2014年6月29日日曜日

伊坂流ホームドラマはビートルズ? - 伊坂幸太郎「オー!ファーザー」

 昨夜のセレソンは完全な負け戦、チリの方が勝者に相応しいサッカーでした、がこんな所でブラジルが負けたら暴動が起きるかも、というチリの政治的配慮に感謝、ただフッキのゴールは認めて欲しかった…。

 深夜早朝こそ結構降りましたが、雨予報だった割には昼前には青空、練習予定無く、午後はアマオケと後輩のイベント(卒業写真撮影)とで迷いつつ、既に3日連続コンサートに行ってるので自重し、アイスの手土産持って後者へ。

 その後、依頼原稿の資料を探すべく八重洲ブックセンターへ、さっきまで晴れていたのに、地下鉄から地上に出ると激しいゲリラ豪雨にビックリ、小1時間後には上がりましたが、場所によっては停電したり電車が止まったりしたそう。

 一旦家に帰り、夜また東京に出て夜行バスでスポット帰省、母の調子が悪いのでその相談です。

 この所は母の様子を見に相変わらず週一ペースで帰省、本日はその行程で読んだ本から、映画化されて最近文庫になった伊坂作品、ですが初出は新聞の連載で結構前(2006-7年)です。

オー!ファーザー 伊坂幸太郎
 4人!の父を持つ高校生の日常と非日常を描くホームコメディ的な内容、個性的な父親達が喋る伊坂節がメインで、狙撃・詐欺・窃盗・日常の謎こそあれどミステリー度はかなり低め、色々な伏線が回収されるクライマックスも完成度とカタルシス度は低め、元が新聞連載で制約があったせいかも。

2014年6月28日土曜日

大野&国立リヨン歌劇場管のペトルーシュカ、展覧会

 雨時々曇り、午前の練習はキャンセルに、ただ夕方にもテニスの約束があり、道具を持ってコンサートへ。

 聴いたのは大野率いる手兵国立リヨン歌劇場管の横須賀公演、オール管弦楽曲の嬉しいプロ、このコンビは数年前、サン=サーンス3番を聴いてます。

 本日のボケ老人:
上りの電車(TX)に乗って気付いたのは、チケットを家に置き忘れてきたこと、次の駅で降りて引き返したら、開演には間に合いません(涙)。

 ただ、主催者から直接買ったチケットだったので、アキバに着いた時点でよこすか芸劇に電話、事情を話すと無事先方に購入データが残っていて、チケットレスでも入場出来ることとなりました、めでたし、めでたし。

6月28日(土) よこすか芸術劇場
 大野和士&国立リヨン歌劇場管 ルーセル "バッカスとアリアーヌ"第2組曲、ストラヴィンスキー ペトルーシュカ、ムソルグスキー 展覧会の絵
 弦は音域順、3曲ともブラスはTp4,Tb3,Hr4、音合わせの仕方が独特で、Ob奏者が後ろを向いてまず木管群に向けて音出し、続いて金管群へ、次に前方右を向いて低弦へ、更に左を向いて高弦へ、と4段階! 最初のルーセルは実演は初めてでよく判りませんが、最後はなかなか分厚い響き、続くペトルーシュカは細かい部分が表情豊か、管セクションはやや雑な印象あれどそれなりに達者、やや非力かと思っていた弦も謝肉祭クライマックスではいい鳴り、最後のTpはピッコロ使用、しかもミュート無しで朗々と。
 休憩後は展覧会、Tpソロはソフト系でスラー気味、その後の低弦しっかり、古城のSaxは専業、ビドロはTuba奏者が一回り小さいチューバで!シュミイレもピッコロTp、カタコンブのTbが最初から豪快で本日の白眉!キエフの大門ではブラスはぼちぼちながらラストの鐘がド派手。アンコールはまず"マ・メール・ロワ"妖精の園、終わると同時に次の楽譜を出してやる気満々、で始まったのが定番の"アルルの女"ファランドール、勿論最後は急加速。

 Tpトップとアシがクライマックスですら交互にしか吹かなかったのが興味深く、やや不満でした。

 小雨の中、ダッシュで麻布へ、でもコートに着いたのは丁度約束のテニスが終わる午後7時、しかも他のコートではプレーしてるのに、友人のグループは影も形も無く(涙)、すごすご帰宅。 

2014年6月27日金曜日

川賢&神奈フィルのダイナミック2番

 昨夜の「リアル脱出ゲームTV」最終回は画期的、しかしあれにリアルタイム正解する人が数千人もいるなんてスゴイ!

