2009年8月29日土曜日

残暑のイワーノフ&チャイコフスキー - 金子建志&千葉フィル

 ベルリン出張から帰国、成田も晴れ、降ってくるセミの声や32、3度の熱気は自分には嬉しい出迎えです。自宅まで帰る電車賃すら無く、キャッシュカード類も持参してないキワドイ状況ながら、念のため財布に入れてあった青春18切符を活用して何とか帰宅。

 ただ、それでやや遠回りしたせいで、午後行く予定だったアジア・ユースに間に合わないことが判明、何となく悔しいので、成田からの帰りに使った青春18切符を活用し津田沼まで遠征、アマオケを聴くことに、夕方になっても30度を超す素敵な残暑でした。

8月29日(土) 習志野文化ホール
 金子建志&千葉フィルハーモニー管弦楽団 ショスタコーヴィチ ロシアとキルギスの主題による序曲、イッポリトフ=イワーノフ コーカサスの風景、チャイコフスキー Sym4番
 最初は初めて聴くショスタコの曲、意外と大人しめでした。次のイッポリトフ=イワーノフ(同姓同名の音楽家がいて母方姓を付けたとのこと)は終曲がなかなかのケレン味。後半チャイコは冒頭Hrのファンファーレがバッチリ、その後もHrはよく鳴ってました。第1楽章のかなり遅いテンポが印象的。アンコールは真央ちゃんで有名になったハチャトゥリャン「仮面舞踏会」ワルツ、チャイコでもそうでしたがラスト1音の終わりに弦を1瞬残すサウンドが鮮やかでした。

 金子氏は春から15kg!も減量して臨んだとのこと、またいつも通りパンフでは氏のマニアックな解説が楽しめます。

 今夜はF1でも1番好きなコース、スパです!

灰色のカラス

 学会4日目、は自分の分野が無くパスして5時半起きして空港へ、到着時のJCBカードトラブル(2009/8/25)によりお金が殆ど無いため、またZoo駅まで歩いてバス(2.1ユーロ)を使うしか手段が無く、それだとホテルを6時過ぎに出る必要があり、6:15からの朝食は断念(涙)。

 極貧のこの4日間、朝食はホテル付、昼食は会議付、「お金が無いから」と夕食の誘いは全部断り、使ったお金はその往復のバス代の他、安全カミソリ(120円)、夕食用の牛乳1リットルパック(70円弱、安い!)×2、シリアル(ミューズリー350g特用袋、170円)、そしてグレープ100%ジュース1リットル(100円弱)のみ。

 早朝の街は人が少なくその代わり沢山のハトやスズメ、と突然巨大ハト発見! でもよく見るとそれはカラス、見間違えたのは胴体を中心に身体の半分が灰色だったから。羽根や尾っぽは黒いので「誰かにイタズラされたのかな?」と思いましたが、その後よく見回してみると、ベルリンのカラスは皆胴体が灰色です!

 こんな種類なのか、はたまたハトとの禁断の交配種なのか…。

 テーゲル空港のチェックインマシンはサクサク作動して快適、ただ土産物屋でもJCBカードは「それホントにクレジットカード?」とバカにされ、「お土産ゼロだと職場で大顰蹙だろうなー」と泣きそうです。

 経由地ウィーンもベルリンと同様快晴(と言うか日本はより雨の多い土地は無いと勝手に思っているため、海外で雨が降ることを想定してません)、しかも空港の売店でJCBカードが使えます!お土産が買えて一安心。

 帰りは2度のフライトとも離陸時はうっかり寝てしまい恐怖感は少なめ、また成田行きの便では大学の同級生一家がすぐ隣でした。

 成田も晴れ、降ってくるセミの声や32、3度の熱気は自分には嬉しい出迎えです。自宅まで帰る電車賃すら無く、キャッシュカード類も持参してないキワドイ状況ながら、念のため財布に入れてあった青春18切符を活用して何とか帰りました。

 ただ、それでやや遠回りしたせいで、午後行く予定だったアジア・ユースに間に合わないことが判明、何となく悔しいので、18切符を更に活用してアマオケを聴きに行くことに、長くなったので、この続きは次の記事で。

