2006年1月31日火曜日

騙りのプロ - ジェフリー・ディーヴァー「静寂の叫び」

今日は雨。昨日の陽気で半分くらいになった玄関前のアイスバーンもこの雨でほとんど融けそうです。ちょっと淋しい気もします。午前中は小雨だったので無事試合は出来、実力通り負けてきました。練習不足なので致し方の無いところ。

 ここ数年ジェフリー・ディーヴァーの評価が高く、気になってはいたんですが、初期作がなかなか古本屋で見つからず、取りかかれないでいました。最初から読むのは諦めて、ブレイクするきっかけとなったこの第4作から読むことに。

静寂の叫び ジェフリー・ディーヴァー
 人質を取って立てこもる犯人との人質解放交渉を軸としたサスペンス。いやあ、すっかりやられました。確かに評判通り、大小取り混ぜた騙しのテクが見事です。またとても映像的な筆致なので、映画化に向いてそうです。

 この作家、古本屋で見つけたら必ず買うことにします。

2006年1月27日金曜日

ゲルギエフ&マリンスキー管のショスタコーヴィチ5番

 今日は平年よりやや高めの10度超え。ここ数日のコンサート通いが祟り、昨夜は徹夜で(ミニ)学会発表の準備。無事発表を終えたので、これからミューザ川崎へ。

 ゲルギエフ月間5日目のメインはショスタコーヴィチ、これでショスタコイヤー4曲目になります。ショスタキストに「ぬるい」と揶揄されるゲルギーのショスタコ、確かにこのコンビ(+N響)で数年前7番を聴いていますが余り印象に残っていません。今日の5番はどうでしょうか。

 戻りました。初めて座りましたが、ミューザの3階RAブロックは舞台裏なのにいい音ですね。でもごめんなさい、あまりにガラガラだったので、後半は3階センターに移動しちゃいました。

1月27日(金) ミューザ川崎
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管 ムソルグスキー モスクワ河の夜明け、チャイコフスキー くるみ割り人形、ショスタコーヴィチ Sym5番
 やはりチャイコフスキーはゲルギーのケレン味によくマッチします。有名なパ・ド・ドゥを含め何度も襲ってくるクライマックスはなかなか豪快で、金管も火曜よりずっと吹いてます。一方後半のショスタコ5番、全体的に速めのテンポでスマートかつシンフォニックな演奏で、ロシアくささは皆無。また第3楽章は先日のマーラー5番4楽章同様、時にテンポをぐっと落とし、内声を豊かにしつつも透明感のある響きを作り出していました。マーラーの時より弦は伸び、金管は吹いていましたが、それでも前半のチャイコよりは控えめ。終楽章では少しだけ爆発しましたが、このコンビの地力からすれば、やや物足りない感じ。前半に入っていなかった「花のワルツ」あたり必ずやってくれると思ってましたが、アンコールは今日も無し。ああ、伝説の「火の鳥」はどこへやら。

 マーラーの時もそうだったのかもしれませんが、方言を排してグローバルな表現を志向したショスタコーヴィチという印象です。勘違いかもしれませんけど。

 ところでゲルギー、月曜のワーグナープロでは曲の中で指揮棒を使ったり使わなかったり、火曜は一日使用せず、今日は終始使ってました。どういう基準で使い分けてるのでしょうか?

2006年1月26日木曜日

コバケン&日フィルのマーラー3番

 本日も晴れ、平年よりやや低め。だいぶ雪は減りましたが、宿舎の玄関は北側にあり終日10階建てビルの影。未だに厚さ数センチのアイスバーンに覆われており、自転車置き場への往復は毎日スケーティングです。

 今日はコバケンのマーラー。CDを聴く限り5年前の演奏はかなりのものだったようなので期待。

 戻りました。知人から頂いた券だったので、二階席正面のVIP席!でも演奏はいま一つ。

1月26日(木) サントリーホール
 小林研一郎指揮日フィル マーラー Sym3番
金管の爆発度はコバケンにしては低め、また特有の演歌的粘りも少なめで、弱音を精妙にやるタイプの指揮者では無いだけに、やや平板な印象です。VnソロとTbソロはそれなり、Tpのトップは不調でしたが、3番4番Tpはよく吹いてました。またP席左後方に陣取った、ゲスト奏者ケイマルのポストホルン(フリューゲルホルン使用?)のリップスラーはさすがでした。
 ただ、終楽章だけはとても細やかな表現で、楽譜の指定とは必ずしも一致しませんが、遅い部分と速い部分を明確に分け、ゆっくりな部分ではコバケン流のカンタービレが炸裂です。ラストの迫力も期待ほどでは無いにせよ、まあそれなり。

