2011年2月27日日曜日

花オケ、第2回公演はマーラー5番 - 吉田貴弘&ブルミーネ・フィル

2週に亘ったFMのマーラー特集、金曜は最終日に相応しくマーラー10番全曲(リットン&ベルゲンフィル)、それもカーペンター版でした。しかも偶然その放送の直後にジンマン&チューリッヒ・トーンハレ管の10番、しかも同じカーペンター版のディスクがCSで放送され、一夜にして聴き慣れないカーペンター版を2度も聴くことに。

 ただ10番と言うとクック版、しかもモリス&NPO盤の演奏が刷り込まれている(昔は外盤を入れてもこれとオーマンディ&フィラデルフィアくらいしか無かった)せいか、ドンシャン鳴り過ぎるのが気になる上、終楽章冒頭"消防士の葬送太鼓"が弱音で叩かれるのがどーもしっくりきません。

 朝は零度弱とやや高め程度でしたが、よく晴れた日中はグングン上昇して17度台とまたも4月の陽気、朝していったマフラーを午後は外すことに、ただくしゃみ鼻水は昨日より激しめになりました。

 午前テニス、午後コンサートと典型的休日、聴いたのはマーラー「花の章」を冠するアマオケ、昨年(と思ってら一昨年でした)の第1回公演に続き、勿論今年もマーラーです。

2月27日(日) 練馬文化センター
 吉田貴弘指揮ブルミーネ・フィルハーモニー管弦楽団 チャイコフスキー ロミオとジュリエット、マーラー Sym5番
 前半のチャイコ「ロミジュリ」であった不安定感が後半のマーラーでは少し解消、それでもこの発展途上のオケには5番はやや荷が重い印象もあり、とは言え終楽章クライマックスはブラスがそこそこ鳴っての大団円。オケではHrソロが出色、また木管はもっと思い切って吹いていいのでは。あと珍しかったのはTpソロのパートを(1)1stが吹く(2)アシと2人で吹く(3)アシが吹く、と3パターン使い分けていたこと、こんなの初めてです。

2011年2月26日土曜日

ゾルテス&都響のサロメ

 21度以上あった昨日の午後から20度以上下がって朝はマイナス1度、ただこれでも平年より高い値、日中も昨日より12度位低く10度に届かず、まあ、この時期の普通の冬晴れに戻った感じ、

 練習予定無く、朝ビデオを少し消化してからまず職場へ、着いてしばらくすると(5-10秒位の間隔こそありましたが)くしゃみ12連発! 本格的に花粉症発動です。

 午後は上野に出て二期会の「サロメ」、鬼才コンヴィチュニーの演出が話題のようですが、それにしては唯一の休日公演なのにS-Aなど高そうな席のサイド寄りや後方はガラガラで人っ子一人いないブロックも。自分は勿論2,000円の貧民席(5Fサイド)、双眼鏡片手に鑑賞です。

2月26日(土) 東京文化会館
 シュテファン・ゾルテス&都響&二期会 R.シュトラウス サロメ
さすがコンヴィチュニーの演出は異色、舞台は近未来の核シェルターっぽい閉鎖空間、サロメがすぐに殺されて食べられ(!)たり、死姦のカマ掘り大会があったり、サロメが周りを踊らせたりといろいろ、歌の無い箇所を上手く使って過激な場面を挿入している印象、未知の指揮者ゾルテス率いる都響はマイルドな音色で質の高いまとまりを感じましたが、音に凄みや怖さが余り感じられない点(でも首切り手前の低弦の刻みは気合入ってました)と、歌手陣のパワーを考慮して抑えているのか鳴りが悪かったのが今ひとつ物足りない点、ただオケのみの中盤の場面転換はかなりの迫力でしたし、サロメとヨカナーンが手に手を取る(!)ハッピーエンドもまずまずの迫力でした。

 上演中、鼻水やくしゃみが心配でしたが、大体建物に入って30分もすれば落ち着くようでほぼ問題無し、ただ夕方地元駅にに着いた瞬間、くしゃみ連発&鼻水ダラーリ状態に、都心より茨城の方が花粉が多いのか?

 明日はアマオケでマーラー5番です!