 梅雨の晴れ間、コンサート3連戦の第2夜は初めて接する若手者川瀬賢太郎の振る"復活"、神奈フィル300回記念定期とのこと、確か常任になったばかりです。

 実は今夜、インキネン&日フィルの6番と川賢&神奈フィルの2番、とマーラーが重なっていて、予算(2500円以内)を決めて入手出来た方、としたら後者になりました。

 明日は大野&リヨンが入っているので、インキネンの6番は震災で逃亡、いや延期になった時も含め、縁が無かったみたい。(←ハンマーを3発やったそうです!意外だ…。)

6月27日(金) みなとみらいホール
 川瀬賢太郎&神奈川フィル マーラー Sym2番
合唱は最初からPブロック、しかも座席数にぴったり合わせた人数、オケではHrが若くトップとそのアシ含め7人中4人が女性、Tp6,Tb4、第1楽章は遅いテンポをベースに、速い部分は速め、川賢は粘りやアクは少ない代わり、一つ一つの指示に気迫を込めた棒でメリハリたっぷり、再現部手前のff連打とコーダ最後の下降音型でやたらスローダウンしたのが印象的、第1楽章後は台から降りて小休止、ソリスト(舞台右奥へ)とオルガン奏者が入場、そして音合わせ、と時間を稼いでも2分半(指定の5分は遠い…)、第2楽章は(サマになっていなかったけれど)ポルタメントをやや強調し、中盤のピッツィカートは抱えて弾くスタイル、ティンパニの打ち込み激しく全体でも歯切れ良い表現だった第3楽章、時たまあるピッツィカートの合いの手を派手に強調したのが個性的、終楽章前半、ちょっとミスったけどTbソロが色気ある音色、盛り上がりではパーカッションのクレッシェンド壮絶ながら、ブラスはぼちぼち、寧ろ非力と思えた弦をそれに負けず鳴らしたのが印象的、後半の合唱は座って歌い始め徐々にライトアップ、最後の"Mit flugeln"の少し前に一斉に立つスタイル、荒野の呼び声担当のHr4本(こちらが古参団員?)が加わったクライマックス、やっとブラスもかなり吹いて合唱と併せまずまず豪快な音場でした。

 事前に放送があったとは言え、最後の1音の余韻が完全に消えて、川賢が棒を降ろし、それから少しするまで拍手が始まらず、神奈フィルのお客さんの行儀の良さにはびっくり!

 明日は大野&国立リヨン管でペトルーシュカ&展覧会と豪華プロです!

2014年6月26日木曜日

コバケン&ハンガリー国立フィルのチャイコフスキー6番

 ああ、わがブラジルの山が、南米選手権みたく、なってしまった…。

 シャラポワのウィンブルドン1回戦をダウンロード視聴、今年のウェアは胸元がイマイチながら、感心しない赤パンをやめただけでも昨年よりはマシか。

 研究室が1キロほど南に引っ越してはや3週間近く、新キャンパスの正面玄関前では合歓の木がピンクの花を咲かせています。

 夜はコバケン&ハンガリー国立フィル、このコンビは何度も聴いてます(前回は幻想)が、1番よかったのはマーラーじゃなくてレ・プレリュードとサン=サーンス3番をやった時、今回のプロは自分の守備範囲の真ん中からやや外れていて、Vnを弾く連れ向け、なのに彼はキャンセル(涙)。

