では相当な迫力。また意外と明るかった終楽章、時には優美に、時には激しい弦の多彩な表情が印象的。全体的にはもっとおどろおどろしく厳しい演奏が出来るとは思いますが、13番ビギナーの自分にはこれで十分です。いつもど派手なアンコールをやってくれるテミルカーノフですが、曲想のせいか、はたまた合唱がいるせいかこの日は無し。

 この感じだと、一昨日の「森の歌」もかなり凄かったのでは。

2006年11月19日日曜日

インバル&都響のショスタコーヴィチ11番

今アキバ最安(自称)のネットカフェ、ところが知らない間にメイドカフェに変わっていて驚愕! 生まれて初めて「ご主人さま」と呼ばれてしまいました。店員さんがメイドになっただけで他は変わらないので問題は無いんですが、かなり恥ずかしいです。

 午前中は小降りだったのでテニス、午後はインバル&都響のショスタコーヴィチを聴きました。感想はまた明日。

 翌日にこれを書いてます。この日は最高が10度くらい、冷たい雨の降る一日でした。インバルは何度も聴いてますが全てマーラー、したがってショスタコは初めてです。

11月19日(日) サントリーホール
 エリアフ・インバル指揮都響 ブロッホ Vlaと管弦楽のための組曲、ショスタコーヴィチ Sym11番
前半のブロッホは思ったより現代的な響きで、それなりに聴きやすい曲。そして後半のショスタコ11番、この曲の実演はまだ2度目なので定かではありませんが、インバルはやや速めのテンポ、特に深刻ぶることも、逆に醒めた感じになることも無く、各フレーズをきっちりと音にしてゆく印象。曲が曲だけに楽譜通りにやるだけで、相当盛り上がります。特に弦セクションがよく揃っていて、地響きのような迫力、管もそれに呼応し、要所でなかなかのクライマックスです。ただ、最強奏でもバランスは保たれているので、唖然とする程のブラスの咆哮、という部分が無いのが、個人的にはちょっとだけ物足りないところ。ともあれ、国内オケでこれだけのショスタコは余り聴けないのでは、という気がしました。

2006年11月18日土曜日

うねりのマーラー5番 - 大井剛史&新日本交響楽団

 朝は懸念ほど下がらず、最低気温は0.4度とかろうじてプラス、でも寒かったです。

 午前中は教え子の応援、そして午後はアマオケのマーラー。会場は新装なった杉並公会堂、入るのは初めて。木を主体とした長方形のホール、メジャーなホールで形状が近いのはオペラシティでしょうか。早めに会場に行き、今後は滅多に座れない2階席最前列ど真ん中に陣取りました。

11月18日(土) 杉並公会堂
 大井剛史指揮新日本交響楽団 モーツァルト Sym35番、マーラー Sym5番
プロみたいな立派な名称ですがアマ、かなりの老舗とのこと。Tpソロはまずまず、またソロ、パート全体ともHrがよく鳴ってました。ただ新しい版なのに、Hrソロはステージ前には出てきませんでした。大井氏の熱血型の棒に応えて、やや非力な弦がよくうねっていたのが印象的(特に低弦)。ラストではブラス全体がよく鳴って、何とかまとまった感じ。アンコールは無し。

2006年11月11日土曜日

マゼール&NYPのスローショスタコーヴィッチ5番

 早朝は降ってなかったので東京へ、着いたら雨でテニスは中止、すごすごと帰ってきました。これからマゼール&NYPのショスタコ、そして宴会と続き、帰宅は1時以降になるので、取り敢えず記事のみにて。

<続き>
 翌日にこれを書いてます。宴会後の帰還は深夜バス、何と修斗ウェルター級王者川尻達也も同じバスに、さすがは茨城! 思ったより小柄、でもムキムキでした。

 マゼール&NYPは2日目、この日もまた別のリッチな後輩からタダで(!)譲ってもらったチケット、A席です。マゼールのショスタコって、少ないんじゃないでしょうか、全然イメージが湧きません。

11月11日(土) オペラシティ
 ロリン・マゼール指揮ニューヨーク・フィル ヴェルディ シチリア島の夕べの祈り、チャイコフスキー ロココ風の主題による変奏曲、ショスタコーヴィチ Sym5番
 Hrはこの日も尋常じゃない迫力でした。オケの縦が余り揃わないのも前と同じ。最初のヴェルディは遅めのテンポでキレに欠け、かと言って表情豊かに歌う訳でもない中途半端な演奏。2曲目の大柄なチェリスト、ヨハネス・モーザーはアンコールでバッハをしみじみと披露してくれました。
 メインのショスタコ、何と言っても第1楽章のスローテンポが印象的、特に弦を一音一音響かせて、管に比べてやや弱体なのを余り感じさせませんでした。また展開部後半、息の長いクライマックスを吹ききった金管はさすが、ここが白眉でした。第2、第3楽章は比較的普通のテンポ、木管陣のソロに味がありました。終楽章はやはり遅めのテンポながら、コーダだけはバーンスタイン風の快速テンポ(オケの伝統?)、ただこのオケの金管陣にしては爆発度はやや不足気味。
 アンコールは2曲、急緩急の舞曲風の曲とお決まりのファランドール、ただ後者はこれまで5、6回聴いた中では、最後のアッチェレの度合いが一番少なめでした。

 マゼールは弦を歌わせると言っても、ヤンソンスが無視しまくっていた(2005/11/28)楽譜上のボウイングの指示をよく守っていました。デフォルメはするけど楽譜には忠実なのかも。

 東京公演楽日とあってか、終演後ロビーには立食パーティーの準備が。そこにはどう見ても多過ぎる数の給仕係の女性がずらっと並んでおり、全員が美形でかつ長身のグッドスタイル。つまりどう見ても派遣コンパニオンの趣。ああ、ブルジョアの接待パーティーって、こんな世界なんですね。

2006年11月3日金曜日

謎のガラ空きとロシアンブラス - シモノフ&モスクワフィルの展覧会の絵

 曇りがちながら気温は20度に届いた感じ、テニスをしていても少し暖かでした。テニスの後はモスクワフィルを聴きにオペラシティへ。

 このオケ、ロシアンスタイルのブリブリブラスを聴かせてくれる今や数少ない存在なのに、訳の判らん招聘元の方針により抱き合わせ公演ばかりで、その本領を聴くチャンスに恵まれません。それでも昨年はオケ単独公演が一つだけありましたが、今年は全公演抱き合わせの模様。「展覧会」をやる今日が一番の狙い目と思い、当日券参加です。

 ロシアオケの「展覧会」と云えば、数年前のテミルカノフ&サンクトペテルブルグが豪演でしたが、モスクワフィルはどうでしょう。

11月3日(金・祝) オペラシティ
 ユーリ・シモノフ指揮モスクワ・フィル メンデルスゾーン フィンガルの洞窟、シベリウス Vn協奏曲、ムソルグスキー 展覧会の絵
 数日前までのWEB販売では全席余裕で余っていたのに、当日券が全席種数枚ずつしかないのがまず謎。会場に入るとまるっきりガラガラなのが理解不能。ステージ近くだけ満席なのはソリスト主眼の公演ゆえ理解できますが、音がいいと思われる1階席後ろ半分、2階席センターブロック、3階席センターブロック、全て人っ子一人座っていないのに至っては意味不明です。売ってないのか?何故?
 当然の様にシベリウスでは各楽章ごとに大拍手、また曲が終わるや否や、なぜか袖から金管とパーカッション数名、ハープ2名が合流、何が始まるのかと思ったら、ギャレットのアンコール、クライスラー「愛の喜び」は大オーケストラ伴奏版でした。
 後半の展覧会、シモノフはゆっくり目のテンポと極端な表情付けで、おどろどろしさや諧謔味を強調、また今まで気にしてなかったフレーズが浮き上がってくることもしばしば、面白い演奏でした。期待のブラス、まずカタコンブではかなりの鳴り、キエフの大門の入りはソフトにオルガン的なサウンドでしたが、中盤からは全開、強烈なクライマックスで、ことブラスに関しては過去数多く聴いた展覧会の中でも3番目くらいの迫力でした。アンコールはシューベルト「ロザムンデ」を弦主体のサウンドで聴かせました。

 ロシアンブラス満足度は、フェドセーエフ&モスクワ放響を5、6割、去年のモスクワフィルを7割とすると、今回は8割くらいです。

 明日はアマオケでマーラーです。

2006年11月2日木曜日

ルイージの編曲マーラー - ルイージ&ウィーン響の1番

今日は曇りがち、気温も最高18度弱と低め。今夜はルイージ&ウィーン響のマーラー。ライブ演奏のディスクを聴く限りクセのある解釈なので期待。帰りが遅くなるので記事のみ作成。

 戻りました、期待通りクセのある解釈で楽しみました。

11月2日(木) 東京芸術劇場
 ファビオ・ルイージ指揮ウィーン響 モ-ツァルト フィガロ、PC22番、マーラー Sym1番
前半の2曲は守備範囲外、ただ初めて聴くウィーン響は弦が美しく、木管は味がありました。拍手に応え、ソリストの上原彩子はラフマニノフを1曲。そして後半のマーラー、パーカッションを左脇に追いやり、弦バスが最後列にずらっと並ぶ配置(他の弦は普通の並び)、たしかアバド&BPOの9番の弦バスもこの並びでした。ルイージはマーラー特有の対位法、かけ合いを強調する音作り。ただ第1楽章などテンポの揺らしは少なめで、予想より大人しいなあ、と思っていたら第2、第3楽章ではかなり派手に動かしてました。しかも第3楽章冒頭のCbソロをミュート付きの全員Cbユニゾンに編曲!ビックリです。全体として弦主体のサウンド作りで、終楽章の緩徐部では非常に表情豊かな反面、ブラスを派手に鳴らさないためffでの迫力はいま一つ。芸劇の3階で音が飛んでこないのも災いしてます。Hrの起立は無し。アンコールはウィンナワルツでした、たぶん。

<追記>
 第3楽章冒頭を弦バスソロではなくてユニゾンでやるのは新しい版の楽譜がそうなってるそうです。

 明日はアーノンクール&VPOのブルックナーです、と言いたいところですが、最安券入手難につき断念。口惜しいので爆演期待でモスクワフィルにでも行こうかと思ってます。

2006年10月28日土曜日

明剛ピアノと流柔トランペット - 高橋多佳子さんのピアノとアレクセイ・トカレフさんのTp

 曇りがちながら晴れ間も覗く、そこそこの陽気。昼過ぎまで練習し、夜の宴会まで時間があったので、インストアライブをハシゴしました。

 まずは渋谷タワレコでの高橋多佳子さんのピアノ。細身ながら思ったより長身、それを90度以上折り曲げての深いお辞儀を何度もする、腰の低い感じの方でした。明快なタッチと力強い音が印象的。ラフマニノフのピアノソナタからの一楽章、そして展覧会の絵からバーバ・ヤーガとキエフの大門を重厚にたっぷりと聴かせてくれました。

 次に銀座ヤマハに移動して、元レニングラードフィル首席のアレクセイ・トカレフさんのTp。シルバーのトランペットとゴールドのコルネットを使い分け、ロシアもの小曲を4曲、バラード調なものからヴィルトゥオーゾ的なものまでいろいろ。柔らかい音色と流れるような演奏は相変わらずでした。

 移動中の地下鉄、ある雑誌の中吊り広告に、付録DVDは映画丸ごと1本!「雨に唄えば」(このDVDは開封後48時間で内容が消えます。) みたいなことが書いてありました。「スパイ大作戦」みたい、一体どんな技術を使ってるんでしょう?

 明日はアマオケでマーラーです。

2006年10月14日土曜日

晴れ娘達の元気の出る音楽 - MODEA

朝晩はやや寒いですが、このところずっと安定していい天気、昼過ぎまでテニスをして、帰り道、昨夜置き忘れた文庫本を回収すべく、駄目もとでサントリーホールへGO。何と!ちゃんと保管してくれてました。ルツェルンの楽屋口まで行き京極夏彦を無事回収、有難う、サントリーホール!

 その後、銀座ヤマハのインストアライブに寄ってきました。

 MODEA(モーディア)という名前の、ヴァイオリン、エレピアノ、パーカッションで構成される女性3人のユニット、年間150ものライブをこなす、自称「98%の晴天率」の晴れ女とのこと。アップテンポなポップス系の自作曲を何曲か披露してくれました。可愛かったです。(と素直な感想)

2006年10月13日金曜日

アバド&ルツェルン、やわらか重戦車のマーラー

 あーあ、ダイエーはつくづくプレーオフとは相性が悪いですね。あ、今はソフトバンクか。しかし、日ハムが優勝するなんて想像もしませんでした、予想した人は少ないと思います。

 今夜はアバド&ルツェルンのマーラー本番。アバドの来日公演と言えば、LSOとの5番が最高でした。その後BPOとの9番は何とか立見席(!)で聴いたものの、2番、3番は安く入手できず断念。

 今回も馬鹿げたチケット価格設定のため一旦は諦めていた公演だけに幸せです。ただ昨日リハを聴いてるのでワクワク感は少なめ。帰りが遅くなるのて、取りあえず記事のみにて。

 戻りました。とても良かったです。満足したせいか、京極夏彦の新刊文庫を座席に置き忘れてきたくらい(大部ゆえ1200円もしたのに・・・涙)。

 私見ではアバドのマーラーは、マーラー独特のアクは少なめで、内声や対位法をクリアーにしたシンフォニックなスタイル。そして静と動のコントラストが激しく、ハマった時のffの響きはピカイチ。また実演ではディスクよりも旋律をより歌い込む印象を持ってます。

10月13日(金) サントリーホール
 クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管 モーツァルト アリアを3曲、マーラー Sym6番
前半のモーツァルト、ソプラノのハルニッシュは細身なのにかなりデカい声が出てました。そしてマーラー、まず編成が大きい!弦のプルトは多いし、ハープは3本、木管は全パート4管以上、金管も(終楽章しか出番の無い?)5th、6thTpや4thTbがちゃんと別にいて、サントリーの舞台は満員電車状態。ルツェルン祝祭管はやはり上手で、圧倒的なボリュームの弦、木管の名人芸、ドイツ風の末広がり系迫力のブラスなど、「P席だと・・・」という不安を払拭するような音の洪水、一流の演奏は聴く場所に拠らず凄いことを実感。しなやかさと豪快さを併せ持つ、柔らかな重戦車というイメージのオケでした。
 まず第1楽章は分厚い響きに圧倒され、第2楽章(旧第3楽章)はお得意の精妙なピアニシモと表情豊かなカンタービレで魅せ、そして第3楽章はアクセント強めの野趣溢れる演奏。だた第2楽章は本番では少しやり過ぎたせいか、入りのゾクッとする表情などリハの方が良かった感じ。そして終楽章、長丁場ゆえ最初から全開にはせず、ffとfffのメリハリをつけた設計性が印象的でした。
 最後の一音の後、拍手が始まるまで30秒程の静寂、BPOとの9番の際、同様に1分もの静寂が続いたのを思い出しました。ただ、9番の時はアバドが姿勢でやや演出したきらいもあっての静寂でしたが、今回はややリラックスした姿勢になった後も自然に続いた静寂だった気がします。ともあれ、この10数年で色んな意味で自然体になったアバドの到達点を見た感じです。

 今年は、ホーネック、ヴァンスカ、アバドと3人の異なるタイプのピアニッシモアーティストを聴くことが出来ました。

2006年10月9日月曜日

15周年記念は実の詰まったマーラー1番 - 河地良智&慶應義塾アインクライネスオ-ケストラ

 南無三、いま中日が巨人をリードしています。せめて12日の直接対決まで残して欲しかったです。セリーグの盛り上がりのためにも。

 あと昨夜のHERO'S、正直なところ秋山を評価してなかったのですが、ごめんなさい、お見事でした。特に打撃だけでスミルノヴァスに勝ったのには驚愕です。宇野は3R制かPRIDEルールなら可能性ありました。また嘉陽vs.シンワンチャーのWBCタイトルマッチが、深夜ひっそりとしか放送されなかったのが象徴的。

 今日も爽やかな秋晴れ、そろそろ朝晩は短パン半袖では寒くなってきました。

 翌日にこれを書いてます。昨日聴いたアマオケは、慶応といってもワグネルではなくてアインクライネス、聴くのは初めてで、どうやら飛び地キャンパス(藤沢)のせいで出来たオケらしいです。前日の深夜になってこの演奏会に気付き、当日朝にメールしたのにご招待いただきました。感謝感謝です。

10月9日(月・祝) パルテノン多摩
 河地良智指揮慶應義塾アインクライネスオ-ケストラ ベートーヴェン エグモント、ドヴォルザーク 真昼の魔女、マーラー Sym1番
 15周年記念ということで、現役・卒業生合同のオールスターメンバーだったせいか、想像よりずっと上手、特に弦の厚みはアマオケではなかなか聴けないレベルでした。特に後半の1番、解釈自体は平板でしたが、各パートしっかり鳴って響きが厚く、アマオケでこれだけみっしり音が詰まったマーラーを聴いたのも久し振りな気がします。また、なかなか壮大だったクライマックス、Hrの起立は楽譜の指示より遅め、コバケンと同じくらいのタイミングでした。アンコールは特に無し。

