2005年11月28日月曜日

ヤンソンス&バイエルン放響 トリスタン、火の鳥、ショスタコーヴィチ5番

 昨日のJC、レコードタイム2分22秒1にはビックリです。

 今日はこれから期待のヤンソンス、例によって記事だけ作っておきます。終演後オペラシティへダッシュしても京都芸大(ローマ3部作)には間に合わないだろうなあ…、聴けないのがホント残念。

 戻りました。ヤンソンスの特質は、奏者に気持ち良く演奏させる才能、だと思います。場所によってはもの凄くクセのある表現をするのですが、それらはリハで仕込んでおいて、本番では奏者にある程度自由奔放にやらせる、という感じ。昨年のコンセルトヘボウ管との演奏をその前のシャイーの指揮と、そして今回のバイエルン放響を以前のマゼールの指揮と比べた時、どちらもヤンソンスの下では、奏者(特に木管)が楽しそうにノッて演奏している分、音の伸びがいいように感じます。反面、アンサンブルの精度は落ちる気がします。

11月28日(月) サントリーホール
 マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送響 トリスタンとイゾルデ、火の鳥、ショスタコーヴィチ Sym5番
まずトリスタンは結構無造作に始まり、緊張度が足りない気がしましたが、クライマックスの密度の高い響きでその不満は忘れました。次の火の鳥では、階段を一段ずつ昇るような終曲の盛り上がりは壮大で、自分にはこれが白眉でした。後半のショスタコは、時たまクセのある表現を交えながらも、基本的にはオーソドックスな解釈。諧謔味溢れる第2楽章と、実力者の揃う木管陣のソロと弦セクションの幅広い表現力とが発揮された第3楽章が印象的でした。終楽章も弦がよく鳴っていて驚きました。一方、金管はHrこそ凄かったですが、Tp,Tbとももっと吹けるのに、という感じだったので、両端楽章は少し不満が残りました。とは言ってもトータルとしてはゴージャスな演奏でした。まあ、ショスタコ独特の厳しく背筋が寒くなる響きとは少し違う方向性ではありますけれど。アンコールは2曲、ソルヴェイグの歌とファランドール。勿論会場は大興奮です。

2005年11月27日日曜日

ジャジューラ&キエフ国立フィル ショスタコーヴィチ11番

 今日は昨日より少し暖かく、ぼちぼちの陽気。この週末、教え子の試合の応援や、テニスの後輩の学園祭などに行きましたが、自分自身の練習は出来ませんでした。

 初めて買ったLP(古い)がショスタコーヴィチの5番(バーンスタイン&NYPの旧盤)だったくらいショスタコは好きです。ただ、実演となると1,5,7,10番あたりはそれなりに聴く機会はありますが、11番となると初めてな気がします。アマオケの「ローマの松」を諦めてのショスタコ11番、旧ソ連系オケだけにちょっと楽しみです。

11月27日(日) 芸大奏楽堂
 ニコライ・ジャジューラ指揮キエフ国立フィルハーモニー響 チャイコフスキー PC1番、ショスタコーヴィチ Sym11番
前半のソリスト、アリス=紗良・オット(日本語ペラペラ)はスレンダーで麗しいルックスから受ける印象より逞しい音でした。拍手に応え、アンコールとしては大曲のハンガリー狂詩曲第2番を一気に弾いてくれました。ジャジューラの指揮はオーソドックスで端正なもので、細かい指示は余りせず流れに任せる感じ。そのせいか、ショスタコの第1楽章など、音に鋭さや緊張感が欠けている気がしました。ただ、虐殺を表現したとされる第2楽章後半では、一転して響きが鋭くなり凄みが増した感じ。速めのテンポの終楽章も、特にクライマックスになかなかの凄みを感じました。弦セクション(チェロに男性がたった2,3人)はよくまとまってはいるけれどボリュームが無い感じで、それに合わせるように、管セクションもバランスを崩すほどには鳴らさず、常にこじんまりとした音造りでした。その点、旧ソ連というと破天荒なバリバリブラスをイメージしてる自分には、意外であり、少し不満でもありました。アンコールはくるみ割り人形から2曲、チェレスタの活躍する曲と花のワルツ、こちらは少し表現に個性を感じました。

