2011年11月20日日曜日

P.ヤルヴィ&パリ管のロングトーン幻想

前日の湿気むんむんだった朝は最低13度台と10月上旬並み、日中もそのままの湿度でほぼ曇りなのに20度を突破して春の陽気、朝は埼玉で試合、午後は横浜でコンサート、夜は新宿で宴会、と忙しい一日。

 雨は上がってだいぶ経つのに湿度でコートが乾かず試合開始が1時間遅れ、午後のコンサートに間に合うか気もそぞろ、相手は学生なのに攻めてこないタイプのため時短を兼ねてネットに出ては抜かれて予選1回戦没、でもコンサートにはギリギリ間に合いました。

 午後聴いたのはパリ管、何故かこれまで縁が無く、初体験な気がします(けれどボケ老人ゆえ忘れてるだけかも)。定価が最安9000円と基準を遥か凌駕していたためほぼ諦めつつも、地道に上限6000円で入札を繰り返していたら直前で無競争GET(でも同時期の出品では5000円で無競争落札ってのもありました)。同じ幻想メインでもサントリー公演と比べ前プロが協奏曲じゃない分こっちの方が個人的に嬉しく、逆に世間的にはニーズが落ちる様です。

11月20日(日) みなとみらいホール
 パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団 ビゼー 交響曲、 ドビュッシー Clと管弦楽のための狂詩曲第1番、ベルリオーズ 幻想Sym
 最初のビゼーは繰り返しが多く自分にはやや苦痛の35分間、終楽章の高速テンポが印象的でした(が曲想からすると誰でもやりそう)。次は牧神っぽい曲想の如何にもドビュッシーっぽい10分程の曲、こっちは初めてでも楽しめました。Clソロは首席奏者のパスカル・モラゲス、パリ管は木管が美しく、弦は音量はぼちぼち程度ながら低弦は太くVnがチャーミング。
 後半はお目当て幻想、ヤルヴィは滑らかな棒でテンポをよく揺らすのと、弱音を更に弱くという傾向が特徴的、遅いテンポで表情たっぷりの第2楽章ワルツ(コルネット無し)と第3楽章中間部での急加速と激しい表現が印象的。第3-5楽章をほぼ続けて演奏し、第3楽章冒頭の草笛はアングレが舞台左袖、Obは舞台裏、終楽章の鐘も舞台裏、あと第3楽章の雷ティンパニが4台を4人で叩く贅沢な布陣でした。第4楽章はブラス大人しめで弦が暴れる表現、冒頭遅めのテンポで不気味さを強調した終楽章でもブラスは抑えめ、その功徳か猛加速して煽った後のラスト1音は(抑えて吹いているブラスの息が続くので)これまで聴いた中で最長のロングトーン。アンコールは2曲、まずビゼーの「子供の遊び」"舞踏会(ギャロップ)"?を楽しげに、続いてパパもお得意のシベリウス「悲しきワルツ」を緩急と強弱たっぷりで(特に弱音は聴こえない程)、この曲で音が消えた後10秒も棒をおろさない人を初めて見ました。

 ブラスが爆発しないのは個人的に物足りませんが、オケの音色やアンコールを含めたトータルでほぼ満足、アンコールを2曲やってもまだ次の楽譜をさっさと出す団員がいて「こいつらプロだ」と思いました。

<追記>
 日記を読み返したらシンシナティ響の時もアンコールに悲しきワルツをやってました。親子で18番なんですね。あと「弱音はより弱く、速い部分はより速く」はパーヴォの一般的傾向のよう。

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