 全体としては、演奏の精度と統一感に難があったので、明日はずっと良くなるのではないかと思います。

2006年1月25日水曜日

センカルの豪快マーラー

 本日も晴れ、気温も落ち着いてきて(?)昨年12月同様、平年より2、3度低めの値。

 オイゲン・センカルという指揮者、名前すら聴いたこともありませんでしたが、先日CSで聴いたケルン放響とのマーラー3番<'51年ライブCD>はすさまじかったです。とにかく金管鳴りまくりの吼えまくり! まあ半分はメロディア的なバランスの悪い録音のせいかとは思いますけれど。

 特に終楽章ラスト、延々と続くコラールというかファンファーレ。この部分、実は他の楽器がみんなf以上の指定なのに、何故かTbだけ虐げられており、ずっとpの指定。そして最後の3音になってやっとfで吹くことを許されます。そのラスト3音だけサウンドが変わる効果がはっきり分かる演奏は少なくありませんが、この演奏ほど、たまった不満を爆発させるかのようにTbがラスト3音で咆哮するのは他に聴いたことがありません。

 明日はゲルギーの展覧会&チャイコ5番とコバケンのマーラー3番とで迷いましたが、ゲルギエフは(別のオケですが)一応両曲とも聴いたことがあるので、コバケンに行ってきます。

2006年1月24日火曜日

ゲルギエフ&マリンスキー管のマーラー5番

 気温もだいぶ上がり、アイスバーンもかなり融け始めました。今日で5日連続のコンサート、「もう少し減らさねば」という年頭の誓いはどこへやら。

 今夜はゲルギエフのマーラー。彼のマーラーを何度か聴いてますが、「もっと凄い演奏が出来る筈」と感じるものばかりでした。まだマーラーに余り共感できないのか、それとも向いていないのか。

 戻りました。会場は大いに湧いてましたが、自分には物足りない演奏でした。

1月24日(火) サントリーホール
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管 モーツァルト PC26番、マーラーSym5番
ゲルギエフのマーラーはこれまでと同様、ところどころでは粘る表現はあるけれど、彼の他の曲のスタイルからすれば淡々とした印象。指揮棒なしのせいもあるのか、音の立ち上がりの鋭さに欠ける上、金管を開放しきらないので、凄みが感じられません。弦も伸びが足りない感じ。その意味1-3楽章は大いに不満でしたが、4楽章での内声を大事にしつつゆっくりねっとりと旋律を紡ぎ出す表現はなかなかでした。この勢いで最後は大爆発か、と期待の終楽章、かなり速めのテンポながら、煽る感じは無く、淡々と速い印象。そして最後まで噴火すること無く、抑制されたままの大団円は意外にして不満でした。Tpソロは冴えなかったですが、Hrソロはなかなかでした。アンコールも今日は無し。

 コンサートの通い過ぎで、仕事が溜まってます。

2006年1月23日月曜日

ゲルギエフ&マリンスキー管のリングダイジェスト

 日中も3度程度と昨日より寒く、雪がアイスバーンに転じた場所の面積は広がった感じです。雪国出身ゆえ、雪道の自転車には自信があるのですが、特に滑りやすいタイヤなので(2005/6/24参照)注意しなければ。

 先程、またも東京文化でゲルギエフを聴いてきました。

1月23日(月) 東京文化会館
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場管 ワーグナー リング抜粋
以前からそうだったか憶えてないのですが、ゲルギエフは指揮台を使わず、オケ奏者と同じ地平で指揮、また指揮棒は使ったり使わなかったり。遅めのテンポで、しかし思ったほど粘らないところは先週聴いた舞台公演と同じ。少しだけ表現が細かめに、テンポも動きも大きめになった気もします。オケの鳴りは「ワルキューレ」の時の平均より上で、「黄昏」の時より若干おとなしめ。本公演ではピッチが合わなかったティンパニ(オペラやマーラーなど長丁場では仕方が無い)も、今日はバッチリでした。
 このコンビにしては軽めのプロなので当然アンコールがあり、予想通りの「ローエングリン」第3幕前奏曲。ここに至ってやっとブラスが全開で吹いた感じで、このコンビでこのアンコール曲を聴くのは3度目ですが、始めて羽目を外し気味のサウンドが聴けました。

 弦のプルト数はピット時より増えてる筈ですが、厚みはともかく音の伸びが減った気がしました。舞台公演の際はPAを使っていたのか?それとも気のせい?

