2013年7月17日水曜日

御大渾身の歴史ミステリーはやや未完尻切れの感 - 島田荘司「写楽 閉じた国の幻」

 おえぇ、最悪の負け方、もう今シーズン半分終了した位のダメージです(涙)。

 朝から曇り、最低は19度弱と低め、少し晴れ間も見えた午後の最高は26度弱と13日振りの平年割れ、職場ではエアコンを停めて窓を開け放してました。

 予報通り下り坂で夕方からは雨、気温も降下中で7時台で20度を割ってます。

 本日は先日読了本から、何かと色々あった島田御大にしては珍しくこのミスで上位(2010年度第2位)に入った作品、ただいつもの本格ではなくて島田流「成吉思汗の秘密」といった趣の歴史ミステリーです。

写楽 閉じた国の幻 島田荘司
 いまだその存在が謎に包まれている浮世絵師"写楽"の正体に関する考察が、六本木ヒルズの回転ドアによる事故を起点として、現代編と江戸編との2つのストーリーで語られます。島田流「ホームズ論」とも通ずるアプローチによる写楽の謎解明に関しては凄いと感じますが、著者あとがきにもある様に予定分量の半分をばっさり切ったせいか、現代編で蒔かれた殆どの伏線が未回収のまま、そのため未完の感を免れず、しかもいつもの主張が前面に出て御大のファンには既視感多め、とは言え、やや読み難いと感じた江戸編の最後に感動を演出するのはさすがの筆力。

 読み終えてみて、本作がこのミス2位?ってことは、島荘を読まない(ガチガチの本格は嫌いな)人が読んでくれたからなの?と感じちゃいました。これの続編って、もう出てるんでしょうか?

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