2010年6月2日水曜日

サロネン&フィルハーモニア管の感動シベリウス2番

全仏オープン、シャラポワもキリレンコも負けてがっかりしていると、何とフェデラーまで! ま、TVで観られないからいいんですけど…。

 爽やかに晴れましたが相変わらず気温は平年より低め、未明の気温7度台は6月の値としては観測史上最低クラスです。

 夜はサロネン&フィルハーモニア管の第2夜、期待のシベ2を聴きました。ヒラリー・ハーンの影響か会場は一昨日と違いほぼ満員です(今日の方がチケット高いのに…)。

6月2日(水) サントリーホール
 エサ=ペッカ・サロネン指揮フィルハーモニア管 サロネン へリックス、チャイコフスキー Vn協奏曲、シベリウス Sym2番
 冒頭の自作は全体で大きなクレッシェンドを描く10分弱の大オーケストラ曲、現代曲にしては聴きやすいけれどメロディーを楽しめる程でも無い、といった印象。次のソリスト、ヒラリー・ハーンはあどけなさも微妙に残るクールビューティー、驚く位ゆったり弾いて独自の世界を展開、拍手に応えてアンコールを2曲も、しっとりしたイザイとバッハっぽいバッハ、前者はディエス・イレをあしらっていたので先日のパク・ヘユンのアンコールの一部だったかも。
 後半お目当てのシベリウス、一昨日もそうでしたがサロネンは緩急の差が激しく、パウゼが多めで長め、冒頭の低弦ピッツィカートをほぼ指揮せずやって驚かせた第2楽章など特に表現の振幅大きくスケール雄大、ここが白眉かと思っていたらさにあらず、終楽章では更にうねる表現、第3楽章から終楽章に移る部分および後半再現部に移る部分の尋常ならざる高揚感、コーダの金管コラール直前のケレン味たっぷりの弦のアクセントのカッコよさ、その後のコラールでの1度目は抑えて2度目に爆発する落差、そしてラスト1音の長さなどなど、最高の演出、Hrの重心の低い吹きっぷり、Tp,Tbの壮大な鳴りも一昨日以上で大満足でした。アンコールは勿論シベリウス、まず「ペレアスとメリザンド」から"メリザンドの死"を澄み切った悲痛さで、次に「カレリア」終曲をとても楽しく、更にもう1曲やる準備をしてました(たぶん悲しきワルツ)が、ここで終了。シベ2体験の数はそこそこレベルですが(年に1、2回位なのでトータル30回程度?)、過去同曲の中では間違いなく1、2を争う演奏でした。

 シベ2の最後の1音の余韻が完全に消えるまで、そしてメリザンドの死の音が消えてしばらく後にサロネンが緊張を解くまで拍手が始まらないなど、お行儀の良いお客さん達でした。隣に座っていた女性なんか、シベ2のクライマックスでは泣いてました。

 メリザンドの死でのしつこいppp表現から想像するに、秋のVPOとのマーラー9番はタイヘンなことになりそうな気がします。ま、入手は無理そうですが(笑)。

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