2010年11月6日土曜日

メータ&IPOの1番、ハルサイ

 この日はコンサートを3つハシゴ、まずトリフォニーでメッツマッハー&新日の6番を聴き、続いて芸劇で高関&桐朋の「英雄の生涯」、その終演後の拍手酣なうちに恵比寿へダッシュし、サークルのOB会へ。そこで腹ごしらえすること僅か15分、次は最終目標上野へ。

 聴いたのはメータ&IPOのマーラー1番、過去このコンビで6番と7番を聴いてますが、メータは煽ったり粘ったりせず基本オケ任せで、本来下品な筈のマーラーがお上品になっている点と、決して(売りの)弦を消さない程度しかブラスを吹かさない点が不満でした。オケはべらぼうに巧いんですが。

11月6日(土) 東京文化会館
 ズービン・メータ指揮イスラエル・フィル ストラヴィンスキー 春の祭典、マーラー Sym1番
 オケは対向配置、そして8本のHrが木管の後方、Tp,Tbの前にズラッと横1列に並んでます。前半のハルサイはIPOらしくまろやかな音色で野蛮さは微塵も無く、チェロを筆頭に弦に存在感があるハルサイは初めて、完成度の高い立派な演奏ではありました。
 後半のマーラー、テンポは標準的、アクの無いお上品な表現は前と同じ、第1楽章のリピート省略はナイス、「花の章」付きだったのにはビックリ、弦バスソロがマーラーの意図通り下手っぽく弾いたのは見事、(前もそうだった気がしますが)何故かノンヴィヴラート系のHrは全員バカウマ、クライマックスでは補助のTp&Tbともども起立せず、2組のティンパニの右側奏者がケレン味ある激しい叩きっぷり、ブラスも終盤少しだけハジけて、IPOで初めて少しお上品さを欠く表現が聴けて嬉しかったです。アンコールはJ.シュトラウスのワルツ「ウィーン気質」を瀟洒に、次の楽譜を出す団員もいましたが、ここで終了。

 終楽章のミュート着脱早業が必要なTpとTbのファンファーレでは完全にミュートを省略してました。近年こうやってサボる人が増えた気がする…。

 因みにこの日聴いた3つのオケ、全てが弦バスが左奥にくる対向配置でした。

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