 それなりの凄みも感じる演奏でしたが、曲の凄さなのか、演奏の凄さなのか、初めての実演だけに判然としませんでした。爆演タイプと噂のラザレフが日フィル(だったかな?)を振った同曲を聴きに行けばよかったです。

 明日はこの秋一番期待している、ヤンソンス&バイエルンのショスタコです。

2005年11月26日土曜日

「芸術の秋」の悩み

 ああ、ホルキナやっぱり引退しちゃったんですね。彼女の不在は淋しいところですが、昨日の体操世界選手権女子個人総合、アメリカ勢2名の争いは熱かったです。所作の優美なリューキンを応援してたんですが、メメルが勝って良かったです(0.001ポイント差!)。何故って、勝敗を決する最終種目の床、メメルは前宙ダブル、伸身ダブル、屈伸ムーンサルト、屈伸ダブル(これは超余裕!)と入れてきたのに、リューキンのタンブリングは得意の捻り系のみで余りにセコいと感じたので。

 芸術の秋、という季節柄か、行きたいコンサートが重なって困ります。今週2度そういうことがありましたし、明日もキエフ国立フィルのショスタコとアマオケの「ボレロ」「ローマの松」が重なって後者を諦めます。また、明後日もバイエルン放響と重なって桐朋・京都芸大の合同演奏を聴くことが出来ません。特に後者は楽しみにしていただけに痛恨。

 と言うのも、マーラーと同じくらい好きなR.シュトラウスですが、感動する演奏に出会ったのは一度だけで、それが10数年前に京都芸大オケで聴いた「ばらの騎士」組曲だったから。また曲目も「展覧会」「噴水」「松」とド派手! 身体が二つあったらいいのに…。

2005年11月25日金曜日

コバケン&東京芸大学生オケのマーラー5番

 体操の世界選手権、冨田と水鳥の1-2フィニッシュは凄いですね。体操ニッポンと呼ばれた子供の頃を思い出します。個人的には日本選手が活躍してもしなくても構わないのですが、そのお陰で地上波で世界選手権が観られるのが嬉しいです。(昔は毎年しっかりと放送されていたのですが、このところ地上波での放送枠は激減してたので。) 今夜の女子個人総合が楽しみです。

 本日はこれからコバケン&芸大オケのマーラー5番。悲しいことに、同じ時間帯にすみだトリフォニーでやはり学生オケによるショスタコ「祝典」マーラー「巨人」という聴きものがあり、一昨日と同じく迷った末、コバケンにしました。例によって記事だけ作っておきます。

 更新が翌日になってしまいました。

11月25日(金) 芸大奏楽堂
 小林研一郎指揮東京芸大学生オーケストラ マーラーSym5番
今日の芸大学生オケ、メンバーがかなり異なるせいか、はたまた自学の先生の指揮で気合が入ったのか、演奏精度は先月よりかなりマトモでした。Tpなどソロもまずまず。第3楽章など乱れたりもしましたが、コバケンの浪花節的な歌い回しにもかなり付いてきており、それなりに納得の演奏でした。ただ、最後のブラスの爆発はコバケンにしては中位だったので、期待以上という訳にはゆかなかった感じです。アンコールは例によってコバケンの口上の後に、終楽章のラストをもう1度。

 コバケンの5番を聴くのは5度目ですが、かなり当たり外れがあり、2勝2敗1分け、という感じ。今回のは引き分けです。

2005年11月24日木曜日

弦楽の夕べ - イ・ムジチの四季

 本日はここ数日で一番の陽気。ただ17、8度くらいでかなり暖かく感じる自分が情け無いところ。昨夜帰ると留守電に「明日の埼玉オープン、ラッキールーザーに余裕がございますのでいらして下さい。」とのメッセージ。ラッキールーザーとは敗者復活みたいなもので、一度負けたトーナメントに棄権者が出た時、繰り上がりでまた出られる制度。また早起きして試合に行き、またサクサク負けてきました。休暇をどんどん無為に消費してます。

 自分は金管出身なので派手にブラスが活躍する曲しか聴かないのですが、いつもコンサートへ一緒に行く友人は弦楽出身。たまには彼の嗜好に合わせます。(でも年に一度くらいなので、申し訳程度。) それで今夜はイ・ムジチ。例によって帰りが遅くなるので、記事だけ作っておきます。

