2005年12月31日土曜日

2005年印象に残った演奏会

 夜行バスは無事金沢駅に到着。着いた5分前は何故か晴れてましたが、いまは雪、さすが北陸です。

 今年行った演奏会は70回余り、次の2公演が強く印象に残っています。

ブロムシュテット&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 ブルックナー7番
 ゲヴァントハウス管の渋い響きと、よく統制された完成度の高いブルックナー、文句無く今年のベストワン!

ムーティ&ウィーンフィル スペイン狂詩曲、三角帽子、運命の力
 VPOとしては珍しい筈の曲が見事な色彩感で鳴るのに驚き、一糸乱れず疾走するアンコールにシビレました。

 後は順不同に10公演くらい。

エッシェンバッハ&フィラデルフィア管弦楽団 マーラー9番
 第1楽章がこれほど烈しくうねる9番を実演で聴いたのは初めてです。

大野和士&ベルギー王立歌劇場管 マーラー5番
 やり過ぎなくらい耽美的な第4楽章としっかり鳴ったフィナーレに。

インバル&ベルリン響 マーラー9番
 うねるような分厚い弦の響きを非力なオケから引き出した終楽章に。

マゼール&トスカニーニ・フィル マイスタージンガー、未完成、牧神の午後への前奏曲、ローマの松
 若くて上手いオケを得て、やりたい放題のマゼール節が久し振りに聴けました。

ヤンソンス&バイエルン放送響 トリスタンとイゾルデ、火の鳥、ショスタコーヴィチ5番
 どの曲も豪華な響き。特に火の鳥のフィナーレは壮大でした。 

小林研一郎&日フィル マーラー1番
 各所で顰蹙を買っているとは思いますが、あれだけブラスが鳴るクライマックスは聴いたことがありません。

小泉和裕&都響 家庭Sym
フルネ&都響 ダフニスとクロエ組曲第2番

 小泉のダイナミックなR.シュトラウスとフルネの精妙な響きのラヴェルが一夜にして聴ける贅沢さに。

スクロヴァチェフスキ&読売日響 ブルックナー7番
 ザールブリュッケン放響との共演時よりスケールの大きい見事な演奏。

メータ&バイエルン国立管 ドン・ファン、ティル、英雄の生涯
 初めてメータの指揮で(少し)劇的な表現が聴けました。

岩城宏之&東フィル ローマ3部作
 今年7度聴いた「松」の中で、意外にもこれが最高の迫力。

 最後に番外編、ちょっと違う意味で記憶に残る公演です。

<番外>
カスプシク&ポーランド国立歌劇場 サロメ
 ラッパライネンさまを拝めたので。

マカル&チェコフィル マーラー5番
 マカルの指揮のキョ-レツな怪しさに。

ギルバート&東京のオペラの森管弦楽団 アルプスSym
 弦のよく鳴るいいオケでしたが、観客の少なさに驚き。

2005年12月27日火曜日

2005年一番聴いた曲

 昨夜からFMで年末恒例のバイロイト音楽祭が始まりました。ワーグナーの楽劇は留守録がきかないので、毎晩エアチェック(死語)に大忙しです。

 今年最後となる試合は開始が8時と無茶な時間設定のため、5時起きして出発。まだ暗い空では三日月と木星がランデブーしてました。相手が第2シードのため瞬殺され、午後には職場復帰。貰った賞金千数百円は片道の交通費程度。まあ、今年獲得した金額は総額でも数千円でしょうから、シャラポワの10万分の1くらいです。

 今年を振り返る第1弾として、コンサートでよく聴いた曲を集計してみました。これが比較的簡単にできるのがブログのいいところ。4回以上聴いた曲を挙げてみると、

8回:マーラー Sym1番
7回:ローマの松
5回:マーラー Sym5番、ローマの噴水
4回:ショスタコーヴィチ Sym5番、ラフマニノフ Sym2番、ローマの祭

となりました。

 ローマ三部作とラフマニノフは好きだから、という要素が大きいですが、マーラーやショスタコーヴィチに関しては、これが巷の演奏頻度を反映してるだけで、特に好きな曲という訳ではありません。マーラーだと、3,2,6,9番あたりが好みですし、ショスタコだとやはり4,8番あたりを聴きたいところ。

