2012年9月4日火曜日

クリスティー風からややクイーン風へ - D.M.ディヴァイン「三本の緑の小壜」


 ブエルタ山岳3連戦第3ラウンドは最も過酷なステージ、深夜の公園でのネット観戦も3連戦、傾斜が20%を超えると仕掛けるコンタ、その全てにすいすい付いて来るばかりか、最後は差してボーナスタイムを持ってゆくプリート、この2強に絞られつつも、これまでの勢いからはホアキンの優勝が見えてきたかも。

 ただ、そのバトルが佳境に入った時に激しいにわか雨(スペインじゃなくて茨城)、四阿で屋根がある場所だったとは言え、かなり濡れました(涙)。

 本日もそこここに積乱雲の散らばる青空、気温はまたも予報程は上がらず最高32度弱、と普通の真夏日、夕方同僚との週一テニスの際、北からどんどん黒雲と雷が攻めてきて日没前に真っ暗、仕方なく早めに上がった直後に降り出しました。

 今クールのドラマ「浪花少年探偵団」と「東野圭吾ミステリーズ」は原作未読ゆえ録るだけで観てません。が、後者の先週放送分「小さな故意の物語」はたまたま先日アンソロジーで読んでいたためスポット視聴、小説なら筆力でカバー出来るけれど実写だとリアリティの面で難しいプロットを、ストーリー改変と演出の妙で巧みにまとめてました。あと個人的注目の三吉彩花(「高校生レストラン」「理想の息子」)の出演が嬉しかったです。

 ミステリーつながりで、先日読んだ本から、「昨年の本格物の注目作」企画第2弾は、「このミス」ランクインは逃しましたが、同年の「本格ミステリベスト10」では「ブラッド・ブラザー」を抑えて第1位に輝いた作品です。

三本の緑の小壜 D.M.ディヴァイン
 海辺の町で起こる少女の連続殺人を巡るフーダニットとファイダニット、「災厄の紳士」と同様著者後期の作とのことで初期作には無かった1人称多視点の趣向、それとともに視点人物の主観を読者に植え付けるクリスティー的ミスディレクションがやや減少、その分サプライズも減じる反面、ロジックの比重が増すこっちの作風の方が好きかも、御大クイーンの某有名作を想起する人も多いでしょう。

 表題の「三本の緑の小壜」は「10人の小さなインディアン」の如く、"次々と消えてゆく"内容の有名な童謡(マザーグース?)のことらしいのですが、それに不案内な我が国の読者(自分です)に向け、歌詞を訳注にでも記して欲しかったところ。

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