 で余り券をFBで告知したら、何と中学時代のブラスの(しかもまだ音楽を続けている)先輩から連絡があり、ン10年振りの再会を楽しみました。

6月26日(木) サントリーホール
 小林研一郎&ハンガリー国立フィル グリンカ ルスランとリュドミラ、チャイコフスキー VnC、Sym6番
 最初はグリンカ、思った程煽らない進行ながらブラス(Hr4,Tp2,Tb3、悲愴も同じ)の吹きっぷりよし。続くコンチェルトのソリストは千住真理子、やや危なっかしい印象、第1楽章後には盛大な拍手(笑)。後半は"悲愴"、コバケンの6番はたぶん初めて、第1楽章第2主題?の入りの前の長ーいパウゼなど、5番と同様濃い表情、バスクラ使用で入った展開部では頂点でスローダウンし、Tbの吹きっぷり豪快、Hrも全体でいい鳴り、木管陣は大らかで味わいあり、第3楽章はパーカッションの打ち込み鋭いながら予想程の激しさはなく、大中シンバルの使い分けが不思議、第3楽章の終わりでブラボーが飛ぶも、コバケンは手振りで拍手を阻止して終楽章へ突入、ここでもテンポを大きく動かしつつ、弦の音の切り際で何度も見得を切る表現が印象的、アンコールはいつもの口上を交えつつ、ハンガリー舞曲の有名どころを2曲、濃い目の表情付けで。


 席位置(RA5列20番台)の具合でたまたま反射音が真っ直ぐ来るのか、3rdHrがやけにデカイ音で届きました。本当に彼だけバリ吹きしてたりして。

 明日は先輩がインキネン&日フィルのマーラー6番、自分は川賢&神奈フィルの2番、と別れます。

2014年6月25日水曜日

2014 茨城オープン 2日目

 母は熱も下がっていて一安心、夜行バスでスポット帰省から戻り、その足で茨城OPの2日目へ、ウォームアップの時に激しい雨で1時間中断、東京でひょうが数10cm降り積もるこのご時勢、雹じゃなかっただけラッキーかも、待ち時間で本が一杯読めました。


 さっきの雨が嘘の様な青空の下、学生に1-6,0-6で粉砕されて2回戦終了、本日のお小遣いは3700円。

 今日貰ったアドバイス:
ネットに出た時に簡単なボールのミスが多いので、それを少なくするだけでかなり違う。

2014年6月23日月曜日

2014 茨城オープン 1日目

 ベルギーvs.ロシアが思ったより低調で、途中意識喪失、目が覚めた今朝の全米女子OP、ミッシェル・ウィーの17番ホールにはシビれました。

 朝は唯一地元で開催される大会である茨城オープンに参戦、何と1回戦相手が来なくて不戦勝、2回戦は水曜とのこと。

 先週高熱を出していた母が心配なので、明日火曜は急遽休みを取りスポット帰省することに、ド平日だと夜行バスは片道3000円程度なので。

 でも往きのバスは席指定しなかったらまたも窓側、連敗記録継続中です(涙)。

2014年6月21日土曜日

美脚のパプリカ - 1st K2WALKプロジェクト 「パプリカな夜に ~逃亡者の館~」

 舞台ハシゴ企画第2弾は初台から品川のちょっと先、新馬場駅近くのホール、以前1度来たことがあります。

 こちらは例によって奇特な方からの頂き物、テレ東深夜「美の国のお茶会」のレギュラーの2人、SORAさんとALIさん主演と聞き、間近で見たくなっての出陣、お色気にもやや期待、となれば自由席ゆえ会場時間(開演30分前)には現地入りしたいところ、でしたが京急が乱れていて品川で少々スタック(涙)。

 とは言え、何とか開演20数分前に到着、でも最前列の真ん中は空いていてホッ、と言うか楽日の割には空いていて、開演直前になるまで中央ブロックの最前列が埋まることはありませんでした。

6月21日(土) 六行会ホール
 1st K2WALKプロジェクト 「パプリカな夜に ~逃亡者の館~」
スキャンダルから借金を背負わされた姉妹アイドルが逃げ込んだ先は、様々な事情を抱えた人々が集まる「逃亡者の館」、しかしそこにも追っ手の影が、というお話が軽めのタッチで描かれる休憩無しの2時間、ストーリーにもう少しヒネリが欲しかった気はしますが、何よりSORAさんの美脚が素晴らしく、あとTVでよくお見かけする団時朗さん(帰ってきたウルトラマン?)はさすがの存在感。

ジェイコブはヤコブ? - 十九歳のジェイコブ

 曇り時々晴れ、時々小雨、最高28度台と気温まずまず、朝東京に出て午前中はテニス、午後は舞台を連投、片方は例によって奇特な方からの頂き物、当初観劇はこちらだけの予定でした。