 ここ数日コンサートに行き過ぎなので、今夜のヴァンスカ&ラハティは諦めます。

2006年10月8日日曜日

ヴァンスカ&ラハティ響、3度目のシベリウス5番

 日曜の午後、アマオケのマーラー5番の後、西村由紀江さんのピアノを経由して期待のヴァンスカ&ラハティ響へ。

 初来日の際のシベリウス交響曲全曲チクルス以来、ピアニシモへの拘りと精緻で時に豪快なヴァンスカの音作りに魅せられています。

10月8日(日) サントリーホール
 オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団 シベリウス タピオラ、グリーグ PC、シベリウス Sym5番
 タピオラの実演は初めてで曲想すら記憶にありませんでしたが、一音一音に漲る緊張感とダイナミクスの広さは相変わらずのヴァンスカ節。グリーグ(何故?)ではオケの均質な音色が印象的。ソロのポホヨネン(子供にしか見えませんでしたが一応20代)は拍手に応えてグリーグを更に2曲アンコール演奏。
 かなり空席が目立ったので、後半はRAからLDへ移動(ごめんなさい)。これが大失敗で、音が飛んでこないし、解像度も悪くなった印象で、5番はややシャープさに欠ける演奏に感じました。それでもラストの金管の咆哮する高揚感はこのコンビならではの壮大さでしたけれど。盛大な拍手に応えてのアンコールは何と4曲! いつもの通り、「悲しきワルツ」以外はマイナーなシベリウス作品ばかりでした。

 まあ、アンコールの多さで納得はしましたが、期待程では無かった感じです。前回来日の2番といい、今回の5番といい、初来日時の演奏よりは落ちる気がしたのは、こっちの期待感のせい? でも明日の東京文化公演も、安い席が残ってたら行こうかな。(←結局自重しました。)

日本のアンドレ・ギャニオン? - 西村由紀江さんのピアノ

日曜の午後、アマオケでマーラー5番を聴いた後、夕方のヴァンスカまで少し時間があったので、西村由紀江さんのピアノを聴きに銀座ヤマハへ。

 少し遅れたんですが、着いたら凄い人だかり、通常のインストアイベントの倍かそれ以上はいたんじゃないでしょうか。ポリーニでも来てるのかと思いました。寡聞にして彼女のことは名前しか知らなかったんですが、有名人なんですね。ポップス系の自作の曲を幾つか披露、聴いた感じは日本のアンドレ・ギャニオン?って感じでした。(見当違いだったらゴメンなさい。)

 しかし、深キョンの時より客が多いのは解せません。

ホルン競奏曲のマーラー5番 - 榊原徹&オーケストラ ビバ・ムシカ

広島と横浜はエライ! 出張から戻ったら阪神の優勝確率は1%位になってるかと思いましたが、両チームのお陰で3%程度に留まってます。

 一方、パリーグのプレーオフ緒戦はこちらよりハイレベルな攻防。またシューの鈴鹿28秒台はハンパじゃなく凄いです。

 ぬけるような青空、ただ風はかなり強め。テニスはお休みして、これからアマオケのマーラー5番、ヴァンスカ&ラハティ響のシベリウス5番、と5番のダブルヘッダー(昨夜と併せればトリプルヘッダー!)です。

 まずはアマオケのマーラー、ネット申込をしたのが前日の深夜だったにも拘らず、招待券を用意して下さいました。有り難い事です。

10月8日(日) 練馬文化センター
 榊原徹指揮オーケストラ ビバ・ムシカ ウェーバー 魔弾の射手、R.シュトラウス Hr協奏曲1番、マーラー Sym5番
 新しく出来たオケの第1回公演、明治大オケの卒業生が中心のよう。マーラーはアクも毒も無い解釈、全体に音が薄いのは発展途上のオケだけに仕方の無いところか。ただ女性Tpのソロはなかなか見事でした。第3楽章でHrソロがステージ前に出る新しい版で、何とR.シュトラウスでもソロをとった日フィルの福川氏が袖から登場、更なる妙技を披露してオケを完全に食ってしまいました。第4楽章は快速テンポ、旋律やフレージングが明確になるので非力な弦セクションに合ってました。その後オケに合流した福川氏を得て俄然安定したHrパートに加え、Tb、Tpの最後の頑張りで、終楽章はそれなりに盛り上がりました。アンコールは無し。

2006年10月7日土曜日

一点新鮮のショスタコーヴィチ5番 - 松岡究&成城管弦楽団

昨日来の大荒れの天気もおさまって午後には久しぶりの青空、今は十六夜(?)のお月さんがとても綺麗です。

 朝家を出るとそこらじゅうに折れた木の枝が散乱しており、通常の台風時より多いくらい。昼間テニス、夕方アマオケとこれまた久しぶりに基本的な休日のパターン。

10月7日(土) 太田区民ホール アプリコ
 松岡究指揮成城管弦楽団 ロッシーニ どろぼうかささぎ、リスト 前奏曲、ショスタコーヴィチ Sym5番
初めて聴くアマオケですが、成城大オケOB中心の比較的新しいオケとのこと。お目当てのショスタコは終始速めのテンポで淡々とした解釈に感じましたが、終楽章再現部のみやけにゆっくりと始まってコーダへ向けて加速していったのが印象的。ただコーダの迫力はいま一つ。また一番良かったのは第3楽章の静かな再現部、低弦を響かせたバランスが新鮮で美しかったところです。オケではリストを含めTbがよく鳴ってました。アンコールは無し。

 ショスタコイヤーのせいか、5番は今年で4回目。ここ数年急速に目につくようになったのですが、この曲を「革命」と呼ぶのは勘弁して欲しいです。

2006年9月28日木曜日

内藤&ニューシティ管のブルックナー9番完成版

昨夜の亀田次男の試合、ちょっと強過ぎる相手を選んじゃったという印象。また横浜の対中日3連敗は想定外、他チーム頼みだけに、これで逆転優勝の確率が10%から5%に減った感じ。

 予想通りの快晴、ただ気温は期待ほどは上がらず20度台後半。もう真夏日は来ないのか。

 本日はブルックナー好きの知人から頂いたチケットでブルックナー9番、しかもキャラガン(+コールズ)という人の手になる4楽章補筆完全版、世界初演らしいです。そんなにブルックナーを聴かない自分には、ブタに真珠の演奏会かも。ただ今日のコンビで以前聴いた8番(これも世界初演の新稿だった気がする)では、金管をブンブン鳴らしていたので、その点は期待。

9月28日(木) 東京芸術劇場
 内藤彰指揮東京ニューシティ管 ワーグナー トリスタンとイゾルデ前奏曲と愛の死、ブルックナー Sym9番 <全曲>
 前半のトリスタン、速めのテンポで淡々とした指揮ながら、前奏曲での弦の食いつきのシャープさと音の伸びがなかなか。後半のブルックナーも基本速めのテンポで骨太な音作り。金管もかなり鳴っていて(個人的には)満足でした。問題の版ですが、まず第2楽章スケルツォのトリオが全然別物、曲想は冴えませんが、ヴィオラソロが出色。そして問題の終楽章、全体的には8番の、そしてクライマックスは5番のそれを思わせます。ただ、全体として曲想に落ち着きが無く、「白鳥の歌」の掉尾を飾るには少し品位に欠ける気がしました。まあ、(マーラー9番の終楽章と相似性の高い)第3楽章で終わる演奏が刷り込まれているせいで、どんな終楽章を聴いても違和感が出てしまうのでしょうけれど。

 インバルのCDで聴いたサマーレ&マッツカ版の終楽章と、かなり違う印象を持ちました。と言っても覚えてないだけかもしれません。

2006年9月11日月曜日

冤罪、死刑制度、ラーメン - 島田荘司「光る鶴」


 あーあ、シャラポワ勝っちゃったじゃないですかあ。彼女の全米初優勝を放送しないなんで殆ど犯罪です。まあ、昨年のアガシの決勝進出無放送に比べれば、犯罪度は少し低いですけれど。

 あと昨夜のモンツァ、シューはやっぱり引退しちゃうんですね。またBMVザウバーの速さには驚き。

 早朝の雨をついて、試合で大磯ロングビーチへ、現地の天気は何とか持ちましたが、散々待たされた挙句、相手が現れず不戦勝。また明日も早起き&長旅です。

 待ち時間で本が1冊読めました。島田大先生の文庫新刊です。

光る鶴 島田荘司
 吉敷竹史ものが3編。表題作は長めの中篇、著者が力を入れている冤罪&死刑制度もので、「秋好事件」「天に昇った男」に続き、実際の事件を題材にすること3度目、少しくどいかも。あとの2つは吉敷の若い頃のエピソードを綴った掌編と、「灰の迷宮」に出てきた人物を主人公とする番外編。氏の作品を続けて読んでいる人には感慨深い反面、予備知識の無い人には全く薦められません。

 「灰の迷宮」の内容はすっかり忘れてしまいましたが、九州ラーメンに関するエピソードに泣いた記憶だけ残ってます。「光る鶴」巻末解説(光文社文庫)によると、「灰の迷宮」は今年ドラマ化され、星野真里が好演だったとのこと。是非観てみたいものです。

2006年9月5日火曜日

晩夏、何度も殺される「僕」 - 連城三紀彦「どこまでも殺されて」

 えーん、さっき家に帰ったらP.ケイツ「パラダイス」の留守録に失敗してました。出掛けに2度も確認したのに…。原因不明、理解不能。ほぼノーカット放送だし、P.ケイツが若過ぎるため英米ではDVD化されずネットにも流れにくいソースだけに残念。

 4日続いた残暑の中でも今日は一番の陽気、都心では35度近かったとか。仕事を休んでサマーランドで試合、何の因果か友人と対戦、過去1勝1敗でしたが暑さのお陰で第2セットで相手が体調不良となり勝利、よって明日も試合です。

 試合会場で日向ぼっこをしながら本を1冊読了。連城三紀彦の短めの長編。彼のトリッキーな作品群は殆ど読んでる気はするのですが、この作品は読んだかどうか憶えておらず、100円コーナーで見かけた際に(再)購入しておいたもの。

どこまでも殺されて 連城三紀彦
 7度も殺された「僕」が、今まさに8度目に殺されようとしている、というあり得ない物語。アクロバットの名人がこれをどう料理するかお手並拝見、といったところですが、同じ人が何度も殺される同趣向の「私という名の変奏曲」に比べると、いま一つの感がありました。まあ、それでも単純に楽しめますし、青春小説としても読めます。

 結局読了後も読んだ事があるかは判らずじまい。本日の陽気にピッタリの表現があったので、ここに引用:

昨日の日曜から再び夏が舞い戻ったように暑くなっている。ただしそれは真夏の暑さとは違う。数字的な気温は夏と変わりないのだが、町を焼く陽ざしの白さにはどこかに秋へと溶暗する季節の翳りが感じとれた。

2006年8月20日日曜日

ガンジーとジーン - 伊坂幸太郎「重力ピエロ」

 厳しい残暑は続く、という予報も関東は適用外らしく、ギリギリ真夏日という程度。ただ実家の方は20日連続の真夏日で、昨日なんか37度あったとのこと。暑さで石川に負けるのはかなり悔しい…。練習もコンサートも予定が無く、壁打ちなどして地元でおとなしくした一日。

 バスケの世界選手権が開幕、日本開催だけに地上波で観られるのが嬉しいところ。アメリカが本気モードっぽいのも楽しみ。でも、まさか日本がらみの試合しか放送しない、ってことは無いでしょうねえ。

 死のロードの原因とは言え、3連覇という歴史的瞬間は見逃せないと、午後は高校野球決勝をTV観戦。熱い試合ながらさすがに18回までには決着がつくだろうと思ってたら、あれ?15回で打ち切り?数年前に延長規定が変わっていたとは知らなかったっす。

 今日も先日の試合の時に読んだ本から。伊坂週間の最後を飾るのは所期の目的だったこの高名な第4作です。

重力ピエロ 伊坂幸太郎
 普通人の主人公と一風変わったその弟、この「最強コンビ」が連続放火事件を追う、というストーリーを軸に、現在・過去のいろいろなエピソードが積み重ねられることによって魅力的な物語が紡ぎ出されます。例によって様々な伏線が結末へ向かって収束します。初期2作(オーデュボンラッシュライフ)の物語世界とのクロスオーバーも効果的。メッセージもはっきりしているし、語り口も(たぶん)巧くなってるので、より一般的に好評を博したのは解ります。が、ミステリー的見地からすると、個人的には最初の2作の方をより高く評価します。僕もガンジーを深く尊敬していますけれど。

 文庫化に際し加筆された挿話「燃えるごみ」は無かった方が良かったと思います。

2006年8月18日金曜日

個性派4人組 - 伊坂幸太郎「陽気なギャングが地球を回す」

 得意先の横浜銀行より3日間たっぷりご融資いただいて、セ・リーグ再開、と思ったんですが、期待に反し預金はたったの1つ。世の中甘くないです。高校野球はそのせいで死のロードに出てるかと思うと口惜しくてマトモには観ていませんが、昨日の智弁和歌山vs.帝京など、今年は呆れる程劇的な試合が多いですね。

 本日は久し振りにこれぞ真夏!という陽気、心なしかセミの声もより元気な感じ。ただ、いつの間にかツクツクボウシやヒグラシの声も混じっているのが「もう夏は終わるぞ」と言ってるようで物悲しいです。

 本日も帰省時に読んだ本から、映画化もされた伊坂幸太郎の第3作。

陽気なギャングが地球を回す 伊坂幸太郎
 やや変わった能力を有するギャング4人組の多視点(でも、やや神の視点っぽい)で、銀行強盗にまつわる物語がテンポよく語られます。勿論ヒネリはありますが、前作以上に伏線が公明正大なので、展開が読まれやすいのがやや難点かも。元より著者には隠す気が無いんでしょう。過去2作の物語とのクロスオーバーも少なめ。(この物語の田中さんは「オーデュボンの祈り」の田中さんとは別人ですよね?風体が違い過ぎるし…。) 一気に読める楽しい小品、といった印象です。

2006年8月16日水曜日

スタンダードナンバー、ノンスタンダード群像劇 - 伊坂幸太郎「ラッシュライフ」

 今日も小雨が残る天気で30度割れ、そのうちに夏が終わっちゃいそうで不安です。

 ジャズもロックも素人ですが、リンダ・ロンシュタットがネルソン・リドルと組んでスタンダードナンバーを歌った3枚のアルバム「ホワッツ・ニュー」「フォー・センチメンタル・リーズンズ」「ラッシュ・ライフ」は大好きで、収録曲をよく口ずさみます。自転車で長距離移動する時など、アルバム一つまるまる歌う程。ただ、どうも歌詞を覚えられなくて上手く歌えない曲がいくつかあり、3枚目の表題曲「ラッシュ・ライフ」もその一つ。

 この1週間、帰省と試合のお陰で移動時間が多く、伊坂作品を3冊読みました。どの作品からも著者のジャズと映画への愛が感じられますが、第2作ではまさにジャズがタイトルです。

ラッシュライフ 伊坂幸太郎
 前作とはうって変わって群像劇仕立て、紳士的な泥棒、未来を予言する男、殺人を計画する男女などの物語が交錯し、一筋縄では行かない巧妙なプロットが構築されます。また、くっついたり離れたりするバラバラ死体など、初期の連城三紀彦作品を思わせる幻想的な謎まであります。伏線がやや公明正大に過ぎる感もありますが、後半に物語が収束してゆくカタルシスは素晴らしいものがありました。ただ、巧さは感じますが衝撃度は前作より落ちるのも事実。

 氏の作品はほぼ全作がそうらしいのですが、登場人物など物語世界が「オーデュボンの祈り」と交差してるのも興味深いところです。

2006年8月8日火曜日

カカシ - 伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」

 近づく台風の影響か日中は気温が上がらず、連続真夏日はたったの5日で途絶。深夜に28度くらいあった都心ではお昼の12時頃に最低気温を記録してるのでは。

 本は文庫しか買わない/読まない主義なため、時流に3-5年くらい遅れます。その登場がここ5年の最大の事件とされる伊坂幸太郎も未読。今や古典とすら評価される「重力ピエロ」が待望の文庫化なったので、それを読むために、まずデビュー作を手に取りました。

オーデュボンの祈り 伊坂幸太郎
 いやあ、確かにスゴかったです。変な孤島を舞台に変な事件が起こるんですが、内容に上手く触れられません、とにかく読め、としか言えない感じ。ミステリー的部分に関しては書き方を変えればもっとキレが出るのに、とは思いますが、奇天烈で独特な物語世界に目が眩んで、そんなことはどうでもよくなってしまいます。純文学オンチで殆どミステリーしか読まないので定かではありませんが、フィクションの凄さ、をこれだけ感じさせてくれる作品は余り無いんじゃないでしょうか。

 8月上旬は伊坂週間になりそうな勢い。

2006年8月4日金曜日

飯森&東響の2番

 昨日同様、真夏の陽気でニコニコです。35度くらいになったのでは。

 今夜は飯森範親&東響による「復活」、このコンビでは数年前に5番を聴きましたが、やや弱音部の繊細さに欠ける反面、ダイナミックな部分では迫力ある演奏だったと記憶しています。2番はどうでしょうか。

8月4日(金) ミューザ川崎
 飯森範親&東京交響楽団 マーラー Sym2番
やや遅めのテンポを基調に、時にテンポを揺らして5番の時より細部を歌い込む感じの解釈でしたが、オケがそれを半分くらいしか音に出来ていない印象。また、肝心の強音部も弦管ともに少し音に厚みが欠ける印象でした、ホールと席位置のせいかもしれません。次のサントリー公演では、ずっと良くなると期待されます。ただ、バンダが舞台上に加わってHr11本、Tp10本となったクライマックスでは、(飯森氏自ら指導の)合唱の頑張りもあって、壮大な響きが聴けました。あとTbのトップと舞台裏のTpソロの柔らかな音色も印象に残っています。

 開演前の時間帯、ホールの建物前の広場でフジモトタカコというシンガーがストリートライブ(?)をやっており、なかなかいい感じでした。

2006年7月30日日曜日

イシイ=エトウ&ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラのショスタコーヴィチ5番

 M.ウィーはまたも残念でした。ちょっと太めになりましたけど。ハーツクライも残念でした。一時は直線でいった!と思いましたけど。今夜はこれからK1札幌大会、昨年より「原点回帰、実力主義」を標榜してきたのにPRIDEの放送をやめた途端、そちらのイロモノ路線を引き継いだマッチメークには少しげんなりですが、まあ、マトモな試合もありますので。

