2007年10月12日金曜日

バレンボイム&ベルリン・シュターツカペレ、自在放埓の9番

 昨夜の日本人対決の世界戦、感情的になってしまったか、やや見苦しい展開になってしまいました。また深夜の「恋する日曜日」再々放送、他愛も無い話でしたが、舞台の明治村にはかなり昔、名古屋での学会を抜け出し、宇治山田郵便局や路面電車など「占星術殺人事件」の舞台巡りをしたことを思い出し、懐かしさでウルウル。

 本日も穏やかな陽気で気温も25度弱、と思ってたら午後から雲行きが怪しくなりました。

 今夜はバレンボイムのマーラー9番、以前にシカゴ響とのコンビで同曲を聴きましたが、オケの実力からすると期待外れの感じでした。オケのキャラが違うとどうでしょう。(うっかり同じ時間帯のラザレフ&日フィルのショスタコーヴィチのチケットを買ってしまったのが痛恨。)

 いやあ、ビックリです。シカゴ響の時とはまるで別人、やりたい放題でした。

10月12日(金) サントリーホール
 ダニエル・バレンボイム指揮ベルリン・シュターツカペレ マーラー Sym9番
オケは対向配置、弦バスが最後列にずらっと並ぶのはアバド&BPOの9番を思い出します。バレンボイムは速めのテンポを基調に、テンポは揺らすわ、あざといアクセントは連発するわでやりたい放題、指揮っぷりもある時は派手に指示、またある時はすっかりオケ任せとケレン味たっぷり。そしてこのコンビでやりこんでいるのか、オケに任せても全員きっちりアクの強い表現を見せてくれます(特に木管)。また両端楽章など通常速くない部分で妙に速かったりして、慣れてる筈のオケでもついてこれない程。オケ全体では強烈な音響は余り無いにせよ、意思と音色の統一感は見事でした。ブラスの爆発度もいま一つでしたが、終楽章の頂点でffの弦だけが残る部分の後、入ってくるHrの音を割った吹きっぷりは過去最高クラスの豪快さ。スローダウンしかなりの弱音になって終わった後は、流行り(?)の黙祷はやらず、10秒弱で指揮棒を置きリラックス、こういった潔さもいい感じ。

 これだけの表現ができるのなら、シカゴ響との15年は何だったんでしょう? 天下の銘器を並のオケにしただけ? ただ本日会場で知り合った方によると、バレンボイムの出来はその時のノリによるとのこと、シカゴ響との前回の来日だけで判断してはいけないのかも。

 明日は上岡のブルックナーです。

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