 テニス後まず急いで向かったのは初台、「新国攻めてる」「体当たりの演技」などの劇評を読んで「演出エロいのかなぁ」などと妄想を膨らませていた(笑)時、丁度テニスと夕方の観劇の間の空いている時間帯でかつ最前列が安値で掲示板に出ていたのを見て、うっかり発作的に前日入手したもの、原作は中上健次の傑作小説とのこと(ですが勉強不足で知りません)。

6月21日(土) 新国立劇場 小劇場
 十九歳のジェイコブ
ドラッグとセックスに明け暮れる若者の無軌道を描く不条理劇、休憩無しの2時間 高さの異なる傾いたベンチ?の配置を色々変えるだけのシンプルな舞台装置、メッセージ性強めのセリフはスクリーン投影する字幕を活用、レトロな赤電話がキーアイテム(っぽいんだけど自分にはよく判らず)、音楽(特にジャズ)がカッコよく、エロ度は期待より低め、しかもシーツを使った1番の体当たり演出は席位置(右端)の関係で余り見えず(涙)、現実と妄想が混然とする内容は映画「ジェイコブス・ラダー」を思い出しました。ジェイコブ役の無表情が個性なのか虚無感を表しているのか微妙。

 連想した"ヤコブの梯子"ならぬ、舞台のハシゴのためダッシュで次の会場へ、それは次の記事で。

2014年6月20日金曜日

シリーズ第5作、ややバカミス系 - 東川篤哉「ここに死体を捨てないでください!」

 昨朝弾丸帰省から戻り、録画しておいたブラジルvs.メキシコ(負けなくてよかった…)、スペインvs.チリ(シャビ起用せず、に衝撃!)を一気に観戦。

 そして今朝はイングランドvs.ウルグアイ、その後寝るかどうか迷いつつ、続けてギリシャvs.日本も。

 深夜に降った気配あれど日中はここ1週間大体晴れ、気温も真夏日に届かないながら20度台後半を堅持、梅雨入り以降、1週間降って、1週間晴れる、って感じ。

 一昨日の帰省時、例によって自転車で通る田んぼ道、麦畑だったところが水が張られて水田に、しかもふた月遅れで田植えがなされていて驚き。

 本日はちょっと前に読んだ本から、烏賊川市シリーズ現時点での最新長編、かな?

ここに死体を捨てないでください! 東川篤哉
 ある事情から死体を処理する羽目になった男女と、レギュラーメンバーが山間のペンションで鉢合わせ、例によってドタバタの中、更なる事件が発生し、その流れは怒涛の解決へと向かいます。死体消失やアリバイ崩しなどそこそこの謎はありますが、繰り出される大業はややバカミス系です。

2014年6月17日火曜日

飯守&東フィル、武骨なR.シュトラウス

 ここ数日は天気も安定、昨日と比べて雲多めながら、最高28度台と4日連続しての準真夏日。

 夜は東フィルを聴くべくサントリーへ、生誕150周年のせいなのかオールR.シュトラウスプロ、ただ指揮する飯守にR.シュトラウスのイメージはありません。

6月17日(火) サントリーホール
 飯守泰次郎&東フィル R.シュトラウス ドン・ファン、4つの最後の歌、"サロメ"7つのヴェールの踊り、"カプリッチョ"序奏と月光の音楽、"ばらの騎士"組曲
 最初ドンファンはHr6,Tp3,Tb3、Hrトップは2名がほぼ曲毎に交替、この時のHrセクションはなかなかの暴れっぷり、飯守の棒と音作りはこの曲独特の陶酔感や優雅さとは無縁で、縦の揃い悪くゴツゴツした感じ、続く歌曲での伴奏は響きに透明感無く時にやや大き過ぎ、ソリストは浜田理恵、休憩後7つのヴェールの踊りではHr5,Tp4,Tb4、ここでも官能性は極めて薄め、ただラストの迫力はがっつり、続くカプリッチョ序奏は指揮者無しでいきなりスタートしてビックリ!途中でやり直して2度ビックリ!(笑)、月光の音楽から飯守が復帰し、締めはばら組曲、Hr6,Tp3,Tb3、瀟洒さ優美さは感じられない反面、この組曲版(ロジンスキー編?)独特のくどーいラストの迫力は満点、会場を大いに沸かせてました。