 オケ部分にしか興味が無いので、この公演のチケット(4,500円)が早めに手に入っていれば、無理して「リング」を3公演(9,000円×3)も買う必要が無かったのに、と後悔しきり。このコンビ、明日はマーラーです。

2006年1月22日日曜日

峻厳なショスタコーヴィチ8番 - 小松一彦&新交響楽団

 雪だった昨日は都心ですら日中は1度くらいの寒い一日でしたが、すっかり晴れた今日は5度くらいにはなったでしょうか。ただ、朝はマイナス6度まで冷え込んだので、そこここに見える雪ダルマは凍りつき、道路はアイスバーン状態です。

 ショスタコイヤーに相応しく、今年に入って今日でもう3公演。8番をアマオケの老舗、新響で聴いてきました。

1月22日(日) 芸術劇場
 小松一彦指揮新交響楽団 邦人現代作品、ショスタコーヴィチ Sym8番
小松氏の指揮は何度か聴いている筈ですが、これと言った印象を持っていませんでしたが、ショスタコには思い入れがあるらしく、指揮ぶりから気迫が伝わってくる感じで、最初の低弦のパッセージから凝縮された響きでした。特に持続音の最後を激しくクレッシェンドする歌い回しは、ロシアオケを思わせる表現です。金管や打楽器の登場する強音部での凄みと響きもなかなかのもの。弦中心の弱音部になるとさすがにピッチの問題も出てきて音の緊張感を十全には維持できませんでしたが、各所で登場する木管の見事なソロがその点をカバーしていました。
 これだけ重い曲の後はアンコール無しかと思いきや、団員はすぐに次の楽譜の準備を始め、ハープ・チェレスタ奏者も登場。ショスタコのアンコールと言えばこれ、というタヒチ・トロット(二人でお茶を)を演奏してくれました。日本人がやるとこういった軽妙な曲は余りサマにならないのですが、この曲をやってくれただけで満足です。

 以前、同じ芸劇でロストロポーヴィチ&ロンドン響が全く同様に8番の後、タヒチ・トロットを演奏した時、アンコールの方により感動して泣きそうになったのを思い出しました。明日からはゲルギー2連チャンです。

2006年1月21日土曜日

劇場型「復活」 - セゲルスタム&読響のマーラー2番

 予報通り、起きたら一面の銀世界。これでテニスはキャンセル。これからセゲルスタムのマーラーを聴きに行きますが、交通機関が心配なので、早めに記事を作っておきます。

 無事戻りました。降り続く雪にもめげず、つくばエクスプレスは順調に運行してました。演奏は凄かったです。

1月21日(土) サントリーホール
 レイフ・セゲルスタム指揮読売日響 マーラー Sym2番
この雪のせいか、会場は6割程度の入り。過去聴いた印象では、セゲルスタムのマーラーは、マーラー特有のねちっこさは感じない代わり、彼流の個性的なバランスや歌い回しがあり、目立たなかったパッセージに光が当たったりします。今日もその特質に加え、テンポも揺らし放題、しかもマーラーの指示をデフォルメすると言うより、完全に自己流の揺れ方です。全体的には遅めのテンポで、特に第2楽章が半端じゃない表現で一番印象的でした。また、舞台裏のバンダがある時はステージの袖、またある時はPブロック裏の通路、そして合唱の入る手前にFlとかけ合いをするTpに至っては、Pブロック上方の左右、RDブロック前方、LDブロック前方と4箇所から朗々と吹いて独特の空間を作り出していました。そしてバンダの金管奏者も舞台に上っての大団円。Hr11本、Tp10本(推定)を含む金管群が作り出す豪壮な響きは、過去聴いた同曲の中でも1、2を争う大迫力でした。

 このコンビのマーラー、1、9、2番と聴きましたが、今回の演奏が一番精度が低く、でも一番凄かったです。

2006年1月20日金曜日

初ものづくし -フェドセーエフ&東フィルのカリンニコフ1番、森の歌

 本日は大寒、暦の上では一番寒い日ですが、実際に一番気温が低いのは30日前後のようです。今日は晴れてましたが気温は平年よりやや低め。明日は崩れると共に冷え込んで雪になるとの予報です。

 これからショスタコーヴィチイヤー第2弾、「森の歌」を聴いてきます。純オケ志向なので「歌」と付いただけで避けており、聴くのは初めて。(同様の理由で傑作との誉れの高いSym13番、14番も滅多に聴きません。) また前半のカリンニコフのSym1番(これも初めて)について各方面から「いい曲だよ!」との声があったのも、出向く気になった一因です。例によって、感想はまた後で。
 
