2012年5月31日木曜日

受賞作は3度目の正直 - 黒川博行「キャッツアイころがった」

今週から全仏OPが開幕、とは言え4大大会が殆ど地上波で観られなくなった今日、情報遮断しつつ、数日遅れでネットの掲示板に揚がったものをダウンロードし観戦する、というスタイルを今年の全豪から確立、昨夜シャラポワの1回戦を視聴、調子まずまずです。

 ほぼ終日の曇り、気温はほぼ平年かやや低め、一昨日発生した蕁麻疹は静まるどころかますます繁茂、腕と脚には当分痕が残る位にまで成長し、顔にまでちょっと出てくる始末。

 本日は先日読んだ本から、お正月に短編「カウント・プラン」に感心して始めた「黒川博行の本格味の強い初期作を読む」プロジェクト、でしたが第2作「雨に殺せば」がなかなか100円棚に見つからずやや挫折気味、年代順は断念して、3度目の正直でサントリーミステリー大賞に輝いた本作を手に取りました。

 過去2度の落選は主人公(捜査側)が地味、という理由だったらしく、その対策として(当時花形だった)女子大生を主人公に据えた内容となってます。

キャッツアイころがった 黒川博行
 一見無関係な殺人事件に共通するのは残されたキャッツアイ、図らずも関係者となった女子大生コンビ、および複数の警察サイドがそれぞれその解明に挑む過程が多視点で描かれます。ミッシングリンクとしては新奇性はありますが、全体的には第1作「二度のお別れ」より落ちる印象です。
<< 以下100%ネタバレに付き未読の方は飛ばして下さい!! >>
 主人公達が犯人にトラップを掛ける際、その事実と仕掛けは伏せて、犯人の視点から描いた方が終盤にサプライズを演出できてよかった気がします。

 サントリーミステリー大賞の「受賞作はテレビドラマ化」という条件のため、映像受けする内容にしないと大賞を取れない、という弊害が反映されてしまった感がありま

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