2012年6月6日水曜日

P.ヤルヴィ&フランクフルト放響のマーラー5番、と裸足のピアニスト

台風3号の動きは予想より速く、その影響は少なめ、朝方降った気配はあれど日中は降らず、やや風の強い曇りの日、といった程度、気温は朝から夕方まで19度±1.5度とほぼ一定、夜には綺麗なお月さんが望めました。

 夜はヤルヴィ&フランクフルト放響の第2弾、マーラー5番です。このコンビのマーラーは4年前に9番を聴いてますが、スマートさと粘っこさを併せ持った演奏だったと記憶しています。5番はどうでしょう。

 先週発生した謎の蕁麻疹、いまだ徐々にその範囲を広げてはいますが、1番酷い箇所(右前腕部)はピークを過ぎた印象、ただ夜になると活動が活発化するため、後半のマーラーでは痒さに身悶えしながら聴く羽目になりました(笑)。

6月6日(水) サントリーホール
 パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放響 リスト PC1番、マーラー Sym5番
 前半のソリスト、スレンダーなアリス=沙良・オットは青のロングドレス、なのに出入りは小走り、よく見れば何と裸足です!彼女を過去に何度か聴いてます(ジャジューラ&キエフ国立フィル飯森&東響)が気付いたのは初めて、ま、足を使うピアノゆえあることなのかも。拍手に応えてのアンコールは2曲、派手なリスト「ラ・カンパネラ」、およびかなり短いしみじみ系の曲(ブラームスとのこと)。
 後半のマーラー、Tpソロは柔らかめの音色でパワーを出さないタイプ、第1楽章は思ったより遅め、弦中心にやや個性的な抑揚を細かく付けてます、一方ブラスは7本のHrこそよく鳴ってますがTp,Tbの爆発度は低め、ただチューバ奏者はヴィブラートギンギンで抜群の存在感、第2楽章も弦中心に激しめの表現、ブラスはコラールでもバランス重視の吹きっぷり、また楽章最後の3音はケレン味たっぷりにやたらとゆっくり、第3楽章Hrソロは左奥の本隊から離れてその対称位置、Tb,Tubaの右隣へ移動しての起立演奏、強弱の幅大きくソツが無い代わり色気も無い吹きっぷり、中間部でVla以外もピッツィカート強めにやる表現と、ティンパニのキレのいい打ち込みが印象的、そして第4楽章、内声を強めに取り、しみじみ部分は遅め、情熱的な部分はかなり速め、と過去聴いた中で最も緩急の差が大きい表現、続く終楽章もテンポのオンオフを繰り返しながら、クライマックスではやはり弦が消えないようにバランス設計したブラスの鳴りでした。全体的に速い部分はより速く、の傾向で(終楽章では2箇所程笑っちゃう位速い部分も)、アンサンブルも各所で乱れていましたが、それも即興的な面白さを生んだ感もあり。
 アンコールはブラームスのハンガリー舞曲を2曲、ます有名な曲、それから生では初めての曲(6番?)、どちらも緩急や表情を大袈裟に付けた個性的な表現でした(たぶん)。

 今風の解像度のよいシャープな音作り+多少のアク、という点では9番と同じでしたが、個性的な表現がより多くて面白かったです。ただ録音・録画されていたようなので、アンコールの2曲目は「悲しきワルツ」にして欲しかったかも、あの極端な強弱がFMでどう聴こえるか知りたかったので。

 休憩後、Vlaだったか、RA側の奏者の譜面台の1番上に見えるのはブルックナー8番の楽譜!「いやいやマーラーでしょ」と注視していると、席に着くとすぐその下からマーラーの楽譜を発掘していました。ツアーで使う全楽譜をいつも置いておくモノなんでしょうか。

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