2005年12月26日月曜日

百番目? - ジャック・カーリイ「百番目の男」


 今日は仕事を休んで試合。茨城はいつも通り寒かったようですが、東京はそこそこ暖かかったです。ただ風はかなりあってプレーしにくかったです。その風のせいか珍しく勝ち、明日も仕事をサボる羽目に。

 週末に今年度の話題作の一つ「百番目の男」を読みました。「バカミス」とか「今年最大の驚愕(笑)」などと評される怪作らしいので、ちょっと楽しみ。

百番目の男 ジャック・カーリイ
 意外と普通のサイコサスペンス風警察小説でした。登場人物の造型やサイドストーリーもなかなかで、とても面白く読みました。ただ、某有名作品と設定が丸かぶりなのが難点です。また話題の「驚愕の真相」ですが、自分にはごく自然に感じる内容でした。ってことは、俺にサイコパスの素質があるってことか…。

 最後まで読んでも、タイトル(「百番目の男」原題も同じ)の意味が判りません。頭悪い…。

2005年12月23日金曜日

ラフ2で聴き納め - 米津俊広&埼玉大学管弦楽団

 昨日と同じ程度の気温でしたが、風が無かったせいでだいぶ暖かく感じた一日。日も少し長くなってきました。と言うのも、昼が一番短いのは勿論冬至ですが、日の入りが一番早いのはそれよりだいぶ前にずれ、一方、日の出が一番遅いのはだいぶ後、1月にずれ込むからです。理屈はよく判らないのですけれど(汗)。

 浦和まで遠征し、大学オケでラフマニノフを聴いてきました。以前だとマーラーでもない限り足を運ばなかった場所ですが、つくばエクスプレスのお陰で1時間しか掛かりません。

12月23日(金・祝) さいたま市文化センター
 米津俊広指揮埼玉大学管弦楽団 ボロディン 中央アジアの草原にて、シベリウス Vn協奏曲、ラフマニノフ Sym2番
 大学オケの常としてオープニングは危なっかしかったですが、後半のラフマニノフでは、特に木管陣が安定して、まずまずの演奏でした。ただ、結構いい音だったTpとTbにもう少し吹いて欲しかったです。響きの悪いホールのせいで迫力不足に感じた面もあるかもしれません。アンコールはくるみ割り人形から、短くて闊達な曲を1曲。少し羽目を外しぎみに楽しく終わりました。

 今年このホールに2度来ることになるとは思ってもみませんでした。たぶんこれが今年の聴き納めになると思います。

2005年12月19日月曜日

ドミトリエフ&サンクトペテルブルグ響のショスタコーヴィチ5番

 トヨタカップ、申し訳ありませんが勝たせていただきました。シシーニョがあれだけ凄いとは知りませんでした。高年齢化の進むセレソンのサイドバック陣を考えると、W杯制覇には欠かせない人材という気がしてきました。

 最高気温が5度を下回った昨日ほどではありませんが、本日も強い風が吹き荒れる寒い一日。ただ都心は今年初のマイナス気温を記録したようです(冬日と呼ぶらしい。最高気温がマイナスだと真冬日か?)。

 ロシアオケのショスタコーヴィチを聴いてきました。サンクトペテルブルクといっても旧レニングラードフィルとは全く別の楽団、そのせいか会場の入りは半分程度でした。

12月19日(月) サントリーホール
 アレクサンドル・ドミトリエフ指揮サンクトペテルブルグ交響楽団 エグモント序曲、モーツァルト PC21番、ショスタコーヴィチ Sym5番
 前半2曲は守備範囲外でコメント不能ですが、盛大な拍手に応え、盲目のピアニスト梯剛之が演奏してくれたアンコール(モーツァルトの幻想曲?)非常にロマンティックでした。
 ドミトリエフのショスタコーヴィチは、第1楽章など緩徐部分のテンポがかなり速く、逆に速い部分はやや遅め、また終楽章はムラヴィンスキー的なテンポでした。弱音を精妙に聴かせるタイプではなく、ffもそれほど爆発しないので、全体としてはやや平板な印象も。第2楽章の諧謔味、第3楽章の悲しみ、終楽章の空騒ぎ、どれもそれなりでした。ただ期待のロシアンブラスは要所でそれなりにブカブカ吹いてくれました(ラストのハイトーンでTpが力尽きたのは残念。)し、やや音程が怪しかった弦セクションも音量はかなり出てましたから、まずまずの演奏でした。終楽章のコーダへ向けて盛り上がる部分で、指揮で縦のリズムを刻まず、ふにゃふにゃな棒で持っていったのが個性的で印象に残りました。アンコールはグラズノフのバレエ音楽からタイプの異なる2曲、どちらも盛り上がってそれなりに満足の一夜でした。