 イメージ通り、R.シュトラウスは向いてないのでは。

 終演後、連れと六本木のラーメン屋を経由して新宿へ、夜行バスでスポット帰省です。

2014年6月15日日曜日

起伏たっぷりマーラー1番 - 井崎正浩&三菱東京UFJ管弦楽団

 すがすがしく晴れて最高29.7度と3日連続の準真夏日、朝イタリアvsイングランドを観てから東京に出て午前中は教え子の対抗戦の応援、コート近くの梅林公園では梅の実がポトポト落ちてます。

 情けない試合をする子達を尻目に午後コンサートへ、あろうことかアマオケのマーラーが2公演重なっており、一方はJMOによる10番のクック版全曲、他方は企業オケによる1番、曲の好みでは前者、なんですが有料の10番より無料の1番、ってことで経済的事情により大好きな10番全曲を断念して錦糸町へ。

6月15日(日) すみだトリフォニー
 井崎正浩&三菱東京UFJ管弦楽団 バルトーク ハンガリーの風景、リスト レ・プレリュード、マーラー Sym1番
 バルトークは2管編成でHrが2本とも女性、リストはHr5、Tp、Tb各3、パーカッションの打ち込み鋭くラストはなかなか壮大、休憩挟んでマーラーではコンマスからコンミスに交替し、Hr9(+補助Tb1名)、Tp5、Tb3、Hrはトップが美音で全体でもかなりのボリューム、Tpトップもそこそこ美音(ただ最後はややスタミナ切れ)、冒頭舞台裏Tpが妙に遠かったのが印象的、第2楽章後に音合わせ、オケは全パートそこそこ安定しており、井崎氏の雄弁な棒の下、起伏ある表現を聴かせてくれました。Hr9本と補助のTbが楽譜通り起立して高らかに吹いた終楽章結尾、激しいパーカッション勢のフィニッシングストロークもばっちり。止まない拍手に応えて、アンコールは終楽章結尾をもう1度、しかも最後のテンポアップは本番時より激しく。

 個人的注目の終楽章ミュート早業ファンファーレはTpもTbも単独でこなしてました!

 第12回定期、となってますが、三菱・東京・UFJが合併するたんびに"第1回"とリセットしてるんでしょうか。

2014年6月14日土曜日

ベートーヴェンの交響曲をピアノで? - 後藤泉さんのピアノ

 電車内も、ビル内も、冷房がしんどい季節になってまいりました(涙)。

 朝オランダvsスペインを観てから東京に出て昼過ぎまで練習、夜コンパ、空いた午後は渋谷タワレコのインストアイベントへ。

 聴いたのは後藤泉さんのピアノ、リスト編によるベートーヴェンの交響曲をシリーズでやっている(これまで5番、9番など)とのこと、今回リリースの4番、6番からお話を交えてたっぷり40分超、「田園」は嵐や鳥の鳴き声など描写音楽的な部分もあるので面白かったです。

 明日はアマオケのマーラー、10番全曲、と言いたいところですが、経済的理由により1番です!

2014年6月13日金曜日

微妙にトリッキー、ハードボイルド調警察小説 - 逢坂剛「百舌の叫ぶ夜」

 祝!セレソン初戦勝利!!
主催国特権がある?割には難しいグループなので、まず勝てて一安心、マンジュキッチの出場停止がデカかったかも。

 因みに阪神も久々勝利、しかも不必要に"ルーズベルト・ゲーム"にしちゃう展開。

 先週の梅雨入り以降1週間せっせと雨は降り、既に6月ひと月の平年値の倍近い雨量を記録、今日は久々にちゃんと晴れて気温も最高29度台と準真夏日、夜はこちらも久々お月さん、すっかり円くなってます。

 梅雨空の中、先週は研究室の引越しがあり、1km程自宅から遠ざかりました(涙)が、壁打ちも洗濯もまだ昔のキャンパスで実行中。

 今回研究室ごと入った新棟の玄関先では、背の高い夏椿が白い花をポトポト落としていて風情あり。

 今クールのドラマでは「百舌の叫ぶ夜」「BORDER」が重なる時間帯が個人的には悩ましく、前者は映像が凝っていて、後者はストーリーに新味あり、原作未読の「MOZU」を録画しつつ「BORDER」を観てました、特に最終回は渋かったです。

 で録画しておいた「MOZU」を消化すべく、原作を読むことに。ジャンル違いゆえ逢坂作品には接したことなく、最初に読むなら代表作「カディスの赤い星」か"本格ファンも唸る"と噂の「百舌」にしようと思ってました。

