2006年9月5日火曜日

晩夏、何度も殺される「僕」 - 連城三紀彦「どこまでも殺されて」

 えーん、さっき家に帰ったらP.ケイツ「パラダイス」の留守録に失敗してました。出掛けに2度も確認したのに…。原因不明、理解不能。ほぼノーカット放送だし、P.ケイツが若過ぎるため英米ではDVD化されずネットにも流れにくいソースだけに残念。

 4日続いた残暑の中でも今日は一番の陽気、都心では35度近かったとか。仕事を休んでサマーランドで試合、何の因果か友人と対戦、過去1勝1敗でしたが暑さのお陰で第2セットで相手が体調不良となり勝利、よって明日も試合です。

 試合会場で日向ぼっこをしながら本を1冊読了。連城三紀彦の短めの長編。彼のトリッキーな作品群は殆ど読んでる気はするのですが、この作品は読んだかどうか憶えておらず、100円コーナーで見かけた際に(再)購入しておいたもの。

どこまでも殺されて 連城三紀彦
 7度も殺された「僕」が、今まさに8度目に殺されようとしている、というあり得ない物語。アクロバットの名人がこれをどう料理するかお手並拝見、といったところですが、同じ人が何度も殺される同趣向の「私という名の変奏曲」に比べると、いま一つの感がありました。まあ、それでも単純に楽しめますし、青春小説としても読めます。

 結局読了後も読んだ事があるかは判らずじまい。本日の陽気にピッタリの表現があったので、ここに引用:

昨日の日曜から再び夏が舞い戻ったように暑くなっている。ただしそれは真夏の暑さとは違う。数字的な気温は夏と変わりないのだが、町を焼く陽ざしの白さにはどこかに秋へと溶暗する季節の翳りが感じとれた。

0 件のコメント:

コメントを投稿