2009年8月28日金曜日

ナポリタンとパラボラ

 学会3日目、今日もよく晴れてまた30度近くまで上昇、ベルリンにしては高い気温です。本日がやっと出番、昨夜は準備も途中に早々と寝てしまいましたがモーニングコールで5時半に起床、ところでこのホテルのモーニングコール(wake-up call)、音声案内がドイツ語なのでセットの仕方がさっぱり分からず、結局係の人に頼んで直接電話して貰ってます。

 早めに会場入りして準備の続きをしようと部屋を出た時、会議で支給されたショルダーケースの肩紐がいきなりブチッと外れて落下(造りがチャチかったからなあ…)、中に入れてたノートパソコン(発表に使用)からゴツンと鈍い音、これでPCが死んでたら半泣きでしたが無事立ち上がりました。ただ筐体が一部破損して、蓋も閉まらなくなりました(涙)。

 会場で内職していると全く面識の無いイタリア人(イタリア系米国人?)から声を掛けられ、「俺は午後帰っちゃうから、午後に司会を代わりにやってくれ」とかなり勝手な依頼、気が弱いもんでついふたつ返事(涙)、気が弱そうな奴を探していたのか…、因みにそいつ、名前がナポリタン(笑)、正確にはナポリターノですけど。

 準備がテキトーだった割には発表を無事こなし、昼飯後はまた散歩、の積りでしたが押し付けられた司会が間も無くだったのでしぶしぶお務めへ、担当講演が6件もあり、しかも最後の2件はちんぷんかんぷん、もう半泣き。

 夕方まだ明るいので散歩、特に名所は回りませんでしたが、印象的だったのは南側にベランダのあるアパートでは住人が軒並みパラボラアンテナを建てており、それがどれも巨大なもの(1mクラスかそれ以上)だったこと、日本だと4-50cmクラスが殆どなのに。

 あと、途中ヒロシマ通りってのを歩きました。これも壊れた教会を保存しているのと同じ思想でしょう、原爆ドームもそうですね。

 因みに、フィルハーモニーの前の通りはヘルベルト・フォン・カラヤン通りでした。

 あとは明日また早起きして帰るだけ、現在は観逃した今週分のドラマをVeohで落穂拾い中、無線LAN使い放題のホテルを選んだので。

2009年8月27日木曜日

金色のフィルハーモニー

 学会2日目、朝は曇り、昼からはしっかり晴れて気温は25度+αくらいか。

学会会場から歩いて数分の所にフィルハーモニーが、そこから10分の所に(先日のマラソンでよく通った)ブランデンブルク門があり、今日の昼休みの散歩はそっち方面、街の所々にバンクーバーにいたのと同じ等身大の熊の像がいて驚き、グローバルなものだったの?

ブランデンブルク門の周りは先日の名残か、はたまた別のイベントか仮設物の工事中、また遠くからでもよく目立つフィルハーモニーの金色の建物も裏の方はまだ工事中でした。

この時期はサルツブルグなど夏の音楽祭に出払っていてコンサートは無いだろうと思ってたんですが、念のため調べてみると、何と金曜(28日)にラトル&BPOのオープニングコンサートがありメインは幻想、しかもまだチケットも入手可、勿論来日公演の半額以下です。

しかーし! 自分の講演が終わったらさっさと帰る予定でその時間帯は飛行機の中、実際国際会議は28日夜までなので、ちゃんと最後まで出ることにしていれば聴けたのに…。

東北大の同業者はそのラトル&BPOに加え、29日の国立歌劇場(バレンボイムの振るトリスタン!)も行くとのこと、旅慣れている人は準備万端ですね。

2009年8月26日水曜日

ベルリンの信号

 学会初日、今日もベルリンは快晴、気温は上がって30度に達したかも。こっちのコンセントは韓国と同じ形状らしく、数年前にチェジュ島で100円程度で現地入手した変換プラグがそのまま使えてラッキー。

 ただホテルの部屋にカミソリが置いてなくてがっかり、旅慣れないため機内持ち込みの可否が分からず持参しなかったのは失敗だったか。

 2日も髭を剃らないのはマズイので(とは言っても、カミソリ負けしやすいため職場にしか行かない平日は4、5日剃らなかったりもする)、お昼にまた街をぶらぶら、昨夜と違い昼ならスーパーっぽい店は開いていて、安全カミソリをGET、これも日本より安く、同じ安物(5-10本100円)で比較すれば切れ味もGOOD。