 ただちょっと前まで「百舌」は100円棚でよく見かけたのに、ドラマ化の影響か最近とんと見掛けなって入手にてこずり、結局しぶしぶ200円で購入、おまけに何作も続くシリーズでかつその前日譚(「裏切りの日日」)まであると知って驚き!TV版の原作が本作のみであることを祈ります。

百舌の叫ぶ夜 逢坂剛
 都心で起きた爆死事件を巡る陰謀を、公安との確執を含めた警察側や実行犯側?など多視点で描きつつ、時系列にも工夫を凝らして(上手くいってるかどうかは微妙)、クライマックスへと収束します。が最後はややバタバタ感があり、真犯人側の背景をもう少し書き込んだ方より説得力が出た気がします。あとトリッキーさは予想程ではなかった感じ。

 ドラマ版を半分ほど消化、読んでる時「新谷役は絶対綾野剛でしょ!」と思ったのに違ってました。

2014年6月8日日曜日

50回記念のマーラー5番 - 横島勝人&八王子フィルハーモニー管弦楽団

 祝!シャラポワ全仏優勝!!

 梅雨入り以降雨は3日間降り続き、トータル雨量は200ミリと梅雨末期を思わせる多さ、午前テニス、午後コンサートの予定が練習は当然中止、午前中に無線の入る場所で全仏決勝シャラポワvs.ハレプをダウンロードしてから東京へ、気が付けばそこここに紫陽花が咲いています。

 実は午後同じ時間帯に聴きたいアマオケが重なっており、メインはそれぞれツァラとマーラー5番、その比較で言えば後者なんですが、会場はトリフォニーに対し八王子!と後者が圧倒的不利、しかも以前に聴いた際のオケの安定度で言っても前者優勢、でしたが、悩んだ挙句やはりマーラーをチョイス、と言うのも八王子までの長旅の道中で全仏決勝を観戦出来るから。

 人生で2、3度目、久々に降りた八王子駅、"八王子ラーメン"と呼ばれるジャンルがあるらしいので、やや早めに現地入りし駅近くの代表的な店を訪問、刻みタマネギ以外は言われなければ分からない微妙な特色。

 八王子に根ざしたこのオケ、50回記念にマーラーを採り上げたとのこと、今回のコンビによるマーラーは1番をだいぶ前に聴いてます。が今日はその時と違うホール、初めて訪れるオリンパスホールは駅近、しかも綺麗でした。

6月8日(日) オリンパスホール八王子
 横島勝人指揮八王子フィルハーモニー管弦楽団 ワーグナー "トリスタンとイゾルデ"より前奏曲、愛の死、マーラー Sym5番
 ワーグナーではTp3,Tb3,Hr5、前奏曲は表情濃いめ、一方愛の死ではやや抑えめ、だったせいかソリスト小林由佳は豊かな声量でオケを制圧。休憩を挟みマーラーはTp5,Tb3,Hr7、Tp、Hr両トップはなかなかの美音、第1楽章結尾の難所、ミュートTp弱音ハイトーンをfでやった(安全のため?)のと、最後のピッツィカートを余韻たっぷりにやったのが印象的、(楽譜の新旧不明ながら)第3楽章のみトップを基点にHrパートは何故か席替え、その第3楽章後に音合わせ、横島氏はゆったりテンポで濃いめの表情を基本としつつ、やや発展途上で乱れがちなオケを棒で整える作業との妥協点、その意味乱れる心配の少ない第4楽章のねっとり表現が最も意図通りか、ブラスは要所で鳴りよく、終楽章クライマックスもTpとTbがしっかり吼えての大団円、アンコールは無し。

 帰り道、やっと雨が小降りに、コンサートの休憩時を含め、マメにシャラポワの決勝をノートPCで観戦しましたが、予想外の熱戦に観終わったのは自宅に戻ってからでした。

2014年6月3日火曜日

ネゼ=セガン&フィラデルフィア管のマーラー1番と鳥肌アンコール

 朝の最低19度台と真夏の値、日中の最高は26.5度とぼちぼち程度ながら、夜気は夏の感じ、先週末帰省する前は25度に届かなかった部屋の温度が、戻ってからはずっと26度前後を記録してます。

