2010年10月11日月曜日

英国のニシン泳がせ上手 - D.M.ディヴァイン「災厄の紳士」


 やっとすっきり晴れて、都心でテニスするべく早起き早出、とやっと通常の休日パターンに、ただ半袖半ズボンだと早朝はかなり寒くなってきました。

 まず午前中はなごなご系テニス、有明ではセミがフツーに鳴いてました。気温がどんどん上がって余裕の夏日(都心は28度、地元茨城でも27度超)となった午後は場所とメンツを変えてお茶大で練習、キャンパス内は銀杏の実がそこらじゅうに落ちていて、かなり臭かったです。

 本日は出張中に読んだ本から、英国現代(近代?)パズラー、昨年の評判作です。

災厄の紳士 D.M.ディヴァイン
 ジゴロが金持ちの令嬢をある意図を持って誘惑するコンゲーム風の序盤から殺人の勃発を経て王道の犯人探しへと展開、犯人を最後の2人から絞りきれず、不覚にもニシンをパクッと食べてしまいました。相変わらず内面描写がレッドへリングと巧く結び付いてます。1人に絞る決め手となる手がかりには余り感心しなかったのですが、多くの人が絶賛してるのを読んでるうち、優れてるかも、という気になってきました。

 創元が地道に訳出してくれているディヴァイン作品、昔現代教養文庫で「兄の殺人者」「五番目のコード」と出た時はそれで打ち止めになったかと思ってたんですが、本作の巻末解説(鳥飼否宇!)を読み同じ教養文庫からもう2冊(「ロイストン事件」「こわされた少年」)出ていたのを初めて知りました。今後は古本屋に寄る度にチェックせねば。

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