 戻りました。おとなしめの演奏でした。

1月20日(金) サントリーホール
 ウラディーミル・フェドセーエフ指揮東京フィル カリンニコフ Sym1番、ショスタコーヴィチ 森の歌
 カリンニコフはメロディアスなところと合いの手の入れ方が、少しチャイコフスキーを思わせました。フェドセーエフの音造りは丁寧で羽目を外さない感じ。最後の一音の弦の残し方がとってもカッコ良かったです。森の歌はショスタコーヴィチっぽさの少ない曲でしたが、クライマックスのくどさとしつこさはやはりショスタコ。混声に少年少女合唱まで加えた大編成に、最後はPブロック後方、左右に6人ずつ陣取ったバンダまで加わって壮大な響き、だったようなんですが、Pブロックに座っていたせいかよく判りませんでした。ただ金管は柔らかめに吹いていた気がします。

 明日はセゲルスタムのマーラーです。

2006年1月17日火曜日

ハーレクインの城 - サラ・ウォーターズ「荊の城」

 昨夜の雨も朝にはあがって晴れた一日。高めの気温も維持されており、これで4日連続して最高10度超の最低はプラス気温となりそう。

 今日は年末年始に読んだ本から。

荊の城 サラ・ウォーターズ
 処女作「半身」に続き、「このミス」2004年度ベストミステリに輝いた作品。巧緻なプロットではありますが、ヒネリの多いハーレクイン・ロマン、いやゴシック・ロマンという印象で、個人的にはその年のベストミステリーとは思いません。(ハーレクイン・ロマンを読んだことがありませんので、平均的にどの程度のヒネリがあるのかどうか知りませんけれど。) また、このプロットならもっと短く書けるのに、この長さ(二分冊)になること自体、ゴシック・ロマン的要素の強さを感じます。物語としては面白いですが、これを本格作品として評価する人がいるのはちょっと解せません。

 どうやら「半身」といいこれといい、「このミス」第1位!と思って読んではいけない作品のようです。

2006年1月16日月曜日

ゲルギエフ&マリンスキー歌劇場の黄昏

 曇りがちの一日。そのせいで朝は昨日の暖かさが残っていましたが、これからまた寒さが戻ってくるんでしょうか。

 これからマリンスキー歌劇場の「黄昏」。リング2サイクルに加え日替わりメニューのコンサートと、1月はゲルギー月間の趣。そのため、最安席に限っていても所持金が底をつき、ついに千数十円。往復の電車賃にも足りないので同僚に千円借りて出陣です。例によって記事だけ作っておきます。

 戻りました。先週の「ワルキューレ」よりずっと良かったです。

1月16日(月) 東京文化会館
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場 ワーグナー 神々の黄昏
遅めのテンポと少々雑なところは相変わらずでしたが、今日はオケの鳴りが違いました。第1幕半ばで既に「ワルキューレ」の終幕と同じレベルで、幕切れでは更に1クラス上の音量。また第2幕では合唱がかなりの迫力で、それにかぶせる時の金管は吹きまくってました。席を移動したせいか、終幕では少し迫力がにぶった気もしましたが、トータルでは大満足の音響です。演出も相変わらず仕掛けの少ないものでしたが、「ワルキューレ」よりは動きがありました。

 このコンビを聴くのは6、7回目ですが、初めて「ロシア的」な馬力を感じました。明日は給料日、千円を返せます。

2006年1月15日日曜日

20年ふた昔 - 山形由美さんのフルート

  噂ほど気温は上がりませんでしたが、それでも13度。深夜に11度超を記録しているだけに物足りませんが、今年の冬は寒いだけに、このくらいになると少し春の香りすら感じます。

  午前中はテニス日和を楽しみ、午後はCDショップでミニライブ、山形由美さんのフルートです。もうデビューして20年とのこと。さすがに貫禄がついてしまいましたが、控え目で落ち着いた方でした。いくつかの通俗名曲に加え、ヴィルトゥオージティの披瀝として各種の楽器で奏される難曲「ベニスの謝肉祭」までも美音で聴かせてくれました。10数年前なら僕の様なミーハーで会場は一杯になったでしょうに、20席くらいの客席も半分程度、歳月の流れを感じました。