2011年2月22日火曜日

なぜチキンラーメン? - 崖の上のポニョ <'08 日>

 3週振りに「最上の命医」を観たんですが、いつの間にかヒロイン(比嘉愛未)がいなくなっちゃってます、元々そんなストーリーなの?それとも何かあったの?
(↑NHK朝ドラ「どんど晴れ」の続編?の撮影のため転勤させた(笑)そうです、さすがNHK。)

 よく晴れて朝は平年値に戻って3日振りのマイナス気温、日中もほぼ平年値ながら昨日と同じく春の暖かみを感じます。

 フジで再放送していた「ベートーベン・ウィルス」を保存用録画しながら結局全話視聴、独自のカットを施しているらしく、エピソードによって大幅に削ったりほぼ完全に残したりとまちまち、それでもテレ東放送時には無かったシーン満載で、特にカンマエのモデルがチェリビダッゲだったことは、分かる人には分かる、という仕掛けかと思ってましたが、実際は劇中で明言されてました。ただカンマエの元カノとのエピソードが(あるらしいんですが)見られなかったのは残念。

 あと今回認識を新たにしたのは、
・挿入曲の1つを少女時代のメンバーが歌っていたこと
・フルート少女イドゥンの名前がハイドン(ハ・イドン?)だったこと
・カンマエが破り捨てるチョン・ミョンファン(笑)のポスターはチョン&ソウルフィル(今年来日!)のものだったこと
・カンマエの夢のシーンで「愛の夢」の「愛せる限り愛せ」原曲の歌曲で効果的に使われていたこと
などなど。

 その「ベートーベン・ウィルス」を録画するテープの空きを作るために観た映画がこれ、宮崎アニメのヒット作ですが、宮崎作品のいい視聴者ではない(一応有名どころはほぼ観てますが、一番面白かったのが「カリオストロの城」ですから)ので、ながら観です。

崖の上のポニョ <'08 日>
 人魚姫をベースとした童話、ここからどうクライマックスへと進むのかな、と思った所でエンドタイトルとなり少し驚き、ただこの短さ(101分)が個人的にはポイント高し。微妙に違和感のある声優が数人いる中でもダントツに天海祐希にミスキャスト感があり、音楽担当の久石譲は「ワルキューレの騎行」をもろパクってました(笑)。そして、なぜチキンラーメン?「魔女の宅急便」のクロネコの如くタイアップ? 

 巷ではエンドクレジットに感動、という人が多いようで、言われてみれば成る程、って感じです。

2011年2月20日日曜日

タコオケの室内Sym、12番 - 長田雅人&オーケストラ・ダスビダーニャのショスタコーヴィチ12番、室内Sym

がーん、昨夜5番のハシゴから帰りTVを観ていて1時半頃に人事不省に、楽しみにしていた深夜のC.リーグダイジェストおよび早朝のC.リーグマガジンを寝ブッチ(涙)、1回戦の結果を目にしないよう頑張ってきたのが全て徒労に…。

 今にも降りそうな感じの曇り、その雲のせいか朝はプラス気温、日中はほぼ平年並み、早起きして都心に出て、午前テニス、午後コンサートと典型的休日パターン。

 聴いたのは年に1度の楽しみのショスタコ専門オケ、ダスビ(昨年は6番)、その熱い豪演は、優に100回を超えるショスタコ体験の中で、トップ5のうち2つか3つは間違いなくこのオケ、と言える程です。

 本日のメイン12番は軽薄とのレッテルを貼られて演奏機会が少ないだけに、ダスビがどう料理するか興味津々、また室内Symに関しては、DSCH音型がこれでもかとしつこく繰り返されること、そして「ザッザッザッ」という3連打が怖いこと、この2点しか印象にありません。ただ、これを弦楽四重奏から弦楽合奏へ編曲したバルシャイが昨年11月に亡くなっていたことを(いつも通り詳細な)パンフを読み初めて知りました。

