2009年10月14日水曜日

皮肉とゴースト - ヘレン・マクロイ「幽霊の2/3」

 珍しく布団で寝たのに朝起きると鼻づまり、また風邪?と思いましたが昼頃には忘れてました。小さな地震と同じで、軽い風邪ならどんどんひいた方が却って安心かも。

 曇りがちながらそこそこ晴れ間も、朝の冷え込みは無く日中は20度強とほぼ平年並み、狂い咲きのツツジ(2007/10/5)も3年目となると堂々と咲いてます。ただ夜になって雷とともに雨が降ってきました。

 8月のドイツ出張の旅費が先日口座に振り込まれており、一時的に小金持ち状態、気が大きくなって本屋さんへGO! チェックしていた創元の文庫を2冊(いつもは古本屋に並ぶまで待つのに)定価購入、レジに行くと「二千ウン円です」「えっ!」 どちらも特に厚い本って訳じゃないのに…。 

 レジの打ち間違い? それとも先日京極本を置き引きされた(2009/9/22)トラウマで、無意識のうちに京極作品を2冊手に取って置いてしまったのか? 

 しかーし、冷静に見直しても間違いなく創元の海外作品、定価がどちらも1000円前後と尋常じゃありません。昔の創元の文庫は大体1冊160円、厚めなら(「火星のチェス人間」とか)180円だったのに…(ってどんだけ昔?)、どうしちゃったんでしょう、創元社。

 で本日はそのうちの1冊、この連休に読みました。復刊が待たれていたマクロイ作品の改訳新版、ウィリング博士ものですが、「暗い鏡の中に」で恋人だったギゼラと結婚しちゃってます。

幽霊の2/3 ヘレン・マクロイ
 新進人気作家を囲むホームパーティーで起きた毒殺事件に偶然居合わせたウィリング博士が挑みます。"読者への挑戦"代わりに手掛かり一覧が提示されるため、真相の予想は付きやすくなってます。事件そのものが地味な上、フーダニットとしては物足りない反面、殺人以外に潜む謎の設定や、文壇や出版界への皮肉たっぷりの内容など、別の面白さを満喫、特に最後にその意味が判明する奇妙なタイトルが秀逸です。

 本作で子供が「レギンスは嫌」と駄々をこねるシーンが出てきて、先日後輩に「スパッツ」を「レギンス」と訂正されたことを思い出しました。何が違うのか皆目判らないので調べてみたところ、本来英米での「スパッツ」は違う履き物を指し、日本での呼称「スパッツ」は誤用、正しいのが「レギンス」だということを知りました。原語に忠実な用法になったってことでしょうか。まあ、日本語としては、お洒落を主眼としたスパッツをレギンスと呼んでる雰囲気ではありますけれど。

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