 本日はそこそこ晴れ、ついに梅雨明けとのこと、ただ気温は低めで30度弱。午前テニス、午後コンサートと典型的な休日パターン。テニスの後にグロ氷を食べに行ったらお店が閉まってました。こんなことは初めて。老夫婦だったから店じまいしたのかも、だとするとショック…。その近くのコンビニに寄りシャビ乳でガマン。

 午後は久しぶりに人見記念講堂でのコンサート、初めて聴くユースオケで、住友商事が支援する常設オケとののこと。ただ今回はキンボー・イシイ=エトウ(彼を聴くのも初めて)を招いて行ったサマーキャンプの打ち上げ演奏会の趣。

7月30日(日) 人見記念講堂
 キンボー・イシイ=エトウ指揮ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ チャイコフスキー 白鳥の湖、ショスタコーヴィチ Sym5番
 メンバーは見た感じ大学生から高校生あたりが主力。最初の一音から弦セクションの伸びやかな音に驚かされました。木管のソロも達者、金管の響きも柔らかいのに迫力があり、想像よりずっと上手でした。音大のオケの印象に近いです。白鳥の湖から8曲抜粋した組曲は、次から次へと大迫力の盛り上がりで、こりゃショスタコは凄いことになるかも、と思いましたが、曲想の違いか、少し息切れしたのか、それ程でもありませんでした。
 イシイ=エトウのショスタコは全体的には余りクセが無くシャープな響きで進めてゆく印象でしたが、時たま個性的な表現も混じります。2楽章でのポルタメントっぽい節回し(やや大袈裟)と、終楽章のコーダ界隈、ちょっと変わったところでに急に減速したり、最後の一音を異常なまでにケレン味たっぷりのクレッシェンドで終えたりしたあたりが印象的。ただ彼の指揮、拍は比較的しっかり振るのですが、個々の奏者へのキューは少なめだったので、出損なってしまうパートが少しありました。アンコールは特に無し、会場の大喝采の割には淡々と帰り支度を始めていました。

2006年7月23日日曜日

コバケン炸裂のマーラー1番 - 三矢幸子&小林研一郎&江戸川フィルハーモニーオーケストラ

 本日も曇り&低めの気温。今日のアマオケは迷った挙句マーラーに行くことにしましたが、出掛ける段になって時間帯が重なっていないことに気付きました。が、ちょっと手遅れ。日曜のアマオケは昼下がり、と勝手に思い込んでいたのが間違いの元。

 ともあれ、夕方開演だったマーラーは余裕で聴けました。たぶん初めてのホールに初めてのアマオケ。創立20周年記念で初めてのマーラーに挑戦とのこと。今年4度目のコバケンですが、指揮するのは後半のマーラーのみで、前半は違う指揮者、という変わったコンサートです。

7月23日(日) 江戸川区総合文化センター
 三矢幸子&小林研一郎指揮江戸川フィルハーモニーオーケストラ バッハ VnとObのための協奏曲、シューベルト 未完成、マーラー Sym1番
 最初はバッハなのに何故か大編成(Tbなんて4本!)、あれ、と思っていると指揮者無しで知らない小曲が、江戸川区の区歌とのこと。コバケンの「巨人」は少なくとも2度聴いてますが、前回の日フィルとの演奏に比べると最初の2楽章はやや淡白な感じ、反面、両楽章ともラストのアッチェレランドはより激しくなってました。第3楽章の前、チューニングの間にコバケンがお客さんに向かい「もう少し静かに」という意の異例のコメント。そして自らの説教で気合が入ったのか、第3楽章以降は身振りも唸り声も倍増し、演奏も更にノリがよくなりました。特に終楽章冒頭から中盤までのブラスの鳴りはハンパじゃ無い豪快さ。ラストは若干息切れしましたが、弦・木管もかなり鳴ってましたし、全体としては期待通りの豪演でした。
 ラストのHrが立つ部分ではベルアップのみ、そしてコーダでいきなりブラス全員起立、というパフォーマンスは前回の日フィルと似た演出。アンコールは例によってコーダをもう一度、休憩した分、ブラスの鳴りは本番よりこっちの方が良かったかも。

2006年7月21日金曜日

プチ科学ミステリー - 東野圭吾「探偵ガレリオ」

 本日も雨がちで終日20度前後、真夏日が当然の季節にこの気温は寒いです。

 今日も最近読んだ本から。東野圭吾の「容疑者xの献身」が昨年度のベストミステリーとの評価を得、それを読む時に備え、シリーズ第1作を古本屋で見つけ次第購入しておいたもの。

探偵ガレリオ 東野圭吾
 天才科学者(?)湯川が、友人の持ち込む数々の難事件に挑む連作短編集でその後シリーズ化。中には巧みなミスディレクションのある作もありますが、基本的には事件ごとの科学的な種明かしがポイントで、それにほほう、と感心するか否かで評価が違いそう。研究者サイドから見ると肝心の科学ネタに不正確なものもあり、著者の水準作より落ちると感じました。

 主人公湯川のモデルとされる佐野史郎が巻末解説を書いてる(文春文庫版)のが気が利いてます。確か「秘密」でも主人公を演じた広末涼子が書いていたような。

2006年7月20日木曜日

乙一流ゴーゴン - 乙一「平面いぬ。」

対巨人、雨で1試合しか出来なかった割には予定通り貯金を1つ増やして上々の前半戦終了。またディープインパクト、世界ランク1位とは壮挙です。もしかして凱旋門賞の中継があるかも。

 何とか天気は持ちましたが、前線が南下したことからも分かる通り気温はかなり低め。雨で流れるごとに試合開始時間が10時→9時→8時と早まり、今朝は5時前に起きて出陣する羽目に。第1シードに1時間でシバかれ、お昼には職場復帰。本日のお小遣いは1,700円、この3日間の交通費の5分の1にも満たない額ですが、久し振りなのでちょっと嬉しいかも。

 この3日間でかなり本は読めました。その中から1冊。

平面いぬ。 乙一
 天才の第3作品集、短編を4つ収録、例によってホラーからファンタジーまでいろいろですが、どちらかというと「せつない系」が主体。唯一ミステリー仕立てになっている「石ノ目」が個人的にはお気に入り。「はじめ」は映像化にぴったり。また、勘が鈍くて「平面いぬ。」は泣きそびれました。

2006年7月17日月曜日

祝祭のマーラー - 金洪才&市川交響楽団のマーラー2番

あちゃー、阪神さすがに3タテは無理でした。まあ、2勝1敗でよしとしましょう。またフランスGP、アロンソしぶと過ぎます。シューが差を全然詰められません。

 今日は雨、気温も終日25度弱と低め、午前のテニスはキャンセルで、午後にアマオケへ。節目でマーラーを取り上げる市民オケで、今回は創立55周年とのことです。

7月17日(月・祝) 市川市文化会館
 金洪才指揮市川交響楽団 マーラー Sym2番
このオケでマーラーを聴くのはたぶん3度目、うち金洪才は3番に続き2度目。氏のマーラーはクセが無い代わり、遅めのテンポで各フレーズをじっくり歌わせる感じで、全パート穴が無いこの老舗オケがそれにしっかり応えてました。特にクライマックスは8本のTpと11本のHrがよく鳴って、なかなかに壮大な響きでした。また、通常チューブラー・ベルを使いそうなところ、3つの大きな鐘(カリヨン?)を使っており、その荘厳な響きが効果的でした。

 このオケ、地域振興を意識し「クラシック音楽をより多くの市民に」をモットーにしてるだけあって、全てのコンサートは無料、楽章の途中でも入場可、そして長い曲の場合は途中休憩、という方針のようです。今回は第2楽章の後(第1楽章の後では無く!)に15分休憩が入りギョッとしました。

2006年7月13日木曜日

全曲版、2年連続 - 沼尻&日フィル ダフニスとクロエ

昼過ぎまで晴れてましたが、夕方から少し雨。気温は余裕で30度超、お昼休み外へ出た際、身体にねっとりとまとわりつく真夏の空気感を今年初めて楽しみました。

 今日は日フィルのコンサート、一昨日に続き知人からの頂き物、有難い事です。「ダフニスとクロエ」の全曲版を生で聴くのは初めてです。

7月13日(木) サントリーホール
 沼尻竜典指揮日フィル 邦人現代曲、ラヴェル ダフニスとクロエ<全曲>
ダフニスとクロエの全曲は3部構成でトータル50分程、第3部がお馴染みの第2組曲に対応、長丁場も退屈せず楽しめました。1、2部は初めての生なので標準的な演奏と比べてどうなのかは判りませんが、100人を超す合唱、ウィンドマシーンや舞台裏から聴こえる種々の楽器と相俟って、スケールの大きな響きが聴けました。茶髪のHrトップが難しいパッセージを無造作にこなしていたのが印象的。一方聴きなれた第3部、クライマックスはなかなかの迫力でしたが、夜明けの部分の響きに壮大さが足りない気がしました。

 日記を振り返ってみたら、丁度一年前にも同じコンビで「邦人作品初演&舞踊音楽全曲版初体験」というパターンがあったことを思い出しました。

2006年7月11日火曜日

コバケンの幻想再び - 小林研一郎&ハンガリー国立フィルの幻想

出張中に阪神が連敗してるのでは、と不安でしたが、どうやら無難に勝ったり負けたりしていた模様。でも中日との差が開いてるのは何故?向こうは連勝してるらしい。

 帰りの飛行機でも映画を2本観ましたが、驚いたのは音楽chで去年聴きに行ったサンティ&PMFの「ローマの祭」のライブ音源をやっていたこと。また出張による最大の痛恨事は9日のメルクル&国立音大のマーラー3番を聴けなかったことです。

 大量に溜まったメールを整理してる中に、今日のコバケン&ハンガリー国立フィルのお誘いを発見! 速攻連絡を取り、何とか間に合って、いざ出陣。この前聴いた日フィルとの幻想の爆発度は低かっただけに、今回に期待。例によって記事だけ作っておきます。

 翌日に続きを書いてます。いやあ、色んな意味でコバケンが爆裂した夜でした。

7月11日(火) サントリーホール
 小林研一郎指揮ハンガリー国立フィル エグモント、シベリウス Vn協奏曲、幻想Sym
エグモントはそれなりの印象でしたが、シベリウスで既に木嶋真優のソロが無い部分では相当開放的にオケを鳴らしてました。その傾向は期待通り幻想で炸裂、弦のクセのあるアクセント、木管の思いっきりのいい吹きっぷり、金管のベタ吹き(特にHr)など、ここまでやればあっぱれ。クライマックスは見事な大噴火でした。3ヶ月前の日フィルと何でこうも変わるんでしょう?コバケンの要求を少々やり過ぎ、と思ってもその通りにやれる奏者の国民性、若しくは指揮者に対する信頼度の違い、なんでしょうか。
 アンコールは十八番のダニー・ボーイ、ハンガリー舞曲(第5番?)、幻想のラスト30秒、と続き、その間にいつもの口上、ハンガリー語に関する小ネタ、仕上げにスタンディング・オーベーションの強要、と続くコバケンのフルコース、良くも悪くもコバケン節炸裂の一夜でした。

 このコンビ、過去2度聴いた公演は1勝(サン=サーンス3番)1敗(マーラー5番)でしたが、これで2勝1敗です。

 ちなみにこの夜のチケット、日頃クラシックとは無縁のテニスの先輩から回ってきたもの。先輩のテニス仲間がコバケンの知り合いらしく、S席を5枚いただいたとのことで、殆どがサントリーホールは初めての面々、4人ともシベリウスもベルリオーズも初めてなのに、いたく感動していました。僕の隣に座ったのはタレントの菊川怜さんのお父さん、彼とは一度テニスをご一緒した程度の知り合いですけれど。

2006年6月30日金曜日

パパ・ヤルヴィ&日フィル、風通しのよいショスタコーヴィチ5番

 今夜の巨人vs.阪神が12chで放送とは隔世の感。今日はK1中量級決勝ラウンド、W杯も準々決勝2試合、ウィンブルドンもあって嬉しい悲鳴。そしてツールも開幕、アームストロング引退撤回、ってことは無いようで残念。こっちは放送ありませんけど(涙)。 その前にコンサートがあるので記事のみ作成。留守録集中です!

 ヤルヴィはエーテボリ響とのコンビでのみ、しかもシベリウスとマーラーしか聴いたことが無く、どれも素晴らしい演奏でしたが、ショスタコはとんとイメージ出来ません。どんな演奏なのか興味津々でしたが、驚いたことに何と非常にニュートラルなショスタコでした。

6月30日(金) サントリーホール
 ネーメ・ヤルヴィ指揮日フィル バーバー 弦楽のためのアダージョ、グリーグ 4つの交響的舞曲、ショスタコーヴィチ Sym5番
 オープニングに予定外のモーツァルトをちょっとだけ演奏、記念の年だから?その後のバーバーは、息子と違って普通のテンポ、節目だけを抑えつつ歌い回しはオケ任せで伸びやかに、そしてクライマックスの最強音のみ大見得を切って粘りに粘ったのが効果的でした。次のグリーグは、舞曲というより交響曲といった感じの派手な曲、ここでも基本はオケ任せで、日フィルから(特に弦)生き生きとした響きを引き出していました。
 そしてお目当てのショスタコ、冒頭からして過去聴いたことが無い程あっさりとしたスタート、基本は速めのテンポで、縦だけは常にキチッと合わせる指揮で、表情付けは奏者任せです。ブラスの吹きっぷりもそれなり(終楽章冒頭だけかなり激しかったです)、第2楽章の諧謔味もほどほどと、実に風通しの良いショスタコでした。タコヲタには喜ばれないスタイルでしょうが、これもありかなという印象です。白眉は第3楽章、ここだけは遅め(普通)のテンポで、最小の手振りで弦の音量を精妙にコントロールしつつ(この辺が息子にはまだ真似出来ない)、木管のソロは自由に歌わせており、聴き応えがありました。
 盛大な拍手に応え、アンコールに聴いたことの無い弦楽作品をやってくれました。

 勝手なもので、ロシア指揮者がロシアオケでこんな演奏をやると不満タラタラなのに、このコンビならOK!って感じです。ともあれ、パパヤルヴィはオケの良さを引き出すことに長けた指揮者だということを知りました。

2006年6月29日木曜日

ジダン、ヤルヴィJr - クリスチャン・ヤルヴィ&東フィル 展覧会の絵

 (地上波放送が無かった(怒)ので一日遅れですが…) いやあ、ジダン凄いっす、ラストゲームだなんて書いてごめんなさい。最後のシュート、ダイジェストを観ただけでゾクッとする程ですから、生放送で観ていれば泣いちゃったかも。しかし、あれだけのタレントを揃えながら、スペインはやはりスペインでしたね。まあ、その意味オランダもやはりオランダでしたけど。

 次の準々決勝でスペインとの華々しい応酬を観たかったところですが、まあ、フランスに8年前の決勝の借りを返せるのはある意味もっと嬉しいかも。何といってもあの時はジダンにヘッドを決められる屈辱(?)でしばし茫然としましたから、今回は倍にして返して、引退に花を添えてあげましょう。

 これでベスト8が出揃ったわけですが、当然、というチームを除けばやはり怖いのは下馬評の低かった地元ドイツ、前回ぼちぼち程度のメンバーで決勝まで行き、コンフェデ杯でも経験不足のメンバーで3位になった(ブラジルも苦戦)勝負強さは侮れません。暑さと日程の厳しいW杯では平均年齢の若さが物を言う(http://fifaworldcup.yahoo.com/06/jp/060605/1/5zij.html)といった過去のデータもあります。大会前半のベストチーム、アルゼンチンとの次戦でその真価が問われるところ。

 個人的な希望としては、フランスを撃破した後は、調子の出てきたイングランドとの激戦を制し、決勝でアルゼンチンとの華麗な対決を見たいところ。まあ、決勝の相手はイタリアでもいいけど、ドイツは嫌です。

 本日はついに30度突破! 空も結構晴れてます。今夜はヤルヴィ弟の2日目、帰りが遅くなるので、感想はまた明日。

 翌日にこれを書いてます。まずまずでしたが、先週の「弦楽のためのアダージョ」で感じたような衝撃は無かったです。

6月29日(木) オペラシティ
 クリスチャン・ヤルヴィ指揮東フィル 「ペール・ギュント」第1組曲、トゥール 電子チェロ協奏曲、展覧会の絵
 最初のグリーグは柔らか目の音色をベースに、終曲ではメリハリのある迫力も。白眉は「オーゼの死」後半、先週のバーバーと同様、しつこいくらいのマーラー9番風の超ピアニシモ表現。この辺が彼の特質か。2曲目は現代曲、電子チェロは弦と指板(黒いところ)の部分だけで、奇異な形状。でも音は結構普通です。盛大な拍手に応えて、ソリストのゲリンガスは定番のアンコールを2曲(「熊蜂の飛行」と「鳥の歌」)も演奏してくれました。
 後半はお目当ての「展覧会の絵」、「こびと」と「バーバ・ヤーガ」でのメリハリのある激しい表現と「カタコンブ」「キエフの大門」でのハーモニーが美しいまま音量を出すブラスが印象的。終曲の迫力は期待した程ではありませんでしたが、ラスト、長ーいクレッシェンドの後の最後の一音は余韻もたっぷりの大音響で綺麗に決まりました。

