2012年8月31日金曜日

小団円の第4作 - ジャック・カーリイ「ブラッド・ブラザー」

 うげえ、CLで応援するアヤックスが"死の組"に、レアル、ドルトムントにM.シティ、これは酷い…。

 あと阪神、横浜に負け越す失態、情け無い…。

 そして昨夜のブエルタ、平坦コースだと思ってスルーしたら、ラストは最大30%!の激坂、またも観なかったレースで動くなんて残念、やはりボーナスタイムがあると動きが多くて面白い。

 8月も最終日、またまた晴れて最高34度台とまずまず、朝から入道雲多く、昼休みに僅かな通り雨も、夜空に浮かぶお月さんはだいぶ円まってきています。

 今日は先日読了した本から、昨年度の本格物の収穫とされる作品を100-200円で数冊入手したので、まとめて読むことに、まずは昨年度このミス第6位にして、本格ジャンルとしては1、2位に推された作品、第1作「百番目の男」で世間を騒がせたシリーズも早や4作目、第3作「毒蛇の園」で出番の少なかったお兄さんが出ずっぱりです。

ブラッド・ブラザー ジャック・カーリイ
 主人公がニューヨークに呼び出され、アウェーの洗礼を浴びながら、兄の犯行と思える猟奇殺人の捜査に携わるサイコサスペンス風警察小説。サイコっぽい兄ジェレミーが活躍すればする程レクター博士ものの亜流とみなされる難点はありますが、前作と比べて伏線&サプライズ度は上昇、本格テイストでは第2作「デス・コレクターズ」より落ちますが、ある意味集大成的な作品に仕上がっています。

 ただ、出来れば過去3作、最低でも第1作を読んでおかないと愉しみ半減です。

2012年8月29日水曜日

パンチャス&アジアユースオケの海、幻想、そして感動ニムロッド

 うーん、阪神着々とどん底へと向かって潜行中(涙)。

 今日も晴れて素敵な残暑、ただ最高33.3度とここ2日間勢いは徐々に弱まってきています。

 夜は昨夜に続いてアジアユースオケ第2夜、今日指揮を執るのはAYOの設立者にして音楽監督、R.パンチャス、そして今夜がアジアツアーの最終日です。ただ残念ながら連れに当日キャンセルされてしまいました(涙)。

8月29日(水) オペラシティ
 リチャード・パンチャス指揮アジア・ユース・オーケストラ ドビュッシー 海、ベルリオーズ 海賊、幻想Sym
 昨夜と同様最初にパンチャスの口上、昨日はコンミスがオケを率いてましたが今日はコンマス、最初はベルリオーズ「海賊」、実演は初めてかも、より一緒にやっている指揮者のせいか昨夜より弦に伸びとキレが出て、ブラスもやや開放的、一気呵成の快演でした。続くドビュッシーは色彩感薄めでスケール感もぼちぼち、終楽章弦の刻みにTpがかぶる版でTpは4本(2本はコルネットかも)、終楽章冒頭のソロを交替に吹いていたトップ2名は最後までピッコロを使わず奮闘してました。
 後半は幻想、6本のHrは1曲ごとにローテ、第1楽章はゆっくりしみじみと始まってその後激しい緩急、第2楽章はコルネット付きの版、でもアングレの隣に移動した1stTpはB管っぽいピストンを使用、音合わせを挟んで草笛のObが舞台裏だった第3楽章はテンポの変化大きく、第4楽章はリピート無しで一気呵成、パーカッションの打ち込み、ブラスの鳴りともに豪快、棒を降ろさず突入した終楽章もメリハリある表現、立派な鐘2個も高らかに鳴り、怒涛の加速をしてなだれ込んだラスト1音は朗々かつかなり長め、とこれも快演でした。
 盛大な拍手に応えてパンチャスがまたマイクを手に「6週間前はnew friends、今は政治・信条を超えてgood friends、そして明日からは離れ離れ」と言ってアンコールにエルガー「エニグマ」ニムロッドをスタート、遅めテンポでしみじみ始まりラストは雄大、聞くこっちが思わずもらい泣きする状況で、よく泣かずに演奏出来るなあ、と感心しきり。

