2005年9月25日日曜日

表情豊かな優男 - 大野&ベルギー王立歌劇場管 ボレロ、 シェエラザード

(前記事の続き)
 新宿でのイベントから湘南新宿ラインでみなとみらいへと移動して聴いたのは、大野和士の凱旋公演です。氏の指揮はFMやCSのオンエアで気になってはいたのですが、実演で聴くのは初めて。

9月25日(日) みなとみらいホール
 大野和士指揮ベルギー王立歌劇場管 ラヴェル ラ・ヴァルス、シェエラザード、ボレロ、 リムスキー=コルサコフ シェエラザード
 木管群は味がありますが、オケは余り機能的でない感じ。ただ、大野氏の棒の下、非常に統率の取れたラヴェルを聴かせてくれました。弱いかな、と感じた弦も、ボレロの後半などかなりのボリューム。大野氏は弱音の精妙さに拘るタイプのようで、かなり無茶な要求にもクラリネット、フルート奏者(特に後者は大変)が見事に応えていました。特に、オケの真中に配した小太鼓で始まるボレロの開始は経験したことの無いピアニッシモ。2名のSaxは(たぶん)現地調達のエキストラ、実演ではプロでもよくトチるTbのソロは完璧、ラストでのTpのハイトーンはピッコロ使用でした。後半のシェエラザードは、Tp,Tbにもう少しパワーが欲しい気はしましたが、大野氏の表情豊かな解釈がなかなかで、特に3楽章が魅力的でした。ただ、音の強弱のコントロールは自在にやっていましたが、旋律の歌い回しまでは完全に思い通りにはなっていない印象だったので、更に良くなる余地があると感じました。伸びやかなVnソロを披露したコンミス(?)が若くてビックリでした。アンコールは何とシェエラザードの第3楽章をもう一度。

 初めて見る大野氏は優男風で、いかにもバーンスタインが好みそうな感じ(やや偏見)。心なしか、指揮ぶりも大植英次と共通するものを感じました。明日のマーラーも期待です。

0 件のコメント:

コメントを投稿