 明日(30日)はパパ・ヤルヴィです。

2006年6月25日日曜日

伝説の始まり? - クリスチャン・ヤルヴィ&東フィル 弦楽のためのアダージョ、火の鳥

 昨夜コンサートから帰って、W杯決勝T2試合、F1予選、NBAダイジェストと観るものが多すぎて徹夜。朝方力尽き、午前中は3時間ほど寝てしまいました。

 昼前に復活し、今日もコンサートへ出陣。ヤルヴィ家の次男。どんな指揮をするか楽しみです。

6月25日(日) オーチャードホール
 クリスチャン・ヤルヴィ指揮東京フィル バーバー 弦楽のためのアダージョ、コープランド Cl協奏曲、ストラヴィンスキー 「火の鳥」<全曲>
 オープニングのバーバーが白眉、非常に遅いテンポで繊細に一音一音重ねてゆく演奏で「おいおい、マーラー9番の終楽章かよ!」と突っ込んでしまう程。東フィルの弦にもう少し音の潤いと音程の正確さがあれば、伝説の演奏になっていたと思います。
 次のコープランド、ソリストのストルツマンは落ち着きの無い物腰と妙に深いお辞儀が印象的。勿論演奏は最初の一音からその存在感は凄かったです。鳴り止まぬ拍手に応え、練習曲っぽいアンコールを奏してくれました。
 そしてメインの「火の鳥」全曲。これもppへのこだわりを感じるなかなかの演奏でしたが、前半の叙情性、中盤からラストの迫力、ともにそれなりで、バーバーに比べると凄さは感じませんでした。音色の変化が少し乏しかった気もします。また個人的には、バンダのTpを舞台裏に置いたせいでクライマックスのハイトーンが全く聴こえず、原典版特有の壮大な響きが聴けなかったところが大いに不満でした。

 ともあれ、只者ならぬ指揮者だと感じさせられました。木曜の「展覧会」も楽しみです。その前に今夜もW杯にF1にと大忙しです。

2006年6月24日土曜日

快速コチシュ&ハンガリー国立フィルのチャイコフスキー

 スペインの層の厚さには呆れます、イニエスタ、ホアキン、レジェス、セスク・ファブレガス等々、錚々たるメンツが、なかなか出られないんですから。とは言え、毎回期待を裏切るチームですから決勝Tでは意外と脆いと思ってます。

 本日は思ったより晴れて、そこそこの陽気。気温も30度近く、(個人的には)テニス日和。朝から昼過ぎまで練習して、今アキバのフリーネットスペース。これから夕方はコンサート、名ピアニスト、コチシュの弾き振りです。遅くなるので、例によって記事のみ作成。

 翌日の感想UPになります。ハンガリー国立フィルって、以前はハンガリー国立響って言ってた気がしますが、結構前に改名してたんですね。

6月24日(土) 東京文化会館
 ゾルタン・コチシュ指揮ハンガリー国立フィル スラヴ行進曲、ベートーヴェン PC4番、チャイコフスキー Sym6番
 スラヴ行進曲冒頭、そのテンポの速さにビックリ、そう云えば行進曲だったんですね。クセのある歌い回しも印象的。悲愴も同様に基本はテンポ速めで余り粘らない演奏。ただ、元々速い第3楽章などは普通のテンポ。金管の鳴り、特にTbは凄く、昔カラヤン&PPOのディスクで話題になった、第1楽章中盤のTbがffで下降する動機は見事な吹きっぷりでした。木管陣も味のある演奏。最初は冴えなかった弦も後半徐々に伸びとキレが出てきました。
 あと印象的だったのは悲愴を全楽章続けて演奏したこと。第3楽章後の拍手防止作戦でしょうか? そのあとはいかにも、というベタなアンコールが2曲、ハンガリー舞曲(第1番?)とラコッツィ行進曲。両曲ともやはり快速テンポで疾走し、後者のラストだけ、たっぷりと見得を切って豪快に鳴らしての大団円でした。

2006年6月23日金曜日

天才の2つのベクトル - 乙一「天帝妖狐」

久保田骨折!しかも私生活で。絶句…、これで今年はダメかも。

 ユーロ2004でのベストチーム、チェコの敗退は残念。決勝T1回戦でブラジルとの対戦を楽しみにしてましたが、ポルトガルと同様、タレントがいる割には選手層が薄めなので主力の故障の影響は大きいよう。

 一方我がセレソンはお陰さまで、不調ロナウドの練習、カフーなど年寄り組の休息、シシーニョやジュニーニョなど控え組の実戦と、決勝Tへ向けたっぷり調整させて頂きました。

 終日曇りで気温も平年並み。今日も先週読んだ本から。天才乙一の第2作品集です。たぶんまだ10代の頃の作。

天帝妖狐 乙一
 ミステリー(MASK)とホラー(狐)、毛色の異なる中篇が2本、どちらも著者の典型的な特質。どっちの作品が好みかで、読む人の嗜好がはっきり判ります。(無論僕は前者)
<< 以降ネタバレ注意!! >>
 「A MASKED BALL」はジュヴナイルタッチで、(意図的かもしれませんが)珍しく書き手の若さを感じさせる作品。トイレの落書きという設定は秀逸。伏線も見事な良質の本格ミステリーになってます。「仮面ライダー」で気付かない自分のバカさ加減に呆れました。一方表題作は「泣かせ」系のホラー、「オペラ座の怪人」「シザーハンズ」あたりを思い起こさせます。ただ初出の新書版(?)とは内容が大幅に違うらしく、文庫版ではミステリー部分をばっさり切り、切ない系の部分に重点を置いたとのこと。うーん、初出の方を読みたかったかも。ただ、人工臭のするミステリーよりも、切ない話を求める人の方が圧倒的に多いので、殆どの人は改稿版の方を推すんでしょうけれど。

 明日はハンガリー国立フィル。たまにはスカッと晴れて欲しいものです。

2006年6月21日水曜日

ジャッド&新日の陽性ショスタコーヴィチ7番


 交流戦が終了、阪神は首位に立っている予定でしたがゲーム差無しの2位。まあ、上々でしょう。

 曇りがちで湿度が高め、気温は朝から晩まで20度前後と一定。今夜はジャッド&新日でショスタコーヴィチの7番。例によって帰りが遅くなるので、感想はたぶん明日になります。

 夜半からは雨、その天候とは裏腹に陽性のショスタコーヴィチでした。

6月21日(水) サントリーホール
 ジェームズ・ジャッド指揮新日フィル ショスタコーヴィチ Vn協奏曲1番、Sym7番
前半のVn協奏曲1番は個性的な曲、守備範囲外なのでよく判りませんが、ソリストの渡辺玲子さんは拍手喝采を受けてました。そしてお目当ての7番、バンダはまたも舞台上の右奥(残念)。ジャッドは指揮棒を使わず、右手で拍をきっちり刻むシンプルな指揮スタイルで、要所では両手の表情がいろいろ変化して起伏を作りだす印象。サウンド作りは弦楽器中心で、細かい指示は弦楽器に集中し、管楽セクションへは要所のみ。全体的にテンポは速め、アタックをしっかりつけ、特に弦を歯切れよく弾かせるので、非常に活気のある陽性の響きがします。明るいシュスタコ!まあ7番ならOKかも。印象的だったのは、もともと速いテンポが更に加速して、オケが着いて行けない位だった第1楽章ボレロ部分の後半、そして弦を伸び伸びと歌わせ、特にVnがよく鳴っていた第3楽章です。また、終楽章クライマックスだけは普通のテンポで、じっくりとした盛り上がり。最後の一音にいたっては、先日のキタエンコ&東響より更に長かった程です。

2006年6月15日木曜日

飯守&読響の王道マーラー1番

情け無い…、阪神またも楽天と競っちゃいました。

 昨夜のスペインvs.ウクライナは職場の大画面TVで観戦。プジョルはバルサでの活躍を維持していて見事。やはり大きなTVはいいですね、迫力が違います。

 スペインやチェコなど、予選で苦労してプレーオフにまで回ったチームは本大会では好調なのに、ウクライナやセルビア・モンテネグロなど予選で好調だったチームは力が出ていない感じ、特に中盤のチェックが甘い印象。初出場の緊張や気温の影響などあるんでしょうか?

 今夜は飯守泰次郎のマーラー、彼のマーラーは2番をシティ・フィルで聴いたことがあります。その時はオケの調子が悪く、余り冴えない演奏でしたが、解釈自体は今時珍しい重厚なものだったと記憶しています。今日は機能性の高い読響なので楽しみです。例によって感想はまた後で。

 4日続けて曇りかと思ったら夕方からは雨、演奏はビックリするくらいコテコテなマーラーでした。

6月15日(木) 新宿文化センター
 飯守泰次郎指揮読売日響 ワーグナー ジークフリート牧歌、メンデルスゾーン Vn協奏曲、マーラー Sym1番
 読売日響の公開録画なんですが、それにしては豪華なプロ。最初のジークフリート牧歌、先日の大植と比べ飯守の解釈はより旋律を歌わせるもの。にも拘らず、ハノーファーの木管陣が素晴らしかったので、歌い回しの点ではやや不利な感あり。読響も上手なんですけど。2曲目のメンデルスゾーン、16歳のソリスト南紫音がとても初々しい印象。
 後半のマーラー、飯守はゆったり目のテンポで、主題を受け持つパートにはかなり伸び伸びと吹かせる(弾かせる)印象。ある程度奏者に自由にさせつつも、フレーズ内で大きくタメを作ったり、ケレン味たっぷりにしゃくったりと、今時珍しい、アクのあるスタイル。対位法や特殊な響きの強調は薄いのですが、歌い回しはこれぞマーラー、と言う感じです。圧巻は終楽章、金管、特に1stTpの吹きっぷりは最高で、クライマックスの迫力も見事。また印象的だったのは、冒頭の嵐の後、静かに弦が歌いだす部分。これだけ表情豊かな演奏にお目に掛かったことが無いくらい。ただ、欲を言うと、リハが足りないのか、全楽章にわたってこの部分ほどの綿密な表情作りにはなっていなかったので、それが出来ていれば、大名演になっていたんじゃないでしょうか。こんな凄いマーラーを、より音のいいホールで、定期で聴けないのは残念な気がします。

 特に根拠も無く氏をブルックナー・ワーグナー指揮者だと思っており、自分の中ではブルックナー指揮者とマーラー指揮者は相容れないものなので、ここにマーラー指揮者あり!みたいな演奏は少なからず驚きでした。

2006年6月11日日曜日

壮快火の鳥 - 千葉芳裕&ル スコアール管

 本日は梅雨っぽい雨の一日、午前中のテニスがキャンセルになってゆっくり出来たので録画しておいた全仏の男子準決勝・女子決勝を観戦。対ナルバンディアンの第2セット第7ゲームのフェデラーは圧巻。あとルビチッチの第3セットタイブレークでの215km/sの2ndサーブ(でダブルフォールト)はアヤシイ系プレーヤーの本領発揮という印象。

 午後は予定通りアマオケを聴いてきました。

6月11日(日) すみだトリフォニー
 千葉芳裕指揮ル スコアール管弦楽団 ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲、イベール 寄港地、ストラヴィンスキー 火の鳥<全曲>
 このオケを聴くのはもう4、5回めですが、常に安定した演奏を聴かせてくれます。今日はフランスプロ(?)。特に火の鳥全曲版では、よくコントロールされた弱音や、打楽器と金管が吼える強奏など、スケールの大きな演奏でした。バンダのTp3本は最初はオルガン前の通路、それからステージ上の左後方へ移動。そのバンダのハイトーンが響き渡り、本隊のTp、Tbもよく鳴ったクライマックスは壮快でした。

 これから(ブラジルと共に)応援するオランダ登場。セルビア・モンテネグロは守備が堅いと聞いてますので相手にとって不足無し(というか不安)。F1に全仏と、今夜もタイヘン。

2006年6月8日木曜日

大植&ハノーファー北ドイツ放送フィルのワーグナー

 うーむ、何で日ハムごときに連敗するかなあ。まあ、3タテ食らわなければそれでいいんですけど。

 今夜は大植&ハノーファーのワーグナープロ。有難い知人からの頂きもののチケットです。注目は「ジークフリート牧歌」、金管大好きの自分には少しベクトル違いですが、グレン・グールド指揮(!)トロント響の演奏(勿論ディスクです)に感動して以来のお気に入り。なのにプロで聴くのは初めてなので楽しみ。例によって感想はまた後で。

6月8日(木) サントリーホール
 大植英次指揮ハノーファー北ドイツ放送フィル ワーグナー リエンツィ序曲、ジークフリート牧歌、ワルキューレ第1幕 
 初めて聴くハノーファー北ドイツ放送フィル、先日のバンベルク響と比べ音色は明るめで、重心の低い弦セクションがややボリューム不足なところは似てました。実力的には在京メジャーと同じ位かもしれませんが、金管(特にHrは均質)と弦は音色や奏法がよく揃っており、より聴き映えがします。
 オープニングはリエンツィ、ワーグナーの序曲群の中では苦手な曲なんですが、遅めのテンポに柔らかな音作りで、新鮮な響き。次はお目当てのジークフリート牧歌、純朴な音色と僅かな色気の木管群(特にOb)がいい味を出しており、牧歌的な演奏でした。
 後半は演奏会形式の「ワルキューレ」第1幕。木管のトップがかなり入れ替わっていて(ObやFlなど)驚き。(もしかして層が厚い?) 歌手中心でやや守備範囲外のため、1時間以上は少しキツかったです。前半、他の木管に比べFlの出番が極端に少ないのが新たな発見。幕切れではワーグナーチューバ4本を含むオケが分厚く盛り上がりました。
 盛大な拍手に応え、Tp2名と前半の1stFlが舞台に加わり、まず最初のアンコールは予想通りワルキューレの騎行、これで終わりかと思ったら次にジークフリートの葬送行進曲!既に開演2時間半を超しているのに大サービス、どちらも重厚に盛り上がって満足です。

 大植がミネソタ管を連れてきた時、メインのマーラー5番より、アンコールの「キャンディード」序曲に感動したのを思い出しました。

2006年6月5日月曜日

天才の多面性 - 乙一「ZOO」

阪神首位陥落!とは言え、巨人が勝ち過ぎてるだけで、予定通り順調に2勝1敗ペースなんでOKです。

 3日連続して曇り&20度前後の低めの気温、ただ雨が降らないだけ5月よりマシ。

 「GOTH」に感服して以来、乙一は目の離せない作家。読みたかった「ZOO」が文庫化なって、つい定価で購入、先週読了。

ZOO 乙一
 ホラー、SFから本格まで、ジャンル分け不能と言われる著者の本領発揮の短編集。ただ本格マニアの自分には「GOTH」の方が好み。「落ちる飛行機の中で」の奇妙な味、「Closet」の綱渡り、書き方を変えれば見事な不可能犯罪物になる「血液を探せ!」などが印象に残りますが、一番のインパクトは「SEVEN ROOMS」の卓抜なプロットです。

 「ダヴィンチ・コード」(2006/6/2)でもそうでしたが、通常の分量の本を2分冊にする悪徳商法(集英社文庫)には納得が行きません。「GOTH」の時もそうだったので、版元の方針かあ、と最初は驚かなかったのですが、よく見ると「GOTH」は角川文庫!版元ちゃうやんけ!しかも「GOTH」の時は滅法面白い「作者あとがき」が2度読める、という特典があったから少しは我慢できましたが、今回はそれも無し。せち辛い世の中だ…。

 げっ、全仏は今日から毎日放送だから、と油断していたら、さっきうっかり見てはいけないモノを見てしまった気が…。「シャラポワ○○、モーレスモ○○」

2006年5月29日月曜日

ノット&バンベルク響の奔放マーラー5番

 うがぁ、またも留守録失敗、大植&大フィルの「英雄の生涯」、月曜の再放送も併せ2度連続してDATが30分位で停止してました。

 夜はノット&バンベルク響によるマーラー5番、指揮者もオケも初めてなので楽しみです。

5月29日(月) サントリーホール
 ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団 プロコフィエフ VnC2番、マーラー Sym5番
前半はプロコフィエフにしては小さめの編成、拍手に応えてソリストの庄司紗矢香はアンコールを一曲、レーガーとのこと。そして後半のマーラー、ノットの解釈は粘り過ぎず淡白でも無い、今風の中庸なもの。棒、と言うか両手の動きは時に非常に細かく、オケは合わせにくそう。実際合ってない部分も散見しましたが、そんなことには委細構わず、ずんずん突き進む指揮スタイル。主題や対旋律を受け持つパートはどんどん歌わせるので、繊細さに乏しい代わりに生命感に溢れてます。第3楽章はHrトップ(地味な音色ながら上手でした)がステージ前に出てくる新しい版、これをプロのオケで聴くのは初めて。各パートが見せ場でどんどん自己主張するこの楽章が一番印象的でした。
 初めて聴くバンベルク響、ブラスは立ち上がり悪く末広がりにビヤーッと迫力の出るドイツ系に多いタイプ。木管はそれなり、弦はややボリューム不足を感じましたが、音程は正確だったので、下手な訳ではなくてキャラなんでしょう。それでも第4楽章後半での豊かな表情や、終楽章フーガでの力強い刻みなど弦セクションは頑張ってました。オケ全体としても非力な方かと思いますが、ノットが開放的に鳴らすので、クライマックスの迫力はほぼ満足の行くもの。会場はかなり盛り上がって、アンコールでドヴォルザークのスラブ舞曲(のマイナーなもの、たぶん)を濃厚に演奏してくれました。

 我ながら最近はだらだらと感想が長いです。ブログを始めた当初はできれば3行以内、長くても5行程度に収まるよう努力してたのですが…。

2006年5月27日土曜日

キタエンコ&東響の端整かつチョイ爆ショスタコーヴィチ7番

 うーむ、阪神の首位は楽天と対戦するまでお預けですかねえ。今日は雨、土曜なのに学会。とは言え、その代休をちゃっかり月曜に取って試合に行ってるので文句は言えないところ。