 友人が来れなくなったコンサートに限って感動的な演奏になる気がします、やっぱマーフィーの法則か。

2012年8月28日火曜日

ジャッド&アジアユースオケ、暗転と66秒の9番

 今日も晴れ、気温は最高34度弱とやや翳りがみられましたがギリギリ及第点、これで8日連続して満足の残暑、自室の温度も32度前後を維持してます。

 その代わりジンマシンっぽい発疹は衰え知らず、腕脚のみならず顔や背中にも少し出てくる始末(涙)、でも先行発売でサロネン&フィルハーモニア(芸劇公演)の最安4000円席が取れてご満悦、

 今夜からアジアユースオケ2連戦、第1夜はジャッド指揮するマーラー9番、彼の指揮を何度か聴いた記憶はあるのですがボケ老人ゆえ覚えておらず、日記を紐解くと新日とショスタコ7番、そして一昨年には今回と同じコンビでマーラーの5番を聴いており、全体的にクセの無い表現をしつつ、要所でケレン味を見せる、という個性のよう、9番をどう料理するでしょうか。

8月28日(火) オペラシティ
 ジェームズ・ジャッド指揮アジア・ユース・オーケストラ マーラー Sym9番
音楽監督パンチャスの口上の後、ジャッドが登場、弦は通常並び、最初の3つの楽章はクセ少なく、テンポは標準かやや遅め(第3楽章はかなり遅め)、オケの特性に合わせたのか解釈なのか、弱音も抑えずしっかり吹かせる音作り、拍を細かく刻む分かりやすい棒で、そのせいかこれまで聞こえなかったパッセージも耳に入ります。6本のHrは要所で鳴ってましたが全体にブラスは抑えめ、第2楽章前半の楽しげな感じと1st、2ndVnの表情の違い、そして第3楽章中間部のTp弱音ソロの難所を1stとアシが交替で吹いていたのが印象的、ただ終楽章に入ると俄然個性的に、かなり遅めのテンポで1音1音刻み込むかの様な表現は初めて耳にするもの、高弦はやや伸びには欠けるものの低弦は厚みがあり、共に一所懸命にその棒に応えていて、(個人的には)感服しても感動することの少ないこの曲で久々に感動しました。後半のクライマックスでの爆発度は低め、ただその後静まってからもう1度来る小さな頂点が(バルビローリ&BPOのディスクの如く)かなり雄大、そして驚きは終結部、舞台の照明がだんだん落ちてゆく演出がなされ、最初は近眼&鳥目が進行したのかと錯覚(笑)、しかも最後極端にテンポを落として終わった後、ジャッドはおよそ1分緊張を解かないまま、棒を降ろして拍手が始まったのは音が消えてから概算66秒!自分の体験ではアバド&BPOの来日公演の60秒を超える新記録でした。アンコールは無し。

 一昨年の5番もそうだったんですが、個性の薄い演奏だなー、と思わせておいて要所でドカン、とケレン味、といった印象、彼のマーラーをもっと聴いてみたくなりました。

2012年8月27日月曜日

泡妻式ロンド再び - 泡坂妻夫「毒薬の輪舞」

 仕事を休んで都心で試合、プレー中は全く暑さを感じなかったんですがそれでも都心は猛暑日、地元南茨城も最高34.9度と準猛暑日、先々週末伊豆で焼けた首周りの皮が黒く汚く剥けてきています。

 本日は帰省から戻る際、および上記伊豆での合宿の頃に読んだ本から、帰省時に読んだ短編集に続き泡妻作品、丁度1年前に読んだ「死者の輪舞」で活躍する海方刑事などが再登場する"輪舞シリーズ"?第2作で、第3作も企画されていたようですが、出版されずじまいだったそうです。

毒薬の輪舞 泡坂妻夫
 精神病院で連続して起きる不可能状況での異物・毒物混入事件に前作の刑事コンビが潜入?して挑みます。多くの伏線を回収して一気に収束するラストは見事ですが、犯罪が地味なため緊張感に乏しい上、やや凝り過ぎの感もあり一般的には評価され辛いかも、マニア向け。

 悲しいかな、ボケ老人ゆえ前作の登場人物をすっかり忘れており、主役の刑事コンビ以外の共通キャラとの再会を楽しむことができませんでした…。

 因みに明日からはアジアユースオケ2連戦、まずはジャッド指揮するマーラー9番です!