 オペラシティのクリスマスツリーはとっても綺麗でした。ただ、肝心の友人が仕事でドタキャン、これじゃ意味がありません。

11月24日(木) オペラシティ
 イ・ムジチ合奏団 四季など
Vn6、Vla2、Vc2、Cb1+チェンバロと思ったより大きめの編成。そのせいか、精妙なppから荒々しいffまで、表現のダイナミクスに幅広さを感じました。ただ、音程の正確さなどは想像してたほどではありませんでした。またヴイヴァルディのソロは年配のリーダーでしたが、前半のVnソロは際立って若い別の奏者が執っていたのが興味深かったです。アンコールは3曲、特に(いつもやるのでしょうけれど)赤とんぼで泣かせてくれました。

 開演が7時で終演は9時半、守備範囲外だけに正直途中はちょっとキツかったです。明日はコバケンのマーラーです。

2005年11月23日水曜日

気合のマーラー - 横島勝人&八王子フィル マーラー1番

 今朝は冷え込みも甘く、日中もまあそれなりの陽気。午前テニス、午後コンサートといつものパターン。

 ただ聴きたい演奏会が同じ時間帯に3つあり、迷った挙句、やはりマーラーに決定、八王子まで遠征してきました。

11月23日(水・祝) 八王子芸術文化会館 いちょうホール
 横島勝人指揮八王子フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス ハンガリー舞曲1,6,5番、R.シュトラウス Hr協奏曲1番、マーラー Sym1番
 創立22年の中堅どころの市民オケ。各パート音程など不安定で少し危なっかしい面もありましたが、よく練習して意思統一が図られているのか、奏者のフレージングや強拍の付け方などに統一感があり、それが演奏にリズムをもたらしていました。また横島氏の指揮は唸り声や激しいアクションを伴う熱演型で、オケもかなりそれに応えていました。金管群も頑張って、終楽章コーダもなかなかの迫力。特に大増強のHrセクション(推定13、4名、数が多すぎて数えられませんでした。)は要所でよく鳴ってました。また何と3楽章冒頭の弦バスのソロをパート全員で弾くという趣向に驚きました。アンコールはしみじみとG線上のアリア。

 八王子駅へと向かう帰り道、「キムチ食べ放題!」という文句に惹かれ、ふらふらとラーメン屋へ。「八王子ラーメン とん八」とかそんな名前のそのお店、なかなか個性的ならーめんでした。

 明日は守備範囲外の弦楽合奏を聴いてきます。

<追記>
 その後第3楽章冒頭の弦バスユニゾンは新版譜によるものと判明、しかもマーラーの字が汚く"solo"とも"soli"とも読めるからだそう、個人的には圧倒的にソロを支持します、ハンブルク稿(チェロと弦バスのデュエット)からも意図はsoloだと思うのですが…。

2005年11月21日月曜日

ギエムのボレロ

昨日の高橋尚子はやりましたね。あと浅田真央も立派!さすが美人のお姉さんを廃業に追い込んだだけのことはあります。年齢制限(?)でオリンピックに出られないのは返す返すも残念。K1も無事録画できていて満足、ただ個人的には頑張って欲しい二人、ピーターとジェロムが初戦で当たったのは哀しかったです。

 今朝は6時半起き(つくばエクスプレスのお陰で以前より1時間遅く起きてもOK!)して試合、情けなくも1次予選で敗退。しかし今朝は寒かった!試合会場でずっと凍えてました。調べてみると、最低気温はマイナス2度を下回っていました。

 バレエは殆ど見ないのですが、「不世出のダンサー、最後のボレロ!」などという煽り文句に弱いので、今夜はこれからシルヴィ・ギエムを観てきます。

 戻りました。ド素人目にもギエムの手先・足先の動きには他と一線を画す流麗さがありました。でもボレロと同様お目当てだったハルサイがギエムじゃなかったのには少しがっかりでした。演目自体は迫力でしたけれど。

