2012年4月20日金曜日

インバル&都響のショスタコーヴィチ10番

翌日早朝から合宿だったため、週明けにこれを書いてます、この日はほぼ終日の曇り、朝の気温はやや高め、日中は15度に届かず低めでした。

 夜はインバル&都響のショスタコ、協奏曲には興味が無いためマーラーやショスタコの前座には協奏曲が来ないことをいつも祈ってます。が、そうは行かないことの方が多く、ましてやソリストが人気者だったりすると、一気にチケット高&入手難になって閉口します。

 悲しいことに今夜もそのパターン、ここ半年に聴いたこのコンビの5番4番はどちらも良かったので今回の10番も何とか聴きたい、とヤフオクで連戦連敗しつつも粘って安価入手しての参戦。

 その人気のソリスト辻井伸行、「それでも、生きてゆく」の音楽を担当した際、「穏やかな音楽を重いシーンに配していて独特の緩衝材的効果を出している」と感心して日記に書いたのですが、お正月にやっていた彼のドキュメンタリー(ナレーションは「それでも」の主演、瑛太!)で、映画「はやぶさ」の音楽を担当し、監督の「男達の汗と涙の、熱い音楽」なる要求に応えられず書き直し、次に書いてきた曲もやっぱりほのぼの系、なる一幕を見て、ああ、実はドラマの時も計算じゃなくて、本質的に優しい音楽しか書けないんだ、と腑に落ちた次第。

4月20日(金) 東京文化会館
 エリアフ・インバル指揮都響 ショパン PC1番、ショスタコーヴィチ Sym10番
前半のショパンではTp2本の片方がピッコロだった点と、Tbが1本使われていた点(しかも位置はTpの並びではなく弦バスの隣)が印象的、介助者と一緒に入退場のソリスト辻井伸行は粒立ってコロコロした音の印象。後半はお目当てショスタコ、5番の時と似た印象で、深刻ぶらず突き放しもせず、細部をかっちり彫琢しつつ全体をシンフォニックに鳴らす感じ、第1楽章中盤のクライマックスが壮大、第2楽章は弦こそ激しめながらブラスは抑えめでテンポもやや遅め、第3楽章で何度も奏でられるHrソロの"大地の歌"動機での、しっかりタンギングとスラーとの対比が印象的(要スコアチェック)、終楽章も爆発度はぼちぼち程度ながら密度の高い音響でした。弦に厚みがあり木管ソロはどれも見事、中でも私的MVPは女性Obトップ(新人?)です。

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