 明日はまた仕事をサボってマリンスキーの「黄昏」です。 

2006年1月14日土曜日

整然とした馬鹿騒ぎ - 金子建志&千葉フィル エル・サロン・メヒコ、シバの女王ベルキス、チャイコフスキー1番

 今日は久し振りに、本当に久し振りに激しい雨。裏日本出身者のせいか関東の冬を過信しており、この時期傘を持つという感覚が無く、全身濡れ鼠。日中の気温は予報より低く10度を下回っていたため凍えました。ただ、夜になって気温はどんどん上昇し、10度を軽々と突破。何と40日ぶりに気温がマイナスにならない日になりそうです。

 友人と相談の上、昨夜入手したマリンスキーの「ジークフリート」は彼に譲り、千葉まで遠征してアマオケを聴いてきました。オケの実演では初めての曲が2つ。チャイコフスキーの1番とレスピーギの「シバの女王ベルキス」。チャイコの1番は終楽章の馬鹿騒ぎで有名な曲ですし、レスピーギも馬鹿騒ぎが得意なので、プログラムのコンセプトは「馬鹿騒ぎ」なのかもしれません。

 30年以上前、たぶん駒大がやってからレスピーギのローマ3部作は吹奏楽コンクールの人気曲。(僕も中学校の時やりました。) その後、ベルキスが人気曲になったらしいのですが、ディスクで聴いた感じ松や祭ほど魅力的には思えません。生で聴くと違うのでしょうか。

 また指揮を執る金子建志氏は、そのFM解説の名調子が好きなので機会があればいつも聴くことにしています。

11月14日(土) 習志野文化ホール
 金子建志指揮千葉フィルハーモニー管弦楽団 コープランド エル・サロン・メヒコ、レスピーギ シバの女王ベルキス、チャイコフスキー Sym1番
 エル・サロン・メヒコも吹奏楽でお馴染みの曲。リズムが重かったです。注目のレスピーギでは、終曲のコーダで舞台裏のTpが舞台袖に出て来てバンダになり、かなりの迫力。少し良さが分かりました。またチャイコの1番と言っても全く曲が浮かばなかったのですが、いざ聴いてみるとそこはチャイコ、聴いたことのあるフレーズばかりでした。また噂の終楽章コーダ、金子氏の解釈はアッチェレをかけたいところをぐっとインテンポに、整然としたクライマックス。ホルンがとてもいい音でした。
 アンコール前にはハープ奏者が二人入場、テミルカノフを始め多くの指揮者が好むあのド派手なアンコールピースか!と期待が高まり、まさにその曲、「くるみ割り人形」よりパ・ド・ドゥ。馬鹿騒ぎプロに相応しい幕切れでした。

 明日は相当暖かい一日になりそうです。

2006年1月12日木曜日

ゲルギエフ&マリンスキー歌劇場のワルキューレ

 朝の冷え込みこそマイナス6度でしたが、昨日同様日中は平年並みの暖かさ。

 これから午後仕事を休んで、マリンスキー歌劇場の「ワルキューレ」。戻りは遅くなるので記事だけ作っておきます。

 戻りました。まあそれなりの演奏でした。

1月12日(木) 東京文化会館
 ワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー歌劇場 ワーグナー ワルキューレ
文化会館でワーグナーを聴くのは初めて。最初の一音から響きのよさに感動、某巨大ホールとは大違いです。友人と席を替わりながら5階の両サイドで聴きましたが、特に右サイドの席では弦の厚みのある響きが聴けました。ゲルギエフの指揮は遅めのテンポながら余り細かくなく、流れに任せる感じ。オケは豊かな響きではありましたが、細部はかなり雑な印象。また、長丁場だからか、常に余力を残している感じで、このコンビにしては迫力が足りない気がしましたが、第3幕になると要所でかなり鳴らしてくれました。オペラは得意分野ではありませんので、歌手や演出については分かりませんが、驚くほど動きも仕掛けも少ない演出でした。

2006年1月7日土曜日

北欧の巨人 - セゲルスタム&読響 展覧会の絵

 すみだでのショスタコ4番の終演が5時20分、芸劇での開演が6時なので、盛大な拍手の中ダッシュで池袋へと直行。無理かなあと思ったのですが乗り継ぎの具合がよく、5時50分には池袋に到着。

 セゲルスタム&読響のコンビを聴いたのは過去3回。マーラーの1番と9番はいい演奏でしたが、家庭Symはいま一つ。今日の「展覧会の絵」はどうでしょうか。因みにチケットはクラシック仲間からの頂きもの。有難い限りです。

