2007年12月4日火曜日

クリスティー好みの英国本格 - D.M.ディヴァイン「悪魔はすぐそこに」


 昨夜は宿題がなかなか終わらず、ちょっと一服と思い職場の床で一休み、気が付けば翌朝同僚に起こされていました。

 本日は晴れて気温も平年よりやや高め。昨日実家から届いたミカン、数えてみると今日は15個も食べてます、小粒ですけど。

 今日は先週読んだ本から。著者のD.M.ディヴァインは90年代半ば、「兄の殺人者」「五番目のコード」が相次いで翻訳され、「こんな凄い作家がいたのか!」と喧伝された英国本格派。

 ただ、その時は期待し過ぎて読んだせいか、特に感心した記憶は無く、両作の内容もよく覚えてません。それ以来の翻訳、と思ったら、知らない内にもう2作翻訳されていたとのこと、要チェックです。でも久々であることには変わりありません。ちょっと期待です。

悪魔はすぐそこに D.M.ディヴァイン
 大学を舞台にした本格物、あるスキャンダルを基点として怪死事件に発展します。動きの少ないプロットはマニア以外には辛いかもしれませんが、最後の方にはサスペンスも用意されています。黄金時代の作品に比べると人物描写が豊かなのが特徴か。クリスティ好みのミスディレクションはなかなか巧みでしたが、謎解きの興趣は薄く、論理的に推理する、という面は希薄、その点が自分の好みと少し合わないのかも。まあ、そこがクリスティー派とクイーン派(自分はこっち)を分けるポイントなのかもしれません。

 巻末解説の法月綸太郎氏の薦め(「初読時より面白いかも」「ルービンの壷」「まさに圧巻」など、「赤毛のレドメイン家」の乱歩状態)に従い、ざっと再読してみましたが、却って気になる矛盾点を発見してしまいました。

 明日はミッチーのショスタコです。

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