 学会が終わると同時に表参道の後輩の結婚パーティ会場へとダッシュ、そこに1時間程いてサントリーホールへ向かいました。キタエンコの指揮は初めて、オンエアから根拠も無く豪快な演奏を期待してます。

5月27日(土) サントリーホール
 ドミトリ・キタエンコ指揮東京交響楽団 ショスタコーヴィチ Vn協奏曲1番、Sym7番
パーティと時間がかぶっていたので後半の7番から。注目のバンダは舞台上だったのでちょい不満。キタエンコの指揮は端整で細かいもの。ことさらに大きなジェスチャーはせず、振り方の硬軟で表情を作ります。第1楽章、極端に抑えたppから始まってクライマックスに達するボレロ部分はもなかなかの迫力、そして終楽章コーダに向けて、しつこいくらいにじわじわと盛り上がってゆく部分の緊張感とその後の高揚感は見事。また最後の一音はかなり息の長いクレッシェンドで見得を切ってくれました。
 第3楽章など弦はよく鳴ってましたし、金管の鳴りも全体的にまずまず、特に、Hrトップのハミルは音が違います。期待した爆演タイプでは無かったですが、これだけ鳴らしてくれれば満足です。

 やった!阪神首位! これからモナコGP予選です。

2006年5月24日水曜日

70年代メロディア、ロジェヴェンの破天荒

 日中は結構暖かく、いい感じと思っていたら夕方からまたも雨、雷まで鳴ってます。

 昨夜のモスクワ放響の大人しい演奏を聴いて少し不満だったので、今日もモスクワ放響ネタで行きます。レコード(古い)で聴く限りのモスクワ放響のイメージは、フェドセーエフとのコンビなら初期の「コーカサスの風景」でのラッパ吹きまくり。また何と言ってもロジェストヴェンスキーとのブルックナー9番における、屋根が抜けるかと思うほどの金管の咆哮です。

 ブルックナー好きなら必ず顔をしかめそうなこの珍妙な演奏が、何と自分にはブルックナー初体験で、「いくらなんでもそりゃやり過ぎ」と思ったのが、未だにブルックナーが余り得意ではない原因かも。これはたぶん60年代後半から70年代前半頃の録音かと思いますが、当時のバランスを無視したメロディア特有の奇天烈録音が大きく影響してることは言うまでもありません。

 最近、同じ頃に録音されたと思われる同コンビ、ロジェヴェン&モスクワ放響によるシベリウスの交響曲全集を聴きました。少ししか聴いてませんが、やはりブラスが吼えまくる(特に緩徐楽章など妙な場所で)異常な演奏で、「これぞメロディア、これぞロジェヴェン&モスクワ放響」と膝を打ってしまいました。正統なシベリウスファンが眉をひそめるだろうことは言うに及ばず、ですけれど。

2006年5月23日火曜日

フェドセーエフのDSCH - フェドセーエフ&モスクワ放響のショスタコーヴィチ10番

 ついに阪神、首位まであと僅か。昨夜の夜行バスは臨席の人が100キロ超の巨漢で窮屈でした。

 今夜はフェドセーエフ&モスクワ放響、ショスタコイヤーの6曲目は10番。フェドセーエフの指揮する同曲は東フィルとのコンビで聴いたことがありますが、ソロ楽器の表情など、やけに指示が細かかったのと、迫力がいま一つだったことを覚えています。手兵との演奏はどうでしょうか。10番を海外オケで聴くのは初めてなので楽しみです。

5月23日(火) サントリーホール
 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮モスクワ放響 チャイコフスキー Vn協奏曲、ショスタコーヴィチ Sym10番
 (前半は置いといて←ソリストは樫本大進?)お目当ての10番、東フィルの時は違って細かく指示を出さなくともオケから希望通りの音が出てくる印象で、さすが手兵といった感じ。弦セクションの厚みのある響きは、特に第2楽章など重戦車の様で迫力満点。また今回はFlやFgなど、木管が印象的、特にClは、第1楽章前半、弦に続く入りでの驚異のppから終楽章の金管顔負けのffまで存在感たっぷりでした。
 逆に金管は常に抑え気味で、「バリバリロシアンブラス」をつい期待してしまう自分には大いに不満。特にHrが迫力不足、ただ3楽章のヴィヴラートビンビンのソロは良かったです。まあ、ここ10年くらいこのコンビを聴いた感じ、このバランスの取れたサウンドがフェドセーエフの音造りなので仕方ないんですけれど。
 フェドセーエフの解釈で一番印象に残ったのは、(個人的にはやや退屈する)第3楽章における表現の振幅の大きさ、特にピッツィカートの部分でした。アンコールはショスタコーヴィチの劇伴音楽や映画音楽から2曲、Saxが活躍するワルツと、管楽器のみによる行進曲風の短い曲で、このコンビ十八番のアンコールじゃなくて面白かったです。

 30年前、このオケに就任した頃の野卑さが完全に失われており、フェドセーエフの意図とはいえ、ちょっと淋しい気がします。

2006年5月18日木曜日

レンメライト&東フィルのシベリウス2番

 うーむ、昨夜のスクロヴァ&N響のFM生放送の留守録、やはりDATが途中で止まってました(涙)。まあ、前半のPCを外してセットしたのでツァラはギリギリ入ってはいたんですが、予想よりダイナミックさとシャープさに欠ける演奏を解説者がどう評したかを聞きたかったし、30分以上余った放送時間にどんな過去音源をやったかに興味があったので、やはり痛恨。

 今朝のC.リーグ決勝、最後の方はラジオ中継になってしまいました。その間得点シーンが無かったのは不幸中の幸い。退場者が出た割には緊張感溢れる展開でした。結局は収まるべきところに収まったのは、ジダンの芸術的な一発でレアルがレヴァークーゼンを葬って以来、久しぶりな気がします。(その翌年もそれなりに順当だったかも。) レーマンとピレスにはW杯で借りを返してもらいましょう。(って言うかピレスは選ばれてないか?)

 本日も雨がちで低温の一日。関東の低温とは裏腹に、ここ数日、東北や北海道では異例の夏日が続いてるらしいです。

 今夜はこれからレンメライト&東フィルでシベリウスの2番。未知の指揮者だけに楽しみ。また前プロのラフマニノフの狂詩曲は、パガニーニの主題を逆向きになぞって作った甘美なメロディーを聴く度、映画「ある日どこかで」を思い出しウルウルしてしまいます。戻りは遅くなるので感想はまた後で。

 いやあ、レンメライト、かなり凄かったです。2日目のチケットを持ってる方は一聴の価値ありです。

5月18日(木) オペラシティ
 アーリル・レンメライト指揮東フィル グリーグ 「ペールギュント」第2組曲、ラフマニノフ パガニーニの主題による狂詩曲、シベリウス Sym2番
 すらっとした長身のレンメライトはノルウェーの人、大きく滑らかな棒で表情付けをするタイプで、特に弦セクションから伸びやかで豊かな音を引き出していました。反面、余り拍を刻まないので、オケが合わせにくい部分もあった気がします。最初のグリーグは繊細で豊かな表情とキレのあるリズムがなかなか、期待のラフマニノフはそれに比べると音の伸びもキレもやや減退、ただお目当てのキレイな旋律の部分、ピアノは素敵でした。
 そして後半のシベリウスの2番。レンメライトの解釈で特徴的だったのは、弦セクションがリズムを刻んだり無窮動的なパッセージを続けたりする部分を強調する点。また第2楽章の劇的でスケール大きな表現が印象的。ただ何と言ってもこの日の白眉は終楽章、まず再現部に入る前、かなりアッチェレランドをかけて猛烈にオケを煽り、異常なまでの高揚感。そしてコーダに入る前もどんどんオケを煽ってゆき、そのまま壮大なコラールに突入、国内オケでは聴いたことの無いくらいの豪壮なクライマックスは圧巻でした。

 フレーズごとに棒を振る様はハーディングを、盛り上がる部分で腕をブンブン振り回して煽る様はオラモを思い出しました。

2006年5月17日水曜日

スクロヴァ&N響のツァラ

 阪神サヨナラ!今年も交流戦はいい感じ。またインザーギのイタリア代表入りは嬉しい限り。一方我がオランダ(ブラジルの次に応援してます!)のマカーイ、フンテラル(とダーヴィッツ、スタム)の代表落ちは微妙。

 曇りがちの一日で、気温は平年やや低め。今夜、と言うか明日早朝はついにCリーグ決勝、ソワソワしてます。どうか(W杯のことを考えて)メッシを無理して使ったりしませんように。

 その前にまずこれからスクロヴァ&N響のツァラ。ミスターSというとブルックナーのイメージが強く、実際実演で聴いたことがあるのはブルックナーのみ、R.シュトラウスはピンと来ません。どんな演奏になるんでしょう。感想を書くのは明日になりそう。

 戻りました。夕方からはまた雨でした。

5月17日(水) サントリーホール
 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮NHK交響楽団 プロコフィエフ PC3番、R.シュトラウス ツァラトゥストラはかく語りき
 「ミスターSは分析的・解析的」というのはこちらの一方的な先入観だったらしく、スクロヴァのR.シュトラウスは思ったよりテンポを揺らすし、旋律もかなり歌わせてました。特に弦楽パートの表情付けが印象的で、前半部の弦バスのppから始まるフーガにおける低弦の表現力、後半のワルツ部分でのヴィオラの存在感、そして鐘の鳴るクライマックス後、ラスト近くの高弦の豊かな表情などが印象に残りました。まあ、個人的には強奏部でのブラスなどもっと開放的に鳴らして欲しかった気もします。また必ずしもN響は指示に十分反応しているとは言い難い面もあったので、明日はもっと良くなると思います。

 恥ずかしながら、ソロVnのワルツにオーボエが合いの手を入れる部分、1stと2ndで交互に入れてることを初めて知りました。明日はレンメライト&東フィル、未知の指揮者のシベリウスです。

2006年5月5日金曜日

飯森&東響の松、祭

ああ、やってしまいました。今朝体重2kg減を確認し、朝飯は100円のパン半分(残り半分は明日の朝食)、夕方まで何も口にしなかったまでは良かったのですが、DATやDVD-Rの買い物に立ち寄った秋葉原の駅前で、新規開店とんこつラーメン店の半額券!急行電車まで20分位時間があったせいか、ついフラフラと入店、そして大盛タダと言われ勿論大盛。これでこの2日間の努力が水の泡。外食しようとしまいと、栄養のバランスを取るために、夜には必ずシリアルを食べるので、外食はまるまる余剰エネルギーです。

 本拠地で2勝1敗は妥当なところ。今日は昨日を更に上回る陽気で、午前中はテニス。まだちゃんと動けないことを確認し昼には抜けて、気になっていたコンサートに行きました。

5月5日(金・祝) ミューザ川崎
 飯森範親指揮東京交響楽団 バーンスタイン キャンディード、シベリウス VnC、レスピーギ ローマの松、ローマの祭
 このコンビで聴いたマーラー5番のキップのいい演奏から、ブラスバリバリのレスピーギを予想してましたが、意外にも飯森氏の音作りは弦楽器を中心としたもの。決してパワーがある方では無い東響の弦セクションからなかなか伸びのある音を引き出していました。全体的には迫力は期待程では無かったとはいえ、オルガン脇の3階席左右に陣取ったバンダの加わるアッピア街道の松ではなかなか壮大な音響空間でした。カタコンブでは首席マルティさんが舞台裏まで往復して美しいTpソロ、アッピアでのアングレソロも見事でした。また祭でのバンダはステージ最後列。祭のクライマックスはリズムのキレ、テンポの加速がいま一つ決まらなかった印象。またアンコールでは近く中国公演で演奏する、活気のある中国人作品を披露。

 今夜は亀田兄弟にPRIDEとさながら格闘技の宵の趣、特に後者はGPと呼ぶにはレベルの低い対戦が多いのが不満ですが、個人的にはジョシュとヒョードル弟の対戦が注目です。

2006年4月27日木曜日

バルシャイ&読響の10番

 さっきコンサートから戻ったら、横浜ファンの同僚が嘆いてました。ってことは阪神3タテ!これからプロ野球ニュースを観るので、感想はまた後で。

 いやあ、横浜銀行ごっつぁんです。件の同僚は「ライバルは楽天」って言ってました。

 朝夕に雨の降る、少し肌寒い一日。さっき聴いてきたのはマーラー10番の補筆全曲版。指揮をするバルシャイ自身の編曲は、鳴り物を総動員した派手めのもので、時にショスタコーヴィッチっぽい響きもします。メジャーなクック版ですら実演で聴いたのは3、4度くらいなのに、バルシャイ版を聴くのは数年前の都響との日本初演に続いて2度目になります。

4月27日(木) サントリーホール
 ルドルフ・バルシャイ指揮読売日響 マーラー Sym10番 <バルシャイ版全曲>
都響との演奏はやや手探りの感もあって演奏精度はいま一つでしたが、今夜の読響は曲がしっかり入っているのか精度も高く、流れるような演奏。第2楽章など速い楽想でのリズムの切れも見事。ただ、バルシャイの棒がやや分かり難いのか、細かい動きによく反応している訳でも無く、少し綺麗に流れ過ぎの感もあり、立派な演奏ではありましたが、響きの訴求力の点では期待した程では無かったです。特に、第1楽章と終楽章に現れる、悲痛な叫びの様なTpのハイトーンを伴う全強奏、個人的には阿鼻叫喚、といった響きを期待するところですが、音に凄みが感じられませんでした。ただ、その強奏部分の後の終楽章終盤、一転して平和な響きになる箇所での音色の純度の高さは今日の白眉でした。特に結尾の一音、本当に消え入るように終わったその音色は、ブルックナーの9番のそれを想起させるような天国的で肯定的な響きでした。

 今夜はこれからバルサvs.ミラン第2戦が楽しみ。週末のハイライトを楽しむため、アーセナルvs.ビジャレアルの結果を目にしないよう頑張ってますが、どうせ実況で「○○と決勝で対戦するのは」とか言われてしまうんだろうなあ…。

2006年4月23日日曜日

重厚長大のマーラー - 森口&東京楽友協会響のマーラー6番

春眠暁を覚えずとはよく言ったもので、一日中寝ている状態なのか、昨日もまた宵の内からリアルな夢を見ました。阪神がボロ負けする夢。巨人戦は今日からだというのに。

 予報に反し、終日雨はほんの僅か。傷めた左脚が一晩で治る訳も無く、棄権するためだけに早起きして有明へ。しかし、またもくじ運の強さを発揮し、相手が来なくて本戦へ進出。

 午前一杯立ち読みなどして過ごし、午後はアマオケを聴いてきました。

4月23日(日) 文京シビックホール
 森口真司指揮東京楽友協会交響楽団 ラヴェル 古風なメヌエット、マーラー Sym6番
森口氏のマーラーは、最近では少なくなった重厚長大型、遅めのテンポで重心の低い音楽を紡ぎ出しており、オケも長丁場集中力を切らすこと無くそれに応えていました。特に終楽章、ハンマーの前後の盛り上がりはなかなかのもの。指揮者は精根使い果たした、という感じだったせいかアンコールは無し。このオケを聴くのは4、5度目くらいですが、毎回まずまずの水準をキープしています。

 これから休暇願い(実質事後承諾)を書いて、明日も早起き、今度こそ1ゲームだけプレーして棄権してきます。その前にまず阪神のTV応援とF1サンマリノです。

2006年4月21日金曜日

フラメンコのサロメ再び - スペイン舞踊団 サロメ

昨夜のミランvs.バルサ、このところ出場機会に恵まれなかったジュリがやってくれました。今日は早く帰ったので珍しくナイター観戦、今頃になって初めての対巨人。盛り上がったところで放送時間が終了。あとはスポーツニュースのお楽しみ。

 早く帰れたのは、午後仕事を休んでフラメンコを観てきたから。昨年映画版を観て、生の舞台が気になっていたアイーダ・ゴメス率いるスペイン舞踊団の「サロメ」、幸い安くチケットが入手できたので、初フラメンコに挑戦です。場違いだといけないので、黒のタートルネックを着るなど、若干ソーシャルエンジニアリングして出向きました。

4月21日(金) オーチャードホール
 スペイン舞踊団 サロメ
前から8列目と舞台に近い席だったこともあり、さすがに生で観るとなかなかの迫力。A.ゴメスの優美な動きと鍛えられた肉体を堪能しました。「サロメ」後半での緊張感はやはりただならぬものがありましたが、演出のエロ度(?)は映画版よりもやや後退した印象。

 前の席の方が妙に座高が高く、前半は殆ど舞台が見えず、後半は席を移動してしまいました。日頃は音楽だけなので気にしたことが無かったのですが、舞台芸術となるとそういった要素も大きいんですね。僕も座高だけは高いので、かなり迷惑な奴だったことでしょう。

 明日は久しぶりの試合。左脚の状態から考えて、「参加することに意義がある」ということになりそう。

2006年4月16日日曜日

老舗の実力 - 末廣誠&都民交響楽団の「薔薇の騎士」組曲

今日も肌寒い一日。昨夜半からの雨は続いており、リハビリテニスもお休み。ゆっくり寝坊して午後にアマオケを聴きに出かけました。

 貧乏なためお金の掛からないアマオケによく行きます。と言うのもアマオケはHP等で何かしら無料招待のサービスがあったりしますので。本日の都民響は老舗でかつ意欲的なプログラムが多く、常々聴きたいと思ってはいたのですが、eメールやインターネット全盛のこのご時勢に全席往復葉書での申込。まず郵便局へ行って往復葉書を購入することから始めなければいけないので、つい忘れて締切りを過ぎてしまい、これまで聴く機会に恵まれませんでした。よって今日が初めて。