2月20日(日) すみだトリフォニー
 長田雅人指揮オーケストラ・ダスビダーニャ ショスタコーヴィチ 映画「司祭とその召使いバルダの物語」より抜粋、室内Sym <バルシャイ編>、Sym12番
 最初は拍手が残るうちからいきなり起立したミュート付きTbソロからスタート、9曲を抜粋しても20分に満たない楽しい曲で、ワーグナーチューバやサックスまで動員する大編成、音楽(映画)のクライマックスは試練を乗り越えたバルダが司祭にくらわすデコピン(!)3発(バスドラムで表現)、まるでマーラー6番です(笑)。
 続く室内Sym、破壊的なブラスとパーカションが売りのダスビゆえ、弦のみの曲はちょっとキツイかなと思いましたが杞憂、重戦車の如き低弦を中心に肺腑をえぐるサウンドに凄味があり、やはり技術よりスピリット、と思わせてくれました。マーラーの名を冠するオケも見習って欲しいもの。この曲を初めてちゃんと聴きましたが、全編これ自曲からの引用に満ち満ちており(いきなりSym1番ですから)、まるで「英雄の生涯」です(笑)。
 後半の12番、まず第1楽章が激しく阿鼻叫喚レベル、昔よく聴いたムラヴィンスキー&レニングラードフィルのLPも真っ青、終楽章はどうなっちゃうの?と思ってましたが、さすがにあの息の長い、と言うかクドくてしつこい、と言うかブラスには拷問、のコーダではTpトップが体力切れしたか壮絶なレベルには至らず、それでも実演では滅多に聴けないレベルの豪快サウンドを満喫しました。あとHrソロが美しかったです。アンコールは何とショスタコーヴィチ編によるシュトラウスのポルカ「観光列車」を玩具のラッパを使ったアトラクション付きで、次のアンコールは激しい曲か、と思ったらこれで終わり、残念。

2011年2月19日土曜日

ペーター・フロール&東響のユニークブルックナー5番

 5番をハシゴした土曜、みなとみらいでマーラー5番を聴いた後、サントリーへ移動して聴いたのは同じ5番でもブルックナーです。

2月19日(土) サントリーホール
 クラウス・ペーター・フロール指揮東響 ハイドン Sym101番、ブルックナー Sym5番
初めて見るペーター・フロールは小柄・小太りで人の良さそうなおっさん、って感じ、前半ハイドンは棒を使わず全身で様々な表情を演出する雄弁な指揮、ただ30分は長かったです。そして後半お目当てブルックナー、オケは午後の神奈川フィルと同じくチェロと弦バスが左にくる対向配置、7本のHr(ハミルは1stアシ)は左側、それ以外のブラスを右端に固め、ずらっと6本並んだTp(倍管?)が壮観、ここでは棒を使用し指揮姿は少しオーソドックス、でも内容は楽譜に書いて無さそうなテンポのオンオフや強弱など個性的表現のオンパレード、第2楽章第1主題でピッツィカートに極端な抑揚を付け、続くアルコによる第2主題で思いきりたっぷりと弾かせたのが特に印象的、第2-3楽章は続けて演奏、終楽章はHrを筆頭(時に一斉にベルアップ!)としてブラスは豪快、Tp、Tbは全開の1歩手前ながら、全体の鳴りは過去最高かも。

 第1楽章では最後の音の余韻が消えてからもたっぷり5秒は指揮棒を下ろさず、「終楽章はこれは通用しないだろうなあ」と思っていると案の定、最後の1音が鳴ってるうちにブラボーって拍手する人がいました(笑)。

 ブルックナー好きには眉をひそめられそうですが、自分の中でのこの曲の位置は「楽譜通りに演奏するだけで終楽章は鼻血が出そうなド迫力」というもの、ところが(まだ10回にも満たないとはいえ)実演でその期待に応える演奏にはお目にかかってません(チェリの5番を聴きたかった…)。ただこの日(と千代田フィル)が今までそれに1番近かった気がします。

 終演後ホールを出た所で京都時代の研究室の後輩に遭遇、えっ!そんな趣味あったっけ?と訊くと奥様とお母様のお迎えとのことでした。

金&神奈川フィルの5番

 ほぼ終日の曇り、気温は平年並みながら昨日暖かだったせいか、朝テニス始める前は寒く感じました。早起きして都心で昼まで練習、テニスコート近くの梅干屋さんの梅はひと月前に咲き始めていたのに、まだ5分程度の咲きに見えます。

