2008年2月19日火曜日

21世紀も同じメロディ - 島田荘司「21世紀本格宣言」

 今朝もマイナス5度と平年より低め、ただ不思議と沁みる程の寒さは感じません。

 本日は敬愛する島田御大のエッセイ集から、タイトルから想像される評論、かと思いきや、文学賞の選評から人の本へ寄せた解説、果てはサイトのQ&Aまで、著者が各所で表明した言説をごった煮的にまとめただけのもの、「島田荘司」とあるだけでパブロフの犬並みの条件反射で買って即読みしてしまう自分の如きファン狙いのあざとい本かも。

21世紀本格宣言 島田荘司
 初出を見ると殆どが読んだ内容、そのためか初読の2稿、あのコナン・ドイルの剽窃・殺人疑惑と「金田一少年」のパクリに関するコメントが興味深かったです。何を語るにも強引に従前からの主張へ持ってゆくため、どうしても内容が同工異曲、いや異工同曲となり、普通の人は読んでいて辟易するのでは。ただ、最後の一文が柄刀一氏の巻末解説へと有機的に繋がる構成は光ってました。

 一番印象的だったのは、柄刀一(巻末解説)の次の言葉:
「身を挺してなにかを為し遂げる気もない者には、少なくとも石を投げる資格などないはずである。」

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