2009年9月4日金曜日

古典再訪その3: クイーンのミッシングリンク - エラリー・クイーン「九尾の猫」

 11安打で2点(涙)、でも、まあ、欲張らず2勝1敗ペースでいいでしょう。

 連日の曇り&25度割れ、そして西日本との気温差10度も同じ、今夕も虫の声は凄いです。近くの遊歩道にはどんぐりの実が一杯落ちており、既に秋っぽさを感じます(涙)。

 本日は同年に刊行された古典再読シリーズのラスト、クイーン後期(中後期?)の傑作にしてミッシングリンク物の金字塔、「九尾の猫」です。

 初読の際、他のクイーン作品と違ってどうにも犯人を論理で推定するための手がかりが見当たらず、動機で推定した記憶があります。その辺りに注意して再読、ちょうどドイツ出張の頃に読みました。

九尾の猫 エラリー・クイーン
 ニューヨークを恐怖に陥れる無差別(と思える)連続殺人に、一度探偵を辞めたエラリーが挑みます。全編重苦しいと思っていた記憶よりも軽めのタッチ(勿論初期作とは比ぶるべくもありませんけど)でした。
<< 以下微妙にネタバレかも、未読の方はご注意下さい!>>
 ただ再読しても論理的に犯人を指摘するロジックは発見出来ず、もしそうだとしたら、本作はクイーンが書いたからこそ高く評価されているのであって、同内容でサスペンス系作家が書いたとしたら、所謂「後期クイーン問題」で悩む姿のインパクトも無いので、名作とはされなかったのでは、という気がしてきました。

 「後期クイーン問題」と云えば、初読時に理解不能だったセリグマン教授の最後の言葉、再読してもやはり判らず、俺って、やっぱアホ?

 かなり昔にこれの映画化作品(邦題は「青とピンクの紐」<'71>)を観ましたが、余りいただけなかったと記憶しています。寧ろクイーンの映画化で気になるのは「十日間の不思議」、O.ウェルズやA.パーキンスが出ているらしく、いつかは観てみたいものです。

 ともあれ、(ネタバレがあるので)その「十日間の不思議」を読んだ後に読んで欲しい作品です。

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