 ベルリンの街は都会にしては自転車が普及している印象、歩道には大体自転車レーンが設定されており、びゅんびゅん通ってゆきます。また移動手段として使う人以外に、公園ではフィットネスで乗っていると思われる人がジョギングする人と同じくらいいます。また自転車タクシー!も見掛けました。

 あと信号は同じ3色ですが縦並び(富山と同じ)、また青から赤になるときに黄色を経由するのは同じですが、逆に赤から青に変わる時も黄色を挟むのが面白いです。

2009年8月25日火曜日

ピスタチオ牛乳

 ウィーンから飛び立つと眼下には多くの風力発電の3枚羽根型風車が、ざっと数えても100基以上ありました。小1時間でベルリンに無事到着、飛行機に何度乗ろうとも(滅多に乗りませんが)浮き上がる時と着地する時は生きた心地がしません。

 ベルリンで飛行機から降りるとすぐに外に出られ、「入国審査は?」と思ったのですが、そう云えばウィーンでの乗り換えで1箇所ゲートを通った際パスポートにスタンプを押されましたが、あれがそうだったんでしょうか、質問無し、ノータイムでした。ヨーロッパ(初めて)はそれが普通なんでしょうか。アメリカなんて逗留先や目的をしつこく訊いてきた上、invitation letterまで要求されたことがあるのに。

 ベルリンも快晴、でもさすがに気温は低め、夏時間のせいもあって夜8時半まで明るく、Zoo駅までバスで出た後にしばし散策、すぐ目の前に壊れかけの教会が聳えていてビックリ(Gedachtniskirche、戦禍を忘れないためにそのままにしてあるのだとか)、ヴェンダース「ベルリン・天使の詩」に出てきた天使の乗る高い塔を見て、夕飯用の牛乳とシリアルを買うべくスーパー・コンビニの類を探しながらホテルの方向へ。

 ところが、(全世界にあるものと思っていた)コンビニは1軒も発見出来ず、また雑貨屋・スーパー類もたまにあっても早々と閉まってます。バーやカフェはガンガンやってるのに…。

 1時間もさまよった挙句、ようやく1軒発見、しかも牛乳もシリアルも日本のスーパーの半額です! 自販機のコーラは日本の倍するのに。頑張った自分へのご褒美に同じ店で怪しい系ドリンクを購入、いちご牛乳・バナナ牛乳の類でピスタチオ牛乳、結構いけました。

 逗留先のホテルではJCBカードが使えない(予約時はそのカードで通っている)と言われショック、他のカードは全て財布を落とした時に解約して、1番使えないこのカードしか残ってない…。

 ホテル側に持っている現金を根こそぎ奪われ、明日からの生活が不安です。

2009年8月22日土曜日

農園に舞い降りた天使 - Ha-Gan <'77>

 ちょっと気になったCM: 韓国美女が登場して「001」と言う20年近く前のKDDIのCM(音楽が印象的)、最近リバイバル放送してるなー、と思ったら、実は彼女の現在を描いた新バージョンとのこと、いやぁ、美女は何年経っても美女なんですね。

 朝起きると喉が痛く、待望の新型インフルエンザかも(既に職場に感染者はいるので)、元気な夏のうちにひいておきたいもの。

 昼からはよく晴れて素晴らしい残暑、来週の学会の準備が全く出来ておらず、練習をキャンセルして職場でシコシコ、思うような結果が出ず、現実逃避行として夕方は東京に出て後輩のお誕生会へ、ただ1次会で抜けて「オトメン」の時間には戻りました。

 本日は最近ネット入手してお盆に実家で観たレア作品、(一部では)伝説となっているメラニー・グリフィスのイスラエル映画で、以前からずっと観たいと思っていたもの。海外の掲示板サイトによる情報なので、英語の映画だと字幕が無くて観るのはキツイのですが、それ以外の言語だと英語字幕が付くため却って観ようという気が起きます。英語題名は'The Garden'。

Ha-Gan <'77 イスラエル>
 頑固で敬虔な農夫が大切にしている農園に迷い込んだ不思議系少女に出会うことから起こる珍騒動を描きます。少し「ミツバチのささやき」を思い出させる展開。セリフが無く、後半は裸で演じるメラニー・グリフィス、まさに天使でした。

 あの「ナイトムーブス」<'75>より後の作品ですが、それより若く見えます。

2009年8月20日木曜日

匠の技、ややスラップスティック系 - 泡坂妻夫「雨女」

 ちょっと気になったニュース: 仲村みう、グラビア引退を電撃発表
"神"2度目の退場ですか…、ま、取締役ですから。

 まずまず晴れて4日振りの真夏日、お盆以降の安定した好天は今が一番"梅雨明け十日"の気候に近い感じ。ここ数日は朝晩のシリアル(これはいつもですが)と昼飯の小鉢2品のみ(ご飯無し)で頑張ったせいか、帰省太り1.5kg中1kgも挽回に成功!