4月16日(日) 東京文化会館
 末廣誠指揮都民交響楽団 R.シュトラウス 「薔薇の騎士」組曲、ストラヴィンスキー 火の鳥<全曲>
さすがパンフに「一般のアマオケとは違い、日本一のアマオケを目指す都民響」と書いているだけあって、かなりのレベル。弦セクションのソノリティの高さや各パートのソロなど、なかなか見事でした。前半のR.シュトラウス、アマオケではそれらしく聴かせるだけでもなかなか大変な曲ですが、時に優雅さすら感じさせる演奏でした。後半の「火の鳥」全曲も俄然聴きたくなったのですが、当初予定通りコンサート会場を脱走。

 文化会館を出ると雨もあがっておりこころもち暖かくなった印象。後ろ髪を引かれつつ、銀座のヤマハへ移動、インストアイベントで宇宿真紀子&直彰(「うすき」ではなくて「うすく」と読むらしい)よるピアノとチェロのデュオを聴きました。フランス在住のこの姉弟デュオ、そのHPを見て少し個性的なキャラかも、と興味が湧き、実物を見たくなった次第。(でも極めて普通の方でした。) フォーレやドビュッシーの名曲を中心に、とても柔らかい語り口の演奏を聴かせてくれました。

 都民響のパンフの曲目"快"説は指揮の末廣氏自らが筆を執っており、その饒舌な語り口は最高です。

2006年4月13日木曜日

コバケンの幻想、辰巳のレリオ - 小林研一郎&日フィルの幻想、レリオ

本日はこれからコバケン&日フィルの「幻想」、インターネット抽選で当たったチケットです。例によって帰りは遅くなるのでとりあえず記事のみ作成。

 ただいま14日のお昼、13日は雨は降らないまでも、湿度の高い一日、そのせいか深夜早朝でも15度近くありました。コバケンはほぼマーラーしか聴いたことが無いので、彼の「幻想」は初めて。またカップリングの「レリオ」は実演はおろか、録音ですら聴いたことの無い曲です。

4月13日(木) サントリーホール
 小林研一郎指揮日フィル ベルリオーズ 幻想Sym、レリオ
前半の幻想、コバケンらしいアクの強い表現に日フィルは慣れているのか、それなりに応えていました。随所で低弦にアクセントを効かすところが印象的。また、4、5楽章は期待した程爆発しなかったのが残念。ただ、舞台から3列目の左端、というバランスのさっぱり分からない席だったせいかもしれません。あと第3楽章冒頭、牧童の草笛の遠くから応える方(Ob)をステージや舞台裏では無く、2階後方のどこかで吹かせていたのも印象に残りました。
 そして後半のレリオ、幻想の終楽章クライマックスから始まって(これは独自演出?)幻想の続編であることを強調、そして辰巳琢郎が主人公を演じる独り芝居がスタート。芝居の合間に合唱・独唱を含む音楽が挟まれる形で、セリフも歌詞も日本語。コンサートというよりは舞台、という内容で全編1時間超、辰巳琢郎が完全にオケやコバケンを食ってしまっていました。さすがはプロの役者。そのせいか、クライマックス時の音楽の激しさもやや低めの印象。

 二晩続けて2時間半を超えるコンサートで帰りは午前様、感想は翌日となった次第。

2006年4月12日水曜日

飯森&トヨタ・マスター・プレーヤーズ&名古屋フィルのアルプスSym

 ボレロのパクリ音楽にのって昨晩始まった「ブ○の瞳に恋してる」は不美人が主人公という大胆なドラマ。よくこんな企画が通ったなあ、と思ったら案の定、関テレ製作でした。タイトルは忘れましたが、出征前夜の若い兵士達が夜の街に出て、ナンパして連れてきた女性の不美人度を競い合う、という鬼の様な話から始まってその後心温まる展開となる映画があったのを思い出しました。

 本日は雨。左ふくらはぎは順調に快復、勿論びっこをひいてはいますが、普通の速度で歩けるように。

 今夜は名フィルにVPOの奏者を加えた特別編成オケで「アルプス交響曲」。帰りが遅くなるので、例によって記事だけ作っときます。

 帰りが遅くなり、続きを書くのが翌朝になってます。

11月12日(水) 芸術劇場
 飯森範親指揮トヨタ・マスター・プレーヤーズ, ウィーン&名古屋フィル モーツァルト フィガロ、ポストホルンセレナードなど、R.シュトラウス アルプスSym
 前半はVPOやVSOなどウィーンの奏者で構成した20数名の室内オケによる、指揮者無しのモーツァルトプロ。これだけで1時間15分もあり、自分には正直キツかったです。後半はそのメンバーと名フィルが一緒になり、指揮に飯森氏を迎えてのアルプスSym。特別編成オケという事情のせいか、流れに任せて一気に持ってゆく感じの演奏で、かなり大雑把なところはあるにせよ、楽しい部分・物悲しい部分などの表情の描き分けも十分出来ていました。
 このイベント以外で名フィルを聴いたことはありませんので、外来メンバーのお陰なのどうかは分かりませんが、弦管ともに音が分厚く、頂上での迫力はかなりのもの。後半、嵐や日没の部分ではやや息切れした感はありましたが、回想シーンで(これはゲストの個人技で)もう一度ぐっと盛り上がったのが印象的。またTpトップ(シュー?)はソロやハイトーンなどビシッと決めてお見事でした。アンコールはポルカ「雷鳴と雷光(?)」、ウィンドマシーンやサンダーマシーンをフル活用してました。

 前半は森麻季さんの歌などもありましたが、3階最後列だったため、麗しいとの噂のルックスを拝むことは叶いませんでした(笑)。

2006年4月8日土曜日

ハーディング&東フィルのマーラー2番

 昨夜「Happy」ドラマ版を観て、これがテニスの話だということを初めて知りました。絵はよく見かけてはいたんですが。

 この週末、ここ南茨城は昨日の花冷え(終日10度以下)が効いて桜は大分残ってますが、都心はかなり散ってます。その桜吹雪が舞い散る中、午前中はテニス、そして午後はコンサートといつもの休日。ハーディングの指揮を実演で聴くのは初めてです。

4月8日(土) 文京シビックセンター
 ダニエル・ハーディング指揮東フィル マーラー Sym2番
所によっては妙に粘ったりもしますが、全体としてはやや速めのテンポでメリハリのはっきりした演奏。特に驚いたのは、それ程細かく棒で指示している感じでも無いのに、各声部がとても明晰に、しかもそれぞれが主張を持って響くところ。その意味室内楽的な透明感を感じました。また第1楽章や終楽章の金管を中心とした鳴りも迫力十分で、まずは満足の演奏でした。一番印象的だったのは第2楽章、棒を拍ごとでは無くてフレーズごとに振っており、そのせいでテンポは非常に速い割に旋律は起伏に富み、東フィルの弦から聴いたことの無い様な瀟洒な表情を引き出していました。

 まだ30歳くらいとのこと、恐ろしい才能です。

2006年4月2日日曜日

シベリウスオケの6番 - 新田ユリ&アイノラ交響楽団

 留守録してあったF1をさっき観ましたが、ルノーの強さは想像以上。ヨーロッパラウンドまで少し間があるので他チームの巻き返しに期待。野球の結果を見ちゃうとこれを書く気力が出なくなる虞があるので深夜までガマン。

 この週末、都心ではちょうど桜が満開。土曜は絶好の花見日和でしたが、今日も予報が外れて雨が夕方まで降らず、そこそこ花見で賑わったのでは。(その後お天気大荒れ) ただ昨日は花びら一つ落ちてなかった桜が、今日は桜吹雪と花びらの絨毯となってましたから、花の命は短し、です。

 昼過ぎまでテニス、午後はアマオケとよくある休日のパターン。シベリウスをやるために結成されたオケの第3回公演。今年はメインが6番と渋いプロ。特にシベリウス好きと言う訳でもないので迷いましたが、最近コンサートはご無沙汰なので行くことに。シベリウス好きには最高傑作とも言われる6番ですが、実演で聴くのはヴァンスカ&ラハティ響に続いて2度目。

4月2日(日) 大田区民ホール アプリコ
 新田ユリ指揮アイノラ交響楽団 ステンハンマル 「歌」より間奏曲、シベリウス 春の歌、夜の騎行と日の出、Sym6番
 オケは対向配置、ただパーカッションを左脇に追いやって弦バスがひな壇の最後列にズラリ。確かアバド&BPOのマーラー9番もこんな感じでした。
 通常はオールシベリウスプロですが、今回は6番と関係の深いステンハンマルの小曲も採り上げています。管・弦ともアマオケでは上手な方で、要所で弦がよく鳴ってました。夜の騎行や6番など、弱音で弦が刻む部分は音程的にキビシい面はあるにせよ、全体的としては随所で美しい響きを聴かせてくれました。
 軽めのプロのせいかアンコールは2曲。1曲目に演奏した「春の歌」のより派手な別バーションと定番のアンダンテ・フェスティーヴォ。どちらも凛とした響きでした。

2006年3月19日日曜日

一丸のマーラー - 鎌田由紀夫&ニューシティオーケストラの5番

 いまヨドバシAkibaの無料ネットスペース。この花粉の季節、街行く人の美人度がぐっと増します。と言うのも、大き目のマスクをしてる人が多く、それを勝手な想像で補ってしまうため。

 さきほどミューザ川崎の特等席でアマオケを聴いてきましたが、お隣の女性2名もそんな「美人」でした。

3月19日(日) ミューザ川崎
 鎌田由紀夫指揮ニューシティオーケストラ ベートーヴェン エグモント、マーラー Sym5番
鎌田氏の解釈はあまり粘らず、メリハリはそれなりに付けるという印象。オケの実力からするとやや手に余る感じの大曲を、一丸となって最後まで破綻無くまとめていました。Hrセクションの全強奏時の頑張りとTuba奏者の見事な音が印象に残りました。

 コンサート開始時まではポカポカ陽気でしたが、夕方から冷え込んできました。家に帰ったら留守録したWBC、そして深夜にはF1が待っています。

<後記>
 その後秋葉原駅では、強風でつくばエクスプレスがストップ!との案内、帰るのに苦労しました(涙)。懸念されていた「武蔵野線症候群」が出始めたようです。

2006年3月10日金曜日

ソーシャル・エンジニアリング - ジェフリー・ディーヴァー「青い虚空」

 昨夜のレアル、冴えなかったです。有名選手を買い集める姿勢は感心しませんが、フィールド内の半数が我がブラジル代表となれば応援してしまいます。って、おい!ロビーニョとシシーニョ出てないじゃん。使わない(又はチームで機能しない)んなら取って来るなよぉ…。第2節、他の対戦結果はダイジェストを観るまで耳栓です。

 今日は小雨。ここ数年話題のJ.ディーヴァー、初めて読んだ作品「静寂の叫び」が面白かったので、古本屋で数冊購入。ノンシリーズものなので読んでも大丈夫と判断して手に取ったのがこれ。「ソーシャル・エンジニアリング」とは電脳界の俗語(?)で、ハッキング等の過程で他人になりすますことを指すそうです。

青い虚空 ジェフリー・ディーヴァー
 ゲーム感覚で殺人を犯す殺人鬼、それを追う過程でハッカーという存在が鍵となってくるサスペンス。相変わらず大小様々なヒネリが効いており、見事なストーリー展開に唸ります。筆致が映像的なのも相変わらずで、映画化もされている(進んでいる?)とのこと。ただ、いわゆるIT用語が連発するので、その手のものが苦手な人にはちょっと辛いかも。それを乗り切れば、逆に電脳世界に関する情報小説的な側面も大きいです。とにかく、これを読んでいると誰も彼もが「ソーシャル・エンジニアリング」してる気がして疑心暗鬼になってしまうのが一番凄いと感じました。
<<以下ネタバレ注意!>>
 1度も疑われることの無かった○○○がずっと「ショーン」の正体だと信じてました。思いっきり間違ってましたけれど。作者のレッド・へリングに見事にヤラレました。だって、電話ばかりしてるんだもん。あと「静寂の叫び」の登場人物とのクロスオーバーがあるのもお楽しみ。(←これは勘違いかも。)

2006年3月8日水曜日

アシュケナージ&N響のショスタコーヴィチ4番

 朝の冷え込みから日中はぐっと気温が上がって20度に迫る勢い、4月下旬並の陽気です。同僚や秘書さんは「花粉がヒドイ」とぼやいてます。

 これからアシュケナージ&N響で、今年2度目のショスタコーヴィチの4番。このコンビはFMでの8番を聴く限り、音に厳しさの欠けるショスタコでしたが、4番はどうでしょうか。

3月8日(水) サントリーホール
 ウラディーミル・アシュケナージ指揮NHK交響楽団 エルガー チェロ協奏曲、ショスタコーヴィチ Sym4番
さすがにサントリーで聴くN響の音は分厚かったです。4番に期待する怖いほどの響きには遠いですが、想像よりは峻烈なサウンド(特に終楽章クライマックス)でまずまずの演奏でした。1月の大野&新日の同曲と比べると、奏法の統一感とまとまりではそちらが上、響きのハードさでは今日のN響が上、という感じです。

<後記> その後、留守録されたFMオンエアをつまみ聴き(第1楽章冒頭と終楽章後半)したところ、8番同様、音に厳しさが感じられませんでした。当然ではありますが、録音と生ではだいぶ印象が変わるものですね。

2006年3月7日火曜日

チョン&LSOのマーラー5番

 昨日の高温の影響で今朝の最低は7度とかなり高め、ただ日中はそこから余り上がりそうにありません。

 夜はチョン&ロンドン響のマーラー、会場は9割程度の入り、ミューザがほぼ埋まっているのを見るのは柿落としの「千人」以来の気がします。昨年東フィルとのコンビでチョンのマーラーを3番4番と聴きましたが、マーラー独特の毒が無いけれどそれなりに劇的な表現をするという印象を持ってます。

3月7日(火) ミューザ川崎
 チョン・ミュンフン指揮ロンドン交響楽団 ショパン PC1番、マーラー Sym5番
オケは対向配置で弦バスは左手奥。ここ数回のコンサートは連続してこの配置です。チョンのマーラーはアクの無さは相変わらず。また東フィルとの時に感じた「速い部分はより速く」という傾向は余り感じられず、ある程度はオケ任せで無理にドライヴしない、という印象。そのせいか、表現の振幅は思ったより小さめでオケの鳴らしが少し足りない気がしました。ただ終楽章クライマックスはブラスをかなり開放してました。第2楽章終盤、金管のコラールで突然光が射す様に明るくなる部分の鮮やかな音色変化、第4楽章後半の主題が回帰する部分の美しさ、そして終楽章、フーガ部分ではアタックを強調し歯切れよく、4楽章主題の回想ではポルタメント気味に柔らかく、という対比が印象的でした。
 LSOは弦が以前より冴えない気はしましたが、ブラスはさすが。特にHrは凄い迫力でした。あとティンパニの打ち込みが強烈! ちなみに終楽章ソロHrのアタッカの入り、(たぶん)チョンは「自由に出ていい」と言ってあったらしいのに、Hr奏者は指示をずっと待ってて、音が完全に消えてからも出られず、数秒の危険な沈黙がありました。

 席からは死角になっていたTbセクションを覗くと、昔はデニス・ウィック(神)が座っていた場所に何と女性Tb奏者!(1stのアシかもしれませんけれど。) 時代の流れを感じます。明日は今年2度目のショスタコ4番です。

2006年3月5日日曜日

マーラーオケの3番 - 井上喜惟&ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ

 昨日観たPRIDE31、体重差がテーマだったらしく、ノゲイラvs.田村を筆頭として意義の感じられない対戦が多かったですが、アリスターにはまた驚かされました。ベウフォートに続き、何とハリトーノフまで食ってしまうとは…。末恐ろしい進化ぶりです。今夜のK1ニュージーランド大会も楽しみ。

 昨夜の「ER」2話連続放送の途中で意識を失い寝坊、折角のいい天気なのに予定の壁打ちを省略し、アマオケを聴きにみなとみらいへ。マーラーを演奏するために指揮者井上喜惟氏の下に結成された特別編成オケの第4回演奏会、今年は第3番です。

 さっき聴き終わって、今はヨドバシカメラ秋葉店のネットスペース。非常にテンポの遅い演奏でした。

3月5日(日) みなとみらいホール
 井上喜惟指揮ジャパン・グスタフ・マーラー・オーケストラ マーラー Sym3番
かなりテンポが遅く、第1楽章に40分、トータルで120分かかる(いずれも推定)演奏は初めてです。これが井上氏の解釈なのか、オケの技量に合わせてなのかは判りません。と言うのも、もともと遅い第4楽章や終楽章は普通のテンポだったので。ただそのテンポのおかげで推進力は殺がれましたが、マーラーが楽譜に書いた全てのパッセージが明らかになる感じで、極端な表現をせずともマーラーの個性が自然と前面に出でてくる演奏でした。プロ奏者も混じる(らしい)このオケの実力はアマオケとしてはかなりのもの。Tp,Tb,Hr,Ob各ソロ、そしてポストホルンソロもなかなかでした。内声を大切にしつつ、丹念に織物を織ってゆくように動機を積み重ねてゆく終楽章は印象的でしたが、個人的には強奏部でもっと爆発して欲しかった気もします。

 最後の一音、井上氏は大音響というよりむしろ、天空に消え入るように先細りに音が終結するのを狙ったようでしたが、その試みは音が鳴っているうちに拍手を始める人によって打ち砕かれていました。