2005年11月20日日曜日

マカル&チェコPO マーラー5番

 夜行バスは早朝6時に東京着、テニスまでちょっと時間があるので、暖房が効いていて快適な山手線をまず1周。十分くつろいだので、いま秋葉原のネットカフェです。午後のチェコフィルを挟んで2箇所でテニス、深夜帰ったらまず留守録されている(筈の)K1決勝に集中、と今後予定が立て込んでいるので更新するのは明日になりますが、記事だけとりあえず作っておきます。

 いやあ、かなり奇妙な体験でした。

11月20日(日) サントリーホール
 ズデニュエク・マカル指揮チェコフィル モーツァルト Sym.38番、マーラー Sym.5番
初めて聴くマカルのマーラーは、かなり細かく表情付けする濃い目の解釈。しかしながら、両手を激しく震わせる彼の指揮に、オケが半分程度しか反応していない感じで、指揮者はコテコテなのに、実際出てくる音のこってり度は中位、といった印象。要はマカルの指揮が相当合わせにくいんじゃないかと思います。特に第3楽章は危ないくらいに乱れる箇所も(平然と調整してましたけれど)。とても数年一緒にやってるとは思えません。その意味シンプルな第4楽章は一番マカル節が聴けた気がします。まあ、オケに地力があるので、終楽章もそれなりに盛り上がりました。特に、(ノイマン時代に比べると落ちたとはいえ)Hrは先週以上に鳴りまくっていて見事でした。一方、TpとTbはもっと吹いてもいいと感じました。とにかく、オケが付いて来ようが来まいが一切構わず我が道を行くマカルにただただ圧倒された午後でした。

 往年の大指揮者って、こんな感じだったんでしょうか、シェルヘンとか…。

2005年11月17日木曜日

アルミンク&新日フィルのマーラー6番

 今朝の冷え込みはマイナス1度!また都心もついに今秋初の10度割れを起こした模様です。

 本日はこれからアルミンク&新日のマーラーを聴き、その足で夜行バスに乗り出張です。たぶん明日まで書き込むチャンスが無いので、記事だけ作っておきます。アルミンクのマーラーと言えば、音楽監督就任記念演奏会での3番を聴きましたが、余り細かい指示をせず、奏者の自発性に任せるという感じでした。ただ、新日フィルに任されてもなあ、という感じでパッとしなかった印象です。今日の6番はどうでしょうか。

11月17(木) サントリーホール
 クリスティアン・アルミンク指揮新日本フィル ハルトマン Vnと弦楽のための葬送協奏曲、マーラー Sym.6番
アルミンクのマーラー、アクが無くてスマートなところは以前聴いた3番と同じですが、少し表情付けが細かくなった気もします。金管を派手に鳴らすことはぜず、常にバランスよくこじんまりとまとまっているので、物足りないのは相変わらずです。また、基本のフレージングは奏者任せですが、各奏者、特に木管セクションに、ノリノリの人から淡々とした人まで、温度差があるのが気になりました。ただ、そのせいか自慢のOb,Hrソロが魅せる(旧来の順番の)第3楽章はなかなかに美しかったです。終楽章もよくまとまっており、よりオケとの共同作業が進んだのか、彼固有の表現が増した分、3番よりも良かった感じです。ただPブロック真ん中の席だったので、アルミンクの男前っぷりに惑わされているだけかもしれません(笑)。

2005年11月15日火曜日

イリュージョニスト - クリストファー・プリースト「奇術師」

 今朝、地震がありました。震度3くらい。一晩曇っていたせいか、朝の冷え込みこそ甘かったんですが、日中は殆ど気温が上がらず、最高で12度足らず。堪まらずコタツ導入を決定しました。

 世界幻想文学大賞と言われると思い出すのがK.グリムウッドの「リプレイ」。抜群の着想、先の読めない展開とある種感動的な結末に唸りました。「魔法」が傑作との呼び声高いC.プリーストの'96年同賞受賞作品にして昨年度のベストミステリーの上位に評価された「奇術師」をいま読んでいます。まだ50ページほどあるので、感想は後で書き足します。

奇術師 クリストファー・プリースト
 一言一句よく考えられ、非常に巧緻に紡ぎ出された物語にすっかり惹き込まれました。三重、四重の意味を含むタイトル(PRESTIGE)の意味が明らかになるにつれ、現れてくる物語の全貌も見事です。ミステリーと言うよりはSFに近い作品ですが、マジックがプロットの要だけにミステリー的興趣にも富んでいます。未読の「魔法」も是非読んでみたくなりました。

