2005年11月15日火曜日

イリュージョニスト - クリストファー・プリースト「奇術師」

 今朝、地震がありました。震度3くらい。一晩曇っていたせいか、朝の冷え込みこそ甘かったんですが、日中は殆ど気温が上がらず、最高で12度足らず。堪まらずコタツ導入を決定しました。

 世界幻想文学大賞と言われると思い出すのがK.グリムウッドの「リプレイ」。抜群の着想、先の読めない展開とある種感動的な結末に唸りました。「魔法」が傑作との呼び声高いC.プリーストの'96年同賞受賞作品にして昨年度のベストミステリーの上位に評価された「奇術師」をいま読んでいます。まだ50ページほどあるので、感想は後で書き足します。

奇術師 クリストファー・プリースト
 一言一句よく考えられ、非常に巧緻に紡ぎ出された物語にすっかり惹き込まれました。三重、四重の意味を含むタイトル(PRESTIGE)の意味が明らかになるにつれ、現れてくる物語の全貌も見事です。ミステリーと言うよりはSFに近い作品ですが、マジックがプロットの要だけにミステリー的興趣にも富んでいます。未読の「魔法」も是非読んでみたくなりました。

 そう云えば、R.マシスン「ある日どこかで」も'76年の世界幻想文学大賞だったとのこと。原作は未読ですが、ジョン・バリーとラフマニノフの甘美な音楽が彩る映画はとっても良かったです。主演のC.リーヴはもう故人なんですね…。

0 件のコメント:

コメントを投稿