2012Masaオープン ひまわり3

 今日もよく晴れて、これで7日連続して及第点の暑さ&夕立無し、絶好のテニス日和、ってことで東京は葛飾に出て試合、本選1回戦で第2シードに0-6,0-6とコテンパン、これで3試合連続の串団子(涙)、本日のお小遣いは2100円。

 今日貰ったアドバイス:
緩くてもいいから深い球を打ってもっと果敢にネットプレーを。

2012年8月24日金曜日

名匠アラカルト - 泡坂妻夫「蚊取湖殺人事件」

 ありゃ? 昨夜のブエルタ、山頂ゴールとは言っても3級山岳なのでスルーしたのに総合争い勃発、自分が観逃したレースは動く、というパターンになりつつあります(涙)。

 あと自転車と言えば、アームストロングがドーピング問題についてもう法廷闘争をしない、と表明したらしいのも気になるところ、しかし何故1国の機関の主張が自転車の国際連合の定めること(ツールのタイトルなど)に影響するのかが、未だよく理解出来ません。

 今日もよく晴れて気温も最高34度台と及第点、納得の暑さが4日続いたのは7月最終週、2度目の梅雨明けに続いて今夏2度目、素敵な残暑です。

 エアチェックに一旦帰宅しまた職場に戻るべく外に出ると、ドーン、と大きな花火の音が!

 隣の市では全国的にも有名な花火大会が秋にあるんですが、地元で花火大会をやっていた記憶無く、調べてみると10年振りの復活とのこと、とは言え、炸裂してからドーンと音が来るまで12、3秒、つまり4km程職場や宿舎からは離れた場所だったので、音はそこそこながら、目を愉しませるにはやや遠く、しかも30分で終わってしまいました。

 本日は昨日に続いて帰省時に手にした本から、昨年沢山読んだ泡坂妻夫の短編集です。

蚊取湖殺人事件 泡坂妻夫
 問題編・解答編と分かれるガチガチパズラーの表題作から随筆・小咄風の作品までバラエティある7編を収録、泡妻らしい突飛な論理の巻頭作「雪の絵画教室」が「煙の殺意」メンバー登場の懐かしさもあって1番印象に残りました。

2012年8月23日木曜日

自他お気に入りアンソロジー第5巻は豪華メンバー - マイ・ベスト・ミステリー V

むむむ、阪神順調に借金を増やしているようで。その阪神が母屋を貸している高校野球、大阪桐蔭と光星学院が再びあいまみえるとは凄いっす、まあ、一部では大阪vs.大阪と囁かれてはいるようですが。

 本日の暦は処暑、それに反して気温はうなぎのぼり、久々に35度を突破し今年4度目の猛暑日です。昼休みの壁打ちも心地よく、自室の温度も32度と今夏の最高値を記録しました。

 朝風呂後の定期測定によるとこの3日間での減量はたったの1kg、短期的にはあと1kg、長期的にはあと3kg減らさねば。

 本日はお盆の帰省途上に読んだ本から、父が国産物短編集しか読まなくなったので、帰省時には何冊か携えることにしており、その中の1冊、お正月にも何冊か読んだアンソロジーシリーズ、著名作家にとってのお気に入りの自作と他人の作をセットで収め、本人コメントも付いたお得な短編集の第5巻です。

マイ・ベスト・ミステリー V 日本推理作家協会編
 今回は鮎川哲也、泡坂妻夫、北村薫、北森鴻、東野圭吾、山口雅也とすっごいメンツ、鮎哲推薦ガチガチの本格、黒輪土風「六人の容疑者」が最も印象的、あと泡妻推薦の横溝正史「探偵小説」(既読なのに殆ど初読気分)の現代性も。収録作の半分以上が既読なのに全く覚えていない作品(木々高太郎「永遠の女囚」(北村薫推薦)など)が複数あったのが最大の衝撃。あと初読だった松本清張「天城越え」(東野圭吾推薦)が映画と内容が違ったのにも少し驚きました。

2012年8月22日水曜日

ビッグKサマーテニス選手権 2012

 夏っぽく晴れて気温も連日の34度台、これぞテニス日和、ってことでビッグKサマーテニス選手権に参戦、行きのバス、最寄の停留所での車内アナウンス「テニスの名門、ビッグK」には笑いました。

 本選1回戦の相手は厳しい予選を勝ち上がってきた大学生、0-6,0-6でスコシバ終了、ここ5試合でトータル2ゲームしか取ってません(涙)、本日のお小遣いは4000円。