 オケのロシア訛りも中位で、何を取ってもそれなりの演奏会でした。

2005年12月18日日曜日

弦楽の聖夜 - ローマ弦楽合奏団

 昨夜のスケート観戦の後はXmasパーティに興じ、1時頃に帰宅。留守録された「野ブタ」最終回を観ようとしたら、何故か「ぶらり途中下車の旅」が…。何と午前と午後を間違えるという基本的なミス!ショックです。生を観たので失敗してもよかったGPファイナルの方はしっかり録画されてましたけれど…。

 本日は冷え込みは甘かったのですが、日中は気温が上がらず、風も強かったので体感温度の低い一日。時節柄ということで、やや守備範囲外ですが弦楽合奏をみなとみらいで聴いてきました。

12月18日(日) みなとみらいホール
 ローマ弦楽合奏団 アルビノーニのアダージョ、パッヘルベルのカノン、ヴィヴァルディ 四季など
先月聴いたイ・ムジチと同じ編成(Vn6、Vla2、Vc2、Cb1+チェンバロ)。イ・ムジチに比べ、ややこじんまりとした響きですがまとまってました。得意分野ではないので、「四季」を季節毎に分割し、間に小曲を挟むというプログラミングは嬉しかったです。お約束とはいえ、アンコールもたっぷり3曲。こういった出稼ぎ系の演奏会では、特別編成の団体だったりして、ビックリするくらい下手な場合がままありますが、ここはちゃんとした団体なのか、音程もしっかりしてて、いい演奏でした。

 「野ブタ」ショックからまだ立ち直ってませんが、帰って(留守録されてる筈の)トヨタカップ決勝でも観ます。明日は今年最後のプロのオケ、ショスタコーヴィッチを聴いてきます。

2005年12月11日日曜日

もらい泣きのラフマニノフ2番 - 田部井剛&成蹊大学管弦楽団

 ポカポカ陽気の昨日とはうって変わって、身体に沁み入る寒さの一日。東京の最高気温9度はたぶん午前零時に記録されたもの。

 本日の午後、例によって行きたい演奏会が3つほど重なったのですが、ブラスのショスタコ(金賞受賞団体!)と迷った末、このアマオケを聴きました。

12月11日(日) 武蔵野市民文化会館
 田部井剛指揮成蹊大学管弦楽団 ベートーヴェン エグモント序曲、ハチャトゥリャン 仮面舞踏会、ラフマニノフ Sym2番
 オケは音程など全体的に発展途上の感はありましたが、ラフマニノフなどはそれなりにまとまった演奏でした。その代わり羽目を外さないところが少し物足りなくもありました。また第3楽章では、弦、特にVnの音がよく伸びるようになり、綺麗な旋律を聴かせてくれました。あと特筆すべきは女性ばかり4人(!)のTpセクションがとてもいい音を出していたことです。アンコールはこの日一番印象的だった第3楽章、後半をもう一度。当然ピッチも悪化し本番より出来が悪くなる訳ですが、Tp奏者の方が感涙されており、それを見てこちらも思わずもらい泣き、ちょっと恥ずかしい思いをしました。

2005年12月10日土曜日

ブラスの響き - ボストン・ブラス

 朝は5時起きして大磯まで遠征して試合。一発目で負ければ午後にボストンブラスを、一回勝てば夕方にアマオケでショスタコを聴き、その後は宴会。戻りは100%午前様になるので、記事だけ作っておきます。

<続き>
 いま日曜の朝、昨日は自分史上最低レベルのプレーで惨敗。考えてみればこの半年、テニスを始めて以来最も練習してなかったので、これが現在の実力です。練習量だけで持っているタイプなので。

