2009年10月27日火曜日

シャイー&ゲヴァントハウスの豪快マーラー1番

 昨夜のK1MAX、組み合わせに恵まれたとはいえ、ペトロシアンの強さには圧倒されました。

 天候は予報より早く回復し、早朝には台風一過の青空、強風残れども気温は夏日に迫る勢い、日曜ひいた風邪の症状はまだ上り坂(下り坂?)、昼でも喉が痛く寒気がするため壁打ちは中止、以前なら「運動すれば早く治る」と体調が悪い時こそやっていたのに、トシで根性が無くなってます。

 今夜はこれからシャイー&ゲヴァントハウス管のマーラー、昨年の来日中止(2008/1/17)から1年半越しの実現です。シャイーのマーラーと言えば、コンセルトヘボウとの3番を思い出しますが、表現が精緻な代わり面白みや色気の少ない演奏だったと記憶しています(世評は高かったですが)。1番はどうでしょう。

 また、オケがゲヴァントハウス管なのも楽しみ、前回プロムシュテットとのブルックナー(2005/2/27)では素晴らしい独特の音色を聴かせてくれたので。

 今帰り道の東京駅、いやぁ、凄かったっす、シャイーを見直しました。詳細はまた明日。

<続き>
 夜空では半月と木星がランデブーしてました。

10月27日(火) サントリーホール
 リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 モーツァルト Vn協奏曲3番、マーラー Sym1番
前半モーツァルトはカデンツァが長くて驚き、まだ生硬さの残るソリスト、アラベラ・美歩・シュタインバッハーは、アンコールにクライスラーの激しく長めの曲を披露。後半のマーラー、対向配置のオケはかなりの人数、シャイーはかなりゆっくりしたテンポで動機を一つずつ練りこみ編み上げてゆくスタイル、指示も細かく弱音部ではやや窮屈かも。RACOの時より細部の精密さが足りない代わり、ここという時のタメやケレン味はずっと増しており、少々乱れても追い込む姿勢は前回見られなかったもの。オケの音色からは以前感じたビロードの肌触りは感じなかったものの、ボウイングを工夫してしっかり鳴らす弦や、びゃーというドイツ系っぽい音色で吹きまくるブラスなど見事(特にTpは最高)、やや非力に思えた7本のHrも起立した時は補助のTp,Tbの力を借りて大迫力、終楽章の燃焼度は過去同曲中3指に入ります。

 終楽章、TpとTbがファンファーレからコラール風の下降音型へと移るカッコいい箇所が3度あって、ブラス冥利に尽きる部分なんですが、まずその1度目(弱音で奏し、いつもミュート→オープンと転じるのが忙しい)を、何とミュート無しでやってました。またクライマックス部に最強音で奏される3度目、最後1小節だけ極端に音量を落として弦の上昇音型を聴かせる、という奇天烈な解釈にビックリ。

 前に聴いた時は分析的傾向が勝ち過ぎて余り感心しなかったのですが、今回はこの老舗オケをこれだけハジケさせたシャイーの手腕に感動です。

<追記> その後シャイー&コンセルトヘボウによる1番の演奏をCD<'95録音>とライブ<'95&'99>、3種聴いてみました。ファンファーレ1度目のミュートは付けてました(たぶん)が、3度目の最後でぐっと抑える珍妙な解釈は当時もしっかりやってます。またHr起立箇所で補助のTp,Tbの方が音量が大きい点も皆同じ。

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