2006年2月25日土曜日

萌え系フルーティスト? - yumiさんのフルート

 朝は久しぶりにマイナスまで冷え込むも、日中は10度を超えるそこそこのテニス日和。

 一日練習をした後、夕方HMV渋谷のインストアエベントに行きました。新進フルート奏者のyumiさん、どこかのHPで「萌え系フルーティスト」と紹介されていた方です。見かけは確かにアイドル系で小柄、ただ音は美しくてやや深みもあり、しっかりした実力を感じました。演奏してくれた曲も通俗曲の編曲ものではなく、エルガー(のマイナー曲?)、グルック、プーランクなど、フルートならではの良さが感じられるものでした。

 「萌え系」の正しい意味を知らないので何とも言えませんが、服装や話し方など、実際(芸大生)より何歳かは幼い雰囲気を醸し出してましたので、プロデュースする側はロリッぽいキャラを設定しているという気はします。

 帰途は久しぶりの高速バス。隣席だった女性の優しさと丁寧さにちょっと感動。

2006年2月20日月曜日

超ブラック作品集 - 東野圭吾「超・殺人事件」

 この時期、統計的には1月中旬と同じ寒さの筈ですが、ここ数日は高めの気温。やや天候が不順なせいで冷え込まないのもその要因の一つ。まあ12月が異例に寒かったので、そのお返しでしょうか。心なしか風に春の香りを感じます。

 移動中しか本を読まなくなったのはいつ頃からでしょうか。そのせいで田舎に住むと読書量が減ってしまいます。週末は千葉の合宿所と都心を2往復したので、本をそれなりに読めました。

超・殺人事件 東野圭吾
 推理作家周辺の日常をネタに、ややブラックに笑い飛ばした軽妙なパロディ連作短編集。トリッキーな唯一の本格物「超犯人当て小説殺人事件」と強烈な風刺の「超長編小説殺人事件」が印象に残りました。

 かなり冷え込んできました。相当降ってるので、雪になったら大変かも。

2006年2月19日日曜日

タコオケの8番 - 長田&オーケストラ・ダスビダーニャのショスタコーヴィチ8番

 週末を過ごした千葉は検見川にある合宿所では、駅への途中にあるインド料理屋さんにいたという美人の店員さんの話題で持ちきり。アマオケを聴くためテニスをお昼で切り上げて駅へ行く道すがら、その店に寄るのを楽しみにしてましたが、時間的余裕が無く断念、痛恨です。

 本日聴くオーケストラ・ダスビダーニャはショスタコーヴィチを演奏するために結成されたアマオケ。タコヲタならぬタコオケと言ったところでしょうか。毎年、レアな曲と熱い演奏を聴かせてくれるので楽しみです。しかも今年は8番、チョン・ミュンフン&東フィルのマーラー9番を切ってこちらを選んだくらいに期待して臨みます。奇しくも同じ芸劇でふた月連続してアマオケの8番を聴くことに(2006/1/22参照)。

2月19日(日) 東京芸術劇場
 長田雅人指揮オーケストラ・ダスビダーニャ ショスタコーヴィチ 劇音楽「ハムレット」から、PC2番、Sym8番
 例年通り、8番の前にこんなにやってもいいのか?というくらい重量級のプロ。最初の30分近くかかる組曲は予備知識無しに聴けばハムレットというより戦争の曲のよう。オケは最初から全開です。TpとFlのソロが見事でした。一方PC2番はショスタコーヴィチにしてはロマンティックで普通っぽい曲。拍手に応えソリストのミハイル・カンディンスキーはアンコールを一つ。ショスタコだったかどうか確認するのを失念しました。
 そして後半の8番、期待通り金管の凄絶な響きが聴けました。特に第1楽章と終楽章に訪れるカタストロフィのようなクライマックスでのTpとTbの吹きっぷりは恐怖感すら感じるほど。やはり8番はこれくらいやってくれなきゃと思います。静寂に包まれた終演時、開演から2時間半以上経っており、曲想との兼ね合いもあるのか今年はアンコール無し。

 アマオケによる8番対決、ピッチなど演奏精度では先月の新響がずっと上でしたが、個人的には金管の響きの凄絶さでダスビに軍配を上げます。と言うより、その点の凄みでは、ロストロ&ロンドン響の来日公演(これも芸劇)よりも上でした。

2006年2月18日土曜日

ホーネック&読響のショスタコーヴィチ9番

これからテニス合宿。更新は日曜夜になるので、取り敢えず表題のみにて。

 合宿から戻りました。この2日間のコンサートは充実してました。

 ショスタコイヤー5曲目は9番。過去ホーネックを聴いたのは一度、やはり読響とのマーラー3番で、その時の印象は弱音のニュアンスをマニアックに追求する指揮者、というもの。その点はヴァンスカやアバドと通じるものがあります。マーラーは非常に向いている気はしましたが、ショスタコーヴィチはどうでしょうか。

2月18日(土) サントリーホール
 マンフレート・ホーネック指揮読売日響 ショスタコーヴィチ Sym9番、チャイコフスキー Sym6番
9番をプロのオケで聴くのは初めて、ホーネックの弱音へのこだわりは相変わらずで、そのせいかフォルテの部分が壮大に聴こえ、小品という印象のこの曲がとてもスケール大きく響きました。ただ、解釈は思ったよりアクの少ないものに感じました。一方チャイコフスキーは弱音の精妙さに加え、第1楽章中間部や終楽章の盛り上がりなど相当な激しさで、かなりの名演だった気がします。まあ、チァイコは余り聴かないのでよく分かりませんが。
 また特筆すべきは指揮ぶりの流麗さ。前に聴いた時は遠目の後方からだったせいか気付かなかったのですが、今回Pブロックで見た指揮の滑らかさや棒の表情の豊かさたるや、その動きだけで音楽が聴こえてきそうな感じ。これまでに見た指揮者の中で、一番流麗な指揮をするといってもいいくらいです。(残念ながらクライバーを見たことがありませんので。)

 チャイコフスキーでは第3楽章後の拍手を封じるべく、アタッカで終楽章に入っていました。(が、それでもパラパラ。)

2006年2月16日木曜日

薬害エイズ支援コンサート

 今日は雨、気温も平年並みになったので、昨日の暖かさの余韻を残す午前零時からお昼までは下がる一方。いま国際フォーラムでの展示を終え、ヨドバシカメラ秋葉の無料インターネットスペース。

 友人に誘われて、これから「はばたきメモリアルコンサート」という薬害エイズのチャリティー関連の演奏会に行ってきます。内容は不明。帰りが遅くなりそうなので、とりあえずは記事だけ。

 戻りました。薬害エイズ被害者を支援するはばたき事業団というところが主催し、FMの解説でおなじみの作曲家池辺晋一郎が音楽監督を務める室内楽コンサートでした。

2月16日(木) カザルスホール
 神谷百子(マリンバ)、戸澤哲夫(Vn)、小野富士(Vla)、藤森亮一(Vc) 邦人委嘱作品など
 前半は神谷百子さんのマリンバで、邦人委嘱作品2つとバッハ。マリンバを生で聴くのは2,3度目ですが、いつも音の深みと迫力に圧倒されます。また4本のバチを駆使するさまは曲芸のよう。後半は弦楽三重奏(+ピアノ)で池辺晋一郎など邦人作品の書き下ろし(!)を2曲とモーツァルト。曲に関しては守備範囲外のためよく判りませんが、奏者は一流でした。最後にアンコールとして全員でエルガー「愛のあいさつ」。自分にはむずかしめの曲が多かったのですが、アットホームな雰囲気の楽しい一夜でした。

2006年2月1日水曜日

疾走する文体 - 舞城王太郎「煙か土か食い物」

 さっきはそこそこ揺れた、震度3くらい。昨日に続いての雨、雲のお陰で冷え込みもなし。この季節にしてはかなりの雨量だったのでこれが雪なら大雪になるところ。心身ともに正月ボケから抜けきらないのにもう2月が始まった。

 キワモノの多いメフィスト賞にあって珍しく傑物と噂の高い舞城王太郎を読み衝撃を受けた。口調がいつもと違うのはその影響。よく考えるとこれを読んでるのは全国で2、3人程度、無理してですます調で書くより心の声に近い調子で書く方がより日記として正確な記録になるというもの。

煙か土か食い物 舞城王太郎
 想像以上に凄かった何が凄いかって疾走する文体と苛烈な物語世界で目が回りプロットの瑕瑾すら気にならなくなってしまうくらい凄いもう完全にノックアウト。ただ賞を獲るための作品のせいか無理をして本格のギミックを組み入れてセルフつっこみを余儀なくされ本来の個性が少し殺されているのと、最初の文章のスピード感が最後まで維持されていないのがやや難点、だが後の作品では純度が高まっているのだろう。このチャッチャッチャッと書かれたような文章はかなりの推敲を経たものなのか一気に書き上げられたものなのか、いずれにしても怖い気がする。

 エルロイ「ホワイト・ジャズ」以来の衝撃の文体、まあこっちは翻訳なので正しく味わってる訳ではないが。

 故郷石川のお隣福井が舞台、笑ってしまう表現がありここに引用:

「東京が雪で福井が晴れ。こんな天気だってありうるのかと俺は意外に思う。いつも雨か雪が降っているような印象の福井なのに。」

これは珍しく短めの表現でこの後に続く以下の文が通常の調子。

「東京駅から新幹線で米原まで行く間ずっと空は曇っているが落ちてくる雪が雨に変わりその雨がいつしかやんで米原から特急に乗り換えて福井にはいると途端に曇り空が切れて晴れ上がってきてまるで魔法みたいだ。」

2006年1月31日火曜日

騙りのプロ - ジェフリー・ディーヴァー「静寂の叫び」

今日は雨。昨日の陽気で半分くらいになった玄関前のアイスバーンもこの雨でほとんど融けそうです。ちょっと淋しい気もします。午前中は小雨だったので無事試合は出来、実力通り負けてきました。練習不足なので致し方の無いところ。

 ここ数年ジェフリー・ディーヴァーの評価が高く、気になってはいたんですが、初期作がなかなか古本屋で見つからず、取りかかれないでいました。最初から読むのは諦めて、ブレイクするきっかけとなったこの第4作から読むことに。

静寂の叫び ジェフリー・ディーヴァー
 人質を取って立てこもる犯人との人質解放交渉を軸としたサスペンス。いやあ、すっかりやられました。確かに評判通り、大小取り混ぜた騙しのテクが見事です。またとても映像的な筆致なので、映画化に向いてそうです。

 この作家、古本屋で見つけたら必ず買うことにします。

2006年1月27日金曜日

ゲルギエフ&マリンスキー管のショスタコーヴィチ5番

 今日は平年よりやや高めの10度超え。ここ数日のコンサート通いが祟り、昨夜は徹夜で(ミニ)学会発表の準備。無事発表を終えたので、これからミューザ川崎へ。

 ゲルギエフ月間5日目のメインはショスタコーヴィチ、これでショスタコイヤー4曲目になります。ショスタキストに「ぬるい」と揶揄されるゲルギーのショスタコ、確かにこのコンビ(+N響)で数年前7番を聴いていますが余り印象に残っていません。今日の5番はどうでしょうか。

 戻りました。初めて座りましたが、ミューザの3階RAブロックは舞台裏なのにいい音ですね。でもごめんなさい、あまりにガラガラだったので、後半は3階センターに移動しちゃいました。

1月27日(金) ミューザ川崎
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管 ムソルグスキー モスクワ河の夜明け、チャイコフスキー くるみ割り人形、ショスタコーヴィチ Sym5番
 やはりチャイコフスキーはゲルギーのケレン味によくマッチします。有名なパ・ド・ドゥを含め何度も襲ってくるクライマックスはなかなか豪快で、金管も火曜よりずっと吹いてます。一方後半のショスタコ5番、全体的に速めのテンポでスマートかつシンフォニックな演奏で、ロシアくささは皆無。また第3楽章は先日のマーラー5番4楽章同様、時にテンポをぐっと落とし、内声を豊かにしつつも透明感のある響きを作り出していました。マーラーの時より弦は伸び、金管は吹いていましたが、それでも前半のチャイコよりは控えめ。終楽章では少しだけ爆発しましたが、このコンビの地力からすれば、やや物足りない感じ。前半に入っていなかった「花のワルツ」あたり必ずやってくれると思ってましたが、アンコールは今日も無し。ああ、伝説の「火の鳥」はどこへやら。

 マーラーの時もそうだったのかもしれませんが、方言を排してグローバルな表現を志向したショスタコーヴィチという印象です。勘違いかもしれませんけど。

 ところでゲルギー、月曜のワーグナープロでは曲の中で指揮棒を使ったり使わなかったり、火曜は一日使用せず、今日は終始使ってました。どういう基準で使い分けてるのでしょうか?

2006年1月26日木曜日

コバケン&日フィルのマーラー3番

 本日も晴れ、平年よりやや低め。だいぶ雪は減りましたが、宿舎の玄関は北側にあり終日10階建てビルの影。未だに厚さ数センチのアイスバーンに覆われており、自転車置き場への往復は毎日スケーティングです。

 今日はコバケンのマーラー。CDを聴く限り5年前の演奏はかなりのものだったようなので期待。

 戻りました。知人から頂いた券だったので、二階席正面のVIP席!でも演奏はいま一つ。

1月26日(木) サントリーホール
 小林研一郎指揮日フィル マーラー Sym3番
金管の爆発度はコバケンにしては低め、また特有の演歌的粘りも少なめで、弱音を精妙にやるタイプの指揮者では無いだけに、やや平板な印象です。VnソロとTbソロはそれなり、Tpのトップは不調でしたが、3番4番Tpはよく吹いてました。またP席左後方に陣取った、ゲスト奏者ケイマルのポストホルン(フリューゲルホルン使用?)のリップスラーはさすがでした。
 ただ、終楽章だけはとても細やかな表現で、楽譜の指定とは必ずしも一致しませんが、遅い部分と速い部分を明確に分け、ゆっくりな部分ではコバケン流のカンタービレが炸裂です。ラストの迫力も期待ほどでは無いにせよ、まあそれなり。

 全体としては、演奏の精度と統一感に難があったので、明日はずっと良くなるのではないかと思います。

2006年1月25日水曜日

センカルの豪快マーラー

 本日も晴れ、気温も落ち着いてきて(?)昨年12月同様、平年より2、3度低めの値。

 オイゲン・センカルという指揮者、名前すら聴いたこともありませんでしたが、先日CSで聴いたケルン放響とのマーラー3番<'51年ライブCD>はすさまじかったです。とにかく金管鳴りまくりの吼えまくり! まあ半分はメロディア的なバランスの悪い録音のせいかとは思いますけれど。

 特に終楽章ラスト、延々と続くコラールというかファンファーレ。この部分、実は他の楽器がみんなf以上の指定なのに、何故かTbだけ虐げられており、ずっとpの指定。そして最後の3音になってやっとfで吹くことを許されます。そのラスト3音だけサウンドが変わる効果がはっきり分かる演奏は少なくありませんが、この演奏ほど、たまった不満を爆発させるかのようにTbがラスト3音で咆哮するのは他に聴いたことがありません。

 明日はゲルギーの展覧会&チャイコ5番とコバケンのマーラー3番とで迷いましたが、ゲルギエフは(別のオケですが)一応両曲とも聴いたことがあるので、コバケンに行ってきます。

2006年1月24日火曜日

ゲルギエフ&マリンスキー管のマーラー5番

 気温もだいぶ上がり、アイスバーンもかなり融け始めました。今日で5日連続のコンサート、「もう少し減らさねば」という年頭の誓いはどこへやら。

 今夜はゲルギエフのマーラー。彼のマーラーを何度か聴いてますが、「もっと凄い演奏が出来る筈」と感じるものばかりでした。まだマーラーに余り共感できないのか、それとも向いていないのか。

 戻りました。会場は大いに湧いてましたが、自分には物足りない演奏でした。

1月24日(火) サントリーホール
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管 モーツァルト PC26番、マーラーSym5番
ゲルギエフのマーラーはこれまでと同様、ところどころでは粘る表現はあるけれど、彼の他の曲のスタイルからすれば淡々とした印象。指揮棒なしのせいもあるのか、音の立ち上がりの鋭さに欠ける上、金管を開放しきらないので、凄みが感じられません。弦も伸びが足りない感じ。その意味1-3楽章は大いに不満でしたが、4楽章での内声を大事にしつつゆっくりねっとりと旋律を紡ぎ出す表現はなかなかでした。この勢いで最後は大爆発か、と期待の終楽章、かなり速めのテンポながら、煽る感じは無く、淡々と速い印象。そして最後まで噴火すること無く、抑制されたままの大団円は意外にして不満でした。Tpソロは冴えなかったですが、Hrソロはなかなかでした。アンコールも今日は無し。

 コンサートの通い過ぎで、仕事が溜まってます。

2006年1月23日月曜日

ゲルギエフ&マリンスキー管のリングダイジェスト

 日中も3度程度と昨日より寒く、雪がアイスバーンに転じた場所の面積は広がった感じです。雪国出身ゆえ、雪道の自転車には自信があるのですが、特に滑りやすいタイヤなので(2005/6/24参照)注意しなければ。

 先程、またも東京文化でゲルギエフを聴いてきました。

1月23日(月) 東京文化会館
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管 ワーグナー リング抜粋
以前からそうだったか憶えてないのですが、ゲルギエフは指揮台を使わず、オケ奏者と同じ地平で指揮、また指揮棒は使ったり使わなかったり。遅めのテンポで、しかし思ったほど粘らないところは先週聴いた舞台公演と同じ。少しだけ表現が細かめに、テンポも動きも大きめになった気もします。オケの鳴りは「ワルキューレ」の時の平均より上で、「黄昏」の時より若干おとなしめ。本公演ではピッチが合わなかったティンパニ(オペラやマーラーなど長丁場では仕方が無い)も、今日はバッチリでした。
 このコンビにしては軽めのプロなので当然アンコールがあり、予想通りの「ローエングリン」第3幕前奏曲。ここに至ってやっとブラスが全開で吹いた感じで、このコンビでこのアンコール曲を聴くのは3度目ですが、始めて羽目を外し気味のサウンドが聴けました。

 弦のプルト数はピット時より増えてる筈ですが、厚みはともかく音の伸びが減った気がしました。舞台公演の際はPAを使っていたのか?それとも気のせい?