 テニスの後はコンサートのハシゴ、と先々週の土曜と同じパターン、ただ先々週はアマオケのハシゴでしたが、今週はプロオケのハシゴ、そして先々週は両方マーラーでしたが、今週は両方5番です。

 まず午後に聴いたのはマーラーの5番、金&神奈川フィルが昨年来やっているチクルスの一環、去年3番を聴いてます。会場のみなとみらいは9割程度と結構埋まってました。

2月19日(土) みなとみらいホール
 金聖響&神奈川フィル モーツァルト VnC4番、マーラー Sym5番
オケは1stVnの隣にチェロ、その後ろに弦バスがくる対向配置、前半モ-ツァルト(第1楽章のカデンツァが長かった)のソリストは3ヶ月前に音大オケで見た南紫音、萌黄色?ウグイス色?ともかく春めいた色のドレスが素敵でした。後半のマーラー、テンポは標準的でアクは薄めでメリハリのある音作り、3番の時に比べて拍を振らずに流れる棒で表現する箇所は少なめでしたが、棒を置きそのスタイルで各動機を丁寧に積み上げてゆく表現だった第4楽章が印象的。ややソフト系の音色のTpソロ(C管使用、たぶん)とストレートな吹きっぷりのHrソロは共になかなか、Obが味のある音色、金は第1楽章からブラスをしっかり鳴らしつつも9割程度に抑えておき、終楽章クライマックスのコラール頂点でTpが突き抜けてMAXに達する構成力は見事、その後コーダも無闇に煽ることなく、乱れない様にコントロールしてのフィニッシュでした。

 10年近く前にやはり5番を都響とやった時は、第3楽章の(日本人の苦手な)ワルツを粋にやるべく紡いだ流麗なタクトも空しく"笛吹けど踊らず"状態でしたが、今やオケとの兼ね合いも見すえてそれなりの表現が出来るようになった印象です。

 この後サントリーに移動してペーター=フロール&東響のブルックナー5番を聴いた(個性的かつ豪快で良かったです)のですが、それはまた別の記事にします。

 明日は例年爆演が楽しめるショスタコ専門オケ、ダスビです!

2011年2月16日水曜日

ゲルギエフ&マリンスキー歌劇場のロシアンプロ

 朝は冷え込んで2週間振りのマイナス5度割れ、よく晴れた日中は9日振りの10度超え、ただ昼休みに出たテニスコートの日陰は氷でカチンカチンでした。

 夜はゲルギエフ週間の3日目、オールロシアンプロです。メインのショスタコ5番は5年前にも同じコンビの演奏をミューザで聴いてます。

2月16日(水) みなとみらいホール
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇管・合唱団 1812年、「ムラーダ」"貴族達の行進"、「ボリス・ゴドゥノフ」"戴冠式の場"、「イーゴリ公」より、ショスタコーヴィチ Sym5番
 昨日同様合唱がオケの後方に位置、金管は昨日程端っこではありませんが右寄りに位置、1812年の冒頭では弦が本数が少ない割におやと思わせるふくよかな響き、ただブラスは終始抑えめ、唯一頂点時の1stTpのハイトーンだけ1発目立たせていた程度、大砲は1台目と反対側に置いた2台目のバスドラで代用、合唱はいつ入るの?と思っていたら終わりまで参加せず、どうやら通常版に当日変更になったらしい。続く3曲は男性独唱2名と合唱が適宜参加、合唱が60人程度なのに迫力がハンパ無く、この合唱でマーラー8番をやったら凄いだろうな、と思ってしまう程で、この3曲が本日の白眉。だったん人のラストは未体験の速さ、そして最後の1音では1stTpが上方60度くらいベルアップしてハイトーンを吹く演出(ジャズバンドでよくやるアクション)がお茶目でした。
 後半のショスタコになり合唱がハケたせいかTpとTbが最後列にずらっと本来の並び、ゲルギエフは1度も手を下ろさず4楽章続けて演奏、構えず粘らず速めのテンポは5年前と同じ、ただ緩徐部の速さとテンポの揺らしは前より激しくなった印象(特に第1楽章第2主題などびっくりのスピード)で、オケが付ききれない部分もしばしば、ブラスはアシ無しの最少本数(Tp3,Hr4)、第1楽章など腹8分目どころか6分目くらいの抑えた吹きっぷり、やや雑だった第1楽章後半のHrソロは直前休憩無し、第3楽章の木管ソロはなかなか、ブラスは終楽章ですら8分程度の吹きっぷりでがっかり、アンコールも無くて2度がっかり。オケは縦の線が余り揃わず、それが前半は音色の豊潤さで気にならなかったのに、後半は耳慣れた曲のせいか雑に感じてしまいました。