 夕方、田んぼの中に白鷺が1羽、実家の石川ではよく見ますが、こっちでは若干珍しいかも。それで思い出したのが石川の「空から降るオタマジャクシ」事件、白鷺の子育て期にあたり、子供に食べさせるために親鳥がためこんだ(100匹位は余裕とのこと)のを、外敵に出会った際に驚いて、若しくは身体を軽くするために吐き出したもの、ってことで解決したようです。

 今日はお盆の帰省時、石川に向かう道中読んだ本から、今年惜しくも亡くなった巨匠泡坂妻夫の短編集、以前は「ぼくたちの太陽」としてまとめられていたと記憶しています。

 収録作の半分は「EQ」掲載時に読んでいる筈ですが、そこはボケ老人、殆ど憶えていませんでした。追悼の意をこめて、年内に氏の作品をあと数冊読もうと思ってます。

雨女 泡坂妻夫
 短編が6本、前半は「女」をキーワードとした短めの3編、後半はややファース系本格で長めの3編と2部構成、「雨女」「凶手の影」のここで使うのは勿体無いと感じるトリック、「危険なステーキ」の犯人特定の論理、そして「ぼくたちの太陽」のハチャメチャぶりが印象的。

 今夜の「猿ロック」も集中です!

2009年8月2日日曜日

破壊的ショスタコーヴィチ再び - 森口&オーケストラ・ダヴァーイのショスタコーヴィチ8番

 本日も気温は低く、ギリギリ25度に届いた程度、8月にこれは寒いです。

 今日は楽しみにしていたなごなごテニス(つまり初心者の女の子中心)、曇り空の中、朝いそいそと出陣すれど東京に着いた頃に雨、そのまま中止となり、その決定が出たらすぐ雨は上がりました。

 天候を見て午後遅めから「やっぱやろう」ってことになっても、携帯を持たない自分には連絡回ってこないんだろうなー、と思いつつ、どうせ暇なので無線LANスポットに行き、「任侠ヘルパー」など観落としたドラマをVeohで補完しながらYahooのメールボックスをチェック、しかし結局連絡は無く、100円古本を数冊買い、1000円床屋に寄って明るいうちに地元に帰還。

 という訳で昨日の続きです。トリフォニーで梅田&新日のマーラー1番を聴いた後、文京シビックへ移動して聴いたのは、ロシア音楽をやるために結成された若いオケ、昨年の第2回演奏会は爆演だったので今年も楽しみ、しかもショスタコの8番です。

 ただこのオケ、ダスビとメンバー的に重なっているので、ショスタコはダスビで、それ以外のロシアものはここで、と棲み分けするのかと思いきや、3年目でもうショスタコ、しかもダスビが3年前にやった8番とは少し意外な選曲です。

8月1日(土) 文京シビックセンター
 森口真司指揮オーケストラ・ダヴァーイ プロコフィエフ チェロと管弦楽のための交響的協奏曲、ショスタコーヴィチ Sym8番
 前半のプロコは自作のチェロ協奏曲をロストロポーヴィチと共同して改作した作品とのこと、第2楽章が長かったです。拍手に応えソリスト丸山泰雄はアンコールに「ラメント」とかそんな題の激しくかつ歌声(唸り声)まで入る現代風の曲を披露。お目当て後半のショスタコ8番、ほぼ期待通りの爆裂度でしたが、3年前のダスビ程の凄みは感じませんでした、ホールの違いもあるかも(ダスビは芸劇1階真ん中、今回はシビックの2階最前列)、Tp、Tb、パーカッションなどのメンバーはかなり重なってますし。とは言え、第1楽章最強奏直後の恐怖感を感じる程の静寂や、凄絶だった第2楽章後半の未曾有の驚速テンポなど、やはり滅多に聴けない貴重なショスタコ体験でした。アンコールは無し。

 館内アナウンスがネイティブのロシア語(たぶん、日本語がたどたどしかったので)なのには笑いました。