 そう云えば、R.マシスン「ある日どこかで」も'76年の世界幻想文学大賞だったとのこと。原作は未読ですが、ジョン・バリーとラフマニノフの甘美な音楽が彩る映画はとっても良かったです。主演のC.リーヴはもう故人なんですね…。

2005年11月13日日曜日

スマートな祭典 - デュトワ&チェコPO 春の祭典、プロコ ロミジュリ

 今朝も冷え込みました。ただ、深夜3-4時頃一旦気温が上がったので、零度まではゆきませんでした。

 午前中テニス、午後コンサートと典型的パターンの休日。毎年の様に違う指揮者で聴けるチェコフィルです。

11月13日(日) サントリーホール
 シャルル・デュトワ指揮チェコフィル プロコフィエフ ロミオとジュリエット、ストラヴィンスキー 春の祭典
最初のプロコフィエフは、想像していたよりも少しメリハリの効いた感じの演奏。後半のハルサイは曲が曲だけに、少々の出間違いなどありましたが、特に破綻も無く、整然としたスマートな感じの演奏でした。どちらも僕がデュトワに持っている、ソツなくまとまっているけれど、驚きも少ない、という印象そのままです。かと言ってつまらない演奏という訳では無く、チェコフィルの地力そのままに、分厚い響きが堪能できました。特にHrがガンガン鳴っていましたが、Pブロック左前方、Hrのベルの真ん前に座っていたせいかもしれません。アンコールは「ルスランとリュドミラ」、弦セクションの威力を見せつける快演でした。

 今夜はこれから「トリック」のスペシャル版、とても楽しみです。

2005年11月9日水曜日

改変の理由 - 理由 <'04>(日テレヴァージョン)

 ここ数日連続しての小春日和。11月は小春というには寒過ぎる、と以前書きましたが、撤回します。十分春並に暖かいです。

 ミステリーの映像化、特にTV化作品となると、原形を留めない位に変容しているものが多く(「霧越邸」とか)、ミステリーサイドからはあまり評価できないケースが殆どという印象があります。

 宮部みゆきのテレフィーチャーと云えば、「サボテンの花」「レベル7」「龍は眠る」「スナーク狩り」「火車」「蒲生邸事件」「R.P.G.」など、いろいろ観ましたが、純本格系ではないだけに映像化に向いているのか、それなりの出来のものもあったような気がします。「理由」も最初BS用に映像化され、その後劇場公開されたと聞きます。昨晩のは地上波用に新たに編集されたものとのこと。兎に角、大林宣彦が監督してるとなれば見逃せません。

理由 (日テレヴァージョン)
 ワイドショー風に再編集、と聞いてはいましたが、レポーターが狂言回しとして要所に出る程度で、基本はオリジナル版と同じと期待してました。が、これ全編ワイドショー風仕立て。しかも実際のワイドショー以上に(煽り)字幕が頻発・常駐し、観辛いことこの上なかったです。BS版および劇場版を観ていないので何とも言えませんが、相当の改変があるんじゃないかと思います。大林節と言える特有のセンチメンタリズムもラストにちょっと出るくらいで、とても監督自身の手になる編集とは思えません。オリジナルを観ずにこっちを観てしまったことを、かなり後悔しました。
 ただ、最近滅多に見ない裕木奈江、中江有里(ミヤベ役!)など、大林監督作品を彩った懐かしい顔に会えた点で少し感動しました。

 そう云えば、赤川次郎作品「長距離電話」のBS用テレフィーチャー「告別」で裕木奈江が凄くいい味を出していたのを思い出します。もう一度観てみたいなあ。

2005年11月6日日曜日

力業のショスタコーヴィチ - 田部井&埼玉フィル シェエラザード、ショスタコーヴィチ5番

 今夜は格闘技イベントHero'sとユーべvs.バイエルンが重なって嬉しい悲鳴。ともあれ、フジのチャンピオンズリーグ中継は3年目にしてやっと偏りの無いものになり喜ばしい限りです。

