2009年1月31日土曜日

ハイティンク&CSOの堂々R.シュトラウス

 またも1月には稀な3日連続しての悪天、特に夜半から朝にかけて風雨が強く大荒れ、気温は深夜9度あった気温が日中になっても下がり続け正午には5度未満に、ただ夕方からまた上がっています。

 この1昼夜に降った雨量70mmは1月トータルの平年値のほぼ2倍、つまり1日でふた月分降ったことになります。まあ、関東の冬の平年値が少な過ぎるだけなんですが。

 勿論練習はキャンセル、ゆっくり昼過ぎに出かけ、午後は無線LANが入りかつ電源も取れるマックで過ごし映画でもダウンロード、実は今夜のコンサートのスポンサーはこのマックです。

 聴いたのはシカゴ響、以前からやや価格が高めでしたが、それでも1万未満の席が2種ありました。それが今回は東京公演など最安席で1万6000円!ふざけてるとしか思えません。NBSさん、文句ばかり言ってごめんなさい、K本も頭おかしいみたいです。

 1公演だけ聴くなら明日のマーラー6番なのですが、予算不足で無理、横浜公演のみ1万を割る席があるのでまずそれをGETし、マーラーの日と交換してくれる人を探す「わらしべ長者作戦」を画策しましたがあえなく失敗、まあ「英雄の生涯」が聴けるからよしとしましょう。

 会場には楽器を持ったブラス少年・少女が他の海外オケの時より明らかに多く、もうハーセスもクレヴェンジャーもいない(クレヴェンジャーはまだいるか?)のに、未だにCSOは自分が吹いていた30数年前と同じく金管屋にとっての憧憬なんでしょうか。

1月31日(土) みなとみらいホール
 ベルナルト・ハイティンク指揮シカゴ響 モーツァルト Sym41番、R.シュトラウス 英雄の生涯
 前半のモーツァルトは長かったです。そして後半、後方に横1列に並んだ9本のHrは壮観、最初の1音のチューバの轟音がまず度肝を抜き、その後もブラスは当然ながら分厚い響き、中盤クライマックスではTp(5本)のハイトーンが高らかに鳴り渡ります。弦は元々そんなに馬力や伸びは無いのですが、中低音を軸にそれなりの厚み、木管陣もさすが、結構ハープも目立ってました。ドレスデンとの時と同様、ハイティンクは中庸のテンポで特にあざとい部分も無く普通なのですが、それが却ってオケの個性を出している感じ、ショルティの時には及ばないにせよ、バレンボイムの時よりはずっとCSOらしい構築美が聴けました。

 かなり軽めのプロの割にはアンコールは無し、シカゴ響では初めての経験です。これまで聴いた全ての公演はどんなに重いプロの後でも必ず豪快なアンコールがあり、「こいつら、(芸術家というより)真のプロだ…」と舌を巻いたものですが、指揮者の意向でしょうか。

2009年1月26日月曜日

と静香は言った - 桜庭一樹「少女には向かない職業」

朝はマイナス5度とやや低めでしたが日中は平年並み、冬型の晴れの筈ですが何故か午後になって雲が出てきました。

 ここ数年注目されている桜庭一樹、着手するとしたらまず「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」から、と思っていたのですが、何せ当時のジャンルはライトノベル、古本屋でもライトノベルの棚はアウェーのため探し方も分かりません。

 だんだんガマン出来なくなり、ずっと前に入手済みだったこの作品を手に取ることに、創元から一般ミステリーとして刊行された作品ですが、分量的にも内容的にもライトノベル的?だったせいか、土曜の東京への往復で一気に読めました。

 タイトルは勿論P.D.ジェイムズ「女には向かない職業」へのオマージュですが、それと内容的には関係は無いのでそっちが未読でも大丈夫、因みに「一樹」は男性っぽい名前ですが、女性とのこと。

少女には向かない職業 桜庭一樹
 苛烈な運命に悩む(ちょっと大袈裟?)二人の少女が出会い、やがて殺人を犯すことになる物語が、夏から冬にかけて島の自然と共に描かれます。ミステリーと思って読むとやや肩透かしを食らいますが、ミステリーへの愛に満ちたジュヴナイルか青春小説と思った方がいいでしょう。章題が素敵です。

 Gyaoでドラマ化されてるようですね。

2009年1月25日日曜日

聴き初めは超豪快ショスタコーヴィチ - 秋山&ラスベート交響楽団の1812年、ショスタコーヴィチ7番

 「SATC」は未だ第4シーズン視聴中、先日の"婚約指輪にゲロ"に続き、"ウェディングドレスに蕁麻疹"にも爆笑です。

 6日振りの冬晴れ、冷え込みも日中の気温も平年並み、久々の夜空も綺麗です。昼過ぎまでテニスし、午後はアマオケと典型的休日。

 本日はアマオケでショスタコ、同じ時間帯に4番と7番があったのですが、迷わず無料招待のある方を選択、遅ればせながらこれが今年の聴き初めです。

1月25日(日) 杉並公会堂
 秋山俊樹指揮ラスベート交響楽団 チャイコフスキー 1812年、ショスタコーヴィチ Sym7番
この楽団を聴くのは初めてかも、創立10周年記念の大曲とのこと、共にバンダの要る曲で、エキストラを動員し(ダスビっぽいメンバーも)舞台右奥に本隊15本、左奥にバンダ11本のブラス、前半の1812年では更に大太鼓4つ(大砲役)とチューブラーベルを2つをバルコニー席の6箇所に配置、冒頭の弦が美しく、ラストのブラスのベタ吹きの豪快さは昨年のサンクトペテルブルクフィル及びモスクワフィルの同曲を凌駕してました。後半のショスタコでもブラスは豪快そのもの、第3楽章中盤の盛り上がりは過去最強(弦もなかなか)、そしてラストの1音をスヴェトラばりのクレッシェンドで魅せた終楽章もプロアマ通じ過去最高クラスのド迫力、記憶する中で匹敵するのは数年前の齊藤栄一&水星交響楽団と一昨年のミッチー&サンクトペテルブルク響くらい、テミルカーノフ&サンクトフィルには完勝でした。アンコールは無し、と言うか、拍手が続いていても指揮者が戻るのは1度のみですぐ終了、という潔さや良し。

 まあ、ホールが小さいせいもあったかもしれませんが、凄かったです。新春から縁起がいいです。