 まあ、そのお陰で、2時開演のボストン・ブラスを聴くことが出来ました。先日偶然耳にしたオンエアで技巧はもちろんセンスのいいアレンジに舌を巻き、来日を知り是非聴いてみたいと思っていたもの。フィリアホールのある青葉台は大磯からの帰り道みたいなものですし。

12月10日(土) フィリアホール
 ボストン・ブラス くるみ割り人形、新世界、イン・ザ・ムード、キャラバン、クリスマスソングなど
1stTpが数ヶ月前から交代になりちょっと不安でしたが、それを感じさせない見事なアンサンブルでした。というか少しカラーも変わった気もします。時節柄クリスマスソングが中心で、お得意のジャズっぽい曲が少ないのはちょっと不満でしたが、ラストのデューク・エリントン「キャラバン」には感動しました。

 学生は入場料が1000円、しかも無料クリニック付きのためか、お客さんの半数近くは楽器持参の中・高生、そしてほぼ全員が女の子。金管なのに。最近の男の子はブラスバンドなんかやらないのか?

 演奏に満足したので、夜の宴会との兼ね合いもあり、夕方のアマオケは回避してしまいました。今日(日曜)はこれからアマオケでラフマニノフの予定です。

2005年12月8日木曜日

真打ちの誘拐物 - 連城三紀彦「人間動物園」

 今日も気温的には昨日と同じくらいでしたが、昼休みのコ-ト上はだいぶ暖かく感じました。身体が冬仕様になってきたのでしょうか。

 もしかしたら「過去の人」とされているのかもしれませんが、連城三紀彦は自分にとって、泡坂妻夫、島田荘司、笠井潔など他の黄金世代の巨人と同様、100%信頼して読める、本格マインド溢れる作家です。まあ、人によっては恋愛小説家だと思っているかもしれませんけれど。

 誘拐ものの秀作が輩出した'90年前後から少し時を置いて、彼が誘拐ものに手を染めたということで、ちょっと前に話題になった作品が文庫化され、もう古本屋に並んでいました。

人間動物園 連城三紀彦
 満を持して(?)発表した誘拐ものだけに、さすがとしか言い様の無い、考え抜かれた斬新なプロットでした。推理物では犯人側と捜査側の読み合いとは別に、読者のヨミとそれを外す筆者との化かし合いがあると思いますが、こちらの予見する手は次から次へと明かされてしまい、なかなか底が割れない展開は見事です。二、三、偶然に頼った部分が少し気になりますが、それに関してもちゃんと言及しているあたりもさすがです。ただ、内包するテーマを余り重くしないようにする配慮からか、はたまたカーの様に伏線を見落とさせるためなのか、敢えてドタバタ調にしていますが、なりきっていないところが少し微妙な気がしました。よりドタバタに徹するか(それはダメか…)、若しくはシリアス調にすれば、過去の代表作に迫れたのではないかと思います。

 初出の雑誌連載は1995年とのことですが、印象的なエピローグ、最後のくだりも、アメリカの同時多発テロの前に書かれているのだとしたら暗示的です。

2005年12月7日水曜日

ストラヴィンスキーづくし - 岩城&国立音大オケ 火の鳥、春の祭典

 本日も陽射しあるけれど最低マイナス2度、最高10度割れと寒い一日。しかも「ウォームビズ」なのか、職場の暖房は朝1時間だけなので一層寒く感じます。(だったら夏場あんなにガンガン冷房効かせるなよ!と言いたい。)

 岩城宏之の指揮は、メルボルン響とのアルプスSym以来20年近くご無沙汰でしたが、今年は2度聴くことになりました。今日は音大オケとのオールストラヴィンスキープロ、自由席なので暖房の弱い職場を早めに脱走し、2階センター前列を確保しました。