 朝帰りで午前中は惰眠を貪り、午後は浦和に遠征し、埼玉フィルを聴きました。立派な名前ですがアマオケです。

11月6日(日) さいたま市文化センター
 田部井剛指揮埼玉フィルハーモニー管弦楽団 R.=コルサコフ シェエラザード、ショスタコーヴィチ Sym5番
50回記念演奏会ということで大曲を2曲。全パートそれぞれに危なっかしい感じはあるのですが、何とか破綻なくまとまっているのは老舗の故でしょうか。シェエラザートで感じた迫力不足もショスタコ第1楽章中盤と終楽章では解消され、雄渾なサウンドが聴けました。特にラスト、Tpのしぼり出すようなハイトーンに気合を感じました。第3楽章の木管陣のソロもまずまず。
 重量級プロにも拘らず、アンコールも重量級、ハチャトゥリャンのレスギンカだったのには感服です。

 コンサート会場を出ると冷たい雨、夜半の今も激しく降っています。

2005年11月5日土曜日

純度のシベリウス - 小倉&小原勝吉記念オケ シベリウス5番 フィンランディア

 本日も20度超のポカポカ陽気、先程までテニスをして、今はヨドバシAkiba店1階のフリーインターネットスペース。これからアマオケでシベリウスプロ、それから後輩の結婚パーティと続き、帰りは確実に12時を回るので、記事だけ作っておきます。

 案の定、終電を逃してしまいました。

 上記の演奏会は「千代田区芸術の秋フェスティバル」の一環として行われたもので、アマオケ4団体がほぼ1時間ずつ演奏してゆく長丁場のイベント。自分に興味のある曲は最後のステージだけでしたので、それだけ聴きました。

11月5日(土) カザルスホール
 小倉輝彰指揮小原勝吉記念オーケストラ シベリウス フィンランディア Sym5番
大オーケストラ曲しか聴かないので、実はカザルスホールは初めて。明治大学の卒業生を中心に結成されたオケとのことで、2管プラス少なめの弦(チェロと弦バスは各3、4名)という、トータル50人程度の小さい編成です。それでも最初のゆったりしたテンポのフィンランディアから迫力十分でした。(ホールが小さいせいもあるかもしれません。) 音程がやや不安定なせいで5番の第1楽章中盤の弦が重なってくる部分が少し現代音楽風の響きになったりもしましたが、Hrを始め金管が安定しているので、終楽章クライマックスへ向けての雄大なスケールと最後の6つの和音の純度の高い響きは見事でした。

 定員500名ちょっとのカザルスホールはがらがらで、聴衆は百数十人程度。なかなかの演奏で、しかも無料なのに勿体無い気がしました。明日もアマオケ、シェエラザードとショスタコ5番です。

2005年11月3日木曜日

最後の一踏ん張り - 新通&立教大響 マーラー1番

 10日間も結果を耳に入れないように頑張って、先程やっとPRIDE30を地上波で観ることが出来ました。ジョシュは身体が絞れてなかったし、逆に(当て馬と思われた)シャムロック兄は意外と絞った身体でした。

 本日はまず寝呆けて目覚ましを切ってしまったらしく寝坊、そしてギリギリ間に合った電車に乗る直前、10秒の早業で缶コーヒーを買おうとしたら自販機が100円玉を認識せず、電車が出そうになって代金回収を断念、とツイてないスタートでした。

 昨日と同程度の20度弱の陽気の下、テニスを早めに切り上げて、大学オケのマーラーを聴きました。

11月3日(木・祝) すみだトリフォニー
 新通英洋指揮立教大学交響楽団 モーツァルト 「フィガロの結婚」序曲 R.シュトラウス 4つの最後の歌、マーラー Sym1番
 技術的には全パートまだまだ発展途上の感はありましたが、余り粘らず、メリハリを効かせた新通氏のマーラー表現に、オケはよく応えていたと思います。かなり練習したのではないでしょうか。また、要所でVnがよく伸びてました。あと、不安定でややパワー不足の金管群でしたが、コーダではTpが頑張りました。アンコールはパフォーマンス付きの2曲。指揮者無しのグリーンスリーヴスと、最後に(立てる人は)全員の奏者が起立するラデツキー行進曲でした。「巨人」の最後ではHrは立たなかったんですけれど。