2011年11月14日月曜日

意外と情熱系、ジンマン&トーンハレのマーラー5番

 昨夜はTVで日本シリーズ第2戦を堪能、ファルケンボーグって初めて見ましたが、凄い球投げますね。

 午前中職場に実家の父から穫れたてのミカンが到着、一気に6個食べて指は今年もウンチ色。

 今夜はジンマン&トーンハレのマーラー5番、トーンハレ管は初めて聴くんですが、このコンビによる一連のマーラー録音を聴く限り弦の音がチャーミングなので期待してます。帰りが遅くなるので例によって記事のみ作成。

<続き>
 いやあ、ジンマンのマーラーってディスクでは透明感はあるけど淡白、という印象でしたが、実演で聴くと意外と情熱的で驚きました。

 この日も最低10度弱、最高20度弱と前日同様の小春日和、ただ午後から少し雲行きが怪しくなり夜にひと雨、日曜一日節制したのに土曜増加分の1kgが全く減らずがっくり。

 夜に聴いたトーンハレ管、昔からポツポツ来日している割にはお目に掛かるチャンス無く、最近全集が完成したジンマンとのマーラーでは潤いある弦の音色が魅力的で、前回このコンビが来日した時は聴こう、と思っていたんですが、招聘元の都合か常にヨーヨー・マとの抱き合わせ公演、そのためか最安8000円と自分がこのコンビに出せる基準価格より高くて諦めました。

 それから5年経って今回の来日もまた抱き合わせパターン、ただ最安8000円も同じです。この5年で来日オケの最安席は軒並み倍近くに跳ね上がっており、5000円以内で聴けるオケが少なめ、そして今や8000円は普通の価格(涙)、年に1公演くらい清水の舞台から跳ぶか、と一念発起しての参戦となりました。

11月14日(月) サントリーホール
 デイヴィッド・ジンマン指揮チューリッヒ・トーンハレ管 ショスタコーヴィチ チェロ協1番、マーラー Sym5番
 前半ショスタコはノンヴィヴラートのHrソロが印象的、ソリストは5分近いカデンツァが迫力だったヨーヨー・マ、アンコールに定番"鳥の歌"をしみじみと。休憩時間に2ndVnの後ろのプルトの若い女性が練習していて、その位置に少し驚き、ショスタコでは左から音域順に並ぶ配置だったのに、後半は2ndVnだけ対向配置となる右側に移動しています。
 その後半の5番、自由に始めていいタイミングでスタートしたソロTpは柔らかな音色で素晴らしく、動きがシャープで明快な棒のジンマンは続く最初の弦の主題から遅めのテンポで各フレーズを情感たっぷりに歌わせます、この後もマーラーっぽいアクは強調しない代わり、弦中心に全てのフレーズをとにかく歌う解釈は想像より主情的で驚き。新版らしく指揮者脇に出て演奏したHrソロはやはりノンヴィヴラートで色気が無い代わり正確、木管はニュートラルな音色、弦はディスクから期待した艶は感じませんでしたが混濁の無いクリヤーな音色で、何より長身のコンマスから低弦まで、下のプルトも一所懸命弾いていてかなりの音量、棒を置いた指揮でほどほどの情感だった第4楽章の音の分厚さと、終楽章で第4楽章動機が回帰する部分の穏やかな表情が印象的、安定感あるブラスはジンマンの音作りが弦中心なためか常にそれを消さない程度の吹きっぷりでしたが、それでもクライマックスは豪奢なサウンド、見事な完成度でした。

 ジンマンのマーラーに対する期待値が低かったせいもあるかもしれませんが、この秋1番のコンサートだった気がします。もう1回来日して非抱き合わせ公演で3番か9番あたり聴かせて欲しいものです。

 面白かったのは直径1.5m位ある巨大なドラ、奏者は常にドラを背にして叩き、音を止める際は背中とお尻、両手をフルに使っていました(笑)。

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