 5年前の5番との比較ではオケの音は良くなった印象ですが、連日のハードスケジュールが影響してるのか演奏自体は大雑把で迫力も減じた感じです。

 あと見落としただけかもしれませんが、昨日と今日の2公演でゲルギーは1度も指揮棒を手にしなかった気がします。5年前の日記を見ると、同じショスタコ5番でも棒を使っていた模様、使用頻度が減っているんでしょうか?

2011年2月11日金曜日

チョン&N響の3番

 この日のボケ老人: 井岡Jrのタイトル戦、深夜に観よう、と留守録を再生するとニュースが…、留守録設定時刻を1時間間違えたらしい…、無念。

 翌日にゆっくりこれを書いてます、予報通り朝から雪、何とこの日は午前零時の4度台が最高気温で、その後下がって朝昼ほぼ0度台とかなり低め、その割にはずっと降っていた雪が殆ど積もらなかったのが不思議です。

 フジで放送中の「ベートーベン・ウィルス」、テレ東放送時よりカットが少なく、未見シーン満載なので結局また観ており、先日は中盤のヤマ場「愛せる限り愛せ」でまた泣き、フェスティバルの選曲を訊かれたゴヌが「マーラー3番の第6楽章」と答えてカンマエに一蹴されるのには笑いました。

 夜聴いたのはそのマーラー3番、早くも今年2度目、またチョンの指揮で聴くのも東フィルに続き2度目、雪で練習中止になり、午前中に上記「ベートーベン・ウィルス」や「Fringe」(第1シーズンやっと完投!)など消化してゆっくり出陣しました。

 因みに午後はコンサートの前に渋谷タワレコでインストアイベントを2つ楽しみましたが、またそれは後日の日記にします。

2月11日(金・祝) NHKホール
 チョン・ミュンフン指揮N響 マーラー Sym3番
冒頭9本のHrはやや抑えめにスタートして最後にクレッシェンド、チョンはやや遅めのテンポでマーラーっぽさは薄め、また独自の濃い表現も1番に比べるとやや少なめ、それでも速い部分はより速く、という傾向は相変わらずで特に第2楽章が顕著、また普通と違う場所でテンポの加速・減速をしていた(特に終楽章)のが印象的。オケは低弦に厚み(弦バス12本)があり、Tbソロはマイルド系、遠方感があり安定していたポストホルンソロはコルネットっぽい楽器、女声合唱(約50名)は最初から、児童合唱(約30名)は第3楽章のコーダに入場、そのタイミングより少し早くアルトが入場(したらしいのですが気付いたらもう指揮者脇にいました)。楽譜ではアタッカなのに何故か終楽章の前に休止、そして遅めテンポで思ったほど粘らずしみじみ進んだ終楽章、クライマックス前のTpコラールは楽譜通りハイトーンを強め、左隅にもう2組(2台×2)あって気になっていたティンパニをコーダのみ使用し計4組、弦管鳴って壮大な音場での大団円、と想像されますが巨大ホールの外野席だけにあくまで推定なのが悲しいところ。

 その後家に帰ってFMライブの留守録をチェックすると、肝心の終楽章になってブームノイズが発生しておりオシャカ(涙)、今や留守録が出来ない電波状況になりつつあります。

2011年2月8日火曜日

アクション度上昇の第2作 - トランスポーター2

昨夜の「大切なことはすべて君が教えてくれた」での風間杜夫の声の裏返り方にはぐっと来ました、昔は演技出来ない人の代表格だったのに。

 昨夜は西の空で木星と三日月が仲良く並んでましたが、深夜から雲が出たのか朝は冷え込まず零度弱、今年3度目?の曇りとなった日中は気温上がらず最高6度台、日照時間ほぼゼロは今年初めてか、そして更に下り坂とのこと、晴れと雨を繰り返す春っぽい気候に近付いているようです。