 反省して、と言うか真夏の陽気が嬉しくて帰り道、テニスクラブから吉祥寺駅までは歩きました。

 本日貰ったアドバイス:
バックコートラリーではストレートが多過ぎ、もっとクロスに。

2012年8月5日日曜日

総乗りのマーラー5番 - 汐澤安彦&上智大学OB管絃楽団

今朝の男子1万m、前回の世界選手権から兆候はあったとは言え"新皇帝"ベケレの敗退はやはりショック、アメリカ選手や弟にまで負けるなんて…、ただ、大勢がラスト1周53-55秒で走ってしまうんじゃ、そこまでの展開をもっと考える必要があった感じ、あと女子100m、フレーザーの連覇は凄いかも。

 陸上を観終わって寝ずにそのまま練習のため東京へ、昨日に比べ天気は好転、いい感じの晴れで最高34度弱、振り回し系のシンドイ練習が多く全身ぐっしょり、正午前に上がってアマオケへ。

 聴いたのは上智大オケのOB中心に比較的近年結成されたオケ、なのでまだ第4回演奏会、タクトを執るのは(自分が学生の頃から)現役のオケをずっと振っている汐澤先生です。

8月5日(日) すみだトリフォニー
 汐澤安彦指揮上智大学OB管絃楽団 エグモント、未完成、マーラー Sym5番
前半2曲は時々意識を失いつつ鑑賞、弦がまずまずの響きでした。後半はお目当てマーラー、まずTp7、Tb6とその本数の多さにビックリ、5番でこれだけ多いのは初めての経験かも、乗りたい人はみんな乗る、というスタイルか(プログラム的にもやりたい曲を全部やる、といった印象)、Tpソロは珍しいベタ吹き系、パワーと弱音のデリカシーを併せ持っていてなかなか、Hrソロは7本中の黒一点、こちらも見事、汐澤氏のやや遅めの棒の下、第4楽章はじっくり歌い、第2楽章コラールや終楽章クライマックスでは本数の多いTp、Tbのパワーが炸裂、なかなかの盛り上がりでした。アンコールは無し。

 連れと錦糸町の新規のラーメン屋を経由し、次は二子玉へ、そこからバスで行った場所にある公営コートでナイターテニスです。

 初めて乗るバス路線、行き先が「美術館」と妙に抽象的な名前だったり、どう考えても遠回りをして、「民家園」とか「静嘉堂文庫」など謎の場所を通ったり、細い坂を上って病院を経由したり(しかも途中でバス同士行き逢わない様、無線連絡してから坂道に入ってます!)、と世田谷って自分が知らない場所が一杯あるんだなあ、と感じました。

 午前中に汗でぐしょぐしょになったウェアを再度着用してプレー(涙)、茨城に戻ったのは深夜、丁度女子マラソンの録画中継が始まった時間でした。

2012年8月2日木曜日

ある意味驚きのミヤベ初期作 - 宮部みゆき「長い長い殺人」

昨日の「ラブレイン」、富良野のオムカレー屋さんのシーンで「お代わりしたい時には「ルールルル」と言って」には爆笑!ホントのことらしい。

 今日も青空に入道雲&夕立無し、しかもここ2日徐々に弱っていた夏の勢いがまた復活!最高35.1度と猛暑日です。

 気が付けば昨日からもう8月、なのに構内のサルスベリは未だ開花せず、一方白くて背の高いタカサゴユリがあちこちで咲き始めました。

 5月頃だったか、TBSで宮部みゆき作品を4作(「理由」「スナーク狩り」「長い長い殺人」「レベル7」←この中では「スナーク狩り」が1番好き)まとめて単発ドラマとして放送したことがあり、そのセレクトに未読作品が1つあってビックリ!

 よってその作品(「長い長い殺人」)だけは録画して視聴せず、慌てて原作を100円棚で捜索、2ヶ月掛けてやっと発見し、先日読了したもの。

 文庫化された主要なミヤベ作品は押さえている積り、なのに本作をスルーしていた理由は、"財布が視点"という特殊性を除くと、ミステリー的な観点で話題になった印象が全く無かったから、ただ今読んでこそ、の驚きがある作品でした。

長い長い殺人 宮部みゆき
 持ち主の異なる10個の財布を語り手とする連作短編により、連続殺人を含む一つの大きな犯罪が浮かび上がってくる構成、執筆当時話題だった現実の事件(ロス疑惑)もヒントになってます。何よりデビュー間も無い頃('89-'92に連載)既に「模倣犯」の原型があったことに驚愕、あと初期の宮部作品らしく子供を扱った一編が最も心に残りました。

 ドラマ版は実家のHDレコーダーに入っているので、お盆の帰省時に鑑賞します。撮り下ろしではなくて、5年も前にWOWWOW用ドラマとして製作された作品とのこと。