12月7日(水) オペラシティ
 岩城宏之指揮国立音大オーケストラ ストラヴィンスキー 火の鳥、詩編交響曲、春の祭典
岩城氏の指揮は手馴れた感じで、比較的淡々とした印象。またオケは管セクションはそれなり、弦セクションはもっと音に伸びが欲しい感じ。火の鳥は氏のやや速めのテンポにオケがついてこない部分もありましたが、最後はそれなりの盛り上がり。ただ終曲のファンファーレ2順目がスタッカートだったのは不満でした。1945年版(?)ではままありますが、1919年版でこの解釈は初めてな気がします。初めて実演を聴く詩編交響曲は真ん中にピアノが2台、そして弦が低弦だけという変わった編成。リズムなどオケは鋭さに欠けましたが、Pブロックあたりを埋め尽くす、総勢120名を超える合唱はホールを満たす迫力でした。最後のハルサイもリズムの鈍さが気になりましたが、ラスト5分に来ると、ここはより難しいだけによく練習したのか、急に響きが鋭くなり、なかなかのキレと迫力でした。Hrはイマイチでしたが、Tp,Tbが要所で突出して吹きまくってくれたのが野性味があって良かったです。

 オペラシティは悪い(安い)席でも結構音が好みなのですが、その分いい席に座っても余り感動はありませんでした。

2005年12月4日日曜日

陽性のブルックナー - 大井剛史&ル スコアール管のブルックナー8番

 昨夜のNHK杯、中野友加里はやりましたね。一方安藤美姫はちょっとヤバイです。しかし何より驚いたのは、リアシェンコが未だに現役で、しかも高いレベルを維持してることです。

 こっちもやってしまいました、ボケがどんどん進んでます。今日の午後はミューザ川崎でアマオケ鑑賞。当日指定だったので開演よりずっと前に会場に行き2階センターブロックを確保したのはいいのですが、開演時刻1時半を何故か2時と勘違い。1時間以上あるなあ、と思ってホール下の本屋で立ち読みしたり、駅の反対側、チネチッタの向こうにあるラーメン屋「ちくらっぽ」に行ったりしてました。1時50分にホールに戻った時には勿論前プロのヒンデミットは終わる寸前。ただ愕然とするのみです。まあ、ラーメンは濃厚とんこつしょうゆで美味しかったですけど。

 逆に嬉しかったのはフェドセーエフ&モスクワ放響の最安券が今日でも取れたこと。ほぼ1年置きの来日で新鮮味が無いのでしょうか。「展覧会」ショスタコ10番、両日とも確保しました。

12月4日(日) ミューザ川崎
大井剛史指揮ル スコアール管弦楽団 ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容、ブルックナー Sym8番
 ブルックナーはそれ程聴かないので、お目当てのヒンデミットを逃したのは痛恨です。大井氏は学生指揮者かと思わせる外見の地味さと裏腹に、明快な指揮でオケから陽性で厚い響きのブルックナーを引き出していました。オケはどのセクションもなかなか安定しており、特にホルンの豪快な強奏が印象的でした。

 初めてミューザの良い席に座りましたが、2階席は舞台に近く、直接音と残響のマッチした独特の良さがありました。ただお客さんが少なめで、一階後方と2,3階のセンター付近しか入っておらず、勿体無い感じがしました。タダでミューザで音楽が聴けるのに。

 午後からは雨、本格的に降るのはほぼひと月振りです。

2005年12月2日金曜日

清楚なシェエラザード - 井崎正浩&法政大学交響楽団 プロコ ロミジュリ、シェエラザード

 今朝もマイナス2度の冷え込み&日中も10度程度。ただ午後から曇ってきたせいで、今夜の冷え込みはそれ程でもなさそうです。

 明日は一日都内某大学で集中講義を仰せつかっているのですが、その準備がまだ終わりません。こんな時こそ現実逃避行動、という訳で、埼玉に遠征してアマオケを聴いてきました。

12月2日(金) 川口リリア メインホール
 井崎正浩指揮法政大学交響楽団 シベリウス 「カレリア」序曲、プロコフィエフ ロミオとジュリエット、R=コルサコフ シェエラザード
 カレリアが組曲じゃなくて少しがっかり。ステージごとに多数メンバーが入れ替わる学生オケの常として、前半不安定だった演奏も後半はかなり落ち着きました。ただ、全体を通して金管が抑え目だったので、少し物足りなかったです。出色は、標題に相応しい楚々とした表情付けが見事だった、シェエラザードのVnソロでした。アンコールはコーカサスの風景より酋長の行進(?)。この派手に盛り上がる曲が地味に演奏されるのを初めて聴きました。

 初めて来ましたがこの川口リリア、開演前のベルが異常にうるさかったです。