 本日は週末に観た映画から、主人公の個性とキレのあるアクションが印象的だった映画「トランスポーター」の続編です。

トランスポーター2 <'05 仏/米>
 今回の任務は子供の送り迎え、それが陰謀に巻き込まれ、子供との約束を果たすべく大暴れ、しかも舞台は何故かアメリカ、リュック・ベッソンの脚本にしてはヒネリ無く(元々そう?)、前作以上にリアリティは気にせず、かつアクションにつながらない部分をバッサリ切る、ある意味潔い演出でノンストップでアクションを楽しめますが、前作の方が好きだったかも。

 ゴールデンの映画枠の放送時間は正味90分程度、80分台の作品なので当然ノーカットと思い視聴したのですが、CM前後の"かぶせ"以外にも、何と「トランスポーター3」の冒頭?まで入っていて、そのせいで少々カットしていた感じ(涙)、来週のパート3はより長尺なのでもうこの枠では観ないことにします。

2011年2月6日日曜日

Sオケの充実ラフマニノフ2番 - 秋山和慶&洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団

 がーん…、昨夜のチョン&N響「幻想」FM生中継、留守録を確認するとブームノイズまみれ(涙)、せめてもの救いは、ノイズの向こうに聴こえた響きが(期待した)熱狂ではなくて整然だったことか。

 今年3度目の曇り、当然朝の冷え込みは甘め、ただ日中は平年やや高め、そして夜には本格的な雨、午前中の練習予定がキャンセルになり、午後ゆっくりとコンサートに出かけました。

 連日のミューザ通いをして聴いたのは洗足音大のオケ、ただこの音大、オケがいくつもあって(たぶん3つ以上)よく違いを把握してません。パンフを読むと精鋭を集めているようで、いわばAオケ、いや芸術監督秋山氏の下に集まったらしいのでSオケか。

2月6日(日) ミューザ川崎
 秋山和慶指揮洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団 ラフマニノフ PC2番、Sym2番
オケには先生っぽい人も加わっており、学生さんのレベルも高めに感じました。前半協奏曲のソリストは田村響、ブラスが結構吹いてました。後半の交響曲では弦がよくうねり、ブラスが(ロシアっぽさは皆無ながら)Tbを筆頭によく鳴ってました。第3楽章のClソロの豊かな情感は特筆もの。全体で印象的だったのは躍動感と歯切れよさで、第2楽章や終楽章コーダなど「秋山さんってこんなに煽っちゃう人なの?」とビックリの急加速がしっかりキマって鮮やか、あと少し編曲っぽい改編があった感じ。

 ラフマニノフの2番は結構好きで年2回程のペースで聴いている(日記によると過去15回/6年)ので、(プロは10回に満たないとはいえ)優に30回以上は聴いていることになりますが、その中で間違いなくトップ3に入る感動度でした。

 5月のロシア国立響による同曲がますます楽しみになってきました!

2011年2月5日土曜日

マエストロ主役のマーラー6番 - 海老原光&豊島区管弦楽団

 午後に川崎で3番を聴いた後に池袋で臨んだのがこの6番、このオケは初めてな気がします(がずっと昔に聴いて忘れてるだけかも)、創立35周年の大曲とのこと。

2月5日(土) 東京芸術劇場
 海老原光&豊島区管弦楽団 マーラー Sym6番
緩徐楽章が第2楽章となる今風の順序、オケは2ndVnとVlaを入れ替えた対向配置で、弦バスがずらっと最後列に、こうなるとパーカッションの場所がなくなるので両翼に分散、木槌で台を2度叩いたハンマーは左隅の最前部、そして何とチェレスタがオケのど真ん中でした。各パート達者でオケの実力を感じ、終楽章コーダのTbの掛け合いなど聴き惚れました。指揮姿が個性的でカッコいい海老原氏は、何度もジャンプしたり(アンダンテですら1度ジャンプ!)、左手がゲルギエフっぽかったりと存在感抜群、度々急加速したり、急に減速してタメを作ったりする棒に、乱れながらもついていったのはオケが上手だからでしょう。

