2010年8月10日火曜日

結末が個性的なSF系青春ミステリー - 米澤穂信「ボトルネック」

 この試合の2日間、移動時や待ち時間で本は沢山読めました。ただ今日はその前、先週末に読んだ本から。やや分別臭い内容を持つ青春ミステリーの多い筆者の個性が前面に出た作品です。

 ただ金沢や東尋坊に土地鑑のある(石川出身の)自分には、その舞台の描写だけで十分楽しめましたが、一般の読者にはそのあたりが微妙かも。

ボトルネック 米澤穂信
 恋人を弔うべく訪れた東尋坊で意識を失い、金沢で目覚めた時に周りの世界に感じる違和感、その謎が氷解するに従い主人公が冷厳な事実に直面するというお話、謎の解明にはミステリー的語法が使われていますが、内容はSF仕立ての青春小説、それでも以下のネタバレの項で述べる印象的な結末ゆえ、やはりミステリーとして楽しめました。
<< 以下ネタバレにつき未読の方は飛ばして下さい!! >>
 結末に至り、本作が「女か虎か」に連なるリドルストーリーとなっている仕掛けに唸りました。

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