2006年6月23日金曜日

天才の2つのベクトル - 乙一「天帝妖狐」

久保田骨折!しかも私生活で。絶句…、これで今年はダメかも。

 ユーロ2004でのベストチーム、チェコの敗退は残念。決勝T1回戦でブラジルとの対戦を楽しみにしてましたが、ポルトガルと同様、タレントがいる割には選手層が薄めなので主力の故障の影響は大きいよう。

 一方我がセレソンはお陰さまで、不調ロナウドの練習、カフーなど年寄り組の休息、シシーニョやジュニーニョなど控え組の実戦と、決勝Tへ向けたっぷり調整させて頂きました。

 終日曇りで気温も平年並み。今日も先週読んだ本から。天才乙一の第2作品集です。たぶんまだ10代の頃の作。

天帝妖狐 乙一
 ミステリー(MASK)とホラー(狐)、毛色の異なる中篇が2本、どちらも著者の典型的な特質。どっちの作品が好みかで、読む人の嗜好がはっきり判ります。(無論僕は前者)
<< 以降ネタバレ注意!! >>
 「A MASKED BALL」はジュヴナイルタッチで、(意図的かもしれませんが)珍しく書き手の若さを感じさせる作品。トイレの落書きという設定は秀逸。伏線も見事な良質の本格ミステリーになってます。「仮面ライダー」で気付かない自分のバカさ加減に呆れました。一方表題作は「泣かせ」系のホラー、「オペラ座の怪人」「シザーハンズ」あたりを思い起こさせます。ただ初出の新書版(?)とは内容が大幅に違うらしく、文庫版ではミステリー部分をばっさり切り、切ない系の部分に重点を置いたとのこと。うーん、初出の方を読みたかったかも。ただ、人工臭のするミステリーよりも、切ない話を求める人の方が圧倒的に多いので、殆どの人は改稿版の方を推すんでしょうけれど。

 明日はハンガリー国立フィル。たまにはスカッと晴れて欲しいものです。

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