 オーケストラ演奏の主役は勿論指揮者、しかしアマチュアは趣味で、つまり自分でお金を払い、自分の愉しみのためにやっている、という特殊性があるため、アマの主役はある意味オケ、よって客演する指揮者は"自分のやりたい演奏"と"オケのやりたい演奏・やれる演奏"との妥協点を見つける作業が必要になるので、これだけ指揮者の個性が前面に出る演奏会は珍しい気がします。

 この週末は3つの演奏会が全て当たり、滅多に無い幸せでした。

骨太かつ情感豊かなマーラー3番 - 冨平恭平&オーケストラ ハモン

 翌日にこれを書いてます。この日は少し雲の出た日中こそ昨日に比べれば低めだったとはいえ、最高最低共に3月並みの気温でした。午前練習、午後コンサート、と典型的休日パターンながら、午後はマーラー2連荘と濃いスケジュールでした。

 まず聴いたのは3番、いつも着実な演奏を聴かせてくれ、年1度かそれ以上のペースで聴いているオケです。

2月5日(土) ミューザ川崎
 冨平恭平&オーケストラ ハモン マーラー Sym3番
オケは弦バスが左奥に来る対向配置、しかもウィーンフィルの如くTpとTbの左右が逆です!(FgとClも左右逆でした、VPOは知らんけど) 冒頭9本のHrが雄大に吠え、遅めのテンポで第1楽章が骨太に鳴り終わると、オケがハケて15分の休憩、マーラーのようなゲテモノに慣れていない大半の観客にとってはいいのでは。再登場時に少女合唱(約30名)と女声合唱(約50名)がPブロック、アルトソロがVlaの後ろに位置、ポストホルンはTpっぽい音(でしたがカーテンコールではポストホルンを手に)、終楽章は自分好みのかなり遅いテンポ(25-6分コース)、やや抑え気味なのにしみじみとした情感溢れる表現、クライマックス直前の弱音Tpコラールは遅いテンポにもめげず情感がこもり、コーダ最後の一音の天国的な長さは過去実演では最長(13秒程)だったかも。

 昨年は3番を5回も聴きましたが、そのどの3番より今日の演奏の方が感動しました。この後芸劇へ移動して次は6番、でもそれは次の記事で。

 このオケ、次回(9/17)はローマ3部作とか、超楽しみです、あ、でもその頃は出張を入れてしまった気が…。

 因みに明日は音大オケでラフマニノフ2番です!

2011年2月3日木曜日

第3作は刺青再び、そして名作へのオマージュ - 高木彬光「大東京四谷怪談」

本日は早起きして平年並みながらマイナス4度と寒い中試合へ、苦手な左利きに初戦(しかも予選)であえなく敗退、試合中何となくデジャブー的感覚があったんですが、試合後アドバイスを訊くと、何とほんの数ヶ月前、しかも同じ会場で当たった相手(2010/10/15)でした。忘れてるとはさすがボケ老人。

 ただ新年以降続けている膝痛防止"太極拳ゆったり"体操(2011/1/20)の効果か、試合中も試合後も全く膝に痛みや不安を感じることが無く、こんな状態はここ半年以上無かったこと、なさすが中国4千年の歴史は侮れません。

 12度とややポカポカしてきた午後には無事職場復帰、試合会場への往き帰りと待ち時間で読みかけの本を読了、墨野隴人シリーズの第3作です。

大東京四谷怪談 高木彬光
 語り手の未亡人が今回巻き込まれたのは「四谷怪談」を下敷きにしたかの様な連続殺人、勿論墨野隴人が解決してくれますが、犯行の必然性などすっきり感が薄いなあ、と思っていると、その点も腑に落ちる仕掛けが! 某有名作品へのオマージュにして、功成り名遂げた大家晩年の作にしては野心的な試み、読了後、冒頭を読み返すことをお勧めします。

 因みに角川文庫版の中島河太郎氏の解説はネタバレしてますので先に読まないで下さい。

 次はシリーズ第4作、と行きたいところですが、高木彬光作品は全作角川文庫で出ているものと勘違いしており、角川文庫版の墨野隴人を揃えれば足りる、と思ったら大間違い、シリーズ全5作中、第4作「現代夜討曽我」は光文社文庫のみ、ゆえに未入手、と言う訳で墨野隴人プロジェクト、一時中断です。