11月7日(土) 東京芸術劇場
 レイフ・セゲルスタム指揮読売日響 ムソルグスキー 展覧会の絵、ドヴォルザーク Sym9番
 まずはお目当ての展覧会、読響にしては木管はやや精彩を欠き、弦もいま一つ伸びが無い感じ。セゲルスタムの解釈も大半は個性を感じませんでした。ただ、ビドロ中盤の異常なまでの盛り上がりと、そしてラストのキエフの大門での、弱音部は速めのテンポなのにフォルテになるとチェリビダッゲばりの遅いテンポでの壮大なクライマックス、この2点で満足でした。これら良かった部分を始め、各所でセゲルスタムがスコアに手を入れている感じです。またTpとTbのトップは音色・パワー共に見事でした。
 後半の「新世界」は守備範囲外なのでよく分かりませんが、第2楽章で弦が旋律を担当する部分が綺麗でした。軽めのプロのためかアンコールがあって、スラブ舞曲第2番(かな?)。内声重視のハーモニーで、表情豊かに聴かせてくれました。

 考えてみるとこのコンビ、よかったのはサントリーで、いま一つだったのは芸劇での公演。もしかして、単にホールの問題?それともマーラー向きなのか?いずれにせよ、次の「復活」に期待です。

聴き初めはショスタコ4番 - 大野&新日フィル 

 今年は生誕100年のショスタコーヴィチイヤーということで、新春に4番の公演が2回(大野&新日とアシュケナージ&N響)もあります。が、最安席が3500円と高い!国内オケは2000円が目安なので、入手できないでいるうちに前者の最終日。これでは貴重な4番を聴けない可能性が大です。

 もとより夜にはセゲルスタム&読響を聴きに行くので、昼のうちに出てホール前でうろうろし、お金持ちの方の余り券を恵んで貰う作戦を敢行。首尾良くS席を安く譲って頂きました。4番をプロのオケで聴くのは初めてです。

1月7日(土) すみだトリフォニーホール
 大野和士指揮新日本フィル 邦人現代作品、ショスタコーヴィチ PC1番、Sym4番
ショスタコのPC1番はピアノ協奏曲というより「ピアノ、Tpと弦楽のためのディヴェルティメント」といった趣の楽しい曲。ピアニストのシモン・トルプチェスキは盛大な拍手に応えて自国(マケドニア?)の珍しい曲を披露。そしてお目当ての4番、大野氏の紡ぎ出す音は常に柔らかで、自分の中のイメージとの違いが大きかったです。弱音からよく鳴るフォルテシモまで、ダイナミックレンジの広い表現でしたが、音に厳しさを感じませんでした(特に弱音部)。殊更に深刻ぶらない解釈なのでしょう。その意味終楽章中盤、ヨーロッパ音楽へのパロディみたいな部分ではマッチしてたかもしれません。女性奏者のFgソロが見事でした。

 PC1番終楽章のTpソロに、4番終楽章の唐突なTbソロと同じ味を感じました。拍手もそこそこに、次の会場の池袋へと向かいます。

2006年1月6日金曜日

豪華絢爛、歌う密室劇 - 8人の女たち

鼻のかみ過ぎで粘膜が弱っているのか、強くかんだ拍子に鼻血がドバッ! なかなか止まらないのは実家で栄養を摂り過ぎたせい?それとも同僚のハネムーン土産のチョコを食い過ぎたせい?

 裏日本の雪を尻目に本日も好天。ただ気温は低く、最高3度最低-5度なので平均気温でもマイナスになるのは必至。もうこの冬2度目です(←3度目でした。例年ならひと冬で1、2度)。

 今日も帰省中に観た映画から一つ。鬼才と呼ばれるF.オゾン監督作品を観るのは初めて。しかもミステリー映画としても名高いので、楽しみにしてた作品です。

8人の女たち <'02 仏>
 雪に閉ざされた邸宅で犯人探しが行われる密室劇。登場人物がいきなり歌いだすなど、かなりヘンな作品。ミステリーとしては今ひとつでしたが、C.ドヌーヴ、F.アルダン、I.ユペール、E.ベアール、V.ルドワイヤン、L.サニエなど豪華女優陣の顔ぶれが凄いです。みんな脱ぎっぷりの良い役者さん達ですが、そちら方面はゼロ(残念!)。期待した程ではありませんでしたが、映画に詳しい人なら各種の引用やパロディが分かって面白いのかもしれません。

 オゾン監督作品ならL.サニエのお色気全開の「スイミング・プール」をとにかく観てみたいところ。