 宿舎の8階エレベーター前に差し渡し10㎝以上はある巨大な白い蛾が、(たぶんご遺体なのですが)大の苦手ゆえ、1m迂回しました。
(↑翌朝にはその隣に10㎝弱の茶色い蛾も参入、こっちはご存命だったらしく夕方には姿を消してました。)

 ボールが取れない場所に転がって5分で終了(涙)した昼休みの壁打ちを除き、本日もずっと研究室の引っ越し準備、ただ5時少し前、整理・梱包に追われる同僚を尻目に、大手を振って東京へ。

 久々に聴くフィラデルフィアサウンド、最安10000円と最近流行りのアホ価格設定に一時はやめようかと思ったのですが、心優しい知人から最安席を回してもらっての出陣です。

 フィラデルフィア管はオーマンディ、ムーティ、サヴァリッシュ、エッシェンバッハで聴いてますが、オーマンディは別格、と言うか別次元のサウンド()で、自分の中ではオーマンディとそれ以外、といった分類です。

 だってオーマンディ&フィラデルフィアは自分が聴いたオケでは音のデカさがNo1!しかも第2位のショルティ&シカゴは風圧を感じるが如き音の塊が耳を撃つのでむべなるかな、なのですが、オーマンディはふわーっとソフトな音に包まれているうちに、それが天井しらずでただひたすら巨大になってゆく感じ、上手く表現出来ませんが、"いいたい砲台"(旧サイト)でこのコンビに関する同じ印象を上手く書いておられます。

 敢えて他の指揮者の印象を言うと、オーマンディのソフトでひたすら巨大なサウンドと比べて、ムーティはやや原色ストレート、サヴァリッシュはこじんまり(家庭交響曲なのに!)、エッシェンバッハはこのオケを乱す程のドライブ、って感じ。

 会場のサントリーはかなりの空席、特に1階席と2階センターは半分も入ってません。

 前後半ステージとも団員は舞台に先乗りして賑やかに音出ししながら開演を待つスタイル、破産してメンバーがかなり入れ替わってるのでは、と思いましたが、古参のメンバーもそこそこいるように見えます。

6月3日(火) サントリーホール
 ヤニク・ネゼ=セガン&フィラデルフィア管 モーツァルト Sym41番、マーラー Sym1番
 前半は苦手モーツァルトに耐える30分(笑)、弦は音域順に並ぶ小編成でコンマスは東洋人、1stVnの艶と伸びはそこそこながら、2ndVnやVlaが同じ位チャーミングな点がこの楽団っぽい感じ、木管も調和してなかなかの響き、ネゼ=セガンは芝居がかった仕草で大袈裟な表情付け、モーツァルトに相応しいかどうかは知りませんが。
 後半お待たせマーラーではTp5、Tb4、そしてHrは横にズラッと8本、Hr1stアシとTubaが女性です!Hr、Tp両トップはさすがの上手さ、またHr全体は要所でよく鳴ってましたが、ブラス全般やや抑えめ、特にくすんだ楽器使用のTpトップは最後まで本気出さず、一方迫力ある低弦中心に弦の鳴りのよさが特筆もの、ネゼ=セガンは要所でアクセントを強調すれど粘りもテンポの揺らしもほどほど、テンポ遅めの緩徐部がなかなかの美しさ、ベルアップは各自任せなのかかなり適当、第3楽章冒頭の弦バスはソロ(賛成!)、終楽章の激しさも弦中心、Hrが起立してしっかり吹いたラスト、最後は猛然とスピードアップしてのフィニッシュ。
 アンコールは(伝)バッハの有名な小フーガ、弱音の木管から始まってオケ全体へとド派手に広がるストコフスキー編、ラスト弦が轟然と鳴り、ブラスがもわーっとかぶさる壮大なサウンドには鳥肌、これが今夜の(個人的)白眉。ディスクでは分からなかったストコのバッハ編曲モノの凄さを初めて思い知りました。

 Pブロックからはよく見えませんでしたが、個人的注目の終楽章ミュート早業ファンファーレはアシと完全分業だった感じ。

 サウンド的にはムーティ時代に近い印象、ただアンコールでの弦管のバランスはオーマンディに近いものも感じました。ストコ編曲モノに関してはスタイルが確立してるのかも。