 オケ部分にしか興味が無いので、この公演のチケット(4,500円)が早めに手に入っていれば、無理して「リング」を3公演(9,000円×3)も買う必要が無かったのに、と後悔しきり。このコンビ、明日はマーラーです。

2006年1月22日日曜日

峻厳なショスタコーヴィチ8番 - 小松一彦&新交響楽団

 雪だった昨日は都心ですら日中は1度くらいの寒い一日でしたが、すっかり晴れた今日は5度くらいにはなったでしょうか。ただ、朝はマイナス6度まで冷え込んだので、そこここに見える雪ダルマは凍りつき、道路はアイスバーン状態です。

 ショスタコイヤーに相応しく、今年に入って今日でもう3公演。8番をアマオケの老舗、新響で聴いてきました。

1月22日(日) 芸術劇場
 小松一彦指揮新交響楽団 邦人現代作品、ショスタコーヴィチ Sym8番
小松氏の指揮は何度か聴いている筈ですが、これと言った印象を持っていませんでしたが、ショスタコには思い入れがあるらしく、指揮ぶりから気迫が伝わってくる感じで、最初の低弦のパッセージから凝縮された響きでした。特に持続音の最後を激しくクレッシェンドする歌い回しは、ロシアオケを思わせる表現です。金管や打楽器の登場する強音部での凄みと響きもなかなかのもの。弦中心の弱音部になるとさすがにピッチの問題も出てきて音の緊張感を十全には維持できませんでしたが、各所で登場する木管の見事なソロがその点をカバーしていました。
 これだけ重い曲の後はアンコール無しかと思いきや、団員はすぐに次の楽譜の準備を始め、ハープ・チェレスタ奏者も登場。ショスタコのアンコールと言えばこれ、というタヒチ・トロット(二人でお茶を)を演奏してくれました。日本人がやるとこういった軽妙な曲は余りサマにならないのですが、この曲をやってくれただけで満足です。

 以前、同じ芸劇でロストロポーヴィチ&ロンドン響が全く同様に8番の後、タヒチ・トロットを演奏した時、アンコールの方により感動して泣きそうになったのを思い出しました。明日からはゲルギー2連チャンです。

2006年1月21日土曜日

劇場型「復活」 - セゲルスタム&読響のマーラー2番

 予報通り、起きたら一面の銀世界。これでテニスはキャンセル。これからセゲルスタムのマーラーを聴きに行きますが、交通機関が心配なので、早めに記事を作っておきます。

 無事戻りました。降り続く雪にもめげず、つくばエクスプレスは順調に運行してました。演奏は凄かったです。

1月21日(土) サントリーホール
 レイフ・セゲルスタム指揮読売日響 マーラー Sym2番
この雪のせいか、会場は6割程度の入り。過去聴いた印象では、セゲルスタムのマーラーは、マーラー特有のねちっこさは感じない代わり、彼流の個性的なバランスや歌い回しがあり、目立たなかったパッセージに光が当たったりします。今日もその特質に加え、テンポも揺らし放題、しかもマーラーの指示をデフォルメすると言うより、完全に自己流の揺れ方です。全体的には遅めのテンポで、特に第2楽章が半端じゃない表現で一番印象的でした。また、舞台裏のバンダがある時はステージの袖、またある時はPブロック裏の通路、そして合唱の入る手前にFlとかけ合いをするTpに至っては、Pブロック上方の左右、RDブロック前方、LDブロック前方と4箇所から朗々と吹いて独特の空間を作り出していました。そしてバンダの金管奏者も舞台に上っての大団円。Hr11本、Tp10本(推定)を含む金管群が作り出す豪壮な響きは、過去聴いた同曲の中でも1、2を争う大迫力でした。

 このコンビのマーラー、1、9、2番と聴きましたが、今回の演奏が一番精度が低く、でも一番凄かったです。

2006年1月20日金曜日

初ものづくし -フェドセーエフ&東フィルのカリンニコフ1番、森の歌

 本日は大寒、暦の上では一番寒い日ですが、実際に一番気温が低いのは30日前後のようです。今日は晴れてましたが気温は平年よりやや低め。明日は崩れると共に冷え込んで雪になるとの予報です。

 これからショスタコーヴィチイヤー第2弾、「森の歌」を聴いてきます。純オケ志向なので「歌」と付いただけで避けており、聴くのは初めて。(同様の理由で傑作との誉れの高いSym13番、14番も滅多に聴きません。) また前半のカリンニコフのSym1番(これも初めて)について各方面から「いい曲だよ!」との声があったのも、出向く気になった一因です。例によって、感想はまた後で。
 
 戻りました。おとなしめの演奏でした。

1月20日(金) サントリーホール
 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮東京フィル カリンニコフ Sym1番、ショスタコーヴィチ 森の歌
 カリンニコフはメロディアスなところと合いの手の入れ方が、少しチャイコフスキーを思わせました。フェドセーエフの音造りは丁寧で羽目を外さない感じ。最後の一音の弦の残し方がとってもカッコ良かったです。森の歌はショスタコーヴィチっぽさの少ない曲でしたが、クライマックスのくどさとしつこさはやはりショスタコ。混声に少年少女合唱まで加えた大編成に、最後はPブロック後方、左右に6人ずつ陣取ったバンダまで加わって壮大な響き、だったようなんですが、Pブロックに座っていたせいかよく判りませんでした。ただ金管は柔らかめに吹いていた気がします。

 明日はセゲルスタムのマーラーです。

2006年1月17日火曜日

ハーレクインの城 - サラ・ウォーターズ「荊の城」

 昨夜の雨も朝にはあがって晴れた一日。高めの気温も維持されており、これで4日連続して最高10度超の最低はプラス気温となりそう。

 今日は年末年始に読んだ本から。

荊の城 サラ・ウォーターズ
 処女作「半身」に続き、「このミス」2004年度ベストミステリに輝いた作品。巧緻なプロットではありますが、ヒネリの多いハーレクイン・ロマン、いやゴシック・ロマンという印象で、個人的にはその年のベストミステリーとは思いません。(ハーレクイン・ロマンを読んだことがありませんので、平均的にどの程度のヒネリがあるのかどうか知りませんけれど。) また、このプロットならもっと短く書けるのに、この長さ(二分冊)になること自体、ゴシック・ロマン的要素の強さを感じます。物語としては面白いですが、これを本格作品として評価する人がいるのはちょっと解せません。

 どうやら「半身」といいこれといい、「このミス」第1位!と思って読んではいけない作品のようです。

2006年1月16日月曜日

ゲルギエフ&マリンスキー歌劇場の黄昏

 曇りがちの一日。そのせいで朝は昨日の暖かさが残っていましたが、これからまた寒さが戻ってくるんでしょうか。

 これからマリンスキー歌劇場の「黄昏」。リング2サイクルに加え日替わりメニューのコンサートと、1月はゲルギー月間の趣。そのため、最安席に限っていても所持金が底をつき、ついに千数十円。往復の電車賃にも足りないので同僚に千円借りて出陣です。例によって記事だけ作っておきます。

 戻りました。先週の「ワルキューレ」よりずっと良かったです。

1月16日(月) 東京文化会館
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場 ワーグナー 神々の黄昏
遅めのテンポと少々雑なところは相変わらずでしたが、今日はオケの鳴りが違いました。第1幕半ばで既に「ワルキューレ」の終幕と同じレベルで、幕切れでは更に1クラス上の音量。また第2幕では合唱がかなりの迫力で、それにかぶせる時の金管は吹きまくってました。席を移動したせいか、終幕では少し迫力がにぶった気もしましたが、トータルでは大満足の音響です。演出も相変わらず仕掛けの少ないものでしたが、「ワルキューレ」よりは動きがありました。

 このコンビを聴くのは6、7回目ですが、初めて「ロシア的」な馬力を感じました。明日は給料日、千円を返せます。

2006年1月15日日曜日

20年ふた昔 - 山形由美さんのフルート

  噂ほど気温は上がりませんでしたが、それでも13度。深夜に11度超を記録しているだけに物足りませんが、今年の冬は寒いだけに、このくらいになると少し春の香りすら感じます。

  午前中はテニス日和を楽しみ、午後はCDショップでミニライブ、山形由美さんのフルートです。もうデビューして20年とのこと。さすがに貫禄がついてしまいましたが、控え目で落ち着いた方でした。いくつかの通俗名曲に加え、ヴィルトゥオージティの披瀝として各種の楽器で奏される難曲「ベニスの謝肉祭」までも美音で聴かせてくれました。10数年前なら僕の様なミーハーで会場は一杯になったでしょうに、20席くらいの客席も半分程度、歳月の流れを感じました。

 明日はまた仕事をサボってマリンスキーの「黄昏」です。 

2006年1月14日土曜日

整然とした馬鹿騒ぎ - 金子建志&千葉フィル エル・サロン・メヒコ、シバの女王ベルキス、チャイコフスキー1番

 今日は久し振りに、本当に久し振りに激しい雨。裏日本出身者のせいか関東の冬を過信しており、この時期傘を持つという感覚が無く、全身濡れ鼠。日中の気温は予報より低く10度を下回っていたため凍えました。ただ、夜になって気温はどんどん上昇し、10度を軽々と突破。何と40日ぶりに気温がマイナスにならない日になりそうです。

 友人と相談の上、昨夜入手したマリンスキーの「ジークフリート」は彼に譲り、千葉まで遠征してアマオケを聴いてきました。オケの実演では初めての曲が2つ。チャイコフスキーの1番とレスピーギの「シバの女王ベルキス」。チャイコの1番は終楽章の馬鹿騒ぎで有名な曲ですし、レスピーギも馬鹿騒ぎが得意なので、プログラムのコンセプトは「馬鹿騒ぎ」なのかもしれません。

 30年以上前、たぶん駒大がやってからレスピーギのローマ3部作は吹奏楽コンクールの人気曲。(僕も中学校の時やりました。) その後、ベルキスが人気曲になったらしいのですが、ディスクで聴いた感じ松や祭ほど魅力的には思えません。生で聴くと違うのでしょうか。

 また指揮を執る金子建志氏は、そのFM解説の名調子が好きなので機会があればいつも聴くことにしています。

11月14日(土) 習志野文化ホール
 金子建志指揮千葉フィルハーモニー管弦楽団 コープランド エル・サロン・メヒコ、レスピーギ シバの女王ベルキス、チャイコフスキー Sym1番
 エル・サロン・メヒコも吹奏楽でお馴染みの曲。リズムが重かったです。注目のレスピーギでは、終曲のコーダで舞台裏のTpが舞台袖に出て来てバンダになり、かなりの迫力。少し良さが分かりました。またチャイコの1番と言っても全く曲が浮かばなかったのですが、いざ聴いてみるとそこはチャイコ、聴いたことのあるフレーズばかりでした。また噂の終楽章コーダ、金子氏の解釈はアッチェレをかけたいところをぐっとインテンポに、整然としたクライマックス。ホルンがとてもいい音でした。
 アンコール前にはハープ奏者が二人入場、テミルカノフを始め多くの指揮者が好むあのド派手なアンコールピースか!と期待が高まり、まさにその曲、「くるみ割り人形」よりパ・ド・ドゥ。馬鹿騒ぎプロに相応しい幕切れでした。

 明日は相当暖かい一日になりそうです。

2006年1月12日木曜日

ゲルギエフ&マリンスキー歌劇場のワルキューレ

 朝の冷え込みこそマイナス6度でしたが、昨日同様日中は平年並みの暖かさ。

 これから午後仕事を休んで、マリンスキー歌劇場の「ワルキューレ」。戻りは遅くなるので記事だけ作っておきます。

 戻りました。まあそれなりの演奏でした。

1月12日(木) 東京文化会館
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場 ワーグナー ワルキューレ
文化会館でワーグナーを聴くのは初めて。最初の一音から響きのよさに感動、某巨大ホールとは大違いです。友人と席を替わりながら5階の両サイドで聴きましたが、特に右サイドの席では弦の厚みのある響きが聴けました。ゲルギエフの指揮は遅めのテンポながら余り細かくなく、流れに任せる感じ。オケは豊かな響きではありましたが、細部はかなり雑な印象。また、長丁場だからか、常に余力を残している感じで、このコンビにしては迫力が足りない気がしましたが、第3幕になると要所でかなり鳴らしてくれました。オペラは得意分野ではありませんので、歌手や演出については分かりませんが、驚くほど動きも仕掛けも少ない演出でした。

2006年1月7日土曜日

北欧の巨人 - セゲルスタム&読響 展覧会の絵

 すみだでのショスタコ4番の終演が5時20分、芸劇での開演が6時なので、盛大な拍手の中ダッシュで池袋へと直行。無理かなあと思ったのですが乗り継ぎの具合がよく、5時50分には池袋に到着。

 セゲルスタム&読響のコンビを聴いたのは過去3回。マーラーの1番と9番はいい演奏でしたが、家庭Symはいま一つ。今日の「展覧会の絵」はどうでしょうか。因みにチケットはクラシック仲間からの頂きもの。有難い限りです。

11月7日(土) 東京芸術劇場
 レイフ・セゲルスタム指揮読売日響 ムソルグスキー 展覧会の絵、ドヴォルザーク Sym9番
 まずはお目当ての展覧会、読響にしては木管はやや精彩を欠き、弦もいま一つ伸びが無い感じ。セゲルスタムの解釈も大半は個性を感じませんでした。ただ、ビドロ中盤の異常なまでの盛り上がりと、そしてラストのキエフの大門での、弱音部は速めのテンポなのにフォルテになるとチェリビダッゲばりの遅いテンポでの壮大なクライマックス、この2点で満足でした。これら良かった部分を始め、各所でセゲルスタムがスコアに手を入れている感じです。またTpとTbのトップは音色・パワー共に見事でした。
 後半の「新世界」は守備範囲外なのでよく分かりませんが、第2楽章で弦が旋律を担当する部分が綺麗でした。軽めのプロのためかアンコールがあって、スラブ舞曲第2番(かな?)。内声重視のハーモニーで、表情豊かに聴かせてくれました。

 考えてみるとこのコンビ、よかったのはサントリーで、いま一つだったのは芸劇での公演。もしかして、単にホールの問題?それともマーラー向きなのか?いずれにせよ、次の「復活」に期待です。

聴き初めはショスタコ4番 - 大野&新日フィル 

 今年は生誕100年のショスタコーヴィチイヤーということで、新春に4番の公演が2回(大野&新日とアシュケナージ&N響)もあります。が、最安席が3500円と高い!国内オケは2000円が目安なので、入手できないでいるうちに前者の最終日。これでは貴重な4番を聴けない可能性が大です。

 もとより夜にはセゲルスタム&読響を聴きに行くので、昼のうちに出てホール前でうろうろし、お金持ちの方の余り券を恵んで貰う作戦を敢行。首尾良くS席を安く譲って頂きました。4番をプロのオケで聴くのは初めてです。

1月7日(土) すみだトリフォニーホール
 大野和士指揮新日本フィル 邦人現代作品、ショスタコーヴィチ PC1番、Sym4番
ショスタコのPC1番はピアノ協奏曲というより「ピアノ、Tpと弦楽のためのディヴェルティメント」といった趣の楽しい曲。ピアニストのシモン・トルプチェスキは盛大な拍手に応えて自国(マケドニア?)の珍しい曲を披露。そしてお目当ての4番、大野氏の紡ぎ出す音は常に柔らかで、自分の中のイメージとの違いが大きかったです。弱音からよく鳴るフォルテシモまで、ダイナミックレンジの広い表現でしたが、音に厳しさを感じませんでした(特に弱音部)。殊更に深刻ぶらない解釈なのでしょう。その意味終楽章中盤、ヨーロッパ音楽へのパロディみたいな部分ではマッチしてたかもしれません。女性奏者のFgソロが見事でした。

 PC1番終楽章のTpソロに、4番終楽章の唐突なTbソロと同じ味を感じました。拍手もそこそこに、次の会場の池袋へと向かいます。

2006年1月6日金曜日

豪華絢爛、歌う密室劇 - 8人の女たち

鼻のかみ過ぎで粘膜が弱っているのか、強くかんだ拍子に鼻血がドバッ! なかなか止まらないのは実家で栄養を摂り過ぎたせい?それとも同僚のハネムーン土産のチョコを食い過ぎたせい?

 裏日本の雪を尻目に本日も好天。ただ気温は低く、最高3度最低-5度なので平均気温でもマイナスになるのは必至。もうこの冬2度目です(←3度目でした。例年ならひと冬で1、2度)。

 今日も帰省中に観た映画から一つ。鬼才と呼ばれるF.オゾン監督作品を観るのは初めて。しかもミステリー映画としても名高いので、楽しみにしてた作品です。

8人の女たち <'02 仏>
 雪に閉ざされた邸宅で犯人探しが行われる密室劇。登場人物がいきなり歌いだすなど、かなりヘンな作品。ミステリーとしては今ひとつでしたが、C.ドヌーヴ、F.アルダン、I.ユペール、E.ベアール、V.ルドワイヤン、L.サニエなど豪華女優陣の顔ぶれが凄いです。みんな脱ぎっぷりの良い役者さん達ですが、そちら方面はゼロ(残念!)。期待した程ではありませんでしたが、映画に詳しい人なら各種の引用やパロディが分かって面白いのかもしれません。

 オゾン監督作品ならL.サニエのお色気全開